テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 夏の日の《探し》旅 ~

2022-06-30 22:03:57 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうはァ~…そそそッ、そうたいせいィりろんッ??」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!相対性理論~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 1905年の6月30日、科学誌に

 アルベルト・アインシュタインさんが相対性理論を発表、

 なので今日6月30日は“相対性理論の日”だとか。

 そこで本日の読書タイムは、

 “理“を大いに意識させられるこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― コープス・ハント ――

 

 

 著者は下村敦史(しもむら・あつし)さん、

 単行本は2020年に、

 加筆修正された文庫版は2022年2月に発行されました。

 『Corpse Hunt』と英語題名が付されています。

 

「こォーぷスゥ? それはァ、もしやァ~…?」

「ぐるる!」(←訳:不吉だ!)

 

 英語のコープス(corpse)とは、

 日本語に訳すなら『死体』や、『遺体』、『亡骸』……

 あ、corpus candle もしくは corpse light には

 『人魂』の意味があるそうですよ。

 なんだかちょっと、不穏な言葉ではありますが。

 

 活字マニアさん&映画マニアさんは、

 corpse hunt=『死体探し』と耳にすれば、

 或る名作映画を思い浮かべるんじゃないかしら?

 

「それはァ、あのッ!」

「がるるるぐるるー!」(←訳:スタンドバイミー!)

 

 S・キングさん原作、ロブ・ライナーさん監督による

 映画『スタンド・バイ・ミー』(1986年)。

 一説ではキングさん自身の少年時代を投影したものだともいう、

 美しく、痛ましく、観る者の心を奪う物語でした。

 

 そして、現代の日本でも。

 少年たちは『死体探しの旅』に

 出発しようとしています。

 

「ええッ?? ほんきィ~でスかッ??」

「ぐるるるる~!」(←訳:止めようよ~!)

 

 少年のひとり、宗太(そうた)くんには、

 旅に出たい理由があります。

 

 宗太くんは、中学生ユーチューバー。

 再生回数を稼ぐためには、

 話題性のある企画が必要です。

 知人のユーチューバーから、

 ひと夏の冒険としちゃスリリングで面白そうだろ、

 と誘われて、宗太くんも『死体探し』に

 乗り出すことになったのでした。

 

 一方、

 宗太くんのあずかり知らぬところでは……?

 

「むむむゥ? こッちでもォ?」

「がるぐるる!」(←訳:探し始めた!)

 

 折笠望美(おりかさ・のぞみ)さんは、

 警察官として

 『死体探し』に臨んでいます。

 

 世間を震撼させた凶悪な事件の犯人が

 法廷で言い放ったのは――

 

   罪に問われているうちの一件は、

   俺の犯行じゃない。

 

「つまりィつまりィ??」

「がるるぐるるがる?」(←訳:犯人は他にもいる?)

 

 『スタンド・バイ・ミー』のように

 どこかのんびり気分で旅に出る宗太くんたち。

 観光や暇つぶしではなく

 あくまでもシリアスな折笠さん。

 

 ふたつの『死体探し』の道は、

 どこで交差し、どう帰着するのか。

 犯人を見出す“理“とは。

 

 ネタバレ厳禁、これ以上はお喋りできませんけれども、

 映画好きな方に、

 警察小説好きな活字マニアさんにも

 おすすめの長編ミステリ作品ですよ。

 夏の読書タイムに、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 《本》は、どこから? ~

2022-06-29 22:10:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ほッきょくへェ、ゆきたしとォおもえどォ~」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!北極は遠し~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 あまりの熱波に、『どこでもドア』があったら

 この炎天下に寒冷地の空気を運び入れたいわ……!

 北極、いや南極の方がいいかなぁ?などと妄想しつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 図説 本の歴史 ――

 

 

 編者は樺山紘一(かばやま・こういち)さん、

 初版は2011年に、

 画像の新装版は2022年4月に発行されました。

 

   私たち活字マニアが

   こよなく愛する《本》とは、

   どんな歴史を有しているのか――

 

 この御本では、

 古代から21世紀までの

 《本》の歴史を振り返ります。

 

「いだいィなるゥ、はつめいィ!」

「ぐるるる!」(←訳:それは紙!)

