テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

いま、謎解きとダジャレ?の幕が上がる……。

2014-09-30 21:47:15 | ブックス
「……こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむゥ! くがつがァ~…!」
「がるる!ぐるっるぅるるぅ!」(←訳:虎です!終わっちゃうねぇ!)

 こんにちは、ネーさです。
 衣替えの支度でバタバタな皆さま、
 9月ラストの読書タイムへ、ようこそ~♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



               ―― オペラ座の美女 ――



 著者は鯨 統一郎(くじら・とういちろう)さん、2014年8月に発行されました。
 『女子大生 桜川東子の推理』と副題がふされています。

「おおッ! これはァ、あのッ!」
「ぐるるがるるー!」(←訳:名探偵さんだー!)
「おひさしぶりィ!」

 女子大生の桜川東子(さくらがわ・はるこ)さん。
 
 渋谷のバー《森を抜ける道》でお店の常連さんたちと飲みながら
 世間を騒がせている事件をネタにしていると、
 彼女が放った一言が……

「だいぎゃくてんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:驚愕の真相!)

 という展開で、
 著者・鯨さんのファンの方々はよく御存知の
 桜川東子さんシリーズの最新刊が、この御本です。

 バーのマスター。
 常連客の山内さん。
 語り手であり、探偵のお仕事をしている“僕”こと工藤さん。
 バーでアルバイトをしている、いるかちゃん。
 そして、
 女子大生、いえ、大学院生の、東子さん。

 この5人の、なんてことなさそうな会話から、
 《謎》が《謎》でなくなってゆく……。

「てじなッ、みたいなァ~」
「ぐるるがっる!」(←訳:アクロバット!)

 収録されている5作品に共通しているのは
 《オペラ》。

 オペラマニアさんでなくても、聞いたことありますよね。
 『カルメン』
 『椿姫』
 『蝶々夫人』
 『フィガロの結婚』
 『サロメ』――

 
 有名なこれらのオペラに似ていなくもない事件が起きました。
 お酒を飲み飲み、
 ムダ話とシュールなギャグをブチかましつつ、
 5人が辿り着いてしまった真相は、
 今回もハイレベルです!

「そうきたかッ!」
「ぐるるっ!」(←訳:負けたっ!)

 オペラの粗筋はもちろん、
 エールビールとピルスナービールの違いにも詳しくなれる
 『カルメンと殴殺』
 『椿姫と毒殺』
 の2作品が私ネーさのおすすめですが、
 他の作品もいいですね♪♪

「よしッ!うたッちゃおうゥ~!」
「がるぐるる!」(←訳:うん歌おう!)
「みんなでェ、がッしょうッ♪」

 いえ、歌わなくてもいいですから。

 えへん、前回記事では、芥川龍之介さんのパロディ作品とも言える、
 『芥川症』を御紹介いたしました。
 ホロ苦い笑い、切ない笑い、乾いた笑いが混在していた『芥川症』とは異なり、
 こちらのバーでのお喋りは、
 あっはっは♪と
 大笑いできる明るさが特徴です。

 ミステリ好きさんに、
 オペラ好きさんにはなおさら、
 読んで&笑って欲しい連作短編集は
 クセになりますよ。
 未読の御方は、シリーズまるごと、ぜひ!

「さあッ! ちからァ、いッぱいィ~…」
「ぐるがーる!!!」(←訳:アンコール!!!)





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《偽物》に、ニヤリ?

2014-09-29 21:37:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわゥ! またァ、あッちゃッたァ!」
「がるる!ぐるがるる~?」(←訳:虎です!よく会うね~?)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、今日の午後、またも至近距離で出会ってしまったのは
 『Google』さんのストリートビュー撮影車両でした。
 ばっちり写って……いないことを祈りながら、
 本日の読書タイムは、さあ、こちらの御本ですよ~♪

  



                 ―― 芥川症 ――



 著者は久坂部 羊(くさかべ・よう)さん、2014年6月に発行されました。
 『AKUTAGAWA'S SYMPTOM』と英語題名が付されたこの御本、
 笑えます。
 題名と、表紙だけで、
 もう、ぷふふっ、と吹き出してしまいます。

「きひひひッ♪」
「ぐるるっ♪」(←訳:クススっ♪)

 勘のよい方々は、既に察しておられることでしょう。
 これは……パロディ/パスティーシュ作品ではなかろうかと。

 そう推測しつつ、
 御本の目次ページを開いてみると、
 ああ、やはり?
 収録作品は、順に、

   『病院の中』
   『他生門』
   『耳』
   『クモの意図』
   『極楽変』
   『バナナ粥』
   『或利口の一生』

 これは……

「どこかでェ、みたぞッ?」
「がるるぐるがるぅ!」(←訳:聞いたことあるぅ!)

