テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ おヒゲも、アートも、再人気! ~

2024-08-31 22:03:22 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふゥッ! くたくたァなのでスゥ~…!」

「がるる!ぐるがるるぐるる~…」(←訳:虎です!もう台風はイヤだ~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ここ八王子市の警戒レベルは3に下がったものの、

 河川は増水したまま、泥色の水が物凄い勢いで流れています。

 台風が早く消えてくれるよう願いながら、

 さあ、本日は読書……をサボって、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― ダリ版画展 ――

 

 

 長野県長野市の長野県立美術館(本館)にて、

 会期は2024年7月13日~9月16日(水曜休館)、

 『奇想のイメージ』と副題が付されています。

 

「おおォ~! おひげのォおじさんッ!」

「ぐるがるる~!」(←訳:人気再燃中~!)

  

 近年、なぜか世界的に再び人気が高まっている

 サルバドール・ダリさん(1904~1989)。

 

 絵画、版画、彫刻、オブジェ、舞台芸術、宝石デザイン、

 広告デザイン、映画、文筆……と、

 ジャンルを問わず活躍したダリさんですが、

 この展覧会では、題名の通り、

 ダリさんの版画作品が展示されます。

 

 その数、なんと200点!

 1960年代から70年代に制作された版画を中心に、

 晩年の作品も出展されていますよ。

 

「はちゃめちゃにィ~からふるゥ!」

「ぐるるるがるる……!」(←訳:不思議な迫力だ……!)

 

 長野県立美術館は、

 善光寺さんから、歩いて数分の場所にあります。

 遅い夏休みを長野市近辺で過ごす予定の御方は、

 ぜひ、長野の町をお散歩したり、

 美術館へ足を延ばしてみてくださいね~♪

 

 

 

   では、ここで冷た~いオマケ画像も!

   

   『森永乳業』さんの新作

   《MOW ほっこり紅はるか》は、

   一足も二足も早い秋のお味?

   「あまァ~いィ!」

   「ぐるるがるる~!」(←訳:お芋の風味だ~!)

   パンケーキやワッフルに添えるのもおすすめ!な、初秋のおやつ、

   ご馳走さまでした♫

 

   昨日は、河川の氾濫に備えて、

   市役所さんに土嚢を届けていただいたり、

   webで市内の河川水量情報をチェックし続けたりと、

   疲労困憊の一日でした。

   台風による気圧の変化が激しく、

   体調を崩しがちな週末です。

   皆さま、どうか御自愛を。

   

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― 本日、お休みいたします ― 

2024-08-30 22:00:00 | その他

 こんにちは、ネーさです。

 

 台風10号の接近に伴い、

 ここ東京・八王子市では8月29日夕刻から豪雨となり、

 警戒アラートが発動、

 30日朝には【警戒レベル4】の避難指示が発令されました。

 

 現在、雨はやや落ち着いていますが、

 すぐ裏手に小さな河川が流れている我が家では

 越水を防ぐため、

 ちょっとバタバタしておりますので、

 本日の読書タイムはお休みいたします。

 

 どうか皆さまも

 地域の防災情報に充分注意してお過ごしくださいね。

 

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~ 塀の彼方の音楽は ~

2024-08-29 22:03:11 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 けんこうこつゥ、ぐるぐるゥ~!」

「がるる!ぐるがっるーる!」(←訳:虎です!耳をマッサージ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 台風による気圧の影響で体調が下降気味な時は、

 はい、肩甲骨をゆっくり回して、耳朶のツボ押しも。

 締めくくりに深呼吸でリラックスしたら、

 本日の読書タイムは、さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

             ―― マーラーの姪 ――

 

 

 著者はウィルソン夏子(Natsuko Wilson)さん、

 2024年7月に発行されました。

 『アウシュヴィッツの指揮者、アルマ・ロゼの生涯』

 と副題が付されています。

 

