テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

甘党さんの、とっておき!

2014-08-31 21:39:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぐーぐーッ!」
「がるる!ぐるーっ!」(←訳:虎です!ぐぐーっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 秋の野に響くのはポンポコ狸の腹太鼓の音か、
 はたまたお腹の虫が鳴く音か……
 8月最後の読書タイムである本日は、
 さりげなく食欲をかきたててくれちゃう、
 こちらの御本を、どうぞ~!

  



                ―― まるまるの毬 ――



 著者は西條奈加(さいじょう・なか)さん、2014年6月に発行されました。
 書名の『毬』には『いが』とルビが振られています……ので、
 『まるまるのいが』とお読みくださいね。

「ふァ?? まるまるのォ、いがッ??」
「ぐるがるぐるる??」(←訳:何のことだろう?)

 『まるまる』とは
 西国のお菓子屋での『お団子』の呼び名。

 そして、いが――トゲトゲのあるもの、といえば……

「あッ! わきゃッたでス!」
「がるる!!」(←訳:栗だね!!)

 丸いお団子の上に、
 栗の毬=いが栗に見立てた黄色い米粒をたっぷり乗せた餅菓子。

 日本の各地で作られていた、
 細部や形は多少違っても“秋のお菓子”として知られていたものを、
 お江戸・麹町(こうじまち)の菓子屋
 《南星屋(なんぼしや)》の主・治兵衛(じへえ)さんは、
 黄色い米粒の代わりに
 栗を裏ごしして、お団子の上半分にまぶしました。

 はい! 南星屋特製まるまる毬の出来上がりです!

「あはァ! おかしィ~♪♪」
「ぐるるるがるるぅ!」(←訳:お菓子屋さんだぁ!)

 ええ、そうなんです。
 南星屋さんは、行列の絶えないお菓子屋さん。
 麹町界隈では知らぬ者とてありません。
 遠くから買いに来る人も多いんですよ。

 お店は、治兵衛さんと、
 娘のお永(えい)さん、
 お永さんの娘で治兵衛さんの孫にあたる看板娘のお君(きみ)ちゃん。
 
 たった三人で切り盛りする小さな店ですけれど、
 味は確かだと評判です。
 いいわね~♪
 ネーさも食べてみたいわ~♪

「テディちゃもッ!」
「がるる!」(←訳:ボクも!)

 繁盛するお店と、
 仲の良い家族。
 お江戸を舞台にした美味しくも楽しい連作短編集……と思ったら。

 あらら、風向きがヘンですよ?
 或る日、奉行所の同心さんたちが
 治兵衛さんの身柄を拘束!
 有無を言わさず引っ立てていっちゃいました!

「ええええェッ? なぜッ??」
「ぐるるがるるぐるる?」(←訳:お菓子作りは罪なの?)

 治兵衛さんにも、さっぱりワケが分かりません。
 いったいどうしてこうなった?

「なにかのォ、まちがいィ?」
「がるるるっ!」(←訳:濡れ衣だっ!)

 江戸も後期にさしかかろうという時代、
 治兵衛さんの身の周りで起きる
 お菓子にまつわる数々の物語。

 ちょっぴりミステリテイストも香る7作品は
 腹ペコな甘党活字マニアさんに熱烈おすすめです。
 とっておきのお気に入りお菓子とともに
 お読みくださいな~♪

「おまんじゅうゥ!」
「ぐる!」(←訳:羊羹!)

 では、ボナペティ!

 




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不朽なる、抒情の美。

2014-08-30 21:41:04 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あでぃしょなるゥ~たァ~いむッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!オマケだね!)

 こんにちは、ネーさです。
 8月最後の週末!って、つまり、夏休みのアディショナルタイムかしら?
 宿題を仕上げた御方も、いまのいまアセっている御方も、
 さあ、ほんの少々休憩して、
 秋のアート情報を、どうぞ~!

  



               ―― 藤井千秋 展 ――



 愛知県刈谷市の刈谷市美術館にて、
 会期は2014年9月20日~11月9日(月曜休館、ただし10/13、11/3は開館し、9/24、10/14、11/4は休館)、
 『爽やかに清らかに…エレガントな抒情世界』と副題が付されています。

「きれいィ~でスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:可愛い!)