 

 人類の為した“偉大な発明“の一つに数えられるのが、

 《紙》――

 編者・樺山さんは《紙》をこう形容しています。

 

  最強のメディア。

 

「うむむッ、なるほどねッ」

「がるぅぐーる!」(←訳:コミュツール!)

 

 《紙》は、紀元前200年頃に発明され、

 その後、中国の祭倫さんによって製紙法が完成し、

 日本に伝わったのは610年。

 そして、大宝律令制定(701年)のもと、

 図書寮(ずしょりょう)が作られ、

 日本の各地で紙が作られるようになった、といいます。

 

 これは一種の、いえ、

 大きなステージアップに違いありませんよね。

 竹簡や木簡で記録を残していた時代から、

 《紙》で伝える世界が拓けた!のですから。

 

「じょうほうりょうゥ、ふえたのでス!」

「ぐるる!」(←訳:格段に!)

 

 本文は、

  第1章『書物という仕組みは』

  第2章『本が揺り籃から出る』

  第3章『書物にみなぎる活気』

  第4章『本の熟成した味わい』

  第5章『書物はどこへゆくか』

 と5つの章で構成され、

 東洋・西洋それぞれでの《本》の発達、

 技術的革新、大衆化と普及、

 といった変転が解説されてゆきます。

 

 どの章も読みごたえがありますが、

 私たちがワクワクさせられるのは、

 第3章以降、でしょうか。

 

「もじはァ、せいみつゥ!」

「がるるるぐる!」(←訳:カラフルだし!)

 

 グーテンベルクさんの活版印刷術。

 図書館の発展。

 焚書や禁書、検閲などの受難。

 博物誌と旅行記。

 フランス革命を後押しした『百科全書』。

 辞典、版画、挿絵本……

 読むだけではなく

 見て楽しむ《本》の興隆。

 

 さらには、子どもたちの手にも《本》が届き、

 すべての年代へ、国へ、

 《本》が行き渡ってゆく……。

 

「はたしてェ、みらいィはァ?」

「ぐるるるるるるぅ?」(←訳:どうなるのかなぁ?)

 

 未来の《本》は?

 完全デジタル化して、紙の《本》は消えてしまう?

 

 私ネーさの私見ですが、

 なくならない、と思うのです。

 かつて、作家のアシモフさんは著作の中で、

 紙の本は消える、と予測しておられましたけれど、

 それから四半世紀以上が経っても……

 無くなってませんよね?

 

「むふふッ!」

「がるる!」

 

 歴史ある《本》たちに、

 新しいカタチの《本》にも、

 感謝を捧げたくなる

 愛書家さん必読の《本》の本です。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~  炎城 一閃 ~

2022-06-28 22:05:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぶんしんのォ~じゅつゥ、どろろんッ!」

「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!雲隠れの術~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 暑さにぐったり……な夏の読書タイムは、

 はい、フィクショナルでエンタな作品で、

 時間の彼方へひとっ飛びしてみましょう。

 さあ、本日はこちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

          ―― 焔ノ地 ――

 

 

 著者は結城充考(ゆうき・みつたか)さん、

 2022年3月に発行されました。

 『天正伊賀之乱』と副題が付されています。

 『焔ノ地』は『ほむらのち』とお読みくださいね。

 

「てんしょうゥじだいィ~…!」

「ぐるがるるる!」(←訳:戦国ど真ん中!)

 

 天正年間は、西暦の1573年から1592年まで。

 いわゆる“戦国時代”の、

 真ん中、よりは、ほぼ終章、でしょうか。

 

 武田信玄さんも上杉謙信さんも、

 実力はあっても上洛はままならず、

 結局は織田信長さんの覇権が

 ほぼ見えてきた天正年間の、後半――

 天正六年(1578年)秋。

 

 伊賀の国に火の手が上がります。

 

「おしろがァ、もえてるゥ??」

「がるぐるるっ?」(←訳:敵襲ですかっ?)

 

 伊勢国から伊賀国へと向かう峠の道で、

 アラタこと

 新弥兵衛(あらた・やへえ)さんは

 目を瞠ります。

 

 まるで落ち武者みたいな侍連中と

 夜道で出会い、見逃してやった、と思ったら、

 おお、なんと、城に火の手が……!

 

 燃えているのは、

 伊賀国の中央を占める

 丸山(まるやま)に築かれた丸山城。

 

「たたたッ、たいへんッでスゥ!」

「ぐるがるるる!」(←訳:消火しないと!)