 20世紀を代表する音楽家

 グスタフ・マーラーさん(1860~1911)の名は、

 現在でも広く知られていますし、

 妻・アルマさんの名もまた、

 19世紀末~20世紀初頭のウィーンで

 多くの芸術家のミューズとなったことから

 アート好きさんの間ではよく知られています。

 

 しかし、マーラーさんに、

 妻と同じ名前を持つ姪御さんがいたことは、

 あまり知られてはいません。

 

 彼女――アルマ・ロゼさんが、

 アウシュヴィッツで生命を落としたことも。

 

「にげなくちゃッ!」

「ぐるがるる!」(←訳:早く国外へ!)

 

 1938年3月、オーストリアは

 ヒトラー率いるドイツに占領されました。

 それ以前からも、世情は悪化する一方で、

 マーラーさんの8歳下の妹・ユスティーネさんの家族に

 ¨選択のとき¨が近付いていました。

 

 このまま国に留まるか、

 国外へ脱出するか。

 

 ウィーン・フィルのコンサートマスターを務める

 父・アルノルト・ロゼさん、

 作曲家、指揮者として活躍する

 兄・アルフレートさん、

 アルマさん自身もヴァイオリニスト、と

 ロゼ家は音楽一家でしたが

 ……ユダヤ人だったのです。

 

 ロゼ家はカトリックに改宗していましたが、

 国がドイツ色に染まる中、

 父と兄は失職、

 8月に母が亡くなった後、

 兄・アルフレートさんは妻マリアさんを伴って米国へ。

 父・アルノルトさんは英国へ。

 

 アルマさんも米国への脱出を考えました。

 しかし、不運にも兄が送ってくれた書類を入手できず、

 欧州の各地を逃避行の末、

 1942年に逮捕され、

 1943年、アウシュヴィッツ収容所へ移送されます。

 

「そんなのォ、だめでスゥ~…!」

「がるぐるる……!」(←訳:残酷すぎる……!)

 

 人体実験に付されるはずだったアルマさんを救ったのは、

 音楽でした。

 

 『最後の願いとして

  ヴァイオリンを弾かせて頂けないでしょうか』

 

 この一言が、ヴァイオリンの音色が、

 アルマさんを救い、

 さらに、何人もの収容所の女性たちの生命を

 救うことになったのですが、

 或る日、彼女に身に起こったのは……。

 

「あくむゥ、でスゥ……」

「ぐるるがるる……」(←訳:言葉もないよ……)

 

 1944年4月、

 アルマさんは37歳で世を去りました。

 

 著者・ウィルソンさんは、

 マーラーさんが予感した¨人類の悲劇¨を克明に描き、

 アルマさんの生涯を掘り起こしてゆきます。

 なぜ、どうして、

 生きるべき命が、

 失われてしまうのか。

 

 全活字マニアさんにおすすめしたい

 ノンフィクション作品です。

 どうかぜひ、一読を。

 

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~ いつも、いつまでも、そこに ~

2024-08-28 22:03:52 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あううゥ、ふあんッなのでスゥ!」

「がるる!ぐるるるる~…」(←訳:虎です!どうしよう~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 迫りくる台風10号の強風に、

 オンボロな我が家は耐えられるでしょうか……。

 風も雨もいますぐ消滅しちゃってくれ~!と念を飛ばしつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 東京モダン建築さんぽ 増補改訂版 ――

 

 

 著者は倉方俊輔(くらかた・しゅんすけ)さん、

 写真は下村しのぶ(しもむら・しのぶ)さん、

 2024年5月に発行されました。

 

 大好評を得た2017年刊『東京モダン建築さんぽ』が、

 ずっしりパワーアップ!

 『増補改訂版』となって帰ってきましたよ。

 

「おしゃしんッ、きれいィ~でス!」

「ぐるるがっるぐるる!」(←訳:解説もずっと詳細に!)

 

 この増補改訂版では、

 元祖タワマン!

 昭和の最先端ルーム!