 ええ、そうなのよね。
 私ネーさ、↑上の画像のチラシ(フライヤー)で一目惚れしました。
 なんて可愛いんでしょ!
 この可愛らしさにハートを摑まれ、
 愛知県刈谷市で開催される美術展、という、
 ここ東京・八王子からは遠地であるのは承知の上での御紹介です♪

  

「がっるるるぐるる!」(←訳:こっちにも美少女!)

  

「こッちにはァ~びじんさんッ!」

 藤井千秋(ふじい・ちあき)さん(1923~1985)は
 岐阜県生まれの画家さんです。
 大正から昭和にかけて大ムーブメントとなった《抒情画》の流れを汲み、
 雑誌『少女の友』『女学生の友』の挿絵画家として活躍、
 広く人気を得ました。
 『にんぎょひめ』『赤いろうそくと人ぎょ』等の
 絵本も制作しています。

 この展覧会では、
 少女雑誌の挿絵原画、
 当時の雑誌付録、便箋などの資料、
 名作童話を題材とする絵本原画などが展示されます。

 (展覧会場では関連企画・イベントも予定されています。
  詳細は美術館HPを参照ください)

「なにをォかくそうゥ、テディちゃ、めんくいィでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:ボクも面食い!)

 わたし美しいお顔にことのほか弱いんです……と自認するアート好きさんは、
 藤井千秋さんのお名前、ぜひ胸に刻んでくださいね。
 愛知県にお住まいの方々は、ぜひ展覧会へお出掛けを!




   さて、ここで8月ラストのオマケ画像も♪
  
   『資生堂』さんのゼリー飲料、
   《シノアドア》ですよ。
   後味に、ほんの~りお茶の香り……♪
   「すッきりィ~さッぱりィ~♪」
   「がるぐるるるがるる!」(←訳:軽いおやつにどうぞ!)


  では皆さま、どうか穏やかな休日を!




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― ちいさな、お城のうた ―

2014-08-29 21:46:43 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでスッ!
 ♪るるゥ~♪かきくえばァ~♪」
「がるる!ぐるぐるがる~♪」(←訳:虎です!鐘が鳴るなり~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、法隆寺、と。
 子規さんが眺めた旅の空のように、
 本日の読書タイムではゆったり広がる《旅》エッセイ本を御紹介しましょう。
 こちらを、どうぞ~♪

  



              ―― ちいさな城下町 ――



 著者は安西水丸(あんざい・みずまる)さん、2014年6月に発行されました。
 イラストレーター、漫画家、小説家、エッセイ、絵本、書籍の装幀、と
 八面六臂の活躍で活字マニア諸氏にはお馴染みのクリエイター安西さん……
 この御本は、
 今年2014年3月に惜しくも急逝された安西さんの、
 エッセイ集としては最後の作品になるのでしょうか。

「きゃわゆいィ~いらすとッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:独特の味わい!)

 御本の表紙には、
 安西さんらしい、軽やかなタッチのお城のイラストが描かれています。

 ええ、お城です。
 小さな城下町を訪ねることが、
 安西さんの趣味だったのです。

「ふむゥ~? ちいさいッていうのがァ~」
「がるるるぐる?」(←訳:ポイントなの?)

 御本の冒頭で、安西さん、こう記しています。

   《ぼくの城下町の好みは十万石以下あたりにある》

   《なまじっか復元された天守閣などない方がいい》

   《わずかな石垣から漂う、敗者の美学のようなものはたまらない》

 観光の目玉になっている仰々しい城郭は、ダメ。
 ちょっと鄙びていて、
 でも地元の人には大事に思われている、
 そんなお城がお好きだったのかしらね?

「それならァ、きッとォ~!」
「ぐっるるがるるる!」(←訳:いっぱいありそう!)

 先ずは新潟県村上市の、村上城址にて。
 親友の小説家・村上春樹さんと
 村上新聞社前で村上新聞を手に
 記念の写真をパチリ、したお話。

 次は、
 映画&小説の『のぼうの城』で広く知られるようになった
 埼玉県行田市の忍(おし)城址へも。
 古墳を見物して、
 地元の名物?もいただいて。

「もぐもぐッ、うむッ、いけるゥ!」
「がるるる!」(←訳:美味しい!)

