その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ウインブルドン 10kマラソン

2010-03-16 07:26:50 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)
 2月は体調不良で、エントリーした大会を2つも欠場しているので、何としてでも出たいレースでした。しかし、この日も危うく欠場するところでした。

 原因は自分ではなく、ロンドン名物の地下鉄の信号機故障。目的駅のウインブルドンまであと1駅と迫ったところで、列車が駅でストップ。15分程待った挙句のアナウンスは「信号機故障で復旧の見込みが立ちません。(きっと日曜日の朝でエンジニアが誰もいないのだろう)。列車を降りて近くのバスを使ってください。」結局、バスに乗ってウインブルドン駅へ。そして、予定では更にバスに乗り換えるのだけど、それではとても間に合わないので、タクシーで急行。丁度、同じような境遇のランナーがいた(服装と靴で仲間かどうかはすぐわかります)ので、相乗りで割り勘で。予定ではスタート1時間前に到着するはずだったのに、着いたのはスタート15分前でした。危ない、危ない。最近慣れてきたとはいえ、こういう気合いが入っているときに外されると、本当に頭にきます。

 スタートと大会本部はウインブルドンラグビークラブ本部。さすが、ラグビーの本場、イギリス。ラグビーの専門の練習グラウンドが5面もありました。壮観です。




 今日のレースは10キロ。10キロは練習でも走っている距離なので、今日は「なり」で走るのではなく、少し自分なりにピッチを速めて走ろうと考えました。スタート前の風景です。


 最初の1キロはスタート直後の混雑とかで6分もかかりましたが、その後のラップは5:03, 4:39, 5:03, 5:55, 5:03, 5:16, 4:38, 4:37, 5:00で手持ちの時計52:06でゴール。一生懸命走ったかいがありました。いよいよ春到来かと思わせる素晴らしい天候と、ウインブルドンの高級住宅街の中を走るのは、とても気持ちが良いです。




 今日の参加者賞はメダル。メダル・コレクターとしては嬉しい限りです。


これから、どんどん走るのが楽しい季節になってくるので、楽しみです。

 2010年3月14日
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ROH タメルラーノ (Tamerano)

2010-03-15 02:25:51 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 最近、どうもボケている。この日も2つのポカを。一つはカメラを持って行ったのはいいものの、部屋で充電中だった電池を入れ忘れており、バッテリーなしのカメラを持って行った。アホか?二つ目は、予めあらすじをチェックしたつもりだったのが、読んでいたのは同じヘンデルでも違う”Tolomeo”というオペラ(何か字面が似ているでしょう?)。第一幕を見ながら、「うーん。どうも話が通じん」と一人で唸っていたら、一幕後の休憩で持参したあらすじを見て初めて自分の誤りに気付いた。情けない・・・。

 まあ、こんな話はどうでもいいのだが、舞台はとっても良かった。ヘンデルのオペラは初めてで、モーツアルトとかベルディとかワーグナーとかのその後の時代のオペラに比べると、淡々としているというか、劇的さに欠けるところはあるが、違うものだと思えば気にもならない。目を閉じて静かに聞き入るようなオペラだった。(目を閉じた理由はもう一つあるのだが・・・)

 演奏が素晴らしかった。今日のオケは、オーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトメント。古楽器が奏でる音色とハーモニーにうっとり。指揮のIvor Boltonは指揮とハープシコードの二役。弦楽器主体の演奏は雅な雰囲気満載で、これぞOAEの真骨頂という感じだった。

歌手陣も聞かせてくれた。Andronico役を務めたSara Mingardoが特に良かった。この人は今回Bチームで、Aチームの人との比較はできないが、第二幕の最後のアリアを歌う姿は歌の女神に見えた。あと、Aチームで歌うはずだったドミンゴの欠場でA,B両チームでフル出場となったKurt Strei(この日はもともとBチームの日なので、予定通り)もパワフルかつ美しいテノールだった。Irene役の Renata Pokupicもとってもパワフルな歌声で、際立っていました。

休憩入れて四時間半は長いが、美しい音楽に包まれ、至福の時間を満喫した。

 残念だったのは自分の席。今日は4階席のアッパー・ライト。オーケストラの音はとっても良く聴こえたが、舞台は半分しか見えず、高さも上半分が見えないので、視界は実質四分の一。結構、シンプルであるが、舞台を立体的に使う演出だったようだけど、全然、見えず、声だけが聞えてくる場面多数。音楽の美しさもあったので、しばしば目を閉じ、音楽に集中した。14ポンド席なので文句は言えないが、なんかコンサートに行ったような気分。

