長々と《若冲展》について記してまいりましたが、
そろそろ〆にいたしましょうか、テディちゃ。
「なにをかくのでスか、ネーさ?
この、おたまちゃんの、えのこと?」
動植糸采絵の中で私が最も好きな一幅、
『池辺群虫図』(ちへんぐんちゅうず)ですね。
絵の左下隅に描かれている蟻くん、大好きです!
でもね、展覧会を見終えた後、
いちばん考えさせられたのは、
美しさで人目を奪う動植絵ではなくて、
意外にも(と言っては申し訳ありませんが)
釈迦三尊像の素晴らしさと、
その三像を中心とした空間構成でした。
「くーかん、ッてェ?」
動植絵は、どれほど美しくても、
核はあくまで三尊像なのね。きっと。
三尊を基軸に動植絵が作り出す空間は、
一種の、《御堂》、なのかもしれません。
それに、大陸の影響、が割に濃いな、と。
大陸、といっても、中国文化のことじゃなくて、
もっと広大な、南アジアから黒海沿岸まで含む領域よ。
三尊像にはっきり写されているでしょう、
白象の背にはペルシャ絨毯、
文殊菩薩像での青の使い方には印度の細密画を感じます。
これらは東福寺にあった古画の模写だと伝えられているけど、
純和風、かといえば、そうではないような。
まあそれは別にしても、
《御堂》なのよ、やっぱり。
西洋ならば、キリスト像を囲む華麗なステンドグラス。
イスラムの世界では、偶像崇拝は禁じられているけど、
モスク内部を草花文様のタイルで装飾しています。
若冲さんと大典禅師さまは、
そういったことを知っていたのじゃないかしら、
なんて想像したりするのだけど。
もしや、お二方は、三尊像と動植絵を通じて、
新たな宗教的空間を創ろうと試みたのかもしれない……。
「ほんとォー?」
分かんないわ。
そうかも、というだけ。
ネーさの単なる妄想ですから。
若冲さん御本人にそこのところを伺えたら
本当のところが解るのか、
それとも……大笑いされたりして。
「かも、ネ」
最後に。
相国寺さまに御礼申し上げます。
まことに眼福させていただきました。
ありがとうございます。
そろそろ〆にいたしましょうか、テディちゃ。
「なにをかくのでスか、ネーさ?
この、おたまちゃんの、えのこと?」
動植糸采絵の中で私が最も好きな一幅、
『池辺群虫図』(ちへんぐんちゅうず)ですね。
絵の左下隅に描かれている蟻くん、大好きです!
でもね、展覧会を見終えた後、
いちばん考えさせられたのは、
美しさで人目を奪う動植絵ではなくて、
意外にも(と言っては申し訳ありませんが)
釈迦三尊像の素晴らしさと、
その三像を中心とした空間構成でした。
「くーかん、ッてェ?」
動植絵は、どれほど美しくても、
核はあくまで三尊像なのね。きっと。
三尊を基軸に動植絵が作り出す空間は、
一種の、《御堂》、なのかもしれません。
それに、大陸の影響、が割に濃いな、と。
大陸、といっても、中国文化のことじゃなくて、
もっと広大な、南アジアから黒海沿岸まで含む領域よ。
三尊像にはっきり写されているでしょう、
白象の背にはペルシャ絨毯、
文殊菩薩像での青の使い方には印度の細密画を感じます。
これらは東福寺にあった古画の模写だと伝えられているけど、
純和風、かといえば、そうではないような。
まあそれは別にしても、
《御堂》なのよ、やっぱり。
西洋ならば、キリスト像を囲む華麗なステンドグラス。
イスラムの世界では、偶像崇拝は禁じられているけど、
モスク内部を草花文様のタイルで装飾しています。
若冲さんと大典禅師さまは、
そういったことを知っていたのじゃないかしら、
なんて想像したりするのだけど。
もしや、お二方は、三尊像と動植絵を通じて、
新たな宗教的空間を創ろうと試みたのかもしれない……。
「ほんとォー?」
分かんないわ。
そうかも、というだけ。
ネーさの単なる妄想ですから。
若冲さん御本人にそこのところを伺えたら
本当のところが解るのか、
それとも……大笑いされたりして。
「かも、ネ」
最後に。
相国寺さまに御礼申し上げます。
まことに眼福させていただきました。
ありがとうございます。