「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          都会の野鳥の巣造りとガマ蛙

2009-06-28 05:22:32 | Weblog
わが家のベランダから見える隣家の室外器の上の軒下で野鳥が巣造りをしている。
育雛を始めて10日ほどたつが、話題の乏しい老夫婦は最近、この話でもっぱらだ。雛
がピイピイと鳴き出すと親鳥がどこからともなく飛来する。時には母鳥だけ、時にはつ
がいで餌を運んでくる。二人はそのたびにデジカメを構えるのだが、警戒心が強く撮れ
たことがない。

昭和58年発行の「街の自然12か月」という目黒区発行の本によれば、僕の家のある周
辺には79種の野鳥がいるが、僕らの観察が悪いのか、巣造りの鳥がなんだか特定でき
ない。区の鳥はヒヨドリだが、これより大型だ。ムクドリにも似ているが、色と尾が違う。
ツバメなら僕らでもわかる。親鳥たちは僕がラジオ体操から帰る7時ごろ来ることが多い。

わが家のあるあたりは幻の東京五輪(昭和15年)を目当てに開発された古い住宅地だが
最近はめっきり自然が喪失してしまった。昔はどこにでも巣造りできた野鳥もかわいそう
である。モルタル造りの軒下に巣造りするとは!僕が戦争による強制疎開でここへ引越し
てきたときには、まだカマキリもトカゲもウヨウヨいたのに。

こんな自然喪失の中で、なぜかわが家の猫の額のような庭の片隅に代々、ガマ蛙が棲息
している。近くに池も川もないのに不思議である。歳を重ねたためか、昔は関心もなかった
自然界の生きとし生けるものに興味が出てきた。