 職人技がキラリと光るタイル装飾!

 などなど、

 48の名建築が紹介されています。

 

 ただ、かの有名な『中銀カプセルタワービル』をはじめ、

 小田急百貨店を背景とする『新宿西口広場』等、

 ¨ほぼ失われてしまった¨作品、

 また、

 老巧化や耐震性の問題から

 建て替えが取り沙汰されている作品もあって、

 ページを捲る度、

 溜め息ついたりしちゃうんですが……。

 

「なんとかァ~のこしたいィ!」

「がるぐるる!」(←訳:次の世紀へ!)

 

 《モダン建築》の未来を祈りつつ、

 著者・倉方さんがこの『増補改訂版』で

 新規に取材をしたのは、

 『新宿住友ビル』

 『紀伊國屋ビルディング』

 『大学セミナーハウス』。

 

 『紀伊國屋ビルディング』に関しては、

 大規模な耐震改修工事を担当した

 江川徹さんと橋本功さんのお二人を招き、

 技術的な問題について語っていただく企画があり

 (本文194~197ページ)、

 まさに、

 ¨モダン建築をいかに継承してゆくか¨

 がテーマとなっています。

 

 設計者・前川國男さんのデザインを生かしながら、

 改修中も書店の営業を続けながら、

 どうやって耐震補強工事を行ったのか……

 紀伊國屋書店さんのファンの方々は

 ワクワクしてしまう裏話ですね。

 

「らせんかいだんッ!」

「ぐるがるぐるるる!」(←訳:壁と床のモザイク!)

「やわらかなァ、しょうめいィ!」

「がるるぐる~!」(←訳:どれも素敵~!)

 

 日本の首都・東京の街並みを形作る

 さまざまな《モダン建築》たち――

 

 景色にすっぽり納まっているがゆえに、

 つい見過ごしがちな建築たちへの

 エールとも言える一冊を、

 東京に暮らす活字マニアの皆さま、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

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~ 《怪》を《解》する? ~

2024-08-27 22:03:04 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あさがおにィ~ひまわりィ!」

「がるっる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!桔梗に秋桜~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 夏の花と秋の花、双方が元気に同居して、

 8月の終わりも近付いてきました。

 台風の被害がありませんように、と祈りながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

              ―― 怪談刑事 ――

 

 

 著者は青柳碧人(あおやぎ・あいと)さん、

 2024年4月に発行されました。

 『怪談刑事』は『かいだんデカ』とお読みくださいね。

 

「かッ、かいだんッ!」

「ぐるるがるぅ~!」(←訳:久々に来たぁ~!)

 

 はい、どうです、《怪談》です。

 夏の終わりに相応しい、

 背筋も凍る恐ろしい御話を語ってくださるのは、

 『むかしむかしあるところに、死体がありました』や

 《赤ずきん》シリーズも大好評の、著者・青柳さん!

 

 物語の始まりは――

 

「とうきょうゥ、でェ~ス!」

「がるるぐ~る!」(←訳:地下鉄で~す!)

 

 東京メトロ・霞ヶ関駅の階段を

 とぼとぼと上ってゆくのは、

 只倉恵三(ただくら・けいぞう)さん、55歳。

 

 只倉さんの目的地は、警察庁。

 3日前、勤務していた深川署の上司から、

 ここ警察庁の、

 第二種未解決事件整理係への

 転属を命じられたのです。

 

「だいにしゅゥ~みみみッ……?」

「ぐるがるるる~!」(←訳:舌を噛みそう~!)

 

 早口言葉のようなその部署は、

 うす暗~い地下にあって、

 ドアの前には……盛り塩。

 

 そう、第二種未解決事件整理係が扱うのは、

 呪いや心霊が関わって

 未解決になってしまった事件、なんです。

 

 現代科学では説明できない、

 怪奇現象のような事件……

 被疑者不明のまま、捜査が中断してしまった事件……

 

 いや、よくよく調べ直せば、

 見つかるのではないだろうか。

 

 これは人間の力で起こせた事件だ、

 人間の手になる出来事だ、

 という証拠が。

 

「ふうむゥ! みかいけつゥじけんッ!」

「がるるぐっるる!」(←訳:意外に真っ当だ!)

