テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ いまも、紺碧の海へ ~

2022-07-31 20:52:04 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 すいぶんッ、すいぶんッ!」

「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!塩分も!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 外気温は軽く35℃越えの東京・多摩地域……

 気持ちだけでも涼やかになりますようにと、

 さあ、本日の読書タイムは、

 《海》の場面がいっぱいの、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 恐るべき子ども ――

 

 

 著者はリュック・ベッソンさん、

 原著は2019年に、

 画像の日本語版は2022年6月に発行されました。

 原題は『Enfant terrlble: Autobiographie』、

 『リュック・ベッソン《グラン・ブルー》までの物語』

 と日本語副題が付されています。

 

 ジャン・コクトーさん作『恐るべき子どもたち』は、

 子どもたち、と複数形になっているのに対し、

 こちらは、子ども、と単数形。

 

 では、その“恐るべき子ども”とは

 誰のことかというと……。

 

「それはァ、もッちろんッ!」

「ぐっるるがる!」(←訳:ベッソンさん!)

 

 映画監督、脚本家、さらには映画のプロデューサーも務める

 リュック・ベッソンさん。

 

 代表作としては、

 現在も大人気の『レオン』(1994)、

 『ニキータ』(1990)や

 『フィフス・エレメント』(1997)、

 そして『グラン・ブルー』(1988)

 が挙げられますが、

 私ネーさのお気に入り作品は『サブウェイ』(1984)。

 

 この御本では、

 初めての長編監督作品『最後の戦い』(1983)が

 幾つもの映画祭で賞を獲得し、

 続く『サブウェイ』で観客のハートを掴み、

 そして、

 カンヌ映画祭オープニング作品となった

 『グラン・ブルー』の

 脚本執筆から製作、撮影に心身をすり減らしつつも、

 ついに!……という、

 さながら”映画のような”ベッソンさんの半生が

 饒舌に語られています。

 

「ふううゥ~…たいへんでスねェ~…」

「がるるぐるっる……がる!」(←訳:映画の世界って……もう!)

 

 デジタル編集? CG? 

 いえいえ、『グラン・ブルー』を制作していた当時は、

 フィルムの時代でしたから、

 ベッソンさん御自身が特殊なカメラを抱え、

 海中でイルカの群に遭遇し、撮影るだけでなく、

 フィルムを現像して

 上手く撮れていなかったら撮り直し、

 なんていう悲惨なことも

 日常茶飯事だったのです。

 

 そういった技術的な問題に、

 莫大な予算や日程、複雑な権利関係が絡み、

 プライベートでも危機が連続して、

 プレッシャーは増すばかり。

 

 けれども、《恐るべき子ども》は

 前方に立ち塞がる困難を、壁を、

 駄々っ子のようにブチ破り、壊し、踏み越えてゆきます。

 

 《ぼくの子ども時代の夢だった映画》

 を完成させるために。

 

「いるかのォ、ゆめッ?」

「ぐるる?」(←訳:海の夢?)

 

 ベッソンさんのこの半生記の、

 クライマックスとも呼べる華々しいシーンは、

 『グラン・ブルー』が上映されるカンヌ映画祭で

 レッドカーペットを歩いた瞬間でしょうか。

 ハリウッドとつながりが出来て

 大スターさんたちと親しくなった時でしょうか。

 

 いいえ、おそらく、そうではなく。

 

 御本の前半に、

 それは描かれています。

 

 孤独をかこつリュック少年が、

 バカンス村の海で出会ったのは――

 

「……きたッ!」

「がるるる!」(←訳:イルカだ!)

 

 第六章『イルカと青い世界の底へ』の、

 リュック少年がイルカと邂逅する場面は、

 痛々しいほど美しく、

 私たち読み手の心を抉ります。

 何ものにも代えがたい、代えようのない、

 福音の記憶。

 その一瞬。

 

 ベッソンさんのファンの方々、

 『グラン・ブルー』好きな方々は、

 ぜひ!手に取ってみてくださいね。

 読み終えたら、きっと、

 『グラン・ブルー』を観たくなりますよ♫

 

 

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~ 天空のギャラリーで、ひんやりを ~

2022-07-30 20:52:29 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あついィ~ときはァ~…どろろんッ!」

「がるる!ぐぅ~るるる!」(←訳:虎です!ヒュ~ドロロ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 夏空を見上げれば、ああ、雲ひとつない快晴……

 いやぁ暑いですね~の挨拶が飛び交う

 7月最後の週末は、

 熱波をカチ割ってくれる↓こちらの展覧会情報で、

 しばしの冷え冷え気分を、ざあ、どうぞ~♫

  

 

 

      ―― 水木しげるの 妖怪 百鬼夜行 展 ――

 

 

 東京・六本木の東京シティビュー(六本木ヒルズ 森タワー52階)にて、

 会期は2022年7月8日~9月4日(会期中無休)、

 『~おばけたちはこうして生まれた~』

 と副題が付されています。

 

「みずきィせんせいィ~!」

「ぐるるるるがるる~!」(←訳:ヒンヤリを下さい~!)

