「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「習馬会」の会談の成果と金門馬祖

2015-11-08 06:09:56 | 2012・1・1
1949年(昭和24年)の中台分離後初の首脳会談(習馬会)が7日閉幕した。何も共同声明は出なかったが、会談後習近平.中国主席が記者会見で”中国と台湾とは一つの中国である”という1992年の共同合意を再確認した旨強調し、現在、両岸(中台)の関係は最も平和で安定していると述べた。こんな原則論は会談前から判っていたことだ。やはり、、会談の狙いは、来年1月の台湾総統選挙を控えて劣勢が伝えられる馬英九国民党へのバックアップであり、野党民進党への”けん制球”ではなかったのではないか。

会談後の夕食会で,馬英九総統は持参した台湾の馬祖産の紹興酒を習近平主席にお土産として差し出したという。それで思い出されるのは、1958年の金門馬祖島砲撃である。中国本土から最短2キロにある金門馬祖は、台湾から百数十キロ離れているにも関わらず台湾が実効支配している。当時、中国はこれに対して8月から10月にかけて44日間、連日砲撃を繰り返し、国際問題化したが、結局、国連安保理の勧告もあり、国際世論に負けて中国は砲撃を中止した。

現在、金門馬祖へは両岸から自由に渡航でき、観光地となり当時の砲弾の鋼でつくった包丁が島の名物になっているそうだ。金門馬祖砲撃には470,000発の砲弾が撃ち込み帰属を主張したのに今は、その主張はどうなっているのか。、もちろん今回の会談では帰属問題は議題にもならなかったようである。”一つの中国”であり、台湾もそうだからという訳なのかもしれない。

今回の首脳会談の結果が1月の台湾総統選挙にどう影響するだろうか。馬英九.国民党が進める「以経促統」政策が勝利するか、それとも中国との間に一歩おく野党民進党が政権に帰り咲くか注目される。