「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     19年前の「求人情報」 ファジーの時代

2009-06-04 04:59:59 | Weblog
書庫を整理していたら、本の中から栞(しおり)代わりに使っていた「求人情報」
(平成2年7月2日)のチラシが出てきた。平成2年(1990年)といえば、バブル経
済絶頂期の頃だ。当時住んでいた東京の八王子の新聞に挟まれていたチラシ
である。この年の夏、わが家は今の家に引越ししているので、このチラシは梱包
に使っていたものかもしれない。

「求人情報」は八王子に隣接する相模原市の企業が中心だが、興味深かったの
は、アルバイト、パートの仕事に混じって、まだ「正規」社員の募集があったこと。
時給も700円ー900円、長期(3か月)の場合は1000円ー1200円というのもあった。
19年も前なのに今と比べても、たいして変わりがないことだ。

この年2月には第39回衆院議会選挙があり、自民党の第二次海部俊樹内閣が成
立しているが、この時の幹事長が小沢一郎氏だ。新聞には小沢氏が経済団体連
合団体連合会傘下の企業から300億円の政治資金を集めたと、書いてあった。

この年の流行語の一つにファジー(fuzzy)というのがあった。境界が不明で曖昧とい
う意味だが、今、考えるとこの年は確かにファジーだった。バブル経済の好景気に浮
かれているうちに、いつかバブルははじけ、翌91年から”失われた10年”が始まった。

8月総選挙説が有力になってきた。古い「求人情報」をみて、失われたあの時代をふと
振り返ってみた。ジンクスにならなければよいが。