  

 『警察庁・呪われ係』などと、

 ありがたくない別名をいただきながらも、

 事件の再調査に乗り出し……たところへ。

 

 『怪談師』なる職業の

 不審な男が現れたり、

 『怪談配信ユーチューバー』

 『怪談コスプレイヤー』

 といった《怪談マニア》が登場して、

 只倉さんの苛立ちは頂点に。

 

「がんばッてェ、けいじィさんッ!」

「ぐるるるがるる~!」(←訳:惑わされないで~!)

 

 短編6作品&エピローグから成る

 連作《怪談》ミステリは、

 笑いあり、シリアスあり、

 古典へのオマージュあり、

 巨匠作品の新解釈も!

 

 私ネーさのおすすめは、

 第6話『生霊を追って』です。

 エンタ魂燃え盛る傑作を、

 ミステリ好きさんも怪談マニアさんも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

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~ 怪物の、熱と拳 ~

2024-08-26 22:03:31 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ええええッ? さいィけッせいィィィ?」

「がるる!ぐるるがるるるるるっ?」(←訳:虎です!信じていいんですかっ?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今朝SNSを騒然とさせたのは、

 『オアシス再結成』のニュース……!!!

 ノエルお兄ちゃんがリアム弟くんと再びバンドを!?!

 とっても嬉しいんですけど実現するのかしら?と遠い目をしながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 怪物に出会った日 ――

 

 

 著者は森合正範(もりあい・まさのり)さん、

 2023年10月に発行されました。

 『井上尚弥と闘うということ』と副題が付されています。

 第34回ミズノスポーツライター賞優秀賞を獲得した

 スポーツノンフィクションの主役は、

 《闘うことを選んだボクサーたち》。

 

「あいてはァ、かいぶつゥ……!」

「ぐるるがるるるー!」(←訳:稀代のモンスター!)

 

 井上尚弥(いのうえ・なおや)さん――

 神奈川県座間市出身、1993年4月生まれ、31歳の、

 現WBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級統一王者、

 元WBCライトフライ級王者、元WBOスーパーフライ級王者にして、

 来る9月3日には

 統一王座防衛のため、有明アリーナで

 元世界王者ドヘニー選手との対戦が予定されている井上さんの異名は、

 《モンスター》。

 

 いまや米国でさえその名を知られるようになった

 井上尚弥さんは、

 どんな相手と、

 どのような試合をして、

 王座に登っていったのか?

 

 というこの御本のテーマは、

 著者・森合さんのモヤモヤから生まれました。

 

「なやみましたでスゥ!」

「がるるるるる!」(←訳:分からなくて!)

 

 ボクシングが好きで、

 ボクシングの魅力を広く伝えたくて

 スポーツ記者になった森合さんですが、

 いざ記事にしようとすると

 煩悶が押し寄せてきます。

 

 井上選手の強さ、凄さを伝えたい。

 しかし……書けていない、伝えきれていない。

 

 俺は、井上選手の強さが何なのか、分かっていない。

 そう悩む森合さんに、

 仲間の記者さんが助け舟を出してくれました。

 

「まずはァ、たいせんあいてにィ~」

「ぐるるるがるる?」(←訳:取材してみたら?)

 

 《モンスター》と闘った相手に、話を聞く。

 

 炯眼です。

 ええ、炯眼ですけれど、それはつまり……

 ¨敗者¨に話を求める、

 ということでもあります。

 

 敗れた者に面会し、話を請う。

 それは、未だ癒えていない傷口に

 塩を塗り込む行為ではないのか。

 礼を失しているのではないか。

 

「でもォ……はなしをォききたいィ!」

「がるぐるる!」(←訳:取材したい!)

