「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうはァ~…そそそッ、そうたいせいィりろんッ??」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!相対性理論~!)
こんにちは、ネーさです。
1905年の6月30日、科学誌に
アルベルト・アインシュタインさんが相対性理論を発表、
なので今日6月30日は“相対性理論の日”だとか。
そこで本日の読書タイムは、
“理“を大いに意識させられるこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
―― コープス・ハント ――
著者は下村敦史(しもむら・あつし)さん、
単行本は2020年に、
加筆修正された文庫版は2022年2月に発行されました。
『Corpse Hunt』と英語題名が付されています。
「こォーぷスゥ? それはァ、もしやァ~…?」
「ぐるる!」(←訳:不吉だ!)
英語のコープス(corpse)とは、
日本語に訳すなら『死体』や、『遺体』、『亡骸』……
あ、corpus candle もしくは corpse light には
『人魂』の意味があるそうですよ。
なんだかちょっと、不穏な言葉ではありますが。
活字マニアさん&映画マニアさんは、
corpse hunt=『死体探し』と耳にすれば、
或る名作映画を思い浮かべるんじゃないかしら?
「それはァ、あのッ!」
「がるるるぐるるー!」(←訳:スタンドバイミー!)
S・キングさん原作、ロブ・ライナーさん監督による
映画『スタンド・バイ・ミー』(1986年)。
一説ではキングさん自身の少年時代を投影したものだともいう、
美しく、痛ましく、観る者の心を奪う物語でした。
そして、現代の日本でも。
少年たちは『死体探しの旅』に
出発しようとしています。
「ええッ?? ほんきィ~でスかッ??」
「ぐるるるる~!」(←訳:止めようよ~!)
少年のひとり、宗太(そうた)くんには、
旅に出たい理由があります。
宗太くんは、中学生ユーチューバー。
再生回数を稼ぐためには、
話題性のある企画が必要です。
知人のユーチューバーから、
ひと夏の冒険としちゃスリリングで面白そうだろ、
と誘われて、宗太くんも『死体探し』に
乗り出すことになったのでした。
一方、
宗太くんのあずかり知らぬところでは……?
「むむむゥ? こッちでもォ?」
「がるぐるる!」(←訳:探し始めた!)
折笠望美(おりかさ・のぞみ)さんは、
警察官として
『死体探し』に臨んでいます。
世間を震撼させた凶悪な事件の犯人が
法廷で言い放ったのは――
罪に問われているうちの一件は、
俺の犯行じゃない。
「つまりィつまりィ??」
「がるるぐるるがる?」(←訳:犯人は他にもいる?)
『スタンド・バイ・ミー』のように
どこかのんびり気分で旅に出る宗太くんたち。
観光や暇つぶしではなく
あくまでもシリアスな折笠さん。
ふたつの『死体探し』の道は、
どこで交差し、どう帰着するのか。
犯人を見出す“理“とは。
ネタバレ厳禁、これ以上はお喋りできませんけれども、
映画好きな方に、
警察小説好きな活字マニアさんにも
おすすめの長編ミステリ作品ですよ。
夏の読書タイムに、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