 合間に、ちょっと思ったりします。

   《歴史や歴史本はことさら劣勢側に味方して書かれている場合が多い》

「ついィ、ひいきィしちゃうんでス!」
「ぐるるぅ~!」(←訳:だよねぇ~!)

 はたまた、広告代理店に勤めていた時代の上司さんを偲び、
 彼の故郷の静岡県掛川へ。
 ここの城郭は立派に再建されてしまっているようですが、
 まあいいでしょう、
 藩主(城主)がめまぐるしく変わった経緯を持つ、
 五万石のお城です。

 という風に、
 これ!と見込んだ小さな城下町への旅、20編。
 うち、3編が描き下ろし作品となっています。

 いずれの旅も、
 歴史の解釈を押し付けるものではなく、
 お金をかけまくった大名旅行ではなく、
 質実でありながら、どこか優美!なんです。

 これみよがしではない、安西さんの歴史に関する知識の深さが
 そこここから湧き出ていますよ。

「のんびりィのォ、じょうかまちあるきィ!」
「がるぐる!」(←訳:ほのぼの!)

 人柄そのまま、
 イラストの印象そのままの、
 心やすらぐ旅のエッセイ。

 8月の末、
 周りは騒々しいけどほんわか読書を愉しみたいわ!と願う活字マニアさんに
 おすすめですよ。
 全国のお城マニアさんも、ぜひ♪




 
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地のはてまでも、歩きゆかん。

2014-08-28 21:44:03 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やまのぼりィ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!川下り~!)

 こんにちは、ネーさです。
 山へ、川へ、海へ、異国へ。
 熱い冒険的要素たっぷりの8月も、いよいよ終わりが近付いてきました。
 でも!御本の中では、いつだって冒険は花盛りです♪
 本日の読書タイムは、本物の冒険家さんふたりの対談本を、どうぞ~!

  



            ―― 地図のない場所で眠りたい ――



 著者は高野秀行(たかの・ひでゆき)さん&角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)さん、
 2014年4月に発行されました。
 
 高野さんは『謎の独立国家ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞を、
 角幡さんは『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞を受賞されたことは
 活字マニアの皆さまは、きっと憶えておいででしょう。

「ふァいィ! どちらもォ~すッごいィぼうけんでしたでス!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:アフリカと北極!)

 『謎の独立国家ソマリランド』の他にも、
 『幻獣ムベンベを追え』『西南シルクロードは密林に消える』『怪獣記』などの著書で
 “探検家”として知られる高野さん。

 角幡さんも、19世紀の探検隊の軌跡を辿る
 北極徒歩踏破探検紀行『アグルーカの行方』の他に、
 『雪男は向こうからやって来た』『空白の五マイル』など
 ヒマラヤやチベットでの探検記録で知られる御方です。

「ほんものォ、でスねッ!」
「がるぐるる!」(←訳:フダつきだ!)

 札付き、の意味が違うような気がするけど、
 ええ、そうね、御二方とも本物の探検家さんです。

 高野さんと角幡さん、
 実は、同じ“遺伝子”を持つ探検家さんです。
 すなわち、

    《早稲田大学探検部》。

 ここが、おふたりの出発点でした。

「たんけんくらぶゥ~!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:怪しくていいね!)

 といっても、おふたりの部活動期間は異なっています。

 高野さんは、探検部の31期幹事長。
 角幡さんは、42期幹事長を務めました。

 同じ探検部卒業生のおふたりが目指す探検は、
 似ているのか、
 或いは方向性正反対、共通点皆無なのか……?

「けんかしちゃァ、だめェでスよゥ!」
「がるるぐるぐるる!」(←訳:仲良く探検しよう!)

