「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

神嘗(かんなめ)祭と「ハロウイン」

2015-10-17 06:50:40 | 2012・1・1
10月17日は「神嘗祭」といって昭和22年は国の祭日で学校は休みであった。それを知っている日本人は75歳以上の後期高齢者だけになってしまったが、皇室では宮中祭祀の一つとして、その年収穫された稲の初穂を天照大神(あまてらす.おおみかみ)に奉納する儀式が伊勢神宮で行われている。

戦後ある時期から国民の祝日は”休み”が先行して、あまり意味のない国祭日が多くなってきた気がするが、戦前は四方拝(1月Ⅰ日)紀元節(2月11日)天長節(4月29日)明治節(11月3日)の四大節のほか、国の祝日は春季皇霊祭(3月21日)神武天皇祭(4月3日)秋季皇霊祭(9月24日)神嘗祭(10月17日)新嘗祭(11月23日)大正天皇祭(12月25日)の六つにすぎなかったが、うち二つ、神嘗祭、新嘗祭が秋の収穫に関係するものであった。

昔、英語の教科書で”Thanks giving day"を学んだ。17世紀の初め、英国からマサチェーセッツに入植した清教徒が初めての収穫に感謝したのが”Thanks giving day"の祭日のいわれだというものだった。洋の東西を問わず秋には収穫に感謝する祝日が多い。今や、日本の若者たちの間で定着してしまった「ハロウイン」もそうである。もとはといえば、、ケルト人たちが秋の収穫を祝い悪霊を追い払うための仮装であったという。日本でも村の秋祭りには”オカメ”や”ヒョットコ””ハンニャ”の面でお神楽が奉納されている。

老人の過去への郷愁かもしれないが、わが国に収穫に関係のある祝日が一つもないのは残念である。また、昔は昔ながらの神社仏閣のお祭りや行事が庶民の身近にあった。ところが、最近はそれに変わって「ハロウイン」といったタグイの異国の催しが大手を振って横行しはじめてきた。これも悲しく残念なことである。