「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

内戦状態のイエメン 半世紀前のタイズの写真

2015-03-24 05:24:47 | Weblog

イエメンのシーア派武装組織「フーシ」派が、同国三番目の都市、タイズの国際空港を占拠、支配下に置いたという。7か月前、「フーシ」派のクーデターによって首都サヌアを追われたハディ大統領は現在、南部の港湾都市アデンに暫定的に居住しているが、タイズは、そのアデンから150キロの地点にある。現地からの報道だと、アデンの大統領暫定住居もすでに銃爆撃を受け、まさに内戦状態だ。

53年前の1962年11月、僕はイエメン王国が崩壊したクーデター取材のため当時英国保護領だったアデンから空路サヌアへ向かったが、情勢が悪化し、途中のタイズ空港で降ろされてしまった。このため、アデンに陸路引き返さざるをえなかった。上の写真はその時のものである。道らしい道はなく、乾燥したワデイ(川床)の上で、車は何回もエンコした。

国連の潘基文総長は”我々の目の前でイエメンは崩壊している”と他人事のように言っているが、国際社会が支持しているハディ政権は崩壊寸前の危機にある。首都サヌアでは「フーシ派」への反撃なのだろうか、スンニ派を自称する「イスラム国」(IS)がシーア派のもモスクを爆発140人もの死者がでている。宗派と部族対立とが二重にも三重にもからみ、ぼくら異教徒に理解できない。国際社会はハディ政権をいつまでも支持できるのであろうか。