 「こういうバロックオペラもなかなか良いものだなあ」と一つ勉強になった。

Saturday, March 13 6:30 PM

Credits
Composer:George Frideric Handel
Director: Graham Vick
Designer: Richard Hudson
Lighting Designer: Matthew Richardson
Choreography: Ron Howell

Performers
Conductor: Ivor Bolton
Tamerlano: Christianne Stotijn
Andronico: Sara Mingardo
Bajazet: Kurt Streit
Asteria: Sarah Fox
Irene: Renata Pokupic
Leone: Vito Priante
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ロンドン 春よ、来い~

2010-03-14 07:16:37 | ロンドン日記 (日常)
 今年の冬は本当に長い。3月に入ってから、多少天気も良くなり、陽が長くなってきたものの、まだまだ寒く、マフラーが離せない。去年の記録を見たら、3月9日の投稿で「桜咲く」とある。なんという違いだろうか。

 ここ数週間、なかなか軽い風邪が抜けなかったが、今日は朝からン何となく走りたい気分だったので、久しぶりに走った。少しでも春の気配が感じられたらと思い出発。

 そしたら、少しだけ見つけました。ハイドパークで、花を。






 でも木々のつぼみはまだまだ。(この写真じゃ、わかりませんが・・・)


 いつもの池の写真。


 春よ、来い~

 2010年3月13日
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おニュー・スーツ到着

2010-03-13 08:25:57 | ロンドン日記 (日常)
 1月12日に職場販売に来たスーツ屋さんにオーダーしたスーツがやっと完成。採寸、仮縫いを経て、2か月後の正式ご対面です。

 正直、いろいろ不安がありました。オーダー後、「初めてのスーツをオーダーしたぜ~」と廻りに触れまわっていたら、イギリス人の同僚からは、「ちょっと、その値段(400ポンド以下)は安すぎだ。オーダースーツはふつう1500ポンドから。裁縫を途上国でやっているからそんだけ安くなるんだろうけど、まあ、当たり、外れがあることは覚悟しておいた方がいいよ」と言われました。また、仮縫いで袖を通した時は、どうもしっくりこず、「何だ、採寸までした割には窮屈だなあ。生地もサンプルで見るのと、ジャケットになって出来てくるのじゃまるで違うなあ。まあ、安いからしょうがないか」と完成前に半ばあきらめムード。

 なので、今日の出来上がりも、怖さ半分でした。

 ただ、出来上がりを試着すると、「そんなに悪くないじゃない」と一安心。たしかに肩幅とかは今までのスーツに比べると、良く言えばしっかりしているし、悪く言えば、多少窮屈ですが、「これがブリティッシュスタイルだ」と言われれば、そんな気もしてきます。販売員のアンチャンに言わせると、「オーダーもんは1カ月着れば、体にしっかり馴染みますよ。馴染んだら、もうレディメイドのスーツは着られませんから。ハイ」と自信たっぷりに言い切ります。「分かった。信じるからね」と自分に言い聞かせるように話し、納品完了。

 さあ、1ヶ月後にどうなているでしょうか?楽しみです。
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ロイヤルオペラハウス 日本公演

2010-03-12 07:50:24 | ロンドン日記 (日常)
 会社の休憩室においてある日経新聞を見ていたら、ロイヤルオペラハウスの日本公演の宣伝が載っていた。今年の9月に来日し、「マノン」と「椿姫」をやるそうです。マノンはネトレプコ嬢が出演するんですね。チケット争奪戦がすごそう。

 世界五大歌劇場のひとつ!とキャッチフレーズにありましたが、世界5大歌劇場なるものがあること、ROHがその一角を占めているというのは初めて知りました。あとの4つはどこなんでしょう?まあ、ミラノ・スカラ座は筆頭として・・・

 ただ、値段を見てびっくり。S席5万4千円。一番安い席が12000円。一体どのような方がS席を買うのだろうか?54000円(360ポンド)なら、日本で通っていたラーメン屋のラーメン90杯分!!!!いくらなんでも高すぎやしませんか?土曜日に行くROHの私のチケットは14ポンド。日本に帰ったら、絶対洋モンのオペラは見れないのだろうなあ~。今のうちに、観だめしておこっと。