  

 ほほほ、差し上げましょう、

 超一流のひんやりを。

 

 『水木しげる生誕100周年記念』として

 開催されるこの展覧会では、

 水木さんの《妖怪人生》、

 貴重な原画作品の数々、

 水木さんが収集した民俗学や妖怪の書籍

 などが展示されます。

 

 フォトスポットや、

 『妖怪カメラAR』、

 妖怪グッズが揃う特設ショップもあり、

 そして――

 

「これこれッ!」

「がるるるぐる!」(←訳:良いよねこれ!)

  

 ええ、そうなんです。

 チラシ(フライヤー)を見ていて、

 あらまあ、と驚かされたことに。

 

 《妖怪の森cafe》のメニュー写真が、

 裏面に、どーん!と。

 その名も、

 

 『大かむろバーガー』……?

 『輪入道の海鮮ちらし寿司』……?

 『キジムナーのマンゴーかき氷』……?

 

「いひひッ♪」

「ぐるるっ♫」

  

 『百鬼夜行パフェ』……

 『小豆洗いのたらいショートケーキ』……

 『ねこ娘のライチソーダ』……

 『鬼太郎と一反もめんのお空の散歩』ですって……!

 

「おみごとォでスゥ~!」

「がるぐーるーがるる!」(←訳:全部オーダーしたい!)

 

 原画にグッズに、

 冷え冷えのカフェメニューも、と

 水木しげるさんの世界を満喫できる特別展のチケットは、

 事前購入した方がお値段的におトクのようですね。

 当日券は日時指定券に空きがある場合のみ、

 とのことですので、

 まずは東京シティビューHP等で詳細を確認してから、

 お出掛けを♪

 

 お出掛けできない御方は、

 公式HPやSNSを覗いてみてくださいね。

 『水木しげる生誕100記念サイト』も、

 ぜひ、ご覧あれ~♫

 

 

 

   では、ここで美味しいオマケ画像も!

   

   『桔梗信玄餅最中』は、山梨県の銘菓です。

   一見、フツーの最中のようでいて……

   「ぎゅうひのォ、おもちィ!」

   「ぐるる~っ!」(←訳:のびる~っ!)

   最中の中心部分に入っている

   求肥のお餅がアクセント、になっていますね。

   餅菓子好きな方々におすすめしたいわ♪

 

   熱中症に、感染症に、夏バテにも、

   ひたすらひたすら用心……の週末です。

   どうか皆さま、穏やかな休日を。 

   

 

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~ 地球めぐり 古代から現代まで ~

2022-07-29 20:59:20 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふわわァ~…もうゥ、ふらふらァ~…」

「がるる!ぐるるがるるる~…」(←訳:虎です!暑さにフラフラ~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 厳し過ぎるこの暑さ……

 とにもかくにも熱中症で倒れないよう心掛けながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本で、しばしの小旅行気分を、どうぞ~♫

  

 

 

     ―― 国立科学博物館のひみつ ――

 

 

 著者は成毛眞(なるけ・まこと)さん、

 監修は国立科学博物館の皆さん、

 2017年3月に発行されました。

 『National Museum of Nature and Science Global Gallery』

 と英語題名が、

 『地球館探検編』と日本語副題が付されています。

 

「そうごうゥかがくのォ、はくぶつかんッ!」

「ぐるるがーる!」(←訳:恐竜がドーン!)

 

 博物館マニアさんは《科博》という略称で呼ぶ

 国立科学博物館は、

 1877(明治10)年に創立された

 日本で最も歴史ある博物館のひとつにして、

 国内の唯一の、

 総合科学博物館です。

 

 所蔵する貴重な資料は、440万点!

 

 博物館の施設は、

 上野公園内の日本館と地球館、

 筑波地区の研究施設と実験植物園、

 白金台にある附属自然教育園があり、

 この御本では

 上野の地球館・筑波実験植物園・付属自然教育園

 が紹介されていますよ。

 

「ひろいィ~ッ!」

「がる~ぐるがるるる!」(←訳:いや~まだ足りない!)

