あと数時間で、新年到来。
さあ、2020新春特別企画の、その2!は――
気の早いクマたちが
カウントダウンを始めようとしている広場の隅で、
名探偵テディちゃムズと仲間たちは、
辺りを見回します。
と、そこへ。
暗がりから忍び寄る一つの影が?
なっ、何者でしょう??

「マイクマフト臨時局長!」
「おうっ!」
「西部方面より報告です。
痕跡、なし!」
「了解。全員、指示あるまで待機じゃ!」
音もなく路地に消えてゆく影を見送り、
名探偵テディちゃムズの兄、
マイクマフト氏は説明します。
「良くない報せだぞい。
情報局の精鋭たちをもってしても、
全く、どこにも、見つけられん……。
いったい、小麦粉はどこへ消えたんじゃい!!」

「みんなァ、こまッてるんだッ!」
「もうそろそろ~…」
「ぐるがる!」(←訳:限界だよ!)
名探偵テディちゃムズ、
ユキノジョン・H・ワトソン博士、
虎くんも、口々に申します。
ええ、実は、そうなのでした。
ロンドン市と周辺の地区は、現在、
極度の《小麦粉不足》状態に陥っているのです。
はぁ?小麦粉ぉ?
ぷぷっ!くすくす!
多くの人はそんな風に嘲笑うかもしれませんが。
「たかがァこむぎことォ、わらうなかれッ!」
はい、探偵テディちゃムズに慢心なし!。

小麦粉がなければ、
ローストビーフの付け合わせの
ヨークシャープディングも、
皆が大好きな甘酸っぱいアップルパイも、
ロールパンも作れません。
ビスケットもクッキーも、
焼きたくたって、焼けません。
「いや、いちばん打撃を受けているのは
観光産業じゃよ!」
嘆かわしげに、マイクマフト氏は首を振ります。
そう、英国のお料理はおいしくないわぁ~なんて
言われっちゃったりすることもありますが、
朝食と、ティータイムは別ですよね♫
たっぷりのお茶に、
ベーコンエッグとベイクドビーンズ。
そして、
カリっと焼いたトーストに、
黄金色のバターと、
お好みでジャムも塗って。
午後のティータイムには、
きゅうりのサンドイッチと、
クリームを盛ったスコーン。
スポンジケーキやクランペット。
どれもこれも、
レシピの主役は小麦粉、と言っていい料理&お菓子です。
特に、外国クマ観光客さんたちに大評判なのは、
ハチミツとバターをふんだんに絡めた
クマリッツホテルの
スペシャル蜂蜜ブレックファスト!
でしたのに……。
「クマリッツの支配人は泣いとったぞ!
否! 他のクマたちもだ!」
クマリッツホテルのティールームは、
小麦粉不足のため休業。
その他の、ロンドンの飲食施設――
レストランもカフェも屋台も、
もちろん一般の市民たちも、
小麦粉不足で悲鳴を上げています。
そこで、マイクマフト氏は立ち上がったのでした。
省庁・官庁のトップたちの多くは、
クリスマス~新年の休暇に入ってしまって、
ロンドンを留守にしています。
残されたほんの少数の役人たちを、
縦割り行政も
横のつながりもなんのその、
縄張りを超越して大号令をかけられるのは、
“政府そのもの”と仇名される
マイクマフト氏にのみ可能な
離れ技なのです。
「商務省、
外務省、
食品管理局にロンドン交通局、
全ての部署のデータを集めた。
ここからは、
テディちゃムズよ、
探偵の仕事だ!
小麦粉の所在を、突き止めよ!」
「うんッ! まかせてッ!」
あらららら、
ずいぶん気軽に請け合ってしまいましたけど。
ならば、
見せていただきましょう、
名探偵の辣腕ぶりを!
~ その3!に(たぶん)続く! ~
さあ、2020新春特別企画の、その2!は――
気の早いクマたちが
カウントダウンを始めようとしている広場の隅で、
名探偵テディちゃムズと仲間たちは、
辺りを見回します。
と、そこへ。
暗がりから忍び寄る一つの影が?
なっ、何者でしょう??

「マイクマフト臨時局長!」
「おうっ!」
「西部方面より報告です。
痕跡、なし!」
「了解。全員、指示あるまで待機じゃ!」
音もなく路地に消えてゆく影を見送り、
名探偵テディちゃムズの兄、
マイクマフト氏は説明します。
「良くない報せだぞい。
情報局の精鋭たちをもってしても、
全く、どこにも、見つけられん……。
いったい、小麦粉はどこへ消えたんじゃい!!」

「みんなァ、こまッてるんだッ!」
「もうそろそろ~…」
「ぐるがる!」(←訳:限界だよ!)
名探偵テディちゃムズ、
ユキノジョン・H・ワトソン博士、
虎くんも、口々に申します。
ええ、実は、そうなのでした。
ロンドン市と周辺の地区は、現在、
極度の《小麦粉不足》状態に陥っているのです。
はぁ?小麦粉ぉ?
ぷぷっ!くすくす!
多くの人はそんな風に嘲笑うかもしれませんが。
「たかがァこむぎことォ、わらうなかれッ!」
はい、探偵テディちゃムズに慢心なし!。

小麦粉がなければ、
ローストビーフの付け合わせの
ヨークシャープディングも、
皆が大好きな甘酸っぱいアップルパイも、
ロールパンも作れません。
ビスケットもクッキーも、
焼きたくたって、焼けません。
「いや、いちばん打撃を受けているのは
観光産業じゃよ!」
嘆かわしげに、マイクマフト氏は首を振ります。
そう、英国のお料理はおいしくないわぁ~なんて
言われっちゃったりすることもありますが、
朝食と、ティータイムは別ですよね♫
たっぷりのお茶に、
ベーコンエッグとベイクドビーンズ。
そして、
カリっと焼いたトーストに、
黄金色のバターと、
お好みでジャムも塗って。
午後のティータイムには、
きゅうりのサンドイッチと、
クリームを盛ったスコーン。
スポンジケーキやクランペット。
どれもこれも、
レシピの主役は小麦粉、と言っていい料理&お菓子です。
特に、外国クマ観光客さんたちに大評判なのは、
ハチミツとバターをふんだんに絡めた
クマリッツホテルの
スペシャル蜂蜜ブレックファスト!
でしたのに……。
「クマリッツの支配人は泣いとったぞ!
否! 他のクマたちもだ!」
クマリッツホテルのティールームは、
小麦粉不足のため休業。
その他の、ロンドンの飲食施設――
レストランもカフェも屋台も、
もちろん一般の市民たちも、
小麦粉不足で悲鳴を上げています。
そこで、マイクマフト氏は立ち上がったのでした。
省庁・官庁のトップたちの多くは、
クリスマス~新年の休暇に入ってしまって、
ロンドンを留守にしています。
残されたほんの少数の役人たちを、
縦割り行政も
横のつながりもなんのその、
縄張りを超越して大号令をかけられるのは、
“政府そのもの”と仇名される
マイクマフト氏にのみ可能な
離れ技なのです。
「商務省、
外務省、
食品管理局にロンドン交通局、
全ての部署のデータを集めた。
ここからは、
テディちゃムズよ、
探偵の仕事だ!
小麦粉の所在を、突き止めよ!」
「うんッ! まかせてッ!」
あらららら、
ずいぶん気軽に請け合ってしまいましたけど。
ならば、
見せていただきましょう、
名探偵の辣腕ぶりを!
~ その3!に(たぶん)続く! ~