「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        アフガン援助 ”何のためになるか”

2009-11-20 06:19:20 | Weblog
屋根裏の書棚を整理していたら"積んで置く”だけだった本の一つ「アフガニスタン
の農村から(大野盛雄著 岩波新書1971年)が出てきた。鳩山政権が5年間に最
大50億ドルを支援すると約束している折であり、何か示唆に富む視点でもあるかと思
って目を通してみた。

この本の副題は”比較文化の視点と方法”とあり、著者らの調査団がアフガンの農
村に滞在した記録であるが、色々とアフガン文化理解の示唆に富んでいる。例えば
著者が訪れた農村でよく耳にした「ツ=バイダ」という言葉だ。著者によると、現地語
で"何のためになるか”という意味のようだ。

鳩山政権のアフガン支援は従来の海上自衛隊によるインド洋での給油停止に代わ
る民生支援のようだ。その内容は反政府タリバン元兵士の社会復帰や首都カブール
の再開発インフラ整備が柱となっている。

来年度の予算編成に当たっての"仕分け会議”が賑賑しく開かれているが、対外援
助のこういった巨額の支出は"仕分け”しないでよいのか。昨日カルザイ大統領がニ 
期目の就任式を行ったが、現地からの報道によれば、カルザイ政権の前途多難で中
でも政権の汚職体質が國際社会から強い批判を浴びている。クリントン米国務長官で
すら、この問題について政府がきちんと説明しなければ、援助しない”といっている。

依然として10万人もの駐留外国軍に頼らざるをえないほど治安が悪い国だ。日本の
民生援助が本当にアフガンに役だつのなら良いが、それが一部の閣僚のポケットに
消えてしまうのではそれこそ"何のためになるか”判らない。


          閑古鳥が鳴く大相撲の不人気

2009-11-19 05:57:13 | Weblog
昨日大相撲の相撲中継を見ていたら玉の海梅吉の銅像が生まれ故郷の長崎県大村市
に出来たことを伝えていた。双葉山の69連勝の頃、怪力関脇といわれた名力士だ。戦後
も長い間、独特の精神論をまじえてた相撲解説で人気があった人である。僕は子供だった
頃、よくこの人のメンコを買ってきて遊んだものだった。

ところがである。テレビ画面に流れてきたのは、玉の海梅吉ではなく、戦後大鵬時代に活躍
した第51代横綱、玉の海正洋の土俵だった。悲劇の横綱で、中耳炎をこじらして28歳の若さ
で早逝している。すぐ誤りと判り、画面をストップして謝罪しているが、軽率である。相撲は日
本の国技であり、伝統のスポーツである。相撲の楽しみの一つは過去の名力士の想い出を
語ることでもある。

大相撲がつまらなくなって久しい。今場所も初日からテレビ棧敷でみているが、大入満員の垂
れ幕が下がった日は一日もない。それどころか、中入り後の館内も空席が目立ち閑古鳥が鳴
いている。先日も相撲の解説者が、土俵の解説ではなくて、いかにしてお客を呼び込むかの自
説を披露していた。

たしかに相撲は面白くなくなった。横綱二人が外国人で、五人もいる大関も二人までが外国人。
それも毎場所そのうちの一人が負けこしている始末。ご当地力士の応援も良いが、度がすぎて
いる。変にショッキリまがいの仕切り態度も、オールドファンには気になるところだ。九州場所に
は暴力団取締りのために警察官が常駐しているとのこと。まさか不入りの原因がこんなところに
あるとは思いたくはないのだがー。

         朝日新聞の内閣支持率

2009-11-18 07:00:59 | Weblog
朝日新聞社が11月14,15日に実施した全国世論調査(電話)によると、鳩山内閣の
支持率は62%で、前回10月に比べ”微減”だったとのこと。内閣発足直後には9割以
上あった(同紙付け16日朝刊)のだから僕にいわせれば"続減”だと思うのだが、昨
日の同紙コラム「天声人語」は"9割以上”の数字ではなく71%を使っている。自分の
原稿に都合のよい数字を使用するのであろうか。