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『ローマ人の物語 5 ハンニバル戦記(5)』 (塩野七生)

2010-03-11 07:32:09 | 
 昨年夏にこの巻を読んで以来、「ローマ人の物語」は一休みが続いていたのですが、最近、再開。この巻は8ヶ月前に読了したままになっていたので、簡単な感想だけ。

 ハンニバルとスキピオの対決を描いた本巻は、手に汗握るドラマ。一気に読めます。これが2000年以上前の出来事ですから、それを再現する作者のリサーチ力や筆力もすごい。

 ローマとカルタゴの間に結んだ講和に絡めた筆者のコメント

『戦争という、人類がどうしても超脱することのできない悪業を、勝者と敗者ではなく、正義と非正義に分けはじめたのはいつ頃からであろう。分けたからといって、戦争が消滅したわけもないのだが』

 なるほど、確かに・・・

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バーミンガム 2時間観光

2010-03-10 05:59:20 | 旅行 海外
 土曜日のバーミンガム遠征の記録です。

 13:20ロンドンEuston駅発の長距離列車でバーミンガムへ。今まで乗ったイギリスの鉄道の中では、一番、近代的な雰囲気の列車Virgin号でした。スピードも速いです。新幹線とまでは行かないけど、ユーロスターよりは速いんじゃないないだろうか?バーミンガムまで216Kmを1時間40分で走ってしまいます。


 バーミンガムはイギリスでロンドンに次ぐ都市ということもあり、非常に活気がある街の印象を受けました。第2次大戦で街のかなりを空爆を受けたということで、新しい近代的なビルがいくつも建っています。そして、大きなショッピングセンターやマーケットがあり、おしゃれなティーンと思しき若者達もたくさん闊歩してます。なんか日本の仙台とかに街の雰囲気は少し似ているような印象。ただ、その割には街の繁華街はさほど広くなく、歩いて廻れる規模です。


 街のシンボルなのでしょうか?いろんな人がこの写真を撮っていました。


 この日のメインは夜のコンサートなので、疲れない程度に、興味のあるところだけつまみ食い観光しました。まずは、バーミンガム美術博物館へ。




 お目当ては、ラファエロ前派の絵です。知らなかったのですが、ラファエロ前派と親交が深かったエドワード・バーン・ジョンーズはバーミンガムの出身だそうです。美術館内にはジョーンズ・ルームがあり、その他にラファエロ前派の絵を集めた部屋が2部屋あります。習作も含め、いろんな作品が展示してありました。ラファエロ前派好きの人には、ここだけでもバーミンガムを訪れる価値があるかもしれません。ロンドンの美術館同様、ここも無料なのも嬉しいです。
   

 どこかで見た絵も。テート・モダンにある絵ですが、同じ絵が3枚あり(プロセルピナ)、その一枚とのこと。(左からロセティの「ベアタ・ベアトリクス」と「プロセルピナ」)


 美術館に続いて、エドワード・バーン・ジョーンズ作のステンドガラスがある2つの教会を訪れました。まずは、セント・マーティン教会へ。普通の教会ですが、一つだけあるステンドガラスだけは輝いていました。大戦時には、空爆の予想があり、教会関係者がステンドガラスを非難させたそうです。取り外した数日後に、空襲があり、教会のその他の窓は全て破壊されたとのことでした。戦災の生き残りと思うと、一層、見る思いが強まります。


 続いて、セント・フリップ教会へ。こちらは東西の両面の壁に立派なジョーンズ作のステンドガラスがありました。こちらのほうが、派手です。






 これ以上、寒い中歩くと、コンサート時に居眠りに陥るのが確実なので、適当に切り上げ、バーミンガム市交響楽団の本拠シンホニーホールへ向かいました。現代風で、とっても派手やかなホールでした。




 2時間ちょっとのバーミンガム観光でしたが、どのガイドブックにも観光名所についてはあまり触れられていないので、ビジネスの街、生活の街のようです。ただ、限られた範囲ではありましたが、お店の人、ホテルの人、美術館の人、コンサートホールの人などなど、少し接触があった人たちは、皆、とっても愛想の良い、親切な人たちでした。都会ではあるけど、何か温かみのする街です。

