近所に住む老妻のフラ仲間から”おすそわけ”ですと、信州から届いたばかりの山菜を頂戴した。(写真)”たらの芽””こごみ””あぶらこし”である。同じ信州でも善光寺のお膝元の町中で育った老妻は、それほど山菜は詳しくない。とくに頂いた”あぶらこし”については食べたことがない。いわんや東京生まれ、東京育ちの僕には初めて見る山菜である。
早速ネットで調べてみたら”あぶらこし”は”たらの芽”と同じウド科の大樹の芽で、その名前の由来は昔、この芽の樹脂を濾して漆と同じように塗料として使われていたとある。夕方、老妻がネットのレシピに従って,おしたし用に茹で、残りを天ぷらにして食べたが美味であった。
戦前、戦火が激しくなる前の昭和10年代の前半には、東京の区部でも”原っぱ”があり摘み草が出来た。僕も姉たちと一緒にヨモギを摘み、家で草餅を作って食べた。東京でもまだ多少、食からの季節感もあったが、今は全くそれがなくなった。先日、NHKラジオの「深夜便」を聞いていたら山形県戸沢村からの”日本列島くらしの便り”の中で山菜採りの喜びを語っていた。季節感喪失の都会人にとっては羨ましい。