 

 地球館の館内に展示されているのは、

 各ジャンルの専門家さんたちが収集した

 動物、植物、鉱物などの標本資料や、

 科学技術の発展に貢献した機械・機具類、

 それに、偉大な学者さんたちの功績・年表等も。

 

「しょもつもォ、ありまスゥ!」

「ぐるがる!」(←訳:あの名作!)

 

 私たち活字マニアにとって見過ごせないのは、

 伊能忠敬さんが測量した地図、

 世界初の農学書『養蚕秘録』(1803年頃)、

 そしてあの、

 『解体新書』(1774年刊行)!

 

 なぁるほど、『解体新書』って、

 東京国立博物館でも国会図書館でもなく、

 《科博》に収蔵されてるんですか……!

 

 あ~でもやっぱり、

 大型動物の剥製や、

 『バッキ―』と命名された

 ティラノサウルスの全身復元骨格も

 ド迫力があっていいわね。

 恐竜好きさん&図鑑マニアさんは歓喜だわ♪

 

「ほんもののォ、じゅらしッくゥ!」

「がるるるるぐるる!」(←訳:マンモスもいるよ!)

 

 上野の街を一望できる屋上には

 ハーブガーデンも作られていて、

 《科博》の象徴ともいえる地球館。

 

 比べてみると、

 筑波実験植物園、

 附属自然教育園は、

 ちょっと地味ですけれど、

 いえいえ、

 素朴で、質実で……いい味だしてますぅ♫

 

「みどりがァ、すてきィでスゥ!」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:まことのオアシス!)

 

 先日、展覧会情報で触れましたように、

 現在は『化石ハンター 展』が

 開催されている国立科学博物館。

 

 昨日と今日の状況を鑑みるに、

 人の多い都心部へ

 レジャー目的でお出掛けするのは

 たいぶ難しいことになってしまいました……

 

 が、いつかはあれもこれも好転すると信じて。

 自由に、気楽に、

 お出掛けできる日が戻ってくると願って。

 

 それまでは、お家でのんびり、

 書物をひもといての

 紙上《科博》めぐりを、

 皆さま、ぜひ~♪

 

 

 

 

 (戸外でお仕事をして下さっている方々、

  医療関係者の方々に心から感謝しつつ……

  せめて、この猛暑が一日も早く終わりますように……)

 

 

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~ …黒い風がやってくる… ~

2022-07-28 20:59:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あううゥ~…しょんぼりィ~…」

「がるる!ぐるるる~…がるる~…」(←訳:虎です!御神輿が~…山車が~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 8月5日~7日に開催予定だった《八王子まつり》が、

 中止……となってしまいました。

 楽しみにしていただけに失望は否めませんが、

 来年こそは!!の思いを強くしつつ、

 さあ、元気をチャージしてくれる読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

    ―― 吸血鬼ハンターたちの読書会 ――

 

 

 著者はグレイディ・ヘンドリクスさん、

 原著は2020年に、

 画像の日本語版は2022年4月に発行されました。

 英語原題は

 『THE SOUTHERN BOOK CLUB'S GUIDE TO SLAYING VAMPIRES』、

 本国の米国で高評価&人気の”吸血鬼小説”です。

 

「ふァ? きゅうけつきィとォ~…?」

「ぐるる??」(←訳:読書会??)

 

 読書会――

 コロナ禍もあって、

 日本ではあまり浸透していないものの、

 米国では珍しくないのが、

 読書会というイベントです。

 

 読書好きな方々が、

 特定のテーマや、

 指定された作品をネタに

 ああだこうだとお喋りし合う

 ディベート大会みたいなもの、なんですけど……。

 

「うむむッ、こういうばあいィはァ~…どうしようゥ??」

「がるるるぐる!」(←訳:堅苦しいよう!)

 

 米国南部の町に暮らす

 パトリシア・キャンベルさんは、

 或る読書会に所属しています……

 いえ、していました。

 

 そう、過去形なのは、

 パトリシアさんがその読書会と

 たもとを分かってしまったから。

 

 読書会のために選定された作品は、

 いうなれば、ガチガチの”良書”。

 読んで楽しい♪

 感想を話し合っても楽しい♫

 というようなものではなくて、

 会の雰囲気も気詰まりで、もう限界!

 

「むふゥ! きもちはァ、わきゃりまスゥ!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:別れの時なのさ!)

 

 そこでパトリシアさん、

 新たな読書会へ。

 

 その会の指針は、

 ”良書”とは(ほぼ?)真反対の、

 ”実録犯罪本”だったものですから、

 最初はびっくり、

 慣れれば……うん、この方がいい!

 

 読書会のメンバーとも気が合って、

 たいへんなこと続きの毎日の中でも、

 パトリシアさんに心の余裕をもたらしてくれました、

 が……?