 2010年3月6日訪問
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スリランカ系イギリス人

2010-03-09 09:46:27 | ロンドン日記 (日常)
 日曜日は職場の有志で午後テニスをしました。天気は良かったものの、風が強く、ちょっと難儀。参加の男性陣の中では自分が一番下手で、ちょっと肩身が狭かったです。

 テニス終了後、コートの近くにある、今回のイベント発起人であるスリランカ出身の同僚の家に、お招きを頂きました。ロンドン北部の閑静な住宅街にある戸建はとても素敵なお家でした。敷地や建物の広さや、庭は日本のものと比べてもさほど大きいという感じはしませんでしたが、綺麗で整った家具や調度品などのインテリアは暖かい家庭生活を窺わせるものでした。一緒にいた日本人の若手女性社員は「うらやましい~。夢のようなマイホームですね~」と感動していました。

 驚いたのは、同僚の部屋に通してもらったら、昔のフィールドホッケーのユニホームやメダルや写真が綺麗に飾ってあります。もう30年近く前の写真らしく、どれが本人だかは全く見分けがつかないのですが、かろうじて背番号で本人を識別。何んと、スリランカのフィールドホッケーのナショナルチームのレギュラーメンバーだったそうです。アジア大会は4位で、残念ながら、オリンピックには進めなかったとか。職場では経理の専門家で、「とっても頼れるんだけど、たまにはもちょうっと融通利かして処理してよ~」と私なんかは思ったりする時もある頑固一徹のオヤジなのですが、タダの頑固オヤジでは無かったことが判明。私の彼を見る目はすっかり、尊敬の目に変わってしまいました。

 渡英して25年、同じくスリランカ出身の奥様とこちらで知り合い、3人の子供をもうけ、3人とも英国の大学まで進学させたスリランカ系移民一世の同僚。機会があったら、その激動であったであろう半生の話をじっくり聞いてみたいと思いました。
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サイモン・ラトル指揮 バーミンガム市響 「マタイ受難曲」

2010-03-08 06:21:46 | コンサート (in 欧州)
 一度は聴いてみたいと思っていたサイモン・ラトルとバーミンガム市交響楽団のコンビによるコンサートを聴きに、バーミンガムまで遠征しました。バーミンガムからロンドンから北西に電車で1時間40分程度の、英国でロンドンに次ぐ2番目の都市です。
 
 この日の演奏曲はバッハの「マタイ受難曲」。初めて聴きました。
 ※この曲については、素晴らしい解説のHPを見つけましたので、ご参考にしてください。(→こちらから)

 言葉に言い表せない感動の2時間30分でした。楽曲そのものと合唱・演奏の双方に打ちのめされました。マタイ受難曲は新約聖書「マタイによる福音書」の26、27章のキリストの受難を題材にした音楽で、イエスの受難の予言から、ユダの裏切り、最後の晩餐、イエスの捕縛、審問、判決、十字架、イエスの死、埋葬、哀悼という一連の物語を扱います。まさに一つの聖書のハイライトでもあると思うのですが、そんな場面をバッハが楽器、合唱、独唱をふんだんに使い仕上げた一大音楽作品です。こんな音楽ですから、クリスチャンでない私でも、感動しないわけがありません。その劇的な音楽を今まで聴いたことのなかったことを後悔するとともに、今回聴く機会を得たことを、素直に感謝したいと思いました。

 そして、この日の公演は本当に素晴らしかった。サイモン・ラトルの指揮の元、オーケストラ、合唱、独唱、全てが最高のレベルで組み合わさった公演と思いました。特に、独唱陣はどの人も良かったです。その中から、あえて言うとエヴァンゲリスト(福音史家)役を務めたMark Padmoreは文句なしのMVP。深みがあり、彼のテノールはまさにこの曲のためにあるような気がしました。また、アルトのMagdalena Kozen、バリトンのThomas Quasthoffも際立ってました。

 合唱のバーミンガム市響コーラスの皆さんも素晴らしかったです。100名を優に超える大合唱団ですが、まさに一糸乱れぬ合唱でした。まさに天から音が降ってくるような感覚に襲われました。また冒頭部分では少年少女コーラスも入りました。心が浄化されるような歌声でした。

