「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

老人施設転落事故と厚労省の監督責任

2015-11-15 06:27:01 | 2012・1・1
昨年川崎の有料老人施設で相次いで3件も起きた老人の転落事故について、行政側がどんな結論を出すか注目していたが、川崎市は同施設の運営会社に対して3か月の介護保護報酬請求停止と新入居者受け入れ禁止処分にした。はっきり言って、これだけの事故を多発させながら、この程度の処分は軽すぎるのではないだろうか。3件も短期間に類似の事故が起きたのは、施設側の介護体制に問題があったのは確かであり”業務上過失致死”にも相当すると思うのだが。

偶然なのかどうなのか判らないが、この処分が発表になった同じ日の新聞に川崎の施設と同系列の東京都内の40施設で、過去5年間に714軒も事故が発生しており、このうちの6割が東京都に未報告だったとの記事があった。事故の中には川崎と同じ転落事故や職員の虐待による骨折、打撲、自殺などが含まれている。ネット上には、同じような事故が、同系列の千葉や豊中でも起きている。

これらの施設の本社は岡山市にあり、その傘下に直営やフランチャイズ制をとる老人施設が307もある。言ってみれば、有料老人施設の大手である。全国の他の施設は大丈夫なのだろうか。かりに全国の施設共通の間違った経営理念や、建物の構造上の欠点があるのではないか。これだけ事故が多発しているのである。監督官庁の厚労省は何をしているのかといいたくなる。307か所の全施設に対して、再発防止のため、一日も早く特別査察を実施すべきである。さもないと、役所と会社との間に何か癒着があるのではないか疑いたくなる。