 

「なにかがァ、おかしいィ……?」

「がるるぐるるがる……!」(←訳:邪悪なモノが来る……!)

 

 町の大人たちに、子どもたちに、

 パトリシアさん自身に

 危機が迫ります。

 

 ここで、パトリシアさんたちは、どう出るか。

 

 コンチキショー!闘ってやる!

 と、嫌々ながらも対決に乗り出すのは

 S・キングさんの作品の登場人物でしょうが、

 パトリシアさんと友人たちは、

 まったくの普通のひと。

 超能力も、異能も、持ち合わせていません……。

 闘う、なんて……。

 

「それでもォ、なおッ!」

「ぐるるるがるるぅ!」(←訳:なんとかしなきゃ!)

 

 強大な《何か》を前に、

 打てる手立ては、あるのか。

 

 世界に広く知られる

 キングさんの吸血鬼モノとは

 また異風の、

 魅力的な《怪》作は

 サスペンスやミステリ好きな方々に、

 おすすめですよ。

 巻末の柳下毅一郎さんによる解説も併せて、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

  

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~ 百年超、推し活やってます。 ~

2022-07-27 20:53:57 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうもォ、しゃくねつゥ!」

「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!涼風希望~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 依然としてアチチなここ関東・多摩エリア……

 エアコンではなく、

 天然の涼風が吹き始める日を心待ちにしながら、

 さあ、夏の読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― シャーロック・ホームズのすべて ――

 

 

 著者はロジャー・ジョンストンさん、

 ジーン・アプトンさん、

 原著は2012年に、

 画像の日本語版は2022年6月に発行されました。

 英語原題は『THE SHERLOCK HOLMES MISCELLANY』、

 かの《名探偵》シャーロック・ホームズさんに関する

 雑学を収集したmiscellany(文集、雑録)です。

 

「めいたんていィのォ、ちしきィあれこれッ!」

「ぐるるるがる?」(←訳:トリビア事典?)

 

 前回記事ではエドワード朝の英国を舞台にした

 田中芳樹さん著の冒険物語『白銀騎士団』を御紹介しました。

 対して、ヴィクトリア朝のミステリ活劇といったら、

 やはり、シャーロック・ホームズさんの

 右に出る者はいませんね。

 

 ホームズさんの探偵譚が

 初めて活字になり、発表されたのは、

 『緋色の研究』(1887年)でした。

 以来、100年を余裕で超えてなお、

 ホームズさんの令名は世界中に轟いています。

 

 この御本では、

 ホームズさんのプロフィール、

 記録係ワトスンさんの人となり、

 作者コナン・ドイル卿の生涯、

 物語中のさまざまな謎などなど、

 とにかくあらゆる”ホームズさんネタ”を

 追っかけてゆきます。

 

 ま、つまり、

 ホームズさんファンの著者さんたちによる

 推し活みたいなものね♫

 

「あつめにィ~あつめェましたでス!」

「がーるるぐるるがるる!」(←訳:ホームズさんのすべて!)

 

 ホームズさんの誕生日は?

 どんな食べ物が好き?

 ワトスンさんが負傷したのは肩なの?足なの?

 といったファンの方々にはお馴染みの疑問、

 ホームズさん関連の名所や

 銅像・記念のプレートはどこで見られる?

 

 と、↑こういった文章は

 従来の雑学事典に似ていますが、

 この章はこだわってるわね!

 よく調べたなぁ!

 と感心させられたのは、

 

 『舞台上のホームズ』(183ページ)

 『スクリーン上のホームズ』(194ページ)

 『テレビに登場したホームズ』(209ページ)

 『音で聴くホームズ』(226ページ)

 

 の各章です。

 

「いつもォ、めいたんていィはァ~」

「ぐるるがる!」(←訳:人気の演目!)

 

 『ストランド』誌に連載されたホームズさんの物語は、

 1893年には早くも舞台にかけられます。

 ただし、

 著者のコナン・ドイルさんのあずかり知らぬところで。

 

 そして、1900年には無声映画が、

 1933年にはトーキー映画の短編が、

 以降もカラー映画作品の、

 英国や米国のテレビシリーズの、

 百人百様のホームズさんが続々と誕生しました。

 

 はたして、どのホームズさんが、

 ドイルさんの想い描いた《名探偵像》に

 いちばん近いのでしょう……?

 

「あのひとォ、かなッ?」

「がるるぐるる!」(←訳:この人かもね!)

