その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ROH タメルラーノ (Tamerano)

2010-03-15 02:25:51 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 最近、どうもボケている。この日も2つのポカを。一つはカメラを持って行ったのはいいものの、部屋で充電中だった電池を入れ忘れており、バッテリーなしのカメラを持って行った。アホか?二つ目は、予めあらすじをチェックしたつもりだったのが、読んでいたのは同じヘンデルでも違う”Tolomeo”というオペラ(何か字面が似ているでしょう?)。第一幕を見ながら、「うーん。どうも話が通じん」と一人で唸っていたら、一幕後の休憩で持参したあらすじを見て初めて自分の誤りに気付いた。情けない・・・。

 まあ、こんな話はどうでもいいのだが、舞台はとっても良かった。ヘンデルのオペラは初めてで、モーツアルトとかベルディとかワーグナーとかのその後の時代のオペラに比べると、淡々としているというか、劇的さに欠けるところはあるが、違うものだと思えば気にもならない。目を閉じて静かに聞き入るようなオペラだった。(目を閉じた理由はもう一つあるのだが・・・)

 演奏が素晴らしかった。今日のオケは、オーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトメント。古楽器が奏でる音色とハーモニーにうっとり。指揮のIvor Boltonは指揮とハープシコードの二役。弦楽器主体の演奏は雅な雰囲気満載で、これぞOAEの真骨頂という感じだった。

歌手陣も聞かせてくれた。Andronico役を務めたSara Mingardoが特に良かった。この人は今回Bチームで、Aチームの人との比較はできないが、第二幕の最後のアリアを歌う姿は歌の女神に見えた。あと、Aチームで歌うはずだったドミンゴの欠場でA,B両チームでフル出場となったKurt Strei(この日はもともとBチームの日なので、予定通り)もパワフルかつ美しいテノールだった。Irene役の Renata Pokupicもとってもパワフルな歌声で、際立っていました。

休憩入れて四時間半は長いが、美しい音楽に包まれ、至福の時間を満喫した。

 残念だったのは自分の席。今日は4階席のアッパー・ライト。オーケストラの音はとっても良く聴こえたが、舞台は半分しか見えず、高さも上半分が見えないので、視界は実質四分の一。結構、シンプルであるが、舞台を立体的に使う演出だったようだけど、全然、見えず、声だけが聞えてくる場面多数。音楽の美しさもあったので、しばしば目を閉じ、音楽に集中した。14ポンド席なので文句は言えないが、なんかコンサートに行ったような気分。

 「こういうバロックオペラもなかなか良いものだなあ」と一つ勉強になった。

Saturday, March 13 6:30 PM

Credits
Composer:George Frideric Handel
Director: Graham Vick
Designer: Richard Hudson
Lighting Designer: Matthew Richardson
Choreography: Ron Howell

Performers
Conductor: Ivor Bolton
Tamerlano: Christianne Stotijn
Andronico: Sara Mingardo
Bajazet: Kurt Streit
Asteria: Sarah Fox
Irene: Renata Pokupic
Leone: Vito Priante
コメント (2)
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