 

 躊躇しながらも、森合さんの取材行は始まりました。

 かつて井上尚弥さんと闘ったボクサーに会うため、

 日本はもちろん、

 メキシコへ、アルゼンチンへ。

 

 タイトルを持っていなかった

 若き日の井上さん。

 王座への道を着実に歩んでゆく井上さん。

 聖地ラスベガスに降り立った井上さん。

 

 対戦する選手さんたちの眼に、拳に、

 井上さんはどう映ったのか。

 

「いのちがけのォ~きおくゥ!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:全身全霊の記憶!)

 

 第四章の、

 アルゼンチンの英雄で元世界二階級制覇王者

 オマール・ナルバエスさんの

 誠実な語りが印象に残ります。

 ファイターであり、

 紳士であるとはこういうことか、と。

 

 『敗者』ではなく、

 『《モンスター》と闘う決断をした者たち』の物語は、

 ボクシングを知らない方々にも激おすすめですよ。

 どうか最後の1ページまで、読み逃しなく!

 

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~ 御山の薄暮に ~

2024-08-25 22:03:50 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ううむゥ! たんぺんえいがァ、みたいでスゥ!」

「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!力作だよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2日前の公開された米津玄師さんの『がたくた』MVの、

 見る者を呪縛するような深淵……!

 今日も思わずヘビロテしながら、

 おっと、読書タイムも忘れてはいけませんね。

 では、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 完本 神坐(いま)す山の物語 ――

 

 

 著者は浅田次郎(あさだ・じろう)さん、

 2024年6月に発行されました。

 

 東京・多摩エリアの¨霊山¨といえば、

 高尾山(たかおさん)と、

 御嶽山(みたけさん)が広く知られています。

 (注:御岳山と表記する場合もあります)

 

 そして、

 著者・浅田さんのお母様の出身は

 御嶽山にある武蔵御嶽神社とあって、

 浅田さんは御嶽神社を舞台とする《こわい話》を

 語ってきたのですが。

 

「かんぽんッ??」

「ぐるっるぅるる?」(←訳:終わっちゃうの?)

 

 終わってほしくない、いつまでも続いて欲しいのに、

 と、しょんぼりしつつ、

 御本を手に取ってみれば、

 たちまちのうちに意識は御嶽の山へと飛んでゆきます。

 

 この『完本』には、

 既に文庫化されている作品9編と、

 書き下ろし作品『山揺らぐ』、

 単行本未収録であった

 『長いあとがき あるいは神上りましし諸人の話』

 が収録されています。

 

 時期的にひどく衝撃的だったのは、

 やはり何と言っても

 『山揺らぐ』でしょうか。

 

 揺らぐ――この言葉からも想像できますように、

 背景となっているのは、

 大正12年(1923年)9月1日に発生した

 関東大震災です。

 

「なにかァ、きこえまスゥ!」

「がるーっるぐるる!」(←訳:ゴオーッていう音!)

 

 正午より、わずかに前。

 巨大な¨うねり¨が関東平野を襲いました。

 東京の西、奥多摩に位置する御嶽山へも、

 禍々しい¨うねり¨の牙が迫り来る様子を、

 山上の神社に暮らす人々は目撃します。

 

 平野も、麓も、山上も、

 百年に一度の天災に為す術はなく。

 

 揺れがようやっと治まってからも、

 禍々しい出来事が次々と。

 

「こわいィでス!」

「ぐるがるぐる!」(←訳:怪談より怖い!)

 

 いままで、東京や横浜の市街地で

 関東大震災を経験した小説や映像作品はありましたが、

 奥多摩の山の上という、

 特殊な場所で遭遇した地震を描いたのは、

 浅田さんが初めて、かもしれません。

 

 神社に人びとは、はたして、

 未曽有の難事とどう対峙し、

 悲劇を乗り越えるべく努めたのか。

 

「どうかァ、おわらないでェ!」

「がっるぐるるる!」(←訳:もっと知りたい!)

