「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

90歳 超高齢者社会のお付き合いの仕方

2015-03-12 06:45:59 | Weblog
大正生まれの先輩たちが15年生まれでも89歳。この世代は、ほとんどが従軍体験を持っている。10数年ほど前、大東亜戦争時のインドネシアの軍政を調べるため、各地の戦友会にお世話になった。その関係で今でも10名を超す方々と年賀の交換をしているが、中でも近衛歩兵三聯隊の池上信雄さん(95)からは人一倍のご協力をえた。世話好きの池上さんは、在京のインドネシア関係の集まりには、必ず顔を出し趣味の写真を撮り、相手にプレゼントしていた人として有名な方だ。

その池上さんから今年は年賀状が来ない。どうされたのか心配していたところ、在京インドネシア大使館のHさんも同じ思いだったらしく家に電話したら、息子さんが出て、父は耳が遠く足腰も弱くなり外出を控えているが、車イスならお会いできるという話だった。早速、それでは、ということになり池上さんの95歳の誕生日会を催すことになった。息子さんが車で車イスの池上さんを載せ、会場まで送迎してくれる。

池上さんの誕生会といえば、顔の広い人だから大勢の方が駆け付けてくれると思うが、Hさんと相談して、ごく親しい方だけに声をかけた。僕は戦場で生死を共にした戦友だけに案内の葉書を出した。101歳のIさんを始めお元気な方もいるが、皆さん耳が遠く電話が通じないしFAXもない。3人の戦友から返事を頂いたが、、皆、今年、池上さんから年賀状が届かず心配していたという。皆さん、老人ホームのお世話になっており参加できないが、池上さんが元気なことが判り、安心したと感謝の返事だった。

高齢になると、だれでも他人の介護が必要になる。しかし、介護側は老人の日常の世話だけで手一杯である。多分、年賀状までは気が回らないに違いない。(それより本人が賀状を遠慮するケースが多くなってきた)しかし、超高齢になっても長年の友情を保つには、周りが出来ればそこまで気配りしなければならないのかもしれない。