理解できないのは、官僚依存を改める鳩山内閣の取組みを支持する人が69%もいる
のは解るにしても斉藤次郎・元大蔵事務次官が日本郵政の社長になったことが内閣
の掲げる"官僚支配打破,天降り禁止”に矛盾していると答えた人が59%もいることだ。
民主党支持者は要するに、この問題についてどうでもよいのだ。

鳩山内閣の年金・医療政策を評価している人が48%もいたのも驚きだ。新内閣になっ
て何か進展があったのであろうか。年寄りからみれば公約の「後期高齢者医療制度」
の廃止は2年後に延期され、それも具体案も示されていない。年金問題も掛け声だけ
で宙に浮いたままだ。

行政のムダについての取組みを評価する人が76%もいたのは当たり前である。ムダを
支持する者などいない。行政刷新会議の"仕分け”のパーフォーマンスに目を奪われて
いるにすぎない。どれだけ節約できたのか実際の数字をみなければ評価できないのだが。
マスコミの実施している世論調査はなにか恣意的にみられてならない。

           オバマ大統領の最敬礼

2009-11-17 06:37:37 | Weblog
オバマ米大統領が天皇陛下を表敬訪問したさいのお辞儀の仕方が外交上不適切だった
と米国の一部マスコミで批判されているそうだ。改めてその写真をみると、長身の大統領
が背を曲げて深々と最敬礼をしている。お辞儀になれない外国人が無器用に頭をさげるあ
の図で、日本人にはむしろほほえましい。

オバマ大統領は4月ロンドンの國際会議でアブドラ・サウジアラビア国王と会談した時も深く
頭を下げたそうで、世界の王室に対して低姿勢すぎるというのである。どこの国でも、変な
狭い見方をする人がいるものだ。日本でも先日、キリスト教もイスラム教も排他的だと批判し
た排他的な政治家もいたが。

オバマ大統領が少年時代を暮したインドネシアでは、天皇陛下のことをkaisarという。神聖ロ
ーマ帝国のカイサルからの転用語である。この国に生活した日本人ならわかるが、インドネ
シアでは日本の皇室に対して非常に親しみを持っている。1962年、今上天皇陛下夫妻がま
だ皇太子時代、インドネシアを訪問したさいには、ボゴール宮殿に1万人の青少年が集まり、
当時のスカルノ大統領が現地語に翻訳した”Bunga Sakura"(桜の歌)を大合唱している。
この歌は戦時中の「愛国の花」が原曲である。

オバマ大統領は1961年生まれ、天皇陛下ご夫妻のインドネシアご訪問時のことはしらないが、
ジャカルタで暮した少年時代(1967年ー70年)は田中角栄総理に対する反日デモ(1974年)以
前で町には親日的な空気がただよっていた時代である。大統領が鎌倉大佛の抹茶アイスクリ
ームの想い出を語ったすれば、天皇ご夫妻がどんな想い出を話されたか興味深い。

          心配な戦争体験の風化

2009-11-16 05:12:15 | Weblog
釜山の室内射撃場で火災が発生、観光旅行に来ていた雲仙市の30代後半の日本人
8人が死亡した。なんとも痛ましい事故である。韓国では簡単な手続きで実弾を撃てる
こういった室内射撃場が釜山だけでも4か所もあり、お客の大半は徴兵制がなく実弾を
撃ったことがない日本人の若い男性だそうだ。

10月24日の小ブログは首都圏に住む40代の男性2人がミクロネシアまで出かけ、海底
に沈んでいた旧日本軍の艦艇や零戦から銃弾や砲弾を拾い日本へ密輸入していたこと
を紹介したが、戦争体験世代にとっては、これと今回の釜山の事故との間に何か共通点
を感じた。それは戦争を知らない世代の意識下に兵器への興味を通じて戦争への期待
感があるのではないかという心配である。

先日、即位20周年式典に先だつ記者会見で天皇陛下は”心配なのは次第に過去の歴
史が忘れられて行くことである。過去の歴史的事実を十分知って未来に備えることが大
切だ”と挨拶されていた。陛下の真意は解らないが、歴史の風化は僕も感じている。