 そして、演奏も最高。弦や管の各パートの響き、そしてその全体のハーモニー、更には所々に散りばめられている、フルート、オーボエ、バイオリン等の独奏部も、合唱や独奏に負けず個性豊かでありながら全体としての調和を完全に保っている、そんな演奏でした。

 実は、途中でハプニングも。第1部の最終近くで、3階の客席から呪われたような叫び声がホール全体に響き渡りました。丁度、イエスが苦悩している場面であった(はずな)ので、私は一瞬、この音楽を通じて何かが観客に乗り移ったのではないかと、本気で思ったほどです。何が起こったのかは分かりませんが、ラトルを初め演奏者たちは何事もないかのごとく、もしくは集中していてとてもそんな叫びは耳に入らないとでも言うように、演奏が続けられました。

 終演後は私を含め、聴衆は深い感動に捕われた感じで、滑り出しの拍手はむしろ鈍いぐらいでした。ただ、だんだんと我に帰るにつれて、拍手も会場が割れんばかりの大拍手に。ラトルは、独唱者を、コーラスを、そしてプレイヤーたちを讃えていました。中身は重いが、神聖で清らかな歴史絵巻を見せてもらいました。

<サイモン・ラトル>


<独唱者たち:左からCamilla Tilling, Magdalena Kozen, Mark Padmore, Topi Lehtipuu, Thomas Quasthoff, Christian Gerhaher>


Saturday 6 March 2010 at 7.00pm
Symphony Hall, Birmingham

Sir Simon Rattle conductor

Camilla Tilling soprano
Magdalena Kozen・ mezzo-soprano
Mark Padmore tenor, EVANGELIST
Topi Lehtipuu tenor
Christian Gerhaher baritone, CHRISTUS
Thomas Quasthoff baritone
CBSO Chorus
CBSO Children's Chorus

Bach: St. Matthew Passion (sung in German with English surtitles) 131'


※どうでもいい後日談を。日曜日はお昼過ぎからロンドンで約束があったので、この日の遠征は日帰り予定。最終のバーミンガム発ロンドン行きが22:10発。ギリギリだけど、コンサートは19時開始だし、演奏時間はHPによると131分。ホールは駅近くだから、終わって拍手はそこそこに切り上げ、駅まで急げば間に合うだろうと気楽に考えたのが誤りでした。なんだかんだでコンサート終了時点で22:10を廻っていました。「甘かった!」と思いつつ、ホールから駅まで歩くすがら目にしたホテルに端から入って行ったのですが、全て「満室」。バーミンガム程の都市でそれも(ビジネス客が居ないはずの)土曜日でそんなに満室なのかと思いましたが、無いものはしょうがない。寒い夜空のバーミンガム市内をうろうろ。学生時代のバックパッカー旅行を思い出しました。
6軒目に訪れたフロントのお兄さんは結構親切で、系列のホテルをあたってくれて、結局、「市内は全部一杯だ。タクシーで10分ぐらい乗った郊外に一部屋見つけたけど、そこでも泊るか?」と聞いてくれて、商談成立。車に乗って、街から外れた高速脇のホテルに一泊することになりました。結局、チェックインしたのは23:50。こんなこともあって、更に記憶に残るバーミンガムの夜となりました

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オーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトメント (OAE) ベートーベン交響曲 第3番他

2010-03-06 14:33:58 | コンサート (in 欧州)
 イヴァン・フィッシャー指揮(上の写真はSouthBankCentreのHPより)によるオーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトメント(OAE)のベートーベンの交響曲を聞きにクィーン・エリザベス・ホールに行きました。OAEは古楽器を使って演奏を行う自主オーケストラです。バルブを持たないホルンやトランペットをはじめとして、クラリネット、オーボエらの木管楽器も見かけ通常のものと異なります。

 まずは、交響曲第2番。演奏を聞き始めて気づいたのすが、きっと第2番をナマで聞くのは初めてです。意外とこれまで2番とは縁がなかったのです。とっても優雅な曲でした。うっとりと聞き入る感じです。OAEの古楽器の響きがとっても穏やかに聞こえます。OAEのようなこじんまりしたオーケストラによる演奏がぴったりです(全プレイヤで50名ほど)。とっても贅沢な気分に魅かれました。フィシャーは長身でスマートな指揮ぶりでした。奇をてらうわけでも、格好つけるわけでもなく、極めて自然体で好感がもてる指揮でした。

