「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

端午の節句 羽織の紐丈は何センチ?

2007-05-05 05:04:43 | Weblog
東京のきのうは夏日、大型連休の後半に入っても老人には、こ
れといって行くところはない。家族は皆出払っている。僕も新緑
に誘われて、まだ多少緑の残る皇太子妃の実家方面へ自転車
で出かけた。この当たりは環状7号線が出来るまでは一戸建て
の瀟洒な住宅街だったが、いまは”甍”(いらか)の屋根は消え、
高層の集合住宅に変容した。橘の香りも失せ、鯉のぼりも青空
に泳いでいない。

端午の節句、昔はどこの家でもちまきを食べたものだ。環7が出
きるまでは栄えた、昔ながらの和菓子店で5本が1巻となったちま
きを925円で買った。高いのか安いのかわからないが、子供の時
のあの味だった。

男の子の節句には「鯉のぼり」の歌とともに「脊くらべ」の歌を想い
出す。
            「脊くらべ」
               (作詞海野厚 作曲中山晋平 大正12年)
                
      柱のきずはをととしの 五月五日の脊くらべ 
      ちまき食べ食べ兄さんが 計ってくれた脊の丈 
      きのうくらべりや何のこと やっと羽織の紐の丈

この季節になるといつも歌っている歌だが大正時代の日本が凝縮
している。都会ではもう柱のある家が少ない。”兄さん”のいる家庭
も少ない。羽織の丈といっても着物は今では、女性が成人式に着る
ぐらいだ。いわんや羽織の紐の丈が何センチなのかわからない。
老妻に聞いたら紐の丈はは約二寸、7センチとのことだ。作詞家、海野
厚の家庭は三男四女、いまはそんな大家族は減ってきた。