「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          時計の針が止まったテロ国家

2009-06-10 05:37:18 | Weblog
北朝鮮の中央裁判所(最高裁)が拘置中の米国人女性放送記者二人に対し「朝鮮民族
敵対罪」などで12年の「労働教化刑」を宣告した。「労働教化刑」とは、刑期の間刑務所
で労働しながら服役する罪、いってみれば懲役だ。朝鮮民族に対する敵対行為を働いた
犯罪だそうだが、裁判は非公開で控訴も許されていないそうだ。

まるでソ連(ロシア)のスターリン時代に時計の針が戻ってしまったようだ。ロシアはロマノ
フ王朝時代から帝政に反する政治犯には極刑に処する伝統があるが、スターリン時代には
最も厳しく一説には数百人もの政治犯や捕虜がシベリアのラーゲル(強制収容所)に送られ
強制労働させられた。この中には第二次大戦後の日本人捕虜も含まれ、34万人もの犠牲者
が出ている。

米国の二人の女性記者は今年の3月、中国との国境の豆満江の近くで脱北者の取材をして
いて国境を越え、守備隊に逮捕され「不法国境出入罪」に「朝鮮民族敵対罪」が加算された。
拘束直後は比較的自由に家族との電話なども許されていたようだが、地下核実験後、北朝鮮
の態度が硬化した。

核実験に対する国際社会の制裁が強まるに連れて北朝鮮は、この事件を交渉の材料にしよう
としているのは明白だ。米国のクリントン国務長官は核実験問題とこの事件とは別だとして二人
の即時釈放を求めている。拉致問題もそうだが、テロ国家であり、ならず者国家である。常識が
通用しない。