 3番「英雄」はそこそこ回数も行っているので、OAEの演奏になると、どんな音楽になるのか楽しみでした。聴いた感想は、期待したほど「全然違う音楽」というわけではありませんでしが、とっても良い音楽を聞いた気分になりました。フィッシャーはとっても丁寧に音楽を作っていく感じがします。圧倒するような迫力とは別の、一つ一つの音符をしっかりと聴くような音楽作りでした。第一楽章は軽快なテンポで。第二楽章は逆にスローに聞かせる深みのある葬送行進曲でした。第三、四は再び軽快に。管楽器の響きがとっても素敵した。

 クィーン・エリザベス・ホールも初めてでした。ちょっと設備は老朽化した感がありますが、小じんまりしていてとっても聴きやすいホールです。この日は一番後ろから2列目の中央。チケットは6ポンドですが、隣のロイヤルフェスティバルホールの30ポンド席並みに聴こえました。



Queen Elizabeth Hall

Orchestra of the Age of Enlightenment
Resident at Southbank Centre
Thursday 4 March 2010

Ludwig Van Beethoven: Symphony No.2
Interval
Ludwig Van Beethoven: Symphony No.3 (Eroica)

Ivan Fischer conductor

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ロンドンの中国企業

2010-03-05 07:28:23 | ロンドン日記 (日常)
 ボスと同僚の3名で、とある中国企業の欧州本部を訪問し、1時間半ほど欧州ビジネスについて情報・意見交換した。

 私自身は中国企業の人と話すのは初めてだ。いろいろ驚かされた。

1.とっても自信に溢れている(ように見える)
 最近の中国の経済力がそうさせているのか、とっても自信溢れるビジネスマンの人たちだった。自信溢れているからといって、決して、虚勢を張っているという感じではなく、むしろ余裕を感じさせるものだった。

2.若い人に大きな責任が任されている(ように見える)
 幹部の人とその部下の人が数名同席されたが、幹部の人を除いてはみな思った以上に若い。決してベンチャー系の会社ではないので、それなりに堅苦しいのではと思っていたら、全くそういう感じではなかった。若くても、実力ある人にしっかり責任が任されているという印象だった。

3.みんな英語がとっても上手
 皆、英語が流暢なのには驚いた。中国アクセントは感じるので、決してイギリスに生まれ育った人たちではないと思うのだが、とっても正確で、聞きやすい英語だったので、逆に自分の英語が少々恥ずかしくなった。一緒に行った同僚のアイルランド人は、帰路「ありゃあ、パブリックスクールの英語だぜ~」とアイルランド訛り一杯の英語で、感心していた。

 まあ、初顔合わせなので、どこまでが本当の姿かは分からないが、とても洗練された雰囲気を感じたのが、びっくりだった。それでも、やはり、アジアの人との打ち合わせは、英語を使ったミーティングであっても、何んとなく、こちらも少し肩の力が取れるので不思議なものだ。

 2010年3月4日
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アメリカ人

2010-03-04 06:52:54 | ロンドン日記 (日常)
 今週、海外(アジア、欧州、アメリカ)の関連会社の皆さんに研修会(WorkShop)ということでロンドンに来ていただき、会議をやっている。昨日、打ち合わせ後に懇親Dinnerをやって、たまたま向かい合わせになったアメリカ人と話をした。アメリカ人と話をするのは久しぶりだ。

 彼と話していて、アメリカ人ってこうだったよなあ~と思うことがいくつもあった。

・良く、話す。一人でしゃべっている。自分のこと、自分の職場のことなどなど。聞いてなくても、ずーっと話してくれる。
・かなり仕事重視。「休みは1週間以上は取らない。休みのときでもメールは必ずチェックっするし、返事も返す。」と自信たっぷりに話す。
・間投詞が多い(Oh! ,SxxT! , Wow!・・)上に、とってもハイテンション。
・発音がアメリカ英語だ!(当たり前か・・・)

 もちろん彼一人でアメリカ人を代表してもらうのは申し訳ないし、無茶なのだが、なんかとっても懐かしい気がした。

 一方で、今の職場の居る人たち(主に英国人)が、何と、慎み深く、相手を慮り、時として廻りくどいことか。でも実は、2年前までは自他ともに認める親米派だった私は、いまやすっかり英国派に転向している。

