「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「一期一会」 出会いの不思議さ面白さ

2015-03-18 05:54:06 | Weblog
「一期一会」(いちごいちえ)という言葉をよく耳にする。茶の湯で一生に一度の出会いを表わす語(三省堂慣用句辞典)だそうだが、人生において人と人との出会いぐらい不思議で面白いものはない。「生活不活発病」予備軍で、あまり社会との接触が少なくなった僕だが、最近、これを改めて実感した。

きっかけは今月初め、20年ほど前、仕事で同僚だった女性のIさんから自宅に電話を貰った。懐かしさからで特別な用件があるわけではなかった。昔話をして電話を切ったが、それから数日して今度は知り合いの外交官OBのTさんから電話があって、知り合いの女性を紹介したいから一緒に会ってくれと、言ってきた。変な予感みたいなものが働いて、僕が女性の名前を聞くと、なんと先日電話を貰ったばかりの女性なのである。

数日後、IさんTさんと会食して共通の話題をして楽しんだが、席上、Iさんから、お母さん(92)が戦争中セレベス島のマカッサル海軍病院の看護婦で今なお健在であり、当時「セレベス新聞」の記者だったKさん(95)とも文通があることを知った。僕は早速、このことを知り合いの「スラウェシ研究会」に伝えた。すると、返事が返ってきて、研究会の長老Aさんと、「セレベス新聞」のKさんとは戦時中マカッサルで通りを隔てた、近くに住んでいた仲だという。Aさんは、女性のIさんとも連絡をとり、たまたま持っていた海軍病院の集合写真をコピーして贈った。今月末、AさんはKさんと70年ぶりに再会して懐旧談を楽しむことになった。人の出会いは不思議で面白い。