「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         大阪生れの韓国大統領

2007-12-21 06:48:16 | Weblog
新しく韓国大統領に選ばれた李明博(イ・ミョンバク)氏は1941年12月、日本
統治時代の大阪生れだという。それを聞いて、彼に何か親しみを感じたのは、
僕だけではないだろう。不幸な時代だけに彼が日本に対して、どのような感情
を抱いているかは知らないが、今の大統領よりは親近感がある。

あの時代を多少僕は知っている。”チョウセン、チョウセンとパカにするな同じ
メシ食ってトコ違う”-この差別的な言葉を僕はまだ覚えている。僕は個人的
には朝鮮人を蔑視したことはない。むしろ家の近くに住んでいた古鉄商一家の
チマチョゴリの民族衣装やゴム靴が懐かしく想い出される。当時は皇国史観の
時代で”神宮皇后の三韓征伐””豊臣秀吉の朝鮮征伐”であった。上記の悪意
の戯れ言も、この蔑視感によるものだろう。

数年前、天皇陛下が桓武天皇の生母は百済王の出だと発言した。とても統治
時代には考えられないことだ。この発言を待つまでもなく、僕らの周囲には仏
教をはじめ文化、芸術、言語など両国間の歴史の長さを示すものがる。統治時
代は、このようなことを口にすることさえ禁句であった。

先日、家に遊びに来た小学6年の孫が1970年代、ザ・クルセーダーズが歌った
「イムジン河」を聴いてていた。もちろん、彼は北朝鮮の歌とも知らないし、歌の
意味もしらない。キムチや焼肉がこれほど日本人に好まれるようなったのは戦
後それも昭和30年代後半になってからだ。数年前からは「韓流」ブームも始まっ
てきた。李明博大統領の誕生で、新しい日韓時代の到来を期待したい。

    黙っていてはいけない「従軍慰安婦」決議

2007-12-20 05:41:26 | Weblog
またまた「従軍慰安婦」に対する非難決議である。7月の米下院、11月のオラ
ンダ、カナダ両下院についでEU(欧州議会)決議である。これに関連して産経
新聞のコラムニストが「やれやれ。こうした反日的な政治運動は一切、これを
無視するのが最良の対応という見方がある。多分そうだろう」(12月7日同紙)
と落胆していた。しかし、果たして”無視”するのが最良の対応だろうかー。

僕の知り合いが主宰する「主権回復を目指す会」から早速、コラムニストを批
判するメールが届いた。同会は12月13日、在京のオランダ、カナダ両大使館
に街宣デモをかけ「従軍慰安婦」に関する両国議会の反日決議に対する抗
議文書を手渡した。(http://jp.youtube.com/shukenkaifuku1) 7月の米下院
決議のさいには超党派の一部の政治家を中心に米国の有力紙に反対の意
見広告をだした。が、今回は政治家もマスコミも沈黙したまま。外務省がどん
な動きをしたのかー一般にはわからない。

産経のコラムは”気高き戦場の慰安婦”というタイトルで戦中の慰安婦と兵隊
との関わりを書いているが、それも当時の一面であろう。しかし、最も大事なの
は米国や欧州が決議している「従軍慰安婦」が存在しないことだ。どうせ外国人
には言っても解らないと、腰を引くのは歴史に対して忠実ではない。EU決議は
法的拘束はないが、5億のヨーロッパ民意の代表機関の決議である。間違った
世論に対して”多分そうだろう”というのは敗北主義で、言論人として許せない。


        疑問だらけの「ねんきん特別便」

2007-12-19 07:02:14 | Weblog
社会保険庁が17日から「ねんきん特別便」を受給者3000万人,加入者7000万人
を対象に発送を始めたという。この特別便は来年10月まで段階的に順次、対象
者に送られるそうだが、わが家にはまだ届いていない。社保庁の過去のズサン
のツケが、国民に回ってきたわけだが、後期高齢者のせいかいま一つわかりにく
く疑問だらけだ。

政府の広報オンラインや社保庁のHPをみると、今回の特別便はコンピューターの
名寄せで有力な手がかりが見つかった250万人(300万件)から逐次開始すると書
いてある。僕もその通りだと理解していた。ところが毎日新聞によると、来年3月ま
でに届いた人は”要注意”だという。この人たちは、コンピューターで探したところ、
記録もれがあったため、まず照合が必要なのだという。