 

 いえ、それが実は。

 火は、アラタさんの同郷人である

 伊賀国の衆によって放たれたもの、でした。

 

 伊賀国は、

 峻険な山々に囲まれ、

 領土広大とは言えませんけれども、

 重税を課す領主はいないためか、

 国人たちの暮らし向きは割合と豊かです。

 

 そして、そういう土地は――

 

「ねらわれェちゃうゥ!」

「がるるぐるるぅ!」(←訳:標的にされるぅ!)

 

 信長公の次男(のちの織田信雄)を

 養子に迎え入れたことによって、

 事実上、織田に乗っ取られた北畠家。

 

 北畠/織田家とは反対陣営の者たち。

 

 アラタさんたち伊賀の者。

 

 さらには、伊賀とはあんまり……いえ、

 とても仲がよろしくない甲賀の国人。

 

 さまざまな勢力、思惑や欲を巻き込んで、

 伊賀国に次々と火の手が、

 騒乱が起こってゆきます。

 丸山城の焔は、その騒乱の中の

 小さな火花に過ぎなかったのでした。

 

「どうやッてェ、たたかおうゥ?」

「ぐるるがる!」(←訳:相手は強大!)

 

 伊賀の里に育ったアラタさんは、

 忍者、忍術使い、

 それとも、現代風に謂うなら、

 傭兵、でしょうか。

 そんな“特殊なスキル“を有する彼ら伊賀者の、

 闘いの行き先は……?

 

 NHK BSプレミアムのドラマ班さんで映像化してほしいなぁ♪

 と思わされる長編作品は、

 時代&歴史小説好きな方々に

 激おすすめですよ。

 夏の夜の読書タイムに、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ ひんやり美味で、しばしの癒し ~

2022-06-27 22:05:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ひとあしィ~はやいィけどォ~!」

「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!暑中お見舞い~!)

「もうしあげまスゥ!」

 

 こんにちは、ネーさです。

 暑中見舞いは、梅雨が明けた7月7日頃から、

 というのが基本マナーのようです。

 ただ、先ほど気象庁さんから“関東は梅雨明けしたもよう“と

 アナウンスがありましたので、

 あらためて暑中お見舞いを申し上げつつ、

 本日の読書タイムは、さあ、こちらを、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― SAVVY 2022/08 ――

 

 

 関西で発行されている月刊誌『SAVVY(サヴィ)』6月号は、

 『愛されパフェ』と題して、

 近畿圏の《パフェ》を大特集!

 

「ふァ~…うれしいィ~…」

「ぐるるるぅ~…」(←訳:癒されるぅ~…)

 

 暑さで思考も停止してしまいそうな夏の日には、

 はい、やっぱりこれでしょう♫

 

 涼し気なグラス、

 季節のフルーツ、

 ゼリーにアイスクリーム、

 そして、クリーム。

 ええ、↑ここ大事です、クリーム!

 

「くりィ~むゥなしのォ、ぱふぇなんてッ!」

「がるるるる!」(←訳:有り得ない!)

 

 グラノーラ専門店さんの『桃のパフェ』(8ページ)、

 メロン半玉を使った『スタンダードメロンパフェ』(9ページ)、

 『ブルーベリーとラベンダーのパフェ』(11ページ)

 

 ……と、特集の冒頭は、

 果実系《夏パフェ》の紹介から始まり、

 続いての《パフェ図鑑》では、

 大阪駅周辺、京都、神戸、和歌山など、

 広範囲なエリアから

 迫力ある新作パフェの画像を厳選。

 

 さらに続いては、

 チョコレート……!

 

「まなつもォ、しょこらッ!」

「がるるるる!」(←訳:外せません!)

 

 そして、このところ人気が再燃している

 レトロな焼きプリンを主役にした

 プリンのパフェ……

 ダイナミックな”盛り“っぷりが素敵です。

 

 あら、こちらの渋いグリーンは――

 

「まッちゃッ!」

「ぐるがるぅるぐるるる!」(←訳:抹茶パフェもいいよね!)

