「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”竹馬の友”の「おび天」の土産と飫肥杉

2015-03-25 05:43:00 | Weblog
近くに住む70年来の”竹馬の友”が家族旅行で九州に行ってきたと宮崎県日南名物の「おび天」を届けてくれた。「おび天」とは日南市の飫肥(おび)地方の名物の揚げ物である。江戸時代、飫肥城の殿様が、一度城内巡幸の際食べて”これは美味い”と推奨されたという、伝統的な食べ物だ。名前が「えび天」ではなくて「おび天」なのが面白い。

20数年前、僕はJICA(国際協力機構)の研修コーディ―ターとして途上国の林業研修員を連れて飫肥を訪れたことがある。飫肥は旧藩時代、財政難から杉の植林に力を入れてきた関係で、この地方で伐採される杉材は良質で、とくに造船材として有名だった。しかし、戦後安い外国材が輸入されてきて以来、飫肥はかってのような賑わいはなくなっていた。

ところが、最近この飫肥杉が注目されてきているという。韓国へ建築材として輸出され始めた。韓国は伝統的に森林資源に恵まれないそうだが、ここへきて建築ブームで、室内の装飾財として飫肥杉が人気なのだとのこと。韓国の森林自給率は10パ―セントだというから、これからの潜在的な需要も期待できそうである。

東京に住んでいると、政府が力を入れている「地方創生」が目に見えないが、飫肥のように着実に創成に努力している所もある。月並みの発想だが、政府は”地方創生”コンクールみたいな催しをして、毎年、地方創生に成功した市町村や事業主を表彰したりしたらどうか。農業大賞とか農業コンクールもあるが、これを全産業に当てはめて行ってはどうだろうか。”創生””創生”と叫んでも何かインセンテイブがあったほうがよい。