 

 物語全体を象徴する、

 お狐さまをも調伏する験力の主・ヒゲのおじいさん。

 

 ¨視えるひと¨であったヒゲのおじいさんには、

 その大きなチカラに見合うほどの

 凛々しくも壮絶な若き日々があったに違いなく、

 できることなら、ヒゲのおじいさんの一代記を

 読んでみたいものです。

 

 全活字マニアさんに激おすすめの、

 近くて遠い御山のものがたり、

 ぜひ、一読してみてくださいね♪

 

 

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~ 国宝の森 ~

2024-08-24 22:03:59 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ねこばすゥ、ほしィ~でスよゥッ!」

「がるる!ぐるるがるるるる!」(←訳:虎です!一家に一ネコバス!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨日8月23日に放送された『となりのトトロ』、

 やはりやはり素晴らしかった……!

 我が家にもネコバスちゃんがいればなぁ~と夢見つつ、

 さあ、本日は読書をサボって、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 神護寺 ――

 

 

 東京・上野の東京国立博物館 平成館にて、

 会期は2024年7月17日~9月8日(月曜休館)、

 『JINGOJI THE DAWN OF SHINGON BUDDHISM』と英語題名が、

 『空海と真言密教のはじまり』と日本語副題が付されています。

 

「きねんのォとしィ、なのでス!」

「ぐるがるるるる!」(←訳:創建1200年!  

  

 京都市の西北、高雄(たかお)に所在する

 神護寺(じんごじ)さんは、

 今年(2024年)が創建1200年、

 そして、

 空海さま生誕1250年という

 記念の年を迎えています。

 

 東京で開催されているこの展覧会では、

 空海さまゆかりの宝物をはじめ、

 神護寺さんに受け継がれる

 貴重な文化財が出展されていますよ。

  

「こくほうゥ、ずらァ~りィ!」

「がるぅぐる!」(←訳:うわぁ壮観!)

 

 寺外初公開となる御本尊『薬師如来立像』(平安時代・8~9世紀)、

 『五大虚空蔵菩薩坐像』(平安時代・9世紀)、

 『両界曼荼羅(高雄曼荼羅)』(平安時代・9世紀)、

 『釈迦如来像』(平安時代・12世紀)、

 空海さま直筆の『灌頂暦名(かんじょうれきみょう)』

 (平安時代・弘仁3年・西暦812年)……

 

 と、神護寺さんが蔵する国宝の数々が

 公開されている中で、

 最も“世に知られている”のは、

 もしかしたら、

 ↓こちらの作品でしょうか。 

  

 国宝『伝源頼朝像』(鎌倉時代・13世紀)。

 

「あッ! よりともォさんッ!」

「ぐるるるるるがるるる!」(←訳:神護寺さんにいたんだ!)

 

 頼朝さんなのか、そうではない別人なのか、

 謎に包まれた美しい肖像作品……

 残念ながら、展示期間が終了してしまったので

 現在は拝見できませんけれども、

 日本史マニアさんの心が沸き立つ傑作ですね。

  

 空海さんの足跡を

 いまも確固と伝える神護寺さんの至宝――

 

 日本美術好きな方々&仏像愛好家さんはもちろん、

 歴史好きな活字マニアさんにもおすすめの特別展です。

 どうかお見逃しなく~!

 

 

 

   では、ここでオマケ画像も!

   

   『キリン』さんの

   《からだ晴れ茶 免疫ケア 生茶》で、

   免疫力アップに期待!

   「おッ! おいしィでス!」

   「がるぐる!」(←訳:味はほぼ生茶!)

