「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

    何故帰国するインドネシア看護、介護保健師

2009-11-22 07:05:43 | Weblog
東北の山中の介護老人保護施設でセンター長をしているインドネシア国籍の女医の
方から季節の新米が贈られてきた。彼女のお父さんは、戦争中海軍の軍属として南の
島に勤務中、インドネシア人女性と結婚、戦後すぐ一緒に復員してきた。女医さんは二
人の間に生まれ、日本の医大を出ては博士号を持っている。

先週、日イのEPA(経済連携協定)に基づき来日中の看護師研修生(女性)が来日前に
聞いた話と違い賃金も低いと帰国した、と新聞に出ていた。昨年来日した看護師、介護
保健師のうちすでに4人が健康上の理由などで帰国している。

この制度がスタートする前、僕はこの女医さんと他の日本の博士号を持つインドネシア人
医師から相談を受けた。厚労省の研修事業団体の案、つまり僅か数年で働きながら日本
語を修得し日本の資格試験に合格するのは至難だ、ということだ。お二人の体験から出た
話であり、僕もかって外国人の研修の仕事に従事し、日イ技術小辞典を編纂した経験上、
二人と同じ意見だった。

それよりも、こういった事業を”経済協定”で実施するのが問題である。”心か心へ”(dari
hati ke hati)というのが日イ両国間の友好哲学である。先人たちが長い間、苦労して築き
あげてきたものである。せっかく、こういった女医さんのような格好の方がいるのである。
関係者は真摯に耳を傾けるべきである。