 ありますよねえ、活字マニアさんならば。
 芥川龍之介さんの、代表作品名をパロったら斯くも成らん、
 ってとこですが、
 さて?
 はたして中身までもパロディなのでしょうか。

「ええッとォ~、うゥ~んッ?」
「ぐるっるがるるる~?」(←訳:これって何だろ~?)

 著者・久坂部さんは、大阪大学医学部卒、
 外務省の医務官として海外勤務、
 高齢者が対象の在宅訪問診療に従事し、
 『悪医』で2014年日本医療小説大賞を受賞されたという、
 医療テーマを本領とする作家さんです。

 この御本に収録されている7作品も、
 病院が舞台だったり、
 登場人物はお医者さんや患者さんだったりします。

 なので、物語も必然的に重く、暗~く……

 なったりしていないところが、
 著者さんの度量の大きさ、でしょう♪

「いがいにィ、あかるいィ??」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:真面目と笑いが共存!)

 私ネーさのおすすめは、
 『クモの意図』。

 落語のノリと、
 ハイテンションな深夜勤務の看護師さんたちが
 絶妙にお似合いです!
 もしや、このお話って事実なんじゃ……?と思うくらいに。

「ぷふふふッ♪」
「ぐるるっ♪」

 どこがどうパロディ/パスティーシュなのか、
 ここで明かすことは出来ませんが、
 そうよね!漱石さんのネコちゃんばっかじゃなく、
 芥川さんだって、
 こういう形で現代に“再生”してもいいんじゃないかしら?と
 応援の旗を振りたくなる御本です。

 芥川さんマニアの方々、
 けしからん!と怒るより先に、
 まずはとにかく、一読を♪

「よみおえたらァ、きッとォ~…」
「がるぐるるがるるる!」(←訳:拍手したくなります!)




 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無限のミクロへ。

2014-09-28 21:33:17 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪さがしつづけるゥ~あいィのォ~ことばァ~♪」
「がるる!♪ぐるぐるがる~♪」(←訳:虎です!♪いま煙の中で~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 ここ数日はなぜか『スピッツ』を聴きまくっています♪
 新作はまだかなぁ~?とオフィシャルサイトを覗くのも楽しいですね。
 では、マサムネさんの美声をBGMに、
 本日の読書タイムは、こちらをどうぞ~!

  



            ―― 教えたくなる名短篇 ――



 編者は北村薫さん&宮部みゆきさん、2014年6月に発行されました。
 ミステリ作家として、
 また、手練れのアンソロジストとしても知られる北村さんと宮部さんが、
 今回も“鳥肌”級の名短篇で勝負!です。

「みすてりィかなッ??」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ミステリぽいね!)

 いえ、この御本に収録されている12の作品は
 必ずしもミステリのジャンルに入るものとは限らないようです。

 第一部から第五部まで、
 大きく五つに分けられた本文には、
 若竹七海さん、
 ヘンリー・ジェイムズさんたち
 ミステリ系の作家さんと、
 アントン・パヴロヴィチ・チェーホフさん、
 プロスペル・メリメさん、
 角田光代さん……と
 文芸、詩、戯曲の分野での大家さんたちの作品も
 収録されています。

 童話か幻想譚か?な小熊秀雄(おぐま・ひでお)さんの
 『焼かれた魚』。

 北村さんが熱く推す
 長谷川修(はせがわ・おさむ)さんの
 『舞踏会の手帖』と
 『ささやかな平家物語』。

「ぶとうかいのォてちょうゥ??」
「がるぐるる?」(←訳:映画ですか?)