 探検部入部のきっかけ、
 探検家を志すことになった動機、
 探検をやり遂げるモチベーション、
 探検の道具や心得、
 探検紀行を書く苦心と苦労……

 いやぁ、スゴイお話です。
 御本人さんたちは意識していないのでしょうが、
 南極だの北極だの、
 サハラ横断だのタクラマカン砂漠に行くの、
 ジャングル越えやらアマゾンだのと、
 普通の会話では出て来ないような単語が
 ポンポン飛び出します。

「ありえないィ!」
「ぐるる!」(←訳:無茶だ!)

 しかし、それこそが探検の醍醐味!
 有り得ないこと、
 誰に話しても信じてもらえないような出来事、
 日常との落差や距離、
 全部ひっくるめての探検行。
 そして、探検を支える日本での日々。

 何のトクにもならない探検なんて興味はないさ!という御方は
 実用書でもお読みください。
 でも。
 チビっ子の頃のワクワク心を忘れてないぞ!
 高野さん角幡さんの著作にドキドキさせられた!という活字マニアさんは
 ぜひとも一読を。
 探検の易しさ、難しさ、強烈な磁力!が浮き上がってくる一冊です♪

「つぎのォ、たんけんはァ、どこッ??」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:怖いけど楽しみです!)
 



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唯一無二の美。

2014-08-27 21:16:07 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あううゥ~…はちがつがァ、おわッちゃうゥ!」
「がるる!ぐるぐるるがる!」(←訳:虎です!あと数日で9月!)

 こんにちは、ネーさです。
 8月最後の週末となる今週末に向けて、
 さあ、本日は、お出掛けを兼ねた展覧会情報をお送りしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  



               ―― 櫛・簪の美 ――



 山梨県南都留郡の河口湖美術館にて、
 会期は2014年6月21日~9月15日(会期中無休)、
 東京都青梅市の『櫛かんざし美術館』が所蔵する名品がずらずらっと!

「わはァ! きれいィでスねェ!」

  

「ぐるるがるぐる!」(←訳:これは既に芸術!)

  

 櫛(くし)、簪(かんざし)、笄(こうがい)など
 江戸後期から明治、大正、昭和にかけての“結髪”を彩る美の作者さんは、
 光琳さん、抱一さん、羊遊斎(ようゆうさい)さん他、
 現代では巨匠と謳われるアーティストさんたち。
 
 この展覧会では、
 櫛、簪約300点と、
 浮世絵版画、近代の創作版画など90点も
 併せて展示されます。

「いまはァ、もうゥつくれませんッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:原材料がない!)

 もはや入手は不可能であろう最高品質の鼈甲(べっこう)、象牙、珊瑚……
 平成の世では再現もできない《日本の美》の饗宴、
 江戸アートマニアさんに
 激おすすめしたい展覧会ですよ。

  

「ばしょはァ、かわぐちこォ!」
「ぐるがる!」(←訳:湖畔です!)

 おクルマなら、中央自動車道河口湖ICから約15分、
 電車では富士急行河口湖駅から路線バス(甲府駅行など)で
 『河口湖美術館前』下車徒歩7分、となります。

 
 今週末は、お天気ちょっと崩れ気味、でしょうか。
 お出掛けの際は、どうか皆さま、安全運転&ゆったりスケジュールで!
 




   さて、今回のオマケ画像は、お花ちゃんです♪
  
   去年はなぜか咲かなかった芙蓉(ふよう)のお花が
   今年はめでたく咲きました~♪
  「あッぱれェ!」
  「拍手~!」(←訳:がる~!)

  全国のチビっ子ちゃんたちも、夏休みの宿題の花をパッと咲かせてくださいね~!



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山の上へも、波よせる島へも!

2014-08-26 21:50:38 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……なんだかァ、おなかがァすいたぞッ?」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!食欲復活だ!)

 こんにちは、ネーさです。
 一気に秋めいて、食欲減退の夏から、食欲増進の秋へ転針!なんでしょうか。
 本日の読書タイムも、ええ、そうですね、
 食べものテーマの御本を、どうぞ~!

  



                 ―― パン欲 ――



 著者は池田浩明さん、2013年12月に発行されました。
 『日本全国パンの聖地を旅する』と副題が付されています。
 さらには、表紙の下方に小っちゃく、
 『私はパン欲に逆らうことができない……』とも記されていますよ。

「ふァいッ! そのきもちィ、わきゃりまスゥ!」
「ぐるるるるるぅがる!」(←訳:美味しいよねぇパン!)

