「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       オバマ少年のいた頃のジャカルタ

2009-11-14 05:37:50 | Weblog
来日中のオバマ米国大統領は6歳から10歳までの少年時代、インドネシア人と再
婚した実母と共にジャカルタに滞在、現地の小学校で学んでいた。僕もその頃、19
67年(昭和42年)だけだが、仕事でオバマ少年の家の近くのホテルで単身生活を
していた。

オバマ少年がハワイから移住してきた当時のインドネシアは1965年9月30日のクー
デター未遂事件後の混乱が、まだ尾を引いていていた。オバマ少年が養父(地質
学者)実母と一緒に暮らしていたジャカルタの家は、メンテンといって、オランダ植民
地時代の古い住宅地だが、ここも政治的、経済的混乱で荒れていた。それに昔なが
らのべチヤ(三輪人力車)が走り、天秤棒の物売りの姿もみられた。多分、ハワイか
らきたばかりの少年の目には異様だったに違いない。

今年の6月、オバマ大統領は訪問先のカイロで演説をしたさい、自分はイスラムのア
ザーアン(お祈りを呼びかける声)の中で育ったと回教への理解を示したが、メンテン
にも古いモスクがあって一日5回のお祈りの時間にはその声が聞かれた。

ホテル住いの僕はべチヤに乗ってメンテンの中華料理店によく出かけたが、その近くに
オバマ少年の通った小学校もあった。日本からの賠償引き当てで建てた当時唯一の高
層ホテルやデパートが出来たばかり(1966年)で、市民の話題をよんでいた。が、一方
では市内に物取りが横行、乞食があふれていた時代だった。オバマ少年の目にはどう
映っただろうか。