「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”A級戦犯”元首相孫の参院選立候補

2007-05-17 04:55:04 | Weblog
7月の参院選を前にしてタレント候補がいろいろ取沙汰されている。
安倍総理が出馬を要請した元"24時間テレビ”の女性アナが総理と
一緒にTV画面にツーショットで映っていた。サッカーの有名選手に対
する出馬も噂されている。

大東亜戦争が勃発した時のT首相の孫(女性)も東京地区から立候
補するそうだ。"靖国”という”爆弾”があるだけに自民党も民主党も
彼女の立候補に対しては公認も推薦もせず慎重な態度をとっている。

T首相は敗戦からまもない昭和20年9月11日”A級戦犯”容疑で自
宅に収監にきた進駐軍MP(憲兵)の前でピストル自殺を図ったが失敗
した。T氏の自宅は僕の家の近くだったので、強く印象に残っている。
作家の山田風太郎は当時「”生きて虜囚の辱めを受けることはない”
と戦陣訓を出したのは誰か」と強くT首相を批判している。当時の世論
は、T首相が拳銃自殺に失敗したあげく、敵将に愛刀を贈った行為に対
して轟々たる非難だった。

日本人には過去の戦争に対して様々な想いがある。とくに敗戦直後は、
数百万人の犠牲者をだしているだけに敗戦に対する怒りは、直接、戦争
指導者に向けられた。戦後、T首相家の家訓は”沈黙”だったと聞いた
事がある。今回立候補するお孫さんも戦後苦難の道を歩いてきたと思う。
言いたいことも多々あると思う。しかし、今”A級戦犯”の靖国合祀が問題
になっているときに、あえて”火中に栗を拾う"必要はあるのだろうかー。