 

 お団子、白玉、わらびもち入りのパフェ。

 といったジャポネなパフェがあれば、

 コーヒーゼリーのパフェ、紅茶のパフェもあり。

 

 一方で、47ページの、

 ミント専門カフェのパフェ、っていうのは

 強烈なひんやり体験の予感ですねえ♪

 

「みているゥだけでェ~」

「がるぐるる!」(←訳:体温急降下!)

 

 表紙を飾る

 奈良県橿原市の『café ひそひそ』さんの

 《メロンパフェ》を筆頭に、

 思わず笑ってしまう

 京都『からふね屋珈琲 三条店』のパフェ一覧表など、

 総力を挙げての《パフェ》特集は

 関東に住む私たちにとっては、

 羨ましいばかりです。

 

 冷菓好きな方々の笑顔が目に浮かぶかのような

 『SAVVY』8月号、

 本屋さんで見かけたら、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

「あたまもォ、しゃッきりィ~!」

「ぐるがるる!」(←訳:眼福でした!)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 《いくさ》をひもとけば ~

2022-06-26 22:01:23 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ……ひとォつゥ~…ふたァつゥ~…」

「がるる!ぐるぅ~…」(←訳:虎です!三つぅ~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 一つ二つ……といっても、怪談ではございません。

 猛暑のおかげで、

 アイスクリームの消費量が、1、2、3……と増えてゆきます。

 『モナ王』が定番だけど『MOW』も美味しいわ♪

 などとパクつきながら、

 本日の読書タイムは、こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  

 

 

       ―― 《合戦》の日本史 ――

 

 

 著者は本郷和人(ほんごう・かずと)さん、

 2022年3月に発行されました。

 『城攻め、奇襲、兵站、陣形のリアル』

 と副題が付されています。

 

「であえェ~! てきしゅうゥだァ!」

「ぐるがるるるぅ!」(←訳:殿をお守りせぃ!)

 

 などなど、映画、ドラマ、小説で描かれる

 《合戦》シーン。

 

 フィクションならば、

 壮麗な騎馬合戦や斬り合いを映して、

 はいOK!となりましょうが、

 リアル――実際に起こったことに目を向ければ、

 騎馬の激突シーンだけでは済みませんよね。

 

 この御本では、

 第一章『合戦の真実』

 第二章『戦術』

 第三章『城』

 第四章『勝敗』 

 と、4つのパートに分けて

 《戦》のリアルを探ってゆきます。

 

「いくさのォ、ならわしとォいえばッ」

「がるぐる!」(←訳:一騎打ち!)

 

 上杉謙信公と武田信玄公の

 川中島での対決を想わせるような、

 武人同士の一騎打ち。

 

 これが、実は、

   名乗り合いから始まり → 戦うことが決定 →

   まずは弓矢を互いに射る → 弓で勝負がつかない場合 →

   『いざ組まん!』と声を上げ → 馬上で姿勢を正し →

   組み討ち開始 → 相手を馬から落とし →

   押さえつけて小刀を抜き → 首を取る。

 という、“流れ“が定められいるんですって。

 

 他に、助太刀をする場合の決まり事などもあって、

 なんだか面倒臭いなぁ、実戦的じゃないなぁ、

 と思ってしまう複雑な手順ですが、

 著者・本郷さんは↓こう記しています。

 

   命のやり取りをするわけですから、

   そこにはルールも何もあったものではない、

   のではなくて、

   リアルな合戦には案外に細かな

   戦いのルールがあったのではないか。

 

「いがいィ~なのでス!」

「ぐーるがるぐぅるるるる?」(←訳:ルール無用じゃないんだ?)

 

 しかし。

 一騎討ちが主流であったのは、鎌倉時代の初期まで。

 元寇の戦いを経験し武人たちは、

 集団戦を中心とする合戦にシフトしてゆきます。

 

 『戦いは数』――

 兵力とは『数』である、

 『数』が多い方が勝つという思考。

 

 そして、いかにして『数』を得るか、

 『数』を支え、維持するか、といった点が

 《戦》の勝敗を決する時代がやって来ました。

 

「もうゥ、はッきりィとォ~」

「がるるぐるる!」(←訳:武士の時代に!)

