「こんにちわッ、テディちゃでス!
うううゥ、がんばりィ~ましたでスゥ!」
「がるる!ぐるるっる~…!」(←訳:虎です!乗り切った~…!)
こんにちは、ネーさです。
酷暑の7月を耐え、猛暑の8月もどうにか踏ん張って、
明日からは9月……!
よくやったぞ!と自分を誉めてあげながら、
さあ、8月を締めくくる読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 小田急百貨店の展覧会 ――
著者は志賀健二郎(しが・けんじろう)さん、
2022年9月に発行されました。
『新宿西口の戦後50年』と副題が付されています。
「ひゃッかてんのォ、てんらんかいィ!」
「ぐるるっるるる!」(←訳:楽しかったよね!)
お買い物をするオマケにアートを観賞しよう。
あるいは、
アート観賞をして、その後はランチやお買い物も。
百貨店でこういった休日の過ごし方ができたのは、
1980~90年代の頃だったでしょうか。
伊勢丹さん、三越さん、セゾン(旧西武)さん、東武さん、
そして小田急さんも、
以前は美術館を運営していて、
数多くの企画展示が行われていたのです。
「ああァ、でもォ~…」
「がるるぐる……」(←訳:景気が減速……)
1991年をピークに、
百貨店、いえ、日本経済全体に冬の風が吹きつけました。
経営が厳しくなると、
真っ先に切り捨てられがちなのは、文化事業です。
小田急百貨店さんでも、2001年秋、
新宿本館11階の美術館は、静かにその扉を閉じました。
「さみしいィでスゥ……」
「ぐるるぅ~…」(←訳:つらいよぅ~…)
著者・志賀さんは、1974年に小田急百貨店さんに入社、
小田急グランドギャラリーなどを担当されて、
小田急美術館の館長さんも務め、2006年に退社、
2006年から2011年は川崎市民ミュージアム館長さん、
という経歴をお持ちの、
美術館館長さんの道を歩んできた御方です。
志賀さんはこの御本で、
新宿の西口で成長と拡大を遂げてきた百貨店が、
文化事業に意義を見出し、
美術館を整備していったこと、
御自身が手掛けた数多の企画展について
詳細に記してゆきます。
この、展覧会のラインアップというのが、
小田急さんの場合、とてもユニークで!
「いろいろォ、あるのでス!」
「がる~る!」(←訳:幅広~い!)
幻想絵画、報道写真、鉄道、
超絶技巧の名工さん、インカ帝国、
高村光太郎さん&智恵子さん、斎藤茂吉さん、
弘法大師さん、こどもSF、絵本、
いまではNGに違いない刺青(ほりもの)展なんていう
アウトサイダーな展示もあったんです。
私ネーさが拝見したのは、
美術館がクローズする少し前の、
絵本やイラストレーションの展覧会でした。
展示内容が充実ぶりが嬉しくて、
ミュージアムショップで関連書籍を買いまくりましたっけ。
「おきにいりィ、だッたのにィ~…」
「ぐるがるるるる……」(←訳:もう無いんだね……)
国立や都立の美術館では創れない、
エッジの効いた展示。
美術史の狭間に埋もれてしまった作家さんを発掘し、
日本ではまだ知られていない作家さんを紹介する、
挑戦的な企画。
美術館も、小田急百貨店本館さんも(一時的に?)
新宿の西口から姿を消してしまいましたけれど、
いまも懐かしく思い出しますよ。
また、読んでいるうちに、
東京、横浜、名古屋、大阪や京都他、
日本各地の百貨店さんに幸あれ!
とエールを送りたくなるノンフィクション作品でもあります。
百貨店好きな皆さま、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