 「正直、アメリカ人といると、「私はこんなにやっているから、お前もがんばれ」って脅迫されているようで、疲れるんだよね~。イギリスや大陸人のほうが自然体だよな~、」と。

 まあ、何かの機会で、もし1か月もアメリカに滞在すれば、あっという間にもとのアメリカ小僧に戻ることはまちがいなのだが・・・。要するに、影響されやすいだけなんだ。

 2010年3月3日
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藤原正彦 『遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス』 (新潮文庫)

2010-03-03 07:37:47 | 
 数年前に同氏の『国家の品格』を読んだが、今どきこんな滅茶苦茶なことを言う人(他国は日本に比べこんなに劣っている。日本は凄い。誇りを持とう!という主張)もいるんだと思った。他国をおとしめて、自国に誇りを持とうという姿勢が気に入らなかった。タイトルを見て読むべきではないだろうなあと思いつつ、ベストセラーだからという理由で手に取った自分が馬鹿だったと、読後にとっても後悔の念に陥った。

 この本は、それに比べるとずっとマトモな本だった。まず、読んでいて面白い。読んで良かったと思う本だった。国としてのイギリスやイギリス人の特徴を良く捉え、うまく描写している。尊敬と侮蔑が入り混じったところも面白い。やっぱり、このぐらい思い込みが強い人でないと、数学者にはなれないのだろうとも妙に納得した。

 自分の職場周りでも本書に匹敵するぐらいの面白いことが毎日のように起きているだが、さすがに、そんなことを書いて見つかったら(日本語のできるイギリス人も何人かいるし)不興を買うし、当人達に対してもとっても失礼なことなので書けない。メモでもして、定年して引退したら、書こうかなあ。

 彼がイギリスで研究生活を送ったのは1988年。イギリスが高失業率、不況に打ちひしがれていた頃である。筆者は、イギリスのユーモア精神(物事から一線を画す姿勢)がある限り、経済的な復興はないだろうと予測しているが、ここ最近のイギリスはともかく、90年代以降、立派に復活した。しかし、私の廻りのイギリス人には、「今のイギリスはアメリカの真似をしているだけで、イギリスらしさがどんどん失われている」という人もいる。難しいものだ。

 20年前のことではあるが、今、ケンブリッジ大学に留学しても、随分と雰囲気は変わってしまっているのではないだろうか?そう言えば、ケンブリッジかオックスフォードか忘れたが、数ヶ月前の新聞に、どっちかの大学が財政再建のため図書館に企業名の冠をつけられるように、売り出すことを決定したというニュースがあった。「テスコ(大手スーパーの名前)・ライブラリーがケンブリッジにできたら?」と皮肉ってあったが、本書を読んだ後でこの記事を思い出し、少しさびしい気分になった。イギリスもこの20年で大きく変わっているのだ。
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DVD ”A Room With A View” (眺めのいい部屋)

2010-03-02 08:15:57 | 映画
 昨日の日曜日は朝から大雨。この日はロンドン近郊のハーフマラソンにエントリーしていたのですが、ちょっと風邪気味なこともあり、雨を見た瞬間、出走断念。これで2月はレースを2回も棒に振ってしまいました。5月のエジンバラマラソンに向け、大幅に調整予定が狂ってしまい、これから間に合うだろうか?

 というわけで、久しぶりにほぼ一日、部屋でリラックス。あまりのやること無さに、近くの図書館で借りてきたDVDがこれ”A Room With A View”。昔のイギリス階級社会の一面を知る映画として薦められたので借りました。ストーリーは、「中産階級の若い女性が、旅先で、情熱的だが階級が下の青年と知り合い恋に落ちるが、階級の壁もあって、結局、違う上流階級の知性はあるが人間的には魅力の薄い青年と婚約する。社会的規範、自分の気持ちの間で揺れる彼女が取った行動は・・・・」というものです。エドワード・モーガン・フォースターの同名小説を映画化。

 私もタイトルは知っていたのですが、借りてから気がついたのは、これは当初借りようと思っていた映画ではないということ。借りたのは、ITVがテレビ映画として撮影したバージョンでした。

 ちょっと「やられた」と思いましたが、見終わってみたら、なかなか良くできたテレビ映画でした。特に印象に残ったのは、アイルランド人の主演女優Elaine Cassidy。素朴な若い女性から、大人の女性に成長していく姿を好演していました。