 新米の炊き立て御飯の美味しさと、
 焼き立てのパンの美味しさ、
 両方を堪能できるのは
 日本に住む私たちの幸福&幸運です。

 でも、どうせ食べるのなら、
 最高に美味しいパンがいい。
 とびきりの良品パンがい。

 フードライター、いえ、パンライターを自称する著者・池田さんは
 パン欲の命じるままパンを食べまくるべく、
 北海道から沖縄まで、
 日本縦断パンの旅に乗り出しました。

「わほッ♪ ゆめのォたびィ!」
「がるぐる!」(←訳:羨望です!)

 北海道では、麦を育てる農家さんを訪ねます。
 おすすめの麦は、キタノカオリ。
 池田さんが日本の至宝と称えるキタノカオリで作ったパンは、
 “蜂蜜のような黄金色の甘さが流れだす”そうよ。

「こくさんこむぎッ!」
「ぐるがるるるる!」(←訳:絶対美味しそう!)

 小麦畑の次には、
 いよいよパンを焼く人たち――パン屋さん巡りの旅へ。

 北海道、岩手、関東、関西、
 中国・四国、九州、沖縄、と各地のお店でパクパク……
 いやあ、それぞれのお店がそれぞれに、
 味も形もお店の成り立ちも
 作り手さんの来歴も驚くほどのバリエーションです。

 イタリアの食とワインを知り尽くした料理人さんのパン。
 もとは建築家だったというパン職人さん。
 オーストリア生まれの職人さん、
 微生物研究者さんが始めたパン屋さん……。

「おおッ、これはァすごいィ!」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:山の上のパン屋さん!)

 標高2307mの、携帯電波も通じにくいパン屋さん。
 しまなみ海道の島のパン屋さんもあれば、
 パン激戦地の東京・京都・神戸のパン屋さんも……。

「やめられないィとまらないィ~♪」
「ぐっるがるるるるるぐる!」(←訳:だって美味しいんだもん!)

 パンへの“食欲”というよりは、
 美味しい!と感動できる食べものへの“希望”を
 たっぷり練り込んだようなこの御本、
 よくあるグルメガイドとは違い、
 紹介されているパン屋さんへの行き方や地図などは
 書かれていません
 (住所・HPアドレスは掲載されています)。

 なので、パンが本気で好きだ!と断言できる御方にのみおすすめ!ですよ。

「ふッふッ♪ のぞむゥところでスゥ!」
「がるぐるがるるる!」(←訳:いざパン食の旅へ!)






 
 
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映像屋さんに、検討求む!

2014-08-25 21:39:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 すぺいんはァ~、あつあつゥ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!東京は涼しめ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ・ア・エスパーニャ開催中のスペインは強風の快晴、
 でも関東はちょこっと涼しい風が吹きましたよ。
 久々にエアコンをオフにしてのゆったり読書タイムは、
 はいっ、こちらを、どうぞ~!

  



            ―― ことり屋おけい探鳥双紙 ――



 著者は梶よう子(かじ・ようこ)さん、2014年6月に発行されました。
 『探鳥双紙』は『たんちょうぞうし』とお読みくださいね。
 いま読書界で話題の、お江戸を舞台にした
 連作ミステリメロドラマです~!

「めろどらまァみすてりッ??」
「ぐる~?」(←訳:探鳥~?)

 小鳥を商うペットショップ。
 現代では、珍しくありませんよね。
 小鳥マニアさんは、飼育に必要なカゴや備品、
 専用のエサを買いにゆかれることもおありでしょう。

 でも、お江戸の時代にも同じようなことが行われていた、と聞くと、
 なんだか不思議なんですけど。

「ほほゥ? おえどでもォ、ぴーちくぱーちくくんをォ?」
「がるぐるがるる?」(←訳:売り買いしてた?)

