「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

新宿発高速バス 上野発夜行列車

2015-10-02 04:19:18 | 2012・1・1
老妻が生まれ故郷の長野の小学校を出て70年の同窓会に出席する。これに同行して今日二人で新宿から高速バスで出かける。所要時間は3時間55分で、新幹線より2時間半ほどかかるが、何も急ぐ旅ではない。年金生活の僕らにとっては、値段が安いのが何よりだ。往復二人で1万5千円も安くなる。

62年前、僕が学校を出て、初任地の長野へ赴任した時は上野発の夜行列車だった。確か上野駅を午後11時過ぎの夜汽車に乗り、長野に着いたのは早朝5時近かったような気がする。6時間もかかっていたのだ。その後信越本線が全線電化され特急列車が走るようになっても2時間半は要していた。それからみれば、高速バスンp3時間55分ぐらい、どういうことでもない。

62年前,僕が赴任した新聞社の長野支局は、県庁近くの下宿屋の二階の一室にあった。十畳の部屋に机と椅子が三つ置いてあるだけだった。午後7時過ぎ長野版の締切時間がすぎると、押し入れから布団を持ち出して執務室が僕の寝室に変った。四六時中、僕は宿泊勤務をしていたようなものだが、当時宿泊代を貰ったかどうか定かではない。しかし、当時大学出の初任給は8千円程度だったが、僕は1万2千円貰っていた。そこから下宿屋へ朝晩の食事代として3千円支払った。

62年過ぎ、当時一緒に働いていた仲間は1人をのこして皆、な亡くなっててしまった。老妻が同窓会に出席している間、僕はこの友人と昔を語る。下宿屋の執務室で、近くの酒屋から一升瓶とクジラの大和煮の缶詰を取り寄せ談論風発した時代が、ついこの間のように思われるのだが。