五月五日は「こどもの日」の休日だが、僕が子供だったあの戦前昭和の端午の節句の頃の季節感は年々東京の空から消えてきた。高台のわが家からでさえ五月の空に鯉のぼりひとつ泳いでない。第一その前に甍(いらか)の波が消えてしまった。わが家にも鍾馗(しょうき)さまなどの武者人形はあるのだが、ここ数年屋根裏の物置にしまったままだ。いわんや、今年はこのコロナ騒ぎでステイ.ホームだ。昨日、老妻が買い物へ行くといので、チマキを頼んだが近くの店にはなく、代わに柏餅を買ってきてくれた。端午の節句の僅かな昔の香りがした。しかし今年は菖蒲湯には入れそうもない。