「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

孫たちのLCC(格安航空)海外旅行とアルバイト

2015-03-16 06:07:39 | Weblog
男孫の二人が今、春休みを利用してLCC(格安航空)で海外旅行を楽しんでいる。上の孫は大学を卒業、4月から就職する最後の休みで欧州へ。下の孫は友人たちとバリ島でマリンスポーツをエンジョイしている。二人ともアルバイトで貯めたカネで出かけているようだが、60数年前、僕が同じ大学生だった時代には考えも及ばなかったことだ。

アルバイトは、ドイツ語の「arbeit」(労働)から来ている言葉で、戦前から一部の大学生の間で隠語として使われていたようだが、一般に使用されるようになったのは戦後すぐの時代だ。僕も大学(予科)に入った昭和23年の夏休み、初めてアルバイトをした。当時、多摩川べりにあった玉川プールで、お客の脱いだ衣類をザルに入れて預かる仕事であった。考えると、この時代にはまだ、ロッカーなんかなかったのだ。

戦後すぐのこの時代は貧しかった。学生のアルバイト先も簡単にはなく、友人たちの中には売血して生活していた者もいた。食料難の時代で、地方から来ている学友の中には、週末故郷に帰り、お米や野菜を仕入れて“ヤミ屋”まがいのアルバイトをしていた。それに比べれば、今の学生たちは恵まれている。上の孫は、自分が世話になった進学塾の講師をし、下の孫は近所のスーパーで働いて旅行費を捻出したようだ。僕らの時代のアルバイトは、生活がかかっていて”悲壮感”があったが、今はそんなことはない。好い時代だ。

ただ心配なのは、欧州へ行く上の孫が利用したLCCが中東の航空会社の事だ。「イスラム国」(IS)に近い国経由で行くのである。冗談ながら、親たちは”国に迷惑をかけることはするな”と、きつく申し付けている。