   夏の出口がようやく見えて……きたような気がするこの頃、

   疲れも溜まっているはずですから、

   皆さま、御自愛しつつ、穏やかな休日を♪

   

    

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~ 四季の空に、星語り ~

2024-08-23 22:03:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふわわァ! なんたるゥ~さいずゥ!」

「がるる!ぐるるるがるっる!」(←訳:虎です!2492カラット!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2492カラットのダイアモンド原石が、

 アフリカ南部のボツワナで発掘!

 史上2番目の大きさだというダイアモンドは、ほぼ手のひらサイズ……!

 このまま研磨せずに博物館で展示してほしいなぁ~と思ったりしつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 神秘的で美しい星図鑑 ――

 

 

 監修は丹野佳代子(たんの・かよこ)さん、

 イラストは まいまい堂さん、

 2024年7月に発行されました。

 『Mysterious and beautiful star guide』と英語題名が付されています。

 

 金剛石もかくやと、

 夜空を彩る星たち――

 この御本で紹介されているのは、

 春、夏、秋、冬、南天(南半球)の空で見られる88の星座と、

 太陽、月、惑星にまつわる

 『星と神々の物語』。

 

 つい先日は、

 火星と木星が明け方の空で大接近して、

 その観測写真がSNSでバズったりしていましたが……

 

「もッとォ、ふつうゥにィ~!」

「ぐるるがるるるぐるる!」(←訳:夜空を見上げてみよう!)

 

 もうすぐ9月ですから、

 はい、参照すべきは、9月頃から11月頃にかけて

 天空の主役となる《秋の星座》(本文78ページ)ですね。

 

 ここで目立つのは、

 お喋り好きな王妃カシオペアが

 娘のアンドロメダ姫を自慢し過ぎたことから始まった

 古代エチオピア王家にまつわる物語でしょうか。

 

「おおぜいィ~まきこまれましたでス!」

「がるぐるる!」(←訳:もう大混乱!)

 

 騒動のきっかけを作った張本人・カシオペア妃に、

 夫のケフェウス王、

 愛娘のアンドロメダ姫、

 姫を救出した英雄ペルセウスさんはもとより、

 ペルセウスさんの愛馬ぺガススくんも、と

 神話のメンバーは夜空で大活躍!

 

 ……しかし、私ネーさの推し星座は、

 お姫さまや英雄さんでもなく。

 

 秋の南の空に輝く、くじら座です。

 

 日本での星座名は、くじら、であるものの、

 実は、この星座のモチーフになっているのは、

 海の怪物ケトス。

 

 海の神ポセイドンさんの家来であるケトスくん、

 主の命令に従って、

 海岸の岩石に鎖でつながれた生贄をガブリ!

 とするつもりでいたら、

 なぜかそこで英雄さんと遭遇?

 

「ひええッ!」

「ぐるぅ~!」(←訳:沈むぅ~!)

 

 襲い来るケトスくんの面前に

 ペルセウスさんが高々と掲げたのは、

 メデューサの首でした。

 石化の呪いに曝されたケトスくんの身体は、

 ああ、千尋の海の底へ……。

 

「むむゥ! ひどいでスよゥ!

 そもそもはァ、にんげんがァわるいィのにィ!」

「がるるぐるる!」(←訳:そうだそうだ!)

 

 古代エチオピア王家のドタバタに巻き込まれた

 完全な被害者・ケトスくんを、

 主人のポセイドン神は哀れに思いました。

 そして、

 最高神ゼウスに頼み、

 星座にしてもらったのです。

 

 全天で4番目に大きな星座であるくじら座は、

 秋の南の夜空で輝いていますよ。

 くじら、いえ、ケトスくんの首元にある星ミラは、

 約330日周期で2等から10等星まで明るさを変える

 『脈動変動星』といって、なかなかに変わった星ですので、

 観測し甲斐がありそうですね。

 

「ほかにもォ、いろいろォ~」

「ぐるがる!」(←訳:伝説満載!)