 

 貴族の世から、武士の世へ。

 武士の世の地盤が固まるにつれ、

 《戦》のシステム化も進みます。

 

 前線の兵士たちと、後方の補給線。

 城郭の変遷、武具の発達、

 《戦》にかかるコストまで。

 

「はァ~…おもたいィ~…」

「ぐるるがるるrぅ~…」(←訳:重たい歴史だぁ~…)

 

 ええ、私ネーさ、例によって例の如く、

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への興味から

 この御本を手に取った訳なんですけれども、

 想像していた以上にずっしりと、

 《戦》の技術、歴史に接することが出来ました。

 

 大河ドラマや時代劇、

 歴史小説好きな活字マニアさんに

 おすすめのノンフィクション作品です。

 近代の戦についても言及されているので、

 近代史好きな御方も、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 白と黒のリアリズム ~

2022-06-25 22:00:10 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふゥっ! どこかにィ~いませんかァ~??」

「がるる!ぐるが~る!」(←訳:虎です!涼風さ~ん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 涼しい風がひたすら恋しい酷暑の週末となりました……

 こんな日は無理をせず、

 読書を休んで、↓こちらの展覧会情報を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 木村伊兵衛と土門拳 ――

 

 

 山形県酒田市の土門拳記念館にて、

 会期は2022年4月8日~7月3日(会期中無休)、

 『――《瞬間》と《凝視》の好敵手――』

 と副題が付されています。

 

 20世紀日本の写真界を牽引した、

 木村伊兵衛(きむら・いへい)さん(1901~1974)、

 土門拳(どもん・けん)さん(1909~1990)、

 おふたりの代表作が

 土門さんの記念館に大集結!しています。

 

「ものくろォ~ふぃるむゥ!」

「ぐるるがる!」(←訳:もはや古典!)

  

 ライカのカメラを愛用し、

 人間を、風景を、

 一瞬のうちに切り撮っていった木村さん。

 

 そして、

 被写体をじっくり凝視するような

 撮影プロセスを選んだ土門さん。

 

 《瞬間》と《凝視》、

 アプローチはまったく違えど、

 お二人とも、リアリズム写真を広く世に知らしめた

 偉大なアーティストさんでした。

  

 この展覧会は、

 2021年に木村さんが生誕120年を迎えたことを記念し、

 開催される特別展です。

 

 木村さんの『秋田おばこ』『永井荷風』、

 土門さんの『筑豊のこどもたち』『梅原龍三郎』など、

 有名な作品も出展されていますよ。

 

「ふァいッ! みたことォ、ありまスゥ!」

「がるぐる!」(←訳:傑作揃い!)

 

 久しぶりの旅行で山形へ!という御方は、

 土門拳記念館まで

 足を伸ばしてみてくださいね。

 行ってみたい!でも遠過ぎるわ……という方々は、

 記念館のHPを覗いてみるだけでも、ぜひ♪

 

 

 

   では、ここで美味しいオマケ画像も!

   

   『明治』さんの

   《ミントチョコレート》は……

   冷やします。

   冷やして冷やして冷やすのです。

   「ほわわァ~…」

   「ぐるるる~…」(←訳:ひんやり~…)

   熱中症経験者の私ネーさが断言します。

   水分・塩分・栄養補給も大切ですが、

   寝不足を避けることも重要です。

   どうか皆さま、ご自愛しつつ、穏やかな休日を。

 

 

 

   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 陽の降りそそぐ坂道を ~

2022-06-24 23:32:57 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 とんぼッ、はッけェ~んッ♪なのでスゥ!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!今年も会えたね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 毎夏、我が家の庭に現れるオハグロトンボくんが

 今年も顔を見せてくれました。

 お久しぶり~!と声を掛けた後は、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

        ―― 拾われた男 ――

 

 

 著者は松尾諭(まつお・さとる)さん、

 画像の単行本は2020年6月に発行されました。

 ちょうど数週間前に

 文庫版が発売されたばかりの話題作です。

 

「どらまにィ~なりましたでス!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:BSで放送予定!)

 

 ドラマ『拾われた男 Lost Man Found』(全10回)は、

 6月26日夜10時よりBSプレミアムで放送開始、

 キャストは仲野太賀さん、草彅剛さん、

 伊藤沙莉さんや薬師丸ひろ子さん他、

 ディズニー・ジャパンとNHKエンタープライズが

 タッグを組んで制作!

 というのですから、豪華な映像作品になりそうですね♪

 

 対して、こちらの原作は……?

