「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

中国人の公徳心  ”恒産あって恒心なし”!?

2007-05-20 04:56:57 | Weblog
中国の新幹線”弾丸列車”が走り出して一か月余、最近車両基地で
「一か月点検」をしたところ備品が、ぞくぞく乗客によって持ち去られ
たとIN情報が伝えていた。盗まれたのはトイレのセンサー式蛇口、便
座の調節つまみ、ペーパー・ホルダーの軸、緊急脱出用のハンマー
まで,あるはあるは。
2005年7月中国遼寧省で鉄道ケーブル・ボックスの盗難が原因で30
数人が死傷した事故があった。来年の北京五輪を控え、こんなこと
で大丈夫なのだろうかー。

古代中国の儒学者、孟子の書には”恒産なきものには恒心なし”とい
う訓えがあり、僕も中学のころ「漢文」で学んだ。昭和20,21年ごろだ
った。東京の焼跡を焼け残った車両がやっとのことで走っていた。車
両は荒れ放題、座席の布地は切り取られ、窓ガラスは割られて木枠
がはめられていた。人の心は荒廃していた。

いまの中国はどうなのかー。経済的に大躍進をとげ、空前の景気に
湧いていると聞く。しかし、一方ではコピー製品がでまわり、有害な風
邪薬からペット食品まで海外に輸出している。果たして中国には”恒産”
があるのだろうかー。"恒産”があって”恒心”がなければ、孟子の訓
えは誤りだ。

五輪を控えて中国では"国際形象”を高めようという運動が展開されて
いる。”形象”とはイメージのことだそうだ。”形象”が向上しても”実像”
が伴わなければ、僕は恐くて中国など行きたくない。