 

 オリオンを猛毒で倒した大サソリのサソリ座、

 どんな獲物も必ず捕まえる神犬ライラプスのおおいぬ座、

 亡くなった主人を待ち続ける猟犬のこいぬ座、

 南半球のくじゃく座やカメレオン座……

 

 図版も豊富な、

 神話と星座の物語好きな方々に

 おすすめの星図鑑です。

 また、監修者の丹野さんは

 コニカミノルタプラネタリウムで

 番組制作にあたっている御方ですから、

 プラネタリウム鑑賞のお供にも、皆さま、ぜひ♪

 

 

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~ キングは、どこだ? ~

2024-08-22 22:03:32 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 みことォさァ~んッ! もうりィさァ~んッ!」

「がるる!ぐるるるがるぐる!」(←訳:虎です!いよいよ明日です!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 映画『ラストマイル』は明日8月23日公開!

 『アンナチュラル』の面々はどう絡んでくるのかな?

 と胸躍らせつつも、さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 最強の恐竜 ――

 

 

 著者は田中康平(たなか・こうへい)さん、

 2024年1月に発行されました。

 

「りりりィ~んッ!」

「ぐる!がるるる~?」(←訳:はい!もしもし~?)

 

 NHKラジオ『子ども科学電話相談』に、

 その質問は、今年もまた寄せられました。

 すなわち、

 

 《いちばんつよいきょうりゅうはなんですか?》

 

 定期的に子供たちからの問いに答えるのは、

 北海道大学の小林快次(こばやし・よしつぐ)教授と

 筑波大学で生命環境系助教を務める著者・田中さんです。

 『恐竜』に関する質問を担当している御二方にとって、

 ¨古生物学あるある¨な質問ですが……

 

「なまほうそうゥ、でスよゥ!」

「がるぐるぅる~!」(←訳:緊張しちゃう~!)

 

 ドキドキハラハラの生放送を終えた後、

 田中さんは、あらためて考えます。

 

 一番強い恐竜ってなんだろう?

 

 多くの人は、強い恐竜、と聞いて

 ティラノサウルスを思い浮かべるだろう。

 一番大きな恐竜、といったら

 スーパーサウルスだろうか。

 それとも、

 一番頭がいい恐竜が、最強なのかもしれない。

 

 ……恐竜のナンバーワンって、

 つまり、どいつなんだ?

 

「さがしてェみまスかッ?」

「ぐるがるるっる?」(←訳:でもどうやって?)

 

 手掛かりは、化石。

 田中さんは、自身の発掘体験を交えながら、

 数多の恐竜たちの特徴を解説してゆきます。

 

   史上最も大きな恐竜は?

   一番足が速い恐竜は?

   噛む力が一番強い恐竜は?

   一番賢い恐竜は?

 

「むむッ? かしこいィ?」

「がるるぐるるる?」(←訳:賢さが分かるの?)

 

 化石の頭蓋標本をマイクロCTスキャンで透視し、

 頭骨内部の空間を分析してゆけば、

 恐竜がどれほどの脳を持っていたかが解ります。

 

 田中さんの見解によれば、

 頭の良い恐竜として挙げられるのは、

 トロオドン、

 オルニトミムス、

 バンビラプトル……

 

 しかし、絶対的な脳の大きさ、という点で、

 恐竜界最大の脳を持っているのは、

 ティラノサウルス……?

 

「じゃあァ、やぱりィ?」

「ぐるるる!」(←訳:キングは!)

 

 《最強》は、どこにいる?

 

 ネタバレになってしまうので、

 これ以上はお喋りできませんけれど、

 分かりやすい文章で綴られた

 『キング・オブ・キング』考察は

 古生物学好きな小学生さんに、

 恐竜映画好きな方々にもおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

 (なお、映画『ジュラシックワールド』で

  凶暴ティラノくんをパクリとやって人気になった

  《海の王者》モササウルスくんは、

  海生爬虫類の一種ですので、

  恐竜ではないんです。

  ごめんよ、モササウルスくん……)

 

 

 

 

 

 

 

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