今や日本人の4人に3人は戦争を知らない世代である。先の戦争では310万人もの日本人
が犠牲になっている。先日、激戦地から遺骨を収集して帰国した厚労省の職員が空港の
カートの荷物台の上に遺骨を他の荷物と一緒に運んでいたという。戦争中英霊の遺骨を
駅頭まで”海ゆかば”を歌いながら迎えた世代にとってはとても考えられないことだ。

     いくつになってもお免状は嬉しいものだ

2009-11-15 04:43:10 | Weblog
昨日,近くの都立高校で行われていた生涯学習の一環「スペイン語初級」講座を
無事終え”enhorabuena por cumplir el curso espanol"(修了証)を頂戴した。い
くつになっても”お免状”は有難く嬉しいものである。

毎週1回、僅か2時間、それも7週間だけの講座では、進歩のほどはたかが知れて
いる。半世紀以上も昔「スペイン語4週間」を買ってきて独学した頃が懐かしい。改め
て今回、遠い記憶の中から動詞の変化を想い出して口にしたが、傘寿に届く年齢で
は、昔のようにすぐには覚えられない。

でも有難いのは、昔と違って教材の進歩だ。購入した教科書にはネーティブの吹き
込んだCDが付いている。語学の勉強は、読むだけではなく口に出し、それも短期に
集中的に学ぶことだと聞いた。錆付いた頭がどこまで動きだすのかー。認知症予防
にも役立つかもしれない。

半世紀の歳月の流れを感じたのは、昔買った辞書にはない単語がいくつかあった。
携帯電話(mobil)パソコン(ordernador)E-メール(emailes)などだ。日本語の辞書だ
って50年前には、こういう言葉はなかったのだから当たり前のことだが。



       オバマ少年のいた頃のジャカルタ

2009-11-14 05:37:50 | Weblog
来日中のオバマ米国大統領は6歳から10歳までの少年時代、インドネシア人と再
婚した実母と共にジャカルタに滞在、現地の小学校で学んでいた。僕もその頃、19
67年(昭和42年)だけだが、仕事でオバマ少年の家の近くのホテルで単身生活を
していた。

オバマ少年がハワイから移住してきた当時のインドネシアは1965年9月30日のクー
デター未遂事件後の混乱が、まだ尾を引いていていた。オバマ少年が養父(地質
学者)実母と一緒に暮らしていたジャカルタの家は、メンテンといって、オランダ植民
地時代の古い住宅地だが、ここも政治的、経済的混乱で荒れていた。それに昔なが
らのべチヤ(三輪人力車)が走り、天秤棒の物売りの姿もみられた。多分、ハワイか
らきたばかりの少年の目には異様だったに違いない。

今年の6月、オバマ大統領は訪問先のカイロで演説をしたさい、自分はイスラムのア
ザーアン(お祈りを呼びかける声)の中で育ったと回教への理解を示したが、メンテン
にも古いモスクがあって一日5回のお祈りの時間にはその声が聞かれた。

ホテル住いの僕はべチヤに乗ってメンテンの中華料理店によく出かけたが、その近くに
オバマ少年の通った小学校もあった。日本からの賠償引き当てで建てた当時唯一の高
層ホテルやデパートが出来たばかり(1966年)で、市民の話題をよんでいた。が、一方
では市内に物取りが横行、乞食があふれていた時代だった。オバマ少年の目にはどう
映っただろうか。

        ”仕分け会議”か”仕置き会議”か

2009-11-13 05:16:19 | Weblog
来年度の予算要求のムダをなくそうと「行政刷新会議」が行われているが、なんの
意味があるのだろうかー。予算要求にムダがあるかどうかは本来国会で審議すべ
きであって、職務権限もない民間人、しかも外国人まで入れて公開討議すべきでは
ない。民主党得意の”大向う”を狙ったパーフォーマンスにすぎない。

テレビで文科省関係の”仕分け”の一端をみたが、まるで役人を被告に仕立てた”公
開処刑”裁判だ。”被告”席の役人の女性が”一方的に話をしないで”と苦情を申し立て
ていたが、”仕分け人”の女性議員の鋭い目はまるで、お仕置きする役人みたいに僕
には映った。