僕の場合は平成9年1月、社会保険庁長官名で再発行された「国民年金 厚生年
金保険証書」(手帳ではない)を持っており、統一基礎年金番号と年金コードがる。
ほとんど問題のないケースだと思うが、なぜ社保庁は、このような問題のない年金
証書所持者から問題の解決に当たらないのかー。いやしくも長官名で発行された
証書である。それとも証書所持者は特別便から除外するのかー。

社保庁のHPをみると「年金記録のお知らせに関するQ&A」は(準備中)とある。こ
れでは疑問があっても問合せが出来ない。普通はどんなQがあっても万全な答え
が出来る態勢になってから物事を始めるものだがー。


福田総理の羽子板      

2007-12-18 06:08:06 | Weblog
「年の瀬」を探しに昨日、浅草寺境内の羽子板市を見に行った。毎年師走の17、
18,19の三日間、観音さまの仲見世から仁王門にかけて50軒ほどの羽子板を
売る店がでて暮れの風物詩となっているーとモノの本に書いてあった。だが、東
京生まれ、東京に育ちの僕にとってはは初めての羽子板市だ。

羽根つきが正月の女の子の遊びだったのは何時頃までであったろうかー。戦前
東京ではどこの横丁にいっても女の子が晴着の袂をひるがえして羽をつき、その
音が露地にこだましていた。負けて額に墨を塗られた笑顔も懐かしい。そんな情
景は今や東京では見られない。

羽子板は今や部屋の装飾品化したようだ。ミニュチュアだけを売っている店もあっ
た。ただ押絵の主流はやはり昔ながらの歌舞伎物が多い。その中にあって世相
を反映する羽子板を扱っている店もあった。しかし、今年は一年を代表するような
突出した人物はいない。アニメのキャラクターに混じって福田総理と中曽根元首
相のものが売られていたがいま一つ人気がないようだ。

初日の昼間のせいか人出の割には、羽子板は売れていない。残念ながら勇ましい
手締めの声も聞けなかった。羽子板市はもともと歳の市から始まったのだそうだが
すべてに季節感が失われた現在、僕はあまり歳の瀬を感じなかった。時代の推移
かそれとも僕自身が年をとったせいなのかー。あるいは景気が原因なのかもしれ
ない。


           年賀状の”千秋楽”

2007-12-17 06:02:32 | Weblog
昨日の日曜日、年賀状の"第一弾”を書き上げポストに入れた。"第一弾"とい
うのは、自分の生きている”証し”を親しい人にだけ送るという意味だ。相手方
には大変失礼だが”第二弾”は新春になって頂戴した方に送る心算だ。

昨年まで僕は約200人の方に年賀状を出していたが、今年頂いた賀状の一枚
に「この賀状をもって千秋楽にさせて頂きたくお許しのほどを」と書いてあった。
小学校、中学校を共にした友人からである。

加齢とともに”喪中”の葉書が多くなってきた。今年は24枚も届いた。それに加
えて加齢により年賀の交換も煩雑と思える方も見受ける。僕は昨年まで、普段
の無沙汰を詫び、生きる”証し”にできるだけ多くの人に賀状を出していたが、
今年は相手のことも考慮し”第一弾”は半分に絞った。

民営化された日本郵便(JP)は、昨年度の約37億枚より多くの年賀郵便葉書を
用意したそうだ。昭和24年から始まったお年玉つきの制度は、日本の正月行事
として定着したように見える。が、果たして今年はJPの思惑どおりに行くだろうか。
メールで年賀を済ませる若い人も多くなっていると聞く。一枚50円の葉書でも百
枚出せば、5000円である。パソコンで印刷できない老人には「私は贈ります」(JP)
と言われても簡単には贈れないし送れない。”これをもって千秋楽”としたい高齢
者がいるのもうなづける。





    「偽」の霜降り馬刺 ”けとばし屋”の櫻鍋

2007-12-16 06:13:38 | Weblog
今年の漢字は「偽」だというが、ここへ来てまたぞろ「偽」の字にふさわしい
"霜降り馬刺”が登場,公正取引委員会から「景品表示法」違反(優良誤認)
として大手居酒屋が摘発された。”国産霜降り”として客に出していたが、実
際は輸入の赤身肉に脂を注入し"霜降り肉”にみせかけて売っていた。