 ええ、そうみたいね。
 この御本の主人公、おけいさんが営んでいるのが、まさにその、
 鳥を売るお店――『ことりや』です。

 日本橋通りから、さらに通りを一本挟んだ小松町(こまつちょう)に
 『ことりや』は、
 6年前に飼鳥(かいどり)屋の看板を掲げ、
 いまは馴染みのお客さんも出来て、
 商売順調と見えますが……。

「おかみさんッ、げんきィないィでスゥ!」
「がるぐるがっるるるる?」(←訳:何かあったのかな?)

 毎日お店をたったひとり、女手ひとつで仕切る女将のおけいさんには
 或る悩みがあります。

 御亭主の羽吉(はねきち)さんが
 3年前から行方知れず。

 事故か。
 事件に巻き込まれたのか。
 それとも、別の理由が?

「ううゥむゥ、それはァ~…」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:悩むのも道理です!)

 憂い顔が謎を引き寄せるのでしょうか。
 小さな『ことりや』には何故かしら、
 町の些細なトラブルから、お役人が乗り出す本物の事件まで、
 様々な謎が舞い込んできます。

 謎の究明にさりげなく力を貸すのは、
 あの!滝沢馬琴さん。

「おおおォ!はッけんでんッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:お江戸の大文士!)

 知恵者の馬琴先生。
 当時の“ことりカフェ”とも言える花鳥茶屋。
 お江戸の風物を取り込みながら展開する物語は、
 ミステリの要素、
 ほろりとさせるメロドラマ、
 今昔ペット事情にも感心させられるエンタ作品です。

 ミステリ好きさん、時代小説好きさんにも
 ぜひ読んでいただきたい、んですけど、
 映像好きな御方にもおすすめですよ♪

 だって、つい想像しちゃうんです。
 このお話を、NHKさんがドラマにするなら、と。

「うんッ!おもしろそうゥでス!」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:観たいぞ小鳥屋さん!)

 民放さんではなく、NHKさんで!
 製作費は二の次にして、
 じっくり時間をかけて撮影して。
 小鳥だらけの『ことりや』って絵になりそうだなぁ♪
 役者さんは誰がいいかなぁ?
 期待は膨らみますね!

「いいなァ~♪それッ♪」
「がっるぐるる~!」(←訳:作って欲しい~!)

 NHKさん、本気で検討お願いします!




 
 
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友たるワンコと。

2014-08-24 21:48:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もりあがるゥ~すぺいんッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!最速でGO!)

 こんにちは、ネーさです。
 2014ブエルタ・ア・エスパーニャは幸いにもお天気に恵まれているようで、
 熱い闘いが全開!
 初日のチームTT(タイムトライアル)に続き、
 今日からはステージレースが始まります。
 読書タイムも頑張らなくちゃ!というわけで、
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  



               ―― 走ろうぜ、マージ ――



 著者は馳星周(はせ・せいしゅう)さん、2014年7月に発行されました。
 2006年に刊行された単行本に加筆・修正、新たな写真も加えて
 ↑画像の文庫版が完成しましたよ。

「わんこだァ!」
「ぐるるる!」(←訳:デカいぞ!)

 活字マニアの皆さまも、
 目にした経験はある……かしら?

 バーニーズ・マウンテン・ドッグ、
 別名ベルナー・ゼネンフト。
 『ベルンの山犬』という意味の名の、大型犬を。

 黒と白と茶色のトライカラーで、
 愛らしい外見のバーニーズは、
 しかし、哀しい歴史を有する犬種なのです。

 第一次世界大戦後、絶滅の危機に瀕していたバーニーズ
 熱心なブリーダーたちの手によって復活しましたが……

「ふァ~、ぜつめつゥしなくてよかツたァ!」
「がるる!」(←訳:祝復活!)