昨日2日目の会議で16項目・基金で6271億円が国庫に返納できた、と新聞がその”
成果”を伝えているが”仕分け人”の目にはムダにみえても僕の目にはなぜ削るのか
解らないものもある。例えば初日の「国土の景観形成事業」の廃止だ。先祖伝来伝わ
ってきている棚田を、ムダという物差しだけで壊してしまってよいものか。”仕分け人”
をどいう基準で選んだのかしらないが変な合理主義者だけでは日本文化の破壊である。

”霞が関のバカども”と菅副首相が発言したそうだが、役人はバカどもばかりだろうかー。
”バカ”といわれれば誰でも怒る。官僚との対立図だけを強調して何になるのか。鳩山
総理の哲学は”友愛”だったはずだが。”仕分け会議”は対立を煽るだけで醜い。


     ”宙に浮いた年金”はどうなっているの!

2009-11-12 05:12:04 | Weblog
あれだけ騒がれた”宙に浮いた”年金問題はどうなったのかー。解決に向かって
いるのだろうかー。昨日僕の手元に社会保険事務所から「親展」で封書が届いた。
なんと昨年10月「速達」で届いた”ねんきん特別便”に対して僕が回答した、その
再回答である。

「親展」の”期限照会についての回答”には”ご照会いただいた名称、所在地、年
代では該当する記録が判明しませんでした”とある。一年前、僕が照会したのは
僕の年金記録に昭和58年10月、倒産した通信社に代わって、勤務したこともない
日本信販(株)=当時=の記録があるが、どうなのかという点であった。ところが送
られてきた回答には,上記のように通信社の所在が判らなかったとだけ書いてある
だけだ。

なんでこんな”木で鼻をくくった”ような回答に1年もの時間がかかるのだろうかー。
僕の場合は受給年金総額には影響ないと思うので、これ以上追及しないが、こん
な調子で”宙に浮いた”年金を調査していては、解決はいつになるのかわからない。
僕のケースは解決済みなのかそれとも”宙に浮いた”ままなのか。

”Mr.年金”こと長妻厚労相が年金問題の不正を定提起した労はおおいに買うが提
起しただけではダメだ。解決策はどうなっているのかー。無責任な言い方だが、もう
過去の問題にはピリオドを打ち、次世代の年金制度をどうするのかに全力投球した
ほうがよいのではないかー。

     市橋達也 身体髪膚(はっぷ)を毀傷した罰

2009-11-11 06:29:22 | Weblog
英会話講師の英国人女性の遺体を放棄した容疑で指名手配されていた市橋達也が
昨日、大阪のフェリー乗場で逮捕された。事件当時とは整形手術して顔形を変えてい
た。僕はこの事件発生直後、小ブログで2回にわたり、事件の國際性と残虐性から一
日も早い解決を望み、犯人の自首を訴えた。その意味では市橋が2年半も逃げまわっ
ていたのは残念だ。

僕は市橋は親からもらった身体を勝手に変えてしまった当然の報いだと思っている。昔
習った漢文に「身体髪膚これを父母に受く、あえて毀傷せざるは孝の始めなり」(孝教)
というのがあった。市橋はこれをあえて毀傷したのだから孝の始めどころか不幸の始まり
である。しかも他人の身体まで毀傷しているのである。

音楽ファンには怒られるかもしれないが、先日不自然死したマイケル・ジャクソンの顔もそ
うである。整形に整形を重ねたあの顔は、やはり創造主の怒りを買ったに違いない。

僕は整形外科そのものを否定するわけではない。火傷などの痕跡を整形したり出産時の
不自然な顔を治したりするのは当然である。しかし、なんのために鼻を高くしたり、一重ま
ぶたを二重まぶたにするのだろうか。それにしても今回の事件を通じて、整形手術がカネ
を出せば、こうも簡単に行われるのかを知って驚いた。こういった手術は、果たして仁術と
呼べるのだろうか。