 ジュリアン・デュヴィヴィエさん監督の映画『舞踏会の手帖』への
 オマージュのようなこの作品、
 映画好きさんには
 ぜひ読んでいただきたいわね!
 ネタバレになっちゃうといけませんので
 これ以上はお喋りできませんが、
 読後の余韻は、まるで音楽……。

 そして、読後といえば、
 こちらの作品もすごい、いえ、凄まじい!

「みじかいィ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:でも濃いんだ!)

 詩人の蜂飼耳(はちかい・みみ)さんが著したのは、
 文庫本のページにして
 わずか3ページ……という短さの、
 『人間でないことがばれて出てゆく女の置き手紙』。

「むむゥ~…これはッ!」
「がるるるっ!」(←訳:やられたっ!)

 ミステリよりもミステリ的な、
 大河ロマンよりも大河的な、
 ずっしり胸にくい込む名短篇とは、
 まさにこの作品のこと!

 ここでいったい何が起こったのか、
 何が終わり、
 何が始まろうとしているのか。

 極小にて無限大な、
 汲めども尽きぬ海水の一滴を想わせる怪作に、
 活字マニアさんは
 惚れ惚れしちゃってくださいね~♪♪

「そうぞうりょくがァ~」
「ぐるるがるぅ!」(←訳:活性化するぅ!)

 短編好きな御方は、必読!ですよ!!
 
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 ~ はるかな《恋文》の灯 ~ 

2014-09-27 21:30:26 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きんもくせいィもォ、さきましたでス!」
「がるる!ぐるがる~♪」(←訳:虎です!いい香り~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 銀木犀の次は金木犀のお花が、秋の香りをふりまき始めましたね。
 花のそばで深呼吸しながら、
 週末の今日はアート情報をお送りいたしましょう。
 いま大いに話題の、あの御方の展覧会へ、さあ、どうぞ~!

  



           ―― 大正ロマンの恋と文 ―― 



 東京都三鷹市の三鷹市美術ギャラリーにて、
 会期は2014年8月30日~10月19日(今後の休館日は9/29、10/6、10/14、10/15)、
 『平成26年度特別展 竹久夢二生誕130年 ~高相コレクションより~』と副題が
 『YUMEJI TAKEHISA'S TAISHO ROMANTIC LOVE & LETTERS』と
 英語題名が付されています。

「わほゥ! いつもォにんきのォ!」
「ぐるるる!」(←訳:レトロ美!)

  

 つい先ごろ、未公開作品が発見?と
 大きく報道された夢二さん。
 今年はちょうど、生誕130年、没後80年、というメモリアルイヤーに当たります。

「ふるいィさくひんッ、なのにィ~」
「がるるぐるる!」(←訳:古びてないね!)

  

 この展覧会の中心となるのは
 三鷹市が所蔵する《高相コレクション》。

 夢二さんの肉筆画や装幀本の他に、
 妻・たまきさん、
 『宵待草』のモデルとされる おしまさん、
 夢二さんが最も愛した彦乃さん、
 モデルから恋人となったお葉さん、
 『少年山荘』に編集者として訪れていた秀子さん宛の書簡などが
 公開されます。

「ふァ~、てがみがァ、いッぱいィ!」
「ぐるるがっるるる……!」(←訳:筆マメだったんだ……!)

 どうしてなのか、
 時を経てもいっこうに人気の衰えとは無縁の画家・夢二さん。
 夢二さんの、とくに書簡類に興味をお持ちの活字マニア諸氏に
 おすすめの展覧会です。

 三鷹市美術ギャラリーは、
 JR三鷹駅南口から歩いてすぐ!ですので、
 東京郊外への散歩気分で
 お出掛け下さいな~♪ 




    はい、では、もうひとつの週末恒例、美味しいオマケ画像は。
    
    『ロッテ』さんの
    《甘くておいしい りんごの パイの実》。
    「あッぷるぱいィでスかッ?」
    「がるるるぐるるる?」(←訳:りんご味パイの実?)
    リスくんのように、さくさくパイの実を頬張って、
    皆さま、どうか穏やかな休日を♪



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緑の光に、しあわせを。

2014-09-26 21:57:45 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いよいよォ、けッせんのォ、ときィ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!王者が決まる!)

