「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

後期高齢者が参加できない「一億総活躍会議」

2015-10-25 06:03:06 | 2012・1・1
「一億総活躍会議」を検討する民間議員メンバー15人が発表になった。会議が動き出す前からイチャモンつけるのは不謹慎かもしれないが、経団連会長、商工会議所会頭、何の会議にも顔が出てくる元総務相などなど、要職にある人が多く果たして、内閣が最重要視する問題の実質討議が出来るかどうか疑問だ。

先日テレビを見ていたら、民主党の蓮舫代表代理が、千葉県幕張にある日本年金機構の一人の入居者がない職員住宅を視察していた。施設の老朽化から入居希望者がなく4年間放置されたままになっている。色々と問題がある年金機構である。民主党得意の”仕わけ”戦法には格好の材料だが、最近の安倍内閣を見ていると、”アベノミクス”の三本の矢だとか、”地方創生””一億総活躍”など掛け声だけで、実際の政治が動いていない印象を受ける。

「一億総活躍」社会実現の一環として首都圏90か所の公務員住宅後に、特別養護老人ホームなどの事業者に優先的に土地を貸し出すという。新聞記事だけ読むと結構の話だが、事業者が果たして、土地の提供を受けただけで特養ホームを建設するだろうか。かりに建設したとしても、そこで働く介護のスタッフなどはどうするのか。

特養老人施設入りを希望している老人は52万人いるという。政府は在宅介護を優先させているが、家庭で実際に老人を介護する家族は大変である。地域包括センターを中心とする介護体制が十分だとは思えない。介護現場の声や、直接の後期高齢者の声が政策に反映しているとは思えない。「一億総活躍」を目指すのなら会議のメンバーに後期高齢者も参加させるべきである。