 

「ふしぎなァ~あじわいィ!」

「がるるるぐるる?」(←訳:どこまでホント?)

 

 少年時代、なりたかったのは

 タクシーの運転手さん。

 それが、17歳になると、

 役者さんになりたい!と思い立ち、

 やがて、上京。

 

 なぜって、そう、

 《東京にはいくらでもチャンスが転がってんで》

 と、聞いたので。

 

「うむむむゥ! それはァ~…」

「ぐるるがる!」(←訳:たぶん誤解!)

 

 友人の部屋に転がり込んだり、

 一人暮らしをしてみたり、

 某劇団の扉を叩いてみたり。

 

 チャンスはいくらでも転がってる……わけないよなぁ、

 と実感する青年は、ある日。

 

 拾ってしまったのです。

 

「これはァ~…なんだろゥ??」

「……がるる?」(←訳:……航空券?)

 

 自動販売機の下に落ちていた封筒には、

 航空券が入っていました。

 

 拾い物をしたら、交番へ。

 ちょっとだけ迷いつつも航空券を交番に届けた青年は、

 思ってもみませんでした。

 

 まさか、これが。

 拾った航空券がきっかけで、

 役者さんになる道が

 拓けてこようとは、まさか……!

 

「つるのォおんがえしィ?」

「ぐるっるるがるる!」(←訳:チケットの恩返し!)

 

 チケットの落とし主は、

 モデル事務所の社長さんだったのです。

 ここで、一気に形成逆転、

 青年は夢の階段を駆け上がり――

 なんてことは、やっぱり無く。

 

 一歩、半歩、また一歩と。

 歯を食いしばって進んでゆくしかなくて、

 それでもようやく、

 映画の、TVの、クレジットに

 自分の名が明記されるようになってきた……!

 

「ううゥ! よかッたでスよゥ!」

「がるるるぐるぅる!」(←訳:嬉し泣きしちゃう!)

 

 ゆっくり形を成してゆく、青年の夢。

 けれども、

 ふくらみ、上昇してゆくその夢を引き止めるかのように、

 或る出来事が。

 

 御本の前半部分では”青年自身の物語”が、

 そして後半部分では、

 “家族の物語”が展開します。

 

 山あり谷あり、

 役者さんになる夢を追う青年の毎日を、

 さて、ドラマはどう脚色するのでしょうか。

 フィクション路線で?

 それともノンフィクション風に?

 

 ドラマを観る前に原作を読むのも、

 原作を読んでからドラマを観るのも、

 どちらも楽しめそうな自伝的エッセイは、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 表紙の装画も松尾さん御自身による快作を、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 江戸の窓から、銀河を眺む ~

2022-06-23 23:32:42 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~♪ばァ~げェ~んッ♪」

「がるる!ぐるるがるぐっるる!」(←訳:虎です!欲しいものいっぱい!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 6月も下旬になって、夏物バーゲンセール開始!ですね。

 バギージーンズが良いなぁ~♫サンダルも欲しいぞぉ♫

 などと妄想を愉しみつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~!

  

 

 

         ―― 江戸の宇宙論 ――

 

 

 著者は池内了(いけうち・さとる)さん、

 2022年3月に発行されました。

 日本の、特に江戸時代後期に於ける科学の展開をテーマにした

 ノンフィクション作品です。

 

「えどじだいィとォ、かがくゥ~…?」

「ぐるるるがるる?」(←訳:結びつくのかな?)

 

 そうね、江戸時代って、なんとな~く

 停滞していて、古臭くて、時代遅れで、閉鎖的で……と、

 ネガティヴなイメージがなくもありません。

 

 しかし、私ネーさは大河ドラマ『青天を衝け』で学びました。

 江戸の時代は、必ずしも“古臭くて閉鎖的”ではない、と。

 

「かいがいのォ、じょうほうゥ~!」

「がるぐぅっる!」(←訳:常にチェック!)

 

 国が鎖国政策を敷いていても、

 長崎経由で入ってくる僅かな情報を基礎に、

 独自の《宇宙論》を組み立ててゆく――

 

 著者・池内さんが

 この御本で

 “江戸の天才“として挙げているのは、

 3人の“在野“の研究家さんです。

 

 絵師として広く知られる

 司馬江漢(しば・こうかん)さん(1747~1818)。

 

 ニュートン力学を日本に最初に紹介した

 志筑忠雄(しづき・ただお)さん(1748~1821)。

 

 豪商『升屋』の番頭を勤める

 山片蟠桃(やまがた・ばんとう)さん(1798~1802)。

 

「むむッ? ふくぎょうゥ、でスかッ?」

「ぐるるがる?」(←訳:科学者は副業?)