 

 全ページの隅から隅までを

 熱く染める

 ホームズさんへの限りない愛情。

 

 また、巻末の

 訳者・日暮雅通さんによる『訳者あとがき』も

 必読の面白さですよ。

 シャーロッキアン諸氏はもちろん、

 ミステリ愛読家さんも初心者さんも、、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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~ 冒険物語は、エドワード朝から ~

2022-07-26 20:50:33 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむッ? ことしはァ、かいさいィしまスかッ!」

「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!久しぶりだね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2020年と2021年は中止となった《鈴鹿8時間耐久ロードレース》、

 2022年は8月4日~7日にかけて開催予定となりました。

 どうか無事に行われますように、と祈りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの歴史冒険活劇を、どうぞ~♫

  

 

 

         ―― 白銀騎士団 ――

 

 

 著者は田中芳樹(たなか・よしき)さん、

 2022年3月に発行されました。

 『Silver Knights』と英語題名が付されています。

 

 物語の舞台は、

 名探偵ホームズさんが活躍する

 ヴィクトリア朝のロンドン――ではなくて。

 

 ヴィクトリア女王が逝去してのちの、

 エドワード朝と呼ばれる時代の、

 英国、ですよ。

 

「わわッ! じどうしゃッ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:技術の進歩だ!)

 

 1905年の英国には、

 馬車は健在でしたけれど、

 自動車を走らせるお金持ちも現れてきています。

 そして、電話!

 電報ではなく、電話で連絡を取り合うことも

 始まっていました。

 

 そんな“科学の時代”ですのに、

 サー・ジョセフ・アーネスト・フィッツシモンズの

 お仕事ときたら。

 

 怪物退治?

 

「ふァ? このォごじせいィにィ~?」

「がるぐるっる!」(←訳:怪物退治って!)

 

 科学技術の進歩著しい20世紀初頭に、

 怪物なんて、まさか?

 と思ったら。

 

 物語の幕開けとなる短編作品

 『白銀騎士団(シルバー・ナイツ)』では、

 ホントのホントに“身の毛もよだつ”怪物が!

 

「うぎゃッ! あのォ~すがたかたちィはッ?」

「ぐるる?」(←訳:狼人間?)

 

 銀の弾丸を篭めた拳銃を

 怪物に向けるサー・ジョセフ。

 

 助手(アシスタント)を務める

 中国人の李さんと、

 インド人のゴーシュさんが見守る中、

 拳銃は火を吹き、

 怪物に致命傷を与える銀の銃弾は

 たしかに命中……

 

 あら? おかしいわね?

 命中したはずなんだけど、

 怪物は倒れてませんわよ??

 

「へんでスゥ!」

「ぐるーるがる?」(←訳:ダメージゼロ?)

 

 こうなったら、態勢を整え直して再挑戦です。

 いったい自分は何と闘っているのか。

 真の敵は、何者か。何処にいるのか――

 サー・ジョセフの判断は?

 

「はやいとこォ、たいじィしちゃおうゥ!」

「がるぐるっるがるるるぅ!」(←訳:謝礼もらって帰りましょ!)

 

 短編『白銀騎士団』に続いて語られるのは、

 長編『白銀騎士団のささやかな冒険』です。

 今度は、また別の怪物が?

 ていうか、20世紀の英国って、

 こ~んなに怪物だらけなの?

 

「ぷふふふッ♫」

「ぐるるっ♪」

 

 ”科学の時代”の到来と、

 その裏側でうごめく怪物たちの脅威。

 

 サー・ジョセフ一行の楽しいお喋り、

 当時のロンドンの文化や風俗、

 世界情勢も描きこまれた

 著者・田中さんらしいユーモアたっぷりな展開は、

 人気シリーズ《薬師寺涼子の事件簿》ファンの方々に、

 おすすめですよ。

 《銀河英雄伝説》ファンの方々も、

 ぜひ、一読を~♫

 

 

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~ 花の都市を、我が手に ~

2022-07-25 20:59:38 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 こんしんのォ、はしりィ~!」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!勝利の花道~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《ツール・ド・フランス2022》総合優勝を遂げたのは、

 ヨナス・ヴィンゲガードさん(所属チームはユンボ・ウィズマ)!

 全選手さん&スタッフさん、お疲れさま!ありがとう!

 と、労いの拍手を盛大に送ったあとは、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― 図説 メディチ家の興亡 ――

 

 

 著者は松本典昭(まつもと・のりあき)さん、

 2022年4月に発行されました。

 図版資料みっちり!な歴史ノンフィクション作品です。

 

 現在はイタリアの一都市フィレンツェ……

 しかし、かつては欧州全域にその名を轟かせた

 都市国家フィレンツェには、

 《王》がいました。

 

 メディチという”家名”の《王》が。

 

「とってもォ、おかねもちィ?」

「ぐるるがるるる!」(←訳:銀行家だからね!)

