「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本の大学学長の入学式式辞は日本語で

2016-04-06 05:38:30 | 2012・1・1
東京工業大学の三島良直学長が入学式で”世界で活躍できる人材育成”の一環として英語で式辞を述べられたという。、これをめぐって賛否両論があるようだが、僕は反対だ。三島学長は2030年までに東京工業大学を世界のトップテンにしたい意向のようだが、それと入学式の英語による挨拶とは別問題である。

文部科学省が最近行った全国の中学3年、高校3年生を対象にした「英語力」調査が新聞に出ていた。文科省は調査に当たって、中学は英検準3級、高校は準2級を目標値としたが、その達成率は、中学全国1位の千葉県で52.1%、高校1位の群馬県でも49.4%と目標値の半分にちかい。文科省は小学校での英語の必須化するなど力を入れてきているが、この結果である。

この調査で判った成果といえば、目標達成率上位県での共通点は授業が英語で行われている学校が多いということだ。僕はこの点については理解できる。戦後間もない60数年前の話で恐縮だが、僕が学んだミッション系の大学の予科では、週に英語の授業が12時間あり、外国人の神父のほとんどが英語で授業をしていた。一方、教科書といえば、旧制中学時代の難しい教科書に比べて易しい文体の子供用の読本を使用した。最近は判らないが、日本では、昔から大学入試用の難解な”特別な”英語が、日本人の英語力向上のの妨げになっている気がするのだが。

この点、僕は三島学長の意図することには理解出来、賛成である。出来るのならば、学内の授業は国際語である英語で行っても反対ではない。しかし、東京工業大学は、日本の国立大学であり、学長が入学式に外国語で挨拶する必要はない。国立大学の中には式場に国旗掲揚がない大学もあると聞くが、東京工大については知らない。