 

 本業か、副業なのか、という意識/認識を、

 そもそも彼らは持っていなかったのかもしれません。

 

 著者・池内さんは、司馬江漢さんを

 万能の天才――ルネッサンスマン的な人物と

 捉えているようです。

 

 蘭学を手掛かりに、

 彼ら江戸時代の科学者さんたちが突き詰めてゆくのは、

 地動説の受容、

 太陽が中心にあって周囲を回転する地球

 というイメージを描くこと、

 恒星・衛星・彗星・動力・遠心力・真空

 といった天文学用語を作ること、

 無限宇宙論

(宇宙は有限ではなく無限の広がりを持つという考え方)

 を提示すること……

 

 これはもう、時代遅れやら古臭いやらじゃないわね。

 光速度の測定、

 惑星の順行と逆行、

 太陽系の形成過程モデル、

 などの図形を目にすると、

 《19世紀初頭、日本の天文学は驚くべき水準だった》

 と御本の帯に書かれているのも、

 

「うむッ! そのォとうりィ~!」

「がるるっるるる!」(←訳:スゴかったんだ!)

 

 と、大いに納得出来ちゃいますね。

 

 著者・池内さんは

 3人の天文学者さんの功績と生涯を

 第一章『蘭学の時代』

 第二章『長崎通詞の宇宙』

 第三章『金貸し番頭の宇宙』

 終章『歴史の妙』

 と4つの章で語ってゆきます。

 

 19世紀の日本で、

 史料は少なく、ろくな機材もない中、

 3人の“天才“が想い描いた宇宙とは。

 

 理系ノンフィクション好きな方々に、

 歴史好きな方々に、

 おすすめの新書です。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 開幕を、鐘が歌う ~

2022-06-22 23:18:03 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おォ~! これはァ、ゆりィのはなァ~♪」

「がるる!ぐるるるぅっる!」(←訳:虎です!ドラマティック!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 お花屋さんに色んな種類のヒマワリが並ぶ一方、

 近所のお家の庭にはユリの花が咲き始めました。

 白、ピンク、黄色……

 存在感たっぷりのユリたちを眺めつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

   ―― すべての季節のシェイクスピア ――

 

 

 著者は松岡和子(まつおか・かずこ)さん、

 単行本は1993年に、

 画像の文庫版は2022年4月に発行されました。

 

 1993年より23年をかけて、

 とうとう2021年、

 シェイクスピアさんの戯曲全37本を翻訳、

 ちくま文庫『シェイクスピア全集』全33巻を完結!

 という偉業を成し遂げたのが、著者・松岡さん。

 

 この御本には、

 松岡さんの《シェイクスピア事始め》から

 《文庫版あとがき》まで、

 シェイクスピアさんの作品に寄せるエッセイ、

 インタビューなどが収録されています。

 

「まずはァ、はくしゅゥ!」

「ぐるるがるる~!」(←訳:大仕事でした~!)

 

 シェイクスピアさんの戯曲全部を

 個人で全訳……それも、

 英語とは言語の系統がまったく異なる日本語に。

 

 その労苦を想像すると気が遠くなりますが、

 『プロローグ 私のシェイクスピア事始め』で

 さっそく私たち読み手を驚かせてくれます。

 

   大学の英文科に進学はしたけれど、

   イギリス文学、アメリカ文学のいずれを学ぶか、

   小説、詩、戯曲、評論、英語学の

   どれに興味があるのか、

   自分でも皆目わからず。

 

   それでも、卒業までにシェイクスピア作品を

   原語で読んでおかなきゃ、

   と決意して『シェイクスピア研究会』に

   入ろうと思った――

 

「そのォ、ちいさなァ~いッぽがァ」

「がるるぐるる!」(←訳:偉大な一歩に!)