 

 メディチ家の実質的な“始祖”といえるのは、

 ジョヴァンニ・ディ・ビッチ・デ・メディチさん(1360~1429)。

 

 メディチ銀行を創設し、運営し、

 大銀行に育て上げ、

 当時のヴァチカン勢力にも

 グイグイと喰い込んで、

 メディチ家をフィレンツェ有数の資産家へと

 押し上げました。

 

「むむゥ~んッ! どらまちッくゥ!」

「がるるるぐるがる!」(←訳:経済界の巨星だね!)

 

 メディチ家にとって幸いだったのは、

 後継者に恵まれた、という点でしょうか。

 

 ジョヴァンニさんが没したのち、

 家を継いだのは

 コジモさん(1389~1464)。

 

 政争によって追放されたり、帰還したり、

 波乱の日々を過ごしながらも、

 芸術文化のパトロンとなって、

 家力を拡大してゆく……

 コジモさんは紛れもなく

 ”成功した二代目”でした。

 

「はァ~…みならッてェほしいィでス!」

「ぐるるがる!」(←訳:鎌倉殿にね!)

 

 ちょうど昨夜放送された

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第28回では、

 二代目鎌倉殿となった頼家さんの

 そこダメじゃん!な部分が多々描かれました。

 その結果として、

 鎌倉殿の13人の評議衆は、早くも11人に……。

 

 いえ、冗談やフザケて言っているのではないのです。

 やり手の二代目・コジモさんに続き、

 凡庸だけれど自分の能力をよく分かっている

 三代目・ピエロさん(1416~1469)を経て、

 メディチ家は

 四代目・ロレンツォさん(1449~1492)に

 引き継がれます。

 

 ”ロレンツォ・イル・マニフィコ”、

 すなわち

 ”偉大なるロレンツォ”の手に。

 

「けッていィてきィ、でスねッ!」

「がるるるぐるる!」(←訳:500年だもん!)

 

 頼朝さんに始まる源家の将軍は

 わずか三代で終わってしまいましたが、

 メディチ家は、

 コジモさんの血統、

 そして

 コジモさんの弟さんの血統がより長く続いて、

 500年の歴史を織り上げました。

 

 やはり、後継者の良し悪しが、

 この差を生んだ……と申せましょう。

 

「がんばろうッ、にだいめさんッ!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:すべては君次第!)

 

 歴史の機微の、

 ほんのちょっとした、

 けれど、大事な差違。

 

 ルネサンス文化好きな方々に、

 ヨーロッパの中世史が好きな活字マニアさん、

 肖像画好きな方にもおすすめですよ。

 昔むかしのフィレンツェへ旅する気分で、

 ぜひ、一読を♫

 

 

 

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~ 2022も名作再読! この子と散歩を ~

2022-07-24 20:59:21 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 るるゥ~おォ~しゃんぜりィぜェ~」

「がるる!ぐる~がぅるるるる~!」(←訳:虎です!おお~シャンゼリゼ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 3週間の長く熱い闘いは最終日を迎え、

 《ツール・ド・フランス2022》は

 間もなくパリに凱旋しようとしています。

 選手の皆さん、どうか無事にゴールに着いてね!と祈りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♫

  

 

 

       ―― 動物のお医者さん ――

 

 

 著者は佐々木倫子(ささき・のりこ)さん、

 第1巻は1989年4月に発行されました。

 

「あッ! ちょびィ~!」

「ぐぅるがる!」(←訳:チョビくん!)

 

 ……あれは、数日前のことだったでしょうか。

 ツィッターで

 《わたしを作った少女マンガ5冊》

 というタグがトレンド入りしていまして。

 

 わあ♪萩尾望都さんがいる~♪

 『訪問者』と『11人いる!』がいいなぁ♫

 『有閑倶楽部』! これはマストよね。

 『エロイカより愛をこめて』と『イヴの息子たち』!

 おー!内田善美さんの作品も!!

 などと、ついったらんどの呟きを大喜びで読んでいましたら。

 

 『動物のお医者さん』……!

 

 はい、もう大好きです!

 

「というゥわけでェ、ことしもォ~」

「がるぐるぅ!」(←訳:名作再読ぅ!)

 

 主人公・ハムテル(本当は光輝と書いてマサキと読みます)くん、

 地下鉄の駅まで近道しようと、

 夜の大学構内を歩いておりました。

 

 そこに、ガサっという音とともに現れたのが、

 1匹の仔犬。

 

 小さなくせに、

 般若のごとき顔をしていましたから、

 ハムテルくんの友人の二階堂くんなぞ、

 ギャ~ッと叫んでしまったほどでした。

 

 どこから来たんだ? 飼い主さんは?