 場面設定が1912年ということなので、今のイギリス社会とは全く違うのでしょうが、階級意識、規範というのを窺い知るのにもいいです。

 今度は映画版を借りてみたいと思います。

 2010年2月28日視聴
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ロイヤル・オペラ・ハウス 『賭博師』 (The Gambler)

2010-03-01 01:47:50 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 プロコフィエフのオペラ「賭博師」をロイヤル・オペラ・ハウスへ見に行きました(最終公演日)。プロコフィエフのオペラは初めて見るのですが、歌唱、演奏、演出の高いレベルで三位一体となった素晴らしい公演でした。

 ※筋はdognorahさんのブログを参考に願います。こちらから

 まずは、General役のトムリンソン(John Tomlinson)。昨年の迫力ある低音は舞台を引き締め、狂気迫る演技は舞台に緊張感をもたらしてくれました。アレクシ役のサッカ(Roberto Saccà) も魅力あるテノールです。そして、Polina役のダンケ(Angela Denoke)。昨年末にLSOのオテロで聴きましたが、相変わらず声といい、ボリュームといい素晴らしいです。演技も抜群で、文句なしで光っていました。
※John Tomlinsonの挨拶


※Roberto Saccàの挨拶


 オーケストラも主任指揮者パッパーノの元、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。賭博の緊張感、リズム感、その裏に潜む人間のもろもろの欲望を描いたプロコエキフの音楽を迫力満点で聴かせてくれました。拍手もパッパーノへの拍手が一番大きかったように聞えました。


 舞台・演出も非常によく出来た、楽しめるものでした。冒頭、幕にかかったCASINOの電光掲示板が光って舞台開始となるサプライズに始まり、それ以降も、頻繁に変わる舞台は、演劇的なこのオペラを一層盛り上げてくれました。第3幕以降、もろもろの騒動の場面にホテルの従業員(靴磨き師?)を入れていたのは、当事者たちとは無縁の世界に生きる第三者の視点から騒動を眺めるという趣旨なのだと思うのですが、それも効果的だったと思います。


 ギャンブルやお金を通じて人間の感情や行動を描くこの物語は風刺的で奥が深いものです。公演を見ていて、ドストエフスキーの原作の重みが、原点にあることと強く感じました。一度、是非、原作を読んでみたいと思います。

 総合芸術としての、オペラの素晴らしさ、楽しさを堪能した公演でした。

 蛇足です。いつもお金の話で恐縮ですが、この演目はロイヤルオペラの新規観客開拓のためのプロモーション価格設定です。一番高い席で50ポンド。今日の私の席は、4階席2列目。通常でしたら、100ポンドはするのでなかなか手がでない席なのですが、今日は何と15ポンド。お陰で、舞台も全体が良く見えるし、オケも歌手もよく聴こえるという素晴らしい環境でした。是非、この手の企画は続けてほしいです。

The Gambler
Saturday, February 27 7:00 PM

Credits
Composer: Sergey Prokofiev
Director: Richard Jones
Set Designer: Antony McDonald
Costume designs: Nicky Gillibrand
Lighting Designer: Mimi Jordan Sherin
Movement Director: Sarah Fahie

Performers
Conductor: Antonio Pappano
Alexei: Roberto Saccà
Polina: Angela Denoke
General: John Tomlinson
Blanche: Jurgita Adamonyte
Marquis: Kurt Streit.
Mr Astley: Mark Stone
Babulenka: Susan Bickley
Prince Nilsky: John Easterlin
Potapytch: Dawid Kimberg§
Baron: Jeremy White
Gaudy Lady: Simona Mihai§
Pale Lady: Elisabeth Meister§
Dubious Old Lady: Elizabeth Sikora
Lady Comme Ci, Comme Ça: Carol Rowlands
Venerable Lady: Kai Rüütel§
Rash Gambler: Jeffrey Lloyd-Roberts
Hypochondriac Gambler: Steven Ebel§
Hunchback Gambler: Alasdair Elliott
Aged Gambler: John Cunningham
Fat Englishman: David Woloszko
Tall Englishman: Lukas Jakobski§
Director: Graeme Danby
First Croupier: Hubert Francis
Second Croupier: Robert Anthony Gardiner§
コメント
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