 

 松岡さんは、

 シェイクスピア作品を“訳すひと”であるだけでなく、

 “観るひと”でもあります。

 

 翻訳を進める傍ら、

 熱く、静かに見守ってきたのは、

 英国の、日本の、シェイクスピア劇。

 

 『ロミオとジュリエット』『夏の夜の夢』

 『オセロー』『リチャード三世』『マクベス』

 『リア王』『ハムレット』……

 

 有名な、というより

 有名すぎる作品を

 どう演出するか、どう演じるか。

 

 演出家さんへ、役者さんへ、

 松岡さんが向ける眼差しは、

 ゆったりと穏やかです。

 

「はくしゅとォ、しょうさんッ!」

「ぐるるるがるるるるる!」(←訳:すべての演劇人さんに!)

 

 ほろりとさせられてしまうのは、

 お父さまの思い出を織り込んだ

 『リア王』についての章、

 蜷川幸雄さんの足跡が滲む

 『終わりよければすべてよし』。

 

 長らく入手困難となっていたこの御本は、

 演劇ファンの方々に、

 シェイクスピアさん好きな活字マニアさんにも

 おすすめの一冊ですよ。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 唯春の夜の夢のごとし ~

2022-06-21 23:25:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おおッ? あれはッ!」

「がるる!ぐるがるぐるぅ~」(←訳:虎です!七夕飾りだよぅ~)

 

 こんにちは、ネーさです。

 あちこちで七夕祭の飾りが目につく時季になりましたね。

 2022年は各地で花火大会やお祭りが復活できるかな?

 と心待ちにしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

 ―― わたしたちが描いたアニメーション『平家物語』 ――

 

 

 著者は高野文子(たかの・ふみこ)さん、

 山田尚子(やまだ・なおこ)さん、

 2022年3月に発行されました。

 

 深夜放送ながら大きな反響があったアニメーション作品

 『平家物語』制作のエピソードや、

 監督を務めた山田尚子さんのエッセイ、

 高野文子さんと山田さんの対談他が収録されています。

 

「てれびィでェ、げんぺいィ~がッせんッ!」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:ドラマとアニメで!)

 

 NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は

 いうなれば“源氏の一族”の物語で、

 アニメーション『平家物語』は、

 “平家一門“の物語。

 

 源家と平家それぞれのファミリーのドラマが、

 同時期に放送されるなんて奇遇だ、とも

 話題になりました。

 

 ……しかし!

 アート好きな方々は、別の面で、

 おお!と感激したことでしょう。

 

 なぜって、

 キャラクター原案が、あの!

 高野文子さん!!

 

 『絶対安全剃刀』の、『おともだち』の、

 『るきさん』の、『ドミトリーともきんす』の、

 あの高野文子さんが、アニメのキャラ原案を……!

 

「んもうッ、わくわくゥ!」

「がるぐる!」(←訳:胸熱です!)

 

 放送された『平家物語』をご覧になった方々は、

 うん!確かに高野文子さんっぽい絵だ!

 と思われたでしょうが、

 この御本に載っている

 高野さんによる『初期のスケッチ』は

 本当に素晴らしくて、

 この線をこのまま動かしたい!と

 こころがゾワゾワしてきます。

 

 完成したアニメ作品は、

 どうしてもアニメの線というか、

 “セル画のような線と塗り“、になっていて、

 高野さんの画調とは異なる部分もあったのですが、

 スケッチは高野さんの画風そのもの!

 

 22~23ページの『びわ』。

 29~31ページの『平徳子』。

 49ページの『平清経(きよつね)』。

 そして、65ページの『安徳天皇』。

 

 特に、安徳天皇の1才の図、6才の図は、

 これこそが『平家物語』の真髄ではなかろうかと、

 時間を忘れて見入ってしまいます。

 

「ぎおんしょうじゃのォ、かねのこえェ~…」

「ぐるるるるがるる……」(←訳:諸行無常の響あり……)

 

 いかに栄華を極めても、

 すべては春の夜の夢。

 

 この御本には、

 巻頭に『平家物語』成立の経緯、

 また、アニメーション『平家物語』のあらすじ、

 『山田尚子監督日記』や、

 最終的なデザインを決定してゆく過程など、

 完成された作品をみただけでは分からない

 制作の裏側が記されています。

 

 アニメ好きな方々はもちろん、

 高野文子さんのファンの方々は必読ですよ。

 書店さんのアート本のコーナー、

 もしくは映画・TV・映像関連本のコーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする