「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

成人の麻疹(はしか)は幼児期の過保護?

2007-05-13 05:19:28 | Weblog
首都圏で麻疹(はしか)が流行している。わが"Alma Mater(母校)でも全
学部と大学院が休講となり、1万2千人の学生が19日まで学校を休んで
いる。麻疹といえば百日咳、水疱瘡などと同じように幼児期の病気と思っ
ていたが、最近は成人もかかるようになってきたのだ。

僕は小学校1年の時、麻疹にかかって学校を休んだ。なぜ覚えているかと
いうと、ちょうどそのとき、朝日新聞の「神風号」が東京ーロンドン間を94時
間の記録で飛び日本中が沸き立っていた。僕は病床でこのニュースを聞い
た。昭和12年4月4日のことである。

成人の麻疹罹病(りびょう)率が高くなったのは、幼児期に子供同士の接触
の機会が少なくなってきたからだという説がある。確かに昔に比べて幼児同
士が外で遊んでいる姿を見かけない。母親も自分の子供が病気にかかると、
すぐに学校や幼稚園を休ませる。伝染病の流行防止には、このほうがよい
のかもしれないが、昔流の僕の目には過保護とうつる。

伝染病は幼児期にうつるのがよいのか、それとも成人になって罹病するのが
よいのか知らない。ただ麻疹は幼児病と思い込んでいる世代には、世の中
一般の”幼児化現象”の一つぐらいに見える。

昭和23年、僕が母校に入学したときも母校は6月1日から1か月の休校にな
った。このときは麻疹の流行ではなく、食糧不足からであった。米がなく学生
食堂は閉店、弁当持参もできないほど窮迫していた。この年は結局3か月の
長い夏休みとなった。