 と慌てるまでもなく、

 責任者らしき人物……学生さんたちに

 教授!と呼ばれる白衣の男性が出現し、

 ハムテルくんの家が一戸建てだと知るや、

 言い放ちます。

 

  キミは将来

  獣医になる!

  

 そうして、仔犬をぽんとハムテルくんの手に。

 

「うふふふふッ♫」

「ぐるるるがぅっるる!」(←訳:見込まれちゃったね!)

 

 かくして、

 仔犬は受験生ハムテルくんの家族となり、

 やがて、『チョビ』なる名を得ます。

 古いけれど大きなお家で、

 チョビくんの犬生は安泰……と言いたいのですが。

 

 最強生物ヒヨちゃん(白色レグホン)、

 祖母の飼い猫ミケちゃんが、

 既にハムテルくんの家・西根家を

 テリトリーとしていたのでした。

 

 はたして般若犬チョビくんの運命は?

 ハムテルくんは大学に合格して

 獣医の道を進むのか?

 ついでに二階堂くんの将来はどうなる?

 

「むふふふゥ!」

「がるぐるがるる!」(←訳:その先は秘密で!)

 

 スナネズミに、ブタに、馬、モモンガ。

 そして、彼らにも増して個性強烈な人間たち。

 

 久しぶりに読み返したら、

 忘れていた箇所もたくさんあって、

 新鮮な気持ちで大笑いしたり、

 そうよね~と頷いたり、

 腹筋がイタくなりました。

 これぞ、まさに名作!

 

 読んだことあります♪という方々は、

 夏の読書タイムに

 再読してみてくださいね。

 噂には聞いてるけどまだ読んでない!という御方は、

 この機会に手に取ってみてくださいな。

  

 ↑上の画像は『花とゆめ』コミックス版(全12巻)ですが、

 現在は、愛蔵版(全6巻)や、

 電子書籍も発売されていますよ。

 

 それにしても、再読って楽しいものですね。

 現在、あれやこれや他の作品も読み返してみようかなぁ、

 と本棚を点検しております。

 皆さまも、愛するマンガや小説の再読を、ぜひ♫

 

 

 

 ☆追記です☆

 萩尾望都さんがアイズナー賞を受賞したと

 先日報道されました!

 そして伊藤潤二さんも受賞!

 おめでとうございます!!

「やッたのでスゥ!」

「ぐるるがる~!」(←訳:大拍手です~!)

 

 

 

 

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~ 博士の偉大なる遺産 ~

2022-07-23 20:53:01 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ほんかくてきにィ~なつやすみィ!」

「がるる!ぐるるるるがるる!」(←訳:虎です!アツアツの夏休み!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大暑で、土用の丑の日。

 今週末は、殆どの小中学校がお休みに入ったようですね。

 みんな、熱中症にならないよう気を付けて、

 楽しい夏休みを過ごそう!

 という訳で、本日は読書をサボり、

 こちらの展覧会情報に注目してみますよ~♫

  

 

 

       ―― 化石ハンター 展 ――

 

 

 東京・上野の国立科学博物館にて、

 会期は2022年7月16日~10月10日

 (休館日は、9/5、9/12、9/20、9/26)、

 『ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣』

 と副題が付されています。

 

「ことしはァ、かせきィ!」

「ぐるるがるぐるるー!」(←訳:主役は化石ハンター!)

 

 はい、そうなんです。

 『ロイ・チャップマン・アンドリュースの

 中央アジア探検100周年記念』と銘打った特別展の

 主役、いえ、主賓さんは、↓こちらの学者さんですよ。

  

 アメリカ自然史博物館の

 ロイ・チャップマン・アンドリュースさん(1884~1960)。

 

 チャップマンさんが1922年に大規模な調査隊を編成し、

 ゴビ砂漠の探検に乗り出したのは、

 ちょうど100年前のことでした。

 

「でんせつのォ、たんけんたいィ!」

「がるるぐるがるるー!」(←訳:伝説の化石ハンター!)

 

 この展覧会では、

 古生物学史上重要な『中欧アジア探検隊』の成果、

 そして、

 アンドリュースさんに大きな影響を受けた

 古生物学者さんたちによって明らかになった

 氷河期における哺乳類の進化に関する

 《アウト・オブ・チベット》説を

 紹介してゆきます。

  

「きょうりゅうゥにィ、ほにゅうるいィ!」

「ぐぅるるるぅーがるぅ!」(←訳:チャレンジャーだなぁ!)