馬肉なんて昔は、特定の地方以外そんなに食べたものではない。東京では
吉原遊郭の周囲の”けとばし屋”ぐらいだった。”けとばし屋”では遊郭に登
楼する客を"元気づける”ために櫻鍋を出していた。櫻鍋は馬肉の色が桜色
しているのが由来だが、すき焼きの味噌仕立てのようなものだ。馬刺しもあっ
たが、あくまでゲテモノであった。"霜降り肉”は牛肉からきた名称だが、最近
の名前。今でも浅草の馬肉料理店の味の評価は☆☆。

その昔、馬肉は”朝鮮征伐”の文禄,慶長の役の際、加藤清正軍が食の補給
を絶たれ軍馬を食べたのが始まり。そのためか清正の領地だった熊本が今で
も馬肉をよく食べる。そのほか、かって馬産地だった信州、会津、青森の上北
地方でも盛んだ。50数年前、学校を出て初の赴任地の長野で僕ははじめて櫻
鍋を食べたが、その味は今でも忘れられない。

冷凍技術の発達した今、日本で出回っている馬肉はほとんどが輸入肉、それ  
もカナダ産だそうだ。”霜降り肉”なんて高いカネを出して珍重するような代物
ではない。馬肉はやはり"けとばし屋”の櫻鍋にかぎる。



         増える? 職場いじめ

2007-12-15 06:15:47 | Weblog
職場いじめ(パワハラ)が増えているという、東京都産業労働局が受け付けた
労働相談のうち職場いじめの占める割合が平成9年には2.3%だったのが、1
8年には4.6%と倍増している。日本産業カウンセラーが受けた相談のうち78%
が職場いじめだった。職場いじめが原因で自殺に追い込まれたケースもあり、
労災と認定されている。

神奈川県の出納長(女性)が辞任に応じなかったため、給料を減額され、部屋
を変えられた。新聞によれば、出納長はこれは職場いじめだと訴えているという。
出納長という職は、地方自治法の改正で廃止され、全国的にも東京都、大阪府
など39都道府県で廃止されている。神奈川県でも辞任要求が出ているが、出納
長は、これを拒否し職にいつずけている。出納長は特別職で、知事には解職の
権利がなく、任期満了までは"合法”なのだという。出納長の月給は95万円だが、
これを来年2月から72万円に減額しようという案が今県議会に出ている。

出納長のケースが果たして職場いじめなのだろうかー。現在、どこの県でも出納
は電算化され、出納長の仕事はほとんどない。減額されても72万円という月給は
どう考えても多すぎる。果たして、これが職場いじめといえるのかどうか。

サラリーマンOBとして、現役時代を振り返ってみると、確かに”職場いじめ”はあっ
た。しかし、それは先輩から後輩への教育的意味合いのもので、伝えられる今の
ような陰鬱なものはなかった。いわんや、自己中心の、自分の利益に反するもの
はすべて”いじめ”と訴えるような人間はいなかった。



          湯たんぽが売れています

2007-12-14 06:09:55 | Weblog
友人の経営するドラグストアの店頭で赤い色のプラスティック製の湯たんぽが
売られていた。友人の話では、この冬はお年寄を中心によく売れている。多分
原油高による灯油の値上がりで、夜間、石油ストーブの代わりに湯たんぽを使
う人が増えているのではないかという。

僕らの世代には、湯たんぽは炬燵(こたつ)、行火(あんか)と並んで懐かしい。
湯たんぽの「たんぽ」は湯婆(tanpo)と書き,その起源は中国だそうだ。すでに
室町時代には日本に渡来していたという記録がある。子供時代に使った湯た
んぽはねずみ色したブリキ製で、それぞれの家庭で火傷をしないよう、自家製
の布のカバーをつけていたが、それでも一度や二度、火傷をした苦い想い出が
あるものだ。