 それがね、絶滅しかけた……ということは、
 個体数が少ない、ということなのよ。
 つまり、遺伝子的な余裕がない、のです。
 その結果、

    骨格、関節などに先天的な障害を持つ個体が多く、
    他の犬種に比べ、癌などの疾病も多い。

 と、御本の冒頭で、著者・馳さんも述べています。

「あうゥ、びょうきィ~…」
「ぐるるるるぅ~…」(←訳:そうなのかぁ~…)

 作家さんである馳さんの愛犬こそ、その
 バーニーズ・マウンテン・ドッグ。

 可愛い女子犬マージ11歳と、
 わんぱく坊主のワルテル1歳。
 
 ふたり(2匹、とか言いませんよ!)をひたすら愛する馳さんは、
 東京での都会暮らしから、
 軽井沢での田舎暮らしにシフトチェンジしようとしていました。

 何故なら、
 マージが病気になってしまったから。

 東京では散歩も出来なくなるほど弱っていたのに、
 軽井沢では、彼女の眼は輝きます。
 緑の中にすっくと立って、
 歩き、遊び、
 他のワンコと追いかけっこだってしちゃいます。

「かるいざわがァ~、おきにいりィ!」
「がるるるぐるるぅ!」(←訳:気持ちは分かるぅ!)

 ここに住むか。
 マージのため、
 いや、マージとワルテルのために。

「そうしようッ!」
「ぐるるー!」(←訳:移住だー!)

 この御本は、
 馳さんの軽井沢移住記であり、
 マージの病と闘う記録です。

 そしてまた、
 愛するものの苦しみをただ見ていることしか出来ないひとりのワンコ飼いさんの
 慟哭の記録でもあります。
 いま現在、犬たちと暮らしている方々、
 愛犬の病気と格闘している方々のとっては、
 読むのがちょっとつらい本、かもしれません。

 
 でも、
 犬たちを友とする、友以上の存在として、
 ともに暮らしてゆく――
 そんな姿勢を貫く覚悟を決めている御方には、
 まさに得難い一冊となるはずです。

「いつもォ、まーじとともにィ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:ワルテルとともに!)

 ワンコ好きな活字マニアさんは
 この御本と、
 馳さんのブログもぜひ、お読みくださいね♪
 特に、馳さんのワンコ写真ったらもう最高ですよ~!




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海峡のひかり。

2014-08-23 21:35:33 | ミュゼ
 こんにちは、ネーさです。
 ……せーのっ!

  祝! ブエルタ・ア・エスパーニャ開幕!

 雪に祟られたジロ・ディ・イタリア、
 雨に呪われたツール・ド・フランスを経て、
 2014グランツールの締めくくり、ブエルタ・ア・エスパーニャが始まりますよ~♪♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 がんばれッ、せんしゅさんたちィ!」
「がるる!ぐっるるがる!」(←訳:虎です!獲ったれ天辺!)

 レース状況は随時お知らせすることにして、
 本日は、読書をサボってアートタイム。
 晩夏、いえ、初秋の展覧会情報を、どうぞ~!

   



           ―― 印象派のふるさと ノルマンディー 展 ――



 東京・新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館にて、
 会期は2014年9月6日~11月9日(月曜休館、ただし祝日は開館、翌火曜日も開館)、
 『近代風景画の始まり』と日本語副題が、
 『L'Estuaire du la Seine L'Invention d'un paysage』と仏語題名が付されています。

「あはァ! いんしょうはァ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:日本人に大人気!)

 日本人に人気の印象派絵画は、
 フランス人に人気のノルマンディー地方での風景画をきっかけに
 誕生したものでした。
 
 フランス北西部の、英仏海峡に面した一帯は、
 その自然の美しさから、
 画家さんたちをトリコにしたのです。

  

「おおぜいィがァ、えがきィましたッ!」
「がぅるぅるるぐーるるがる!」(←訳:デュフィさんクールベさん!)

 この展覧会では、
 ノルマンディーを描いた油彩、素描、版画、写真など、
 約80点の作品が展示されます。

  

 ↑美術館などで配布されている『美術館・ギャラリーガイド ART NAVI 』誌にも
 この展覧会の広告が掲載されていましたよ。↓

  

「みなとのォ、あさやけッ!」
「ぐるるがるぅ?」(←訳:夕焼けかなぁ?)

