「こんにちわッ、テディちゃでス!
ゆきィ、ふりませんでしたでス!」
「がるる!ぐっ!」(←訳:虎です!ほッ!)
こんにちは、ネーさです。
大雪や積雪の予報がハズレてホッと安堵の日曜日、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、張りきって、どうぞ~♪
―― 『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略済み ――
著者は末松燈(すえまつ・ともり)さん、
イラストは叶世べんち(かなせ・べんち)さん、
2025年2月に発行されました。
『Once Upon a Time,The ”No Blade“ in Last Dungeon』
と英語題名が付されています。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト『現代ファンタジー』部門
大賞受賞作の舞台は……
なんと、ここ八王子!
「ぱちぱちぱちィ………ふァ??」
「ぐるるるるがる……ぐるぅ?」(←訳:おめでとうござ……はあぁ?)
今から30年ほど前のこと。
世界の七か所――
NY、英国のウェールズ、ドイツのベルリンなど、
7つの地点に、
大深度地下構造物、
いわゆる《ダンジョン》が出現しました。
そのうちのひとつが、
東京都八王子市に現れた
『八王子ダンジョン』です。
「はッ、はちおうじにィ~??」
「がるるぅる!!」(←訳:ダンジョン!!)
数知れぬモンスターたちが巣食う地下世界、《ダンジョン》。
『八王子ダンジョン』は、
7つのダンジョンのうちで最も危険と
目されるダンジョンでした。
そんなに危険な場所であるなら、
近付かぬ方がよい、のはもちろんなのですが……
最も危険なダンジョンは、
未知の資源にあふれているダンジョン、でもあったので、
厄介なんですよねえ。
「うむゥ! ちかしげんッ!」
「ぐるるるるるがるるーる!」(←訳:レアメタルやレアアース!)
高価で貴重な資源の山が、すぐそこに……!
多少危険だろうと放っておく手はない!という、
大人たちの思惑によって、
《ダンジョン》に送り込まれたのは、
十代の少年少女たちでした。
《ダンジョン》には年齢制限の結界があり、
また、銃火器を制限する結界もあるため、
武装した大人は入れない……
そんな制約を乗り越え、
ついに最深層に達して、
ダンジョンマスターを倒したのは
3人組の少年少女。
ダンジョンマスターを失ったダンジョンは、
モンスターたちが弱体化し、
いくつもの制限も消滅して、
資源採掘を阻む要素は無くなりました。
『八王子ダンジョン』が生み出した物資のおかげで、
日本の経済は大いに潤った……ものの?
「うぐぐッ、へんッなのでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:様子がヘンテコ!)
地下の様子が、このところ、おかしい――
《ダンジョン》内部の観光ツアーを催行する
『八王子ダンジョンホリデー』社員の
藍川英二(あいかわ・えいじ)さんは
訝(いぶか)しみます。
もしや、下層で何かが起きようとしているのか。
いや、既に起こっているのか?
「わわッ? じめんがァ?」
「ぐるるっ>」(←訳:揺れたっ?)
現代の日本を舞台とする
《剣と魔法》のファンタジー作品は、
それだけでも魅力的ですが、
物語のあちこちに頻出する
ここ八王子市の地名や町名、駅名に、
八王子市民の私たちは、
我慢できずに笑ってしまったり、
おお~!と感心したり。
著者・末松さんは、八王子に縁ある御方、なのでしょうか?
「うふふッ! わきゃりませんッ!」
「がるぐる~!」(←訳:情報求む~!)
コミカライズも決定しているというこの御本、
ファンタジー好きな活字マニアさんに
おすすめの力作です。
あ、できれば、東京近郊の地図を手元に準備すると、
地理的な背景が分かりやすくなりますので、ぜひ♪