「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

パリ.テロリストの「カミカズ」自爆行為とアラブ人の死生観

2015-11-18 05:56:00 | 2012・1・1
パリのテロリストの自爆犯についてフランスの新聞は、日本の神風特攻隊に模して「カミカゼ」を「カミカズ}と誤って使用しているようだ。フランス文化については門外漢だが、一般的にフランス人は一回限りの人生だから現世を楽しもうという人たちが多いと聞く。だから自分の生命を絶ってまで聖戦(ジハード)を叫ぶアラブ人の気持ちは理解できないに違いない。

これに対してアラブ人は逆な死生観の持ち主が多いみたいだ。何回かこのブログでも引用させて貰っている「アラブ人気質と性格」(サニア.ハマディ著 笠原佳雄訳 サイマル出版 1977年)には”禁欲主義”とう一章の中で次のように記述している。

「アラブ人は厳しく、満たされない環境の中で生活している。自分の可能性を伸ばしたり社会的地位を明確にするチャンスはほとんどない。来世にのみ救いを見出している。だから現世に価値を認めず、将来によりよい状態を期待するわけだ。彼らは死を考えた時にだけ喜びを感じる。アラブ人は常に人間はこの地球に短い間しかいられないことを口にし、しばしば死を考える」

カーター米国務長官が今回のテロについて”文明対文明の戦いではない。文明対野蛮の戦いである”と述べていた。確かにその通りである。かりにアラブ人が現世を否定し来世に期待する死生観の持ち主であっても、他人の生命まで奪う行為は野蛮であり許せない。犯人はフランス国籍のようだが、アラブ人であり、アラブの血が流れている。彼らの死生観はどこから来ているか。やはり砂漠がもたらす貧困ではないだろうか。