「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           オバマ大統領の最敬礼

2009-11-17 06:37:37 | Weblog
オバマ米大統領が天皇陛下を表敬訪問したさいのお辞儀の仕方が外交上不適切だった
と米国の一部マスコミで批判されているそうだ。改めてその写真をみると、長身の大統領
が背を曲げて深々と最敬礼をしている。お辞儀になれない外国人が無器用に頭をさげるあ
の図で、日本人にはむしろほほえましい。

オバマ大統領は4月ロンドンの國際会議でアブドラ・サウジアラビア国王と会談した時も深く
頭を下げたそうで、世界の王室に対して低姿勢すぎるというのである。どこの国でも、変な
狭い見方をする人がいるものだ。日本でも先日、キリスト教もイスラム教も排他的だと批判し
た排他的な政治家もいたが。

オバマ大統領が少年時代を暮したインドネシアでは、天皇陛下のことをkaisarという。神聖ロ
ーマ帝国のカイサルからの転用語である。この国に生活した日本人ならわかるが、インドネ
シアでは日本の皇室に対して非常に親しみを持っている。1962年、今上天皇陛下夫妻がま
だ皇太子時代、インドネシアを訪問したさいには、ボゴール宮殿に1万人の青少年が集まり、
当時のスカルノ大統領が現地語に翻訳した”Bunga Sakura"(桜の歌)を大合唱している。
この歌は戦時中の「愛国の花」が原曲である。

オバマ大統領は1961年生まれ、天皇陛下ご夫妻のインドネシアご訪問時のことはしらないが、
ジャカルタで暮した少年時代(1967年ー70年)は田中角栄総理に対する反日デモ(1974年)以
前で町には親日的な空気がただよっていた時代である。大統領が鎌倉大佛の抹茶アイスクリ
ームの想い出を語ったすれば、天皇ご夫妻がどんな想い出を話されたか興味深い。