 ウジェーヌ・ヴーダンさんの『ル・アーヴル、ウール停泊地』は
 有名な港湾町ル・アーヴルを描いた作品です。
 印象派好きな御方ならググッときちゃうような
 空と雲ですねぇ♪♪

「♪るるゥ~♪せぷてんばァ~♪」
「がるるぐるる~♪」(←訳:♪九月になれば~♪)

 はい、アート日和な9月の休日に、
 ぜひお出掛けくださいな。

 


   さて、今回は、夏バテを防げ!なオマケ画像を。
   
   『NISSIN』さんの
   《ソルトサブレ 期間限定 レモン仕立て》。
   「さくさくでェ、ぱくりッ!」
   「ぐるるるがるる!」(←訳:さわやか夏風味!)


   皆さま、どうか穏やかな週末を。



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~ はてなき転戦のホイッスル ~

2014-08-22 21:36:36 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かいまくゥ~なのでス!」
「がるる!ぐるーるるる!」(←訳:虎です!新シーズンだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 2014ブラジルW杯から一ヶ月が過ぎて、
 サッカーは2014-2015シーズンが始まりますね。
 本日の読書タイムはで、W杯とはちょっと違う、
 フットボーラーさんたちの世界を御紹介いたしましょう♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



              ―― 越境フットボーラー ――



 著者は佐藤俊(さとう・しゅん)さん、2012年1月に発行されました。
 『The football players across the border』と英語題名が付されています。

「えッきょうゥ~??」
「ぐるるっるがる?」(←訳:超えるって何を?)

 W杯の試合中に大怪我をして
 世界中を心配させたネイマールさん。
 回復は順調のようでひと安心ですが、
 ええ、彼も越境フットボーラーのひとり、ですね。

 故郷ブラジルのチームから、
 オファーを受けて、スペインの一流チームへ移籍。

 他にも、メッシさんはアルゼンチンから、
 クリスティアーノ・ロナウドさんはポルトガルのマデイラ自治領から、
 というように、
 国籍を超え、
 一流の選手さんたちがリ-ガ・エスパニョーラに集結しています。
 英国のプレミア・リーグ、
 イタリアのセリエA、
 ドイツのブンデスリーガでも、事情は同じだわね。

「ちきゅうのォうらがわァ、からでもッ!」
「がるるるるぐっるる!」(←訳:言葉の壁があっても!)

 けれど、ビッグクラブのスター選手さんとは
 またタイプの異なる越境フットボーラーさんも存在します。

 この御本の著者・佐藤さんが取材したのは、
 日本に居場所を見つけられず、
 海外へ飛び出していかざるを得なかった、
 4人のフットボーラーさん。

「かいがいッていうとォ~…」
「ぐるるがるる?」(←訳:欧州のどこか?)

 第一部で紹介されている伊藤壇(いとう・だん)さんは
 ベトナム、香港、マレーシア、ブルネイ、マカオ、インド……

 第二部の、中村元樹(なかむら・げんき)さんは
 ドイツ、ペルー、アルバニア……

 第三部の酒井友之(さかい・ともゆき)さんは
 インドネシアへ。

 第四部、星出悠(ほしで・ゆう)さんは
 アメリカ、トリニダード・トバコ、
 エクアドル、キプロス、フィリピン……

「ふわわわァ~、すごッ!」
「がるるるぅ!」(←訳:そんなにぃ!)

 Jリーグではなく、
 欧州の強豪チームでもない国の、プレイヤー。

 それって都落ちじゃん?
 レベル低そう~…と思うのは、
 いいえ、的外れです。
 どの国のサッカーも一筋縄じゃ行きませんよ!

「つよかッたりィ!」
「ぐるがっるる!」(←訳:貧乏だったり!)
「そーぜつゥ!」

 トップ・オブ・トップの選手ばかり見上げていては
 ずっと分からないままの
 フッとボールという競技。

 厳しさ、笑い、怒り、困惑、未来……
 周囲に翻弄され、或いは翻弄しながら、
 走り続けるフットボーラーさんたちの転戦記は
 チェレンジ精神の塊!といったらいいのかしら。

「きょうもォ、ごーるをォめざしッ!」
「まがるがるぐるるぅ!」(←訳:だまだ走るぞぅ!)

 スポーツノンフィクションが好きな活字マニアさんに、
 サッカー少年&少女さんにおすすめの一冊です。
 W杯でフットボールの魅力に目覚めちゃった御方も、ぜひ♪
 



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