「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

リオ五輪派遣水泳選手権大会 古橋選手の記録に想う

2016-04-11 06:07:00 | 2012・1・1
東京辰巳国際水泳場で7日間に渡って開催されていた全日本水泳選手権大会が昨日終わった。リオ五輪への派遣選手を決める大会とあって、NHKも連日実況放送していたが、それだけの価値はあった。久しぶりに僕も興奮した。結果として34人(男女それぞれ17人)の派遣が内定したが、これは前回ロンドンよりも7人多く新鮮な顔ぶれである。

全日本選手権というと、僕は昭和23年7月東京の神宮大会で古橋廣之進選手が1500M自由形で世界記録を出して優勝した時のことを想い出す。当時、日本は国際水泳連盟から除名されていて、折からロンドンで開かれていた五輪に参加できなかった。それではということで、日本の関係者は、五輪の1500M決勝と同じ日に全日本の決勝を持ってきた。古橋選手は期待に応えて当時の世界記録を破る記録で,五輪優勝者の記録を上回った。

記録とは別に、僕が今回感動したのは、アテネ、北京と二回の五輪で平泳ぎ金メダルを取った北島康介選手(33)がリオ五輪にも挑戦したが、記録に及ばず、引退を表明したことだ。テレビで若い選手に混じって懸命に泳いでいる姿は素晴らしかった。古橋選手は昭和27年、戦後日本が初めて参加したヘルシンキ五輪に、国の期待を背負って出場したが、7位に終わった。選手として盛りをすぎていたのである。"スポーツ”寿命は誰にでもあリ仕方がないのだ。

驚くのは水泳記録の目覚ましい更新である。64年前の古橋選手の400M自由形の世界記録は4分33秒4であったが、今回の選手権で同じ種目で優勝した五十嵐千尋さんの記録は4分12秒86で、古橋選手の記録より大幅によいが、これでもリオ行きの切符はつかめなかった。僕も古橋時代、インターカレッジで神宮プールで泳いだことがあるが、当時の記録は今の学童記録よりはるかに悪い。ここにも歳月の流れを感じる。