 

 100年の昔、

 ラクダ隊と自動車隊を組み合わせた

 画期的な大キャラバンで、

 ゴビ砂漠へ、

 チベット高原へ――

 人類の起源につながる哺乳類化石の

 発見を目指して。

 

 日本の化石ハンターさんたちの活躍等にも触れる

 毎夏恒例・国立科学博物館が送る大型展は、

 化石も恐竜も好き!

 古生物学も好き!な方々におすすめですよ。

 

 なお、入場には

 公式サイトより日時指定予約が必要となっています。

 先ずは国立科学博物館HPをご参照の上、

 お出掛けしてくださいね。

 

 

 

   では、ここで美味しいオマケ画像も!

   

   『森永乳業』さんの

   《MOW 白桃ミルク》は期間限定の御品です。

   「ももォ、だいすきでスゥ!」

   「がるるぐる!」(←訳:程よく桃味!)

   スタンダードな《バニラ》と《白桃》、

   贅沢にも食べ比べてみたりしながら、

   皆さま、どうか穏やかな休日を♪

   

   

 

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~ 燈火に、夢幻を映す ~

2022-07-22 21:15:23 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わわッ! しんにゅうしゃッ、でスよゥ~!」

「がるる!ぐるるるがぅる!」(←訳:虎です!カマキリじゃん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 連日の、トンボ、セミ、に続いて、

 今日はカマキリくんが

 我が家の窓辺でくつろいでいるのを発見しましたw

 丁重に戸外へとお引き取り願った後は、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの写真集を、どうぞ~♫

  

 

 

 ―― 幻想店舗録 異世界に一番近い場所 Next Level ――

 

 

 著者は清水大輔(しみず・だいすけ)さん。

 2022年5月に発行されました。

 『Fantasy Worlds Behind Shop Doors

 Gateway to Another World Next Level』と英語題名が、

 『元ネトゲの住民がまるで

 ファンタジー世界に迷い込んだようなリアル店舗を撮りました』

 と日本語副題が付されています。

 

「ええッ? これェ、ほんものォでスかッ??」

「ぐるるがっるぐぅるる?」(←訳:映画のセットじゃなく?)

「ほんもののォ、おみせッ!」

 

 それは、2年と少しほど前のこと、でしょうか。

 

 《幽玄一人旅団》こと

 写真家・清水さんは煩悶し、途方に暮れておりました。

 

 コロナだって?

 旅行は駄目で、外国に渡航することも不可能?

 自分は海外の遺跡や世界遺産を旅して

 写真に撮るのが生業なんだぞ?

 どうしたらいいんだー!

 

「あううゥ、ここはァがまんッでスよゥ!」

「がるぐる~!」(←訳:忍耐忍耐~!)

 

 写真撮影のために海外へ行きたくとも

 足を封ぜられた清水さん。

 仕方なく、国内で車中泊の旅に出発しました。

 そうして、思い至ったのです。

 

 日本も存外に面白いぞ?

 海外に負けて無くないか?

 

「うむうむゥ!」

「ぐる!」(←訳:だね!)

 

 日本のあちこちをめぐる旅で、

 清水さんが被写体としたのは、

 《お店》です。

 

 ええ、これがね、《お店》なんですけど、

 パッと見ではとても《お店》とは分からない、

 常識をかっ飛ばしちゃったような

 “奇想の空間”で、

 我が目を疑ってしまうんです。

 

 これは……えーと……

 花屋さん? ドライフラワーのお店?

 いや、カフェ……なのかな?

 

 こちらは……うーん……

 剥製屋さん? 骨董のお店?

 それとも……美術品を修復する工房とか?

 だって、ドクロや骸骨があるわよ……?

 

「いいいィ、いッたいィ??」

「がるぐる??」(←訳:何屋さん??)

 

 これは。夢幻か、現実か。

 実在する《お店》なのか。

 

 本文中に、説明はありません。

 何を売り、何を扱う《お店》なのか、

 一言も触れられていません。

 

 ただ……御本の巻末には、

 掲載店の情報らしきものが……?

 

 あら? 住所名に八王子と書かれた《お店》も?

 私たちの地元にこんな凄い《お店》が?

 

「とォいうことはァ~…?」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:ホントにあるんだ!)

 

 暗闇に浮かび上がる幾百もの頭蓋標本。

 山積みの古書の上の天球儀。

 壁には、虚ろな眼差しの中世の騎士像。

 彼らの、真の役割は?

 

 清水さんが見出した

 異世界に一番近い《お店》たちが演じる

 夢幻能の舞台を、

 アート好きな活字マニアさんは

 ぜひご覧になってくださいね。

 怪奇&SF映画好きな方々にも、

 ふふふっ、激おすすめですよ~♪

 

 

  

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