「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

小春日和 子福桜が満開の砧公園

2015-11-07 05:40:42 | 2012・1・1
明日、11月8日は暦の上では立冬だが、昔からわが国では立冬前後には暖かい春のような陽気が続き「小春日和」と呼んでいる。一昨日、この小春日和に誘われて、近所に住む70年来の友人二人と連れだって弁当持参で東京の砧(きぬた)公園へ散策に出かけた。

東京ドームの恐らく数十倍はある広い公園はまだ紅葉には早かったが、千本近くあるケヤキ林は晩秋のたたずまいを見せ、シラカシの木の下では親子連れがちいさなどんぐり拾いを楽しんでいた。よく手入れされた芝生近くに植えられてある、1年に2回花を咲かせる子福桜は今が満開である。子福桜はバラ科のサクラ属の外来種との混合種だそうだが、春と晩秋から冬にかけてのこの季節に白い可憐な花を咲かせる。

「小春日和」は北米でも同じ陽気があり”インディアン.サンマー”と呼ぶそうだ。インディアンが間もなくやってくる冬に備えて暫しの休息を楽しむ季節だという。また、比喩的にこの季節を人生の晩年にたとえ、暫しの安息を楽しむ季節だともいう。僕ら80歳半ばの三人は、大げさに言えば、地平線が眺めラられるような芝生の一角のベンチに座り、”こしかた”と先が見えてきた”ゆくすえ”について話し合った。まさに”インディアン.サンマー”のひと時であった。

砧公園は昭和15年の皇紀二千六百年の祝賀記念として当時の東京府が緑地として造園したものだが、戦争中は食糧増産のため畑になり、戦後も一時期ゴルフ場として使用されてきた。このため一般都民に公園として開放されたのは比較的歴史が新しい。このためか都民にあまり知られていないが、こんな都心に近い場所で自然が楽しめるなんてもったいない穴場である。