あんかは「行火」と書くそうだ。もともとは旅行用のこたつだったそうだが、僕ら
の子供時代には就寝時の炬燵がわりに使っていた。黒い陶器製で、中に木炭
や炭団(たどん)豆炭(まめたん)などを入れていた。炭団は炭の粉を丸めて作っ
たおにぎり状の燃料、豆炭は炭団より形は小さく円盤状で火力が強かった。

都会では昔ながらの家屋が減り、戸障子を使わなくなった。”すきま風”の寒さ
も昔語りになった。部屋の中の暖も電気炬燵が多くなったが、石油ストーブの家
も多い、石油情報センターの最近の発表では、灯油1缶(18㍑)は1755円と6週
連続値上がりしている。北海道のような寒冷地とは違うが、やはり灯油の値上が
りは家計を直撃している。独り暮らしの老人などは湯たんぽで自己防衛しなけれ
ばならない。

        年金 無能な役人 政治家の詭弁

2007-12-13 06:14:34 | Weblog
国民は来年3月の年度末までに「年金」は解決されるものと思っていた。だって
国のトップが「最後の一人に至るまで記録をチェックし、正しく年金を支払う」と
自信にみちていっていたし、自民党のビラも「”宙に浮いた”5000万をゼロに」
と書いていたのだから当たり前だ。

ところがである。「あれは意気込みだ」とか「参院選前に”簡素化"したものだ」と
閣僚が言い出し、福田総理まで「公約違反といったものではない」と言い出した。
開き直りもいいところだ。詭弁である。これでは国民は選挙の公約やマニフェスト
など信じなくなる。

それにしても社保庁の役人はなにをやっているのだろうか? 5000万人の年金が
”宙に浮いている”とされてから、かれこれ1年になる。それなのに今になって
そのうちの1945万件が特定できないという。僕の記憶が正しければ、年金証書を持
つ受給者には今年中にに確認の問合せがくる筈だが、まだ届いていない。

僕の手元に亡父の「国民年金福祉年金支給停止通知書」がある。昭和37年7月都
知事からきたもので、年額12000円の老齢年金(無供出)を中止する。理由は扶養義
務者(僕)が政令が定める金額以上の所得税を納付していたからだ。当時新聞の購
読料が月450円だからたいした額ではない。しかし収入のない老人には大きな額だ
ったに違いない。

それより僕がいいたいのは、この停止通知書に添えて国民年金給付係りの方が手
書の手紙で停止理由を老人にも理解できるように書き、自分の印を押していたことだ。
半世紀前の役人には仕事に温かみがあった。今の社保庁の役人は、自分には無関
係な問題なので温かみはおろか、無能力といわれても仕方がない。

           「謝罪」のこの一年

2007-12-12 06:07:19 | Weblog
テレビのニュースを見てイヤなのは、何人かの男たち(時には女性)がガンクビ
そろえて”申し訳ない”と頭をさげるシーンだ。本人たちの自由意思なのか、テレ
ビ会社のヤラセなのかー。みっともない。不思議と頭を下げると、薄くなった髪の
毛だけが印象に残る。

今年一年を代表する漢字の候補に「謝罪」の「謝」の字が上がっていた。確かに
この一年振り返ると、安倍前総理の突然の辞任に対する国民への謝罪、小沢民
主党代表の辞任声明を一日で撤回した「謝罪」茶番劇。ミートホープ、赤福、不
二家,北の家族、船場吉兆などなどの「偽装」への謝罪。政治家では柳沢前厚労
相の”女は産む器械”久間前防衛相の”原爆仕方がない”失言への「謝罪」など。

テレビ・タレントのジローラモ氏も2007年を振り返り、日本全国ひたすら謝っている
絵しか浮かんでこない、と新聞のコラムに書いていた。なんでも謝ればすむ、という
ものではない。安倍前総理は訪米のさい、する必要もない「慰安婦」問題で謝罪を
繰り返した。こんなに「謝罪」が多いと、あとで舌を出しているのではないかと疑い
たくなる。

そうかといって、今回の年金処理をめぐる政府の”開き直り”をみると「謝罪」の気持
など毛頭ない。参院選で安倍前総理が先頭にたって、年度内解決を公約していたの
に、あれは”選挙”用だった、と詭弁を使っている。「謝罪」の気持ちすらなくなったの
か、あるいは、このように”開き直る”のがよいかー。問題は「謝罪」するようなことを
しないことなのだが。