 こんにちは、ネーさです。
 スペインで開催中の自転車競技ロードレース世界選手権、
 個人タイムトライアル部門(男子エリート)では
 英国のサー・ブラッドリー・ウィギンズさんが優勝!
 おめでとうございますウィギンズさん、いえ、ウィギンズ卿!
 さあ、次はエリート男子ロードレースだ~!
 じゃなくて、えーと、読書タイムだ~!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



                  ―― 緑の光線 ――



 著者はジュール・ヴェルヌさん、原著は1881年に、画像の日本語版は2014年8月に発行されました。
 仏語原題は『LE RAYON-VERT』、
 SF作家ヴェルヌさんの、
 この御本は《恋愛小説》として知られる作品です。

 でも、『緑の光線』という作品名にピンと来るのは、
 マニアさんよりも映画マニアさん、でしょうか。
 
 エリック・ロメールさん監督作品『緑の光線』は有名ですからね。

「むむゥ? というとォ、これはァ~…」
「ぐるるがる?」(←訳:映画の原作?)

 ロメールさんの『緑の光線』(1986年・ヴェネツィア映画祭・金獅子賞受賞)は
 現代を舞台にした作品でした。
 ヴェルヌさんの『緑の光線』は、映画の中で重要な役割を果たしますが、
 原作、とは申せません。

 ヴェルヌさんの小説では、
 舞台はヴェルヌさんにとっての“現代”、つまり19世紀。
 しまこ、場所はスコットランドです。

「おおォ! すこッとらんどッ!」
「がるぐるる!」(←訳:最近話題の!)

 ええ、独立か否か、で世界から注目されたスコットランド。
 そこに(100年以上も昔むかしのことですが)、
 花のような乙女がひとり。

 ヘレーナ・キャンベルさんは18歳。

 両親を早くに亡くし、
 伯父たちのもと、大切に育てられてきました。
 美しい姪っ子ヘレーナさんに大甘な伯父さんたちは、
 こっそり、或る計画を進めています。

 可愛いヘレーナの婿に、ぴったりなのは?
 もちろん、ふたつの大学を出た学士で、物理学者で、化学者で、
 名家の出身で、お金持ちでもある、
 あの若者がよろしかろう!

「ええッ? かッてにィ、きめちゃうゥのッ?」
「ぐるるがるるる~!」(←訳:それはマズいよ~!)

 ええ、伯父さんたち、そこまで強引ではありません。
 おっとりと、姪っ子ヘレーナさんに、
 こんなのどぅお?と話を持ち出したところ、

  ――けっしてしないわ、結婚なんて……緑の光線を見るまでは――

 と言われちゃいました。

「みどりのォこうせんをォ、みるゥ?」
「がるる?」(←訳:どこで?)

 緑の光線とは、
 水平線に沈みゆく太陽が放つ最後の輝き。
 その瞬間、網膜を射るのは
 赤い光線ではなく、緑の光線。
 天国に緑の色があるなら、まさにこの色。

 そしてまた、
 緑の光線を見た者は、自分と他人の心のうちが
 はっきり見えるようになる。
 緑の光線を見た者は幸福になれる――
 とも謂われているのです。

「こうせんをォみるとォ~…」
「ぐるる?」(←訳:幸せに?)

 緑の光線を見よう!
 そう思い定めた若い御嬢さんを
 いったい誰が止められるでしょう?
 伯父さんたちとともに
 緑の光線を求めて出発するヘレーナさん。

 ですけど、
 水平線に沈む太陽って、ありそうで、ない、んです。
 まず西に面した海に行かないと×。
 お天気が悪いと×。
 あれこれ邪魔が入っても×。
 ううむ、簡単には見られませんねえ。

「むずかしィ~!」
「がっる!」(←訳:困った!)

 緑の光線を追い求めるヘレーナさん。
 彼女は、見つけることができるのでしょうか?
 翡翠のような、天国の緑色を。
 幸福を……。

「みられるのならァ、みたいィでス!」
「ぐるるる!」(←訳:ボクらも!)

 ヴェルヌさんの作品奈河では、やや地味……と評される作品、
 なのだそうですが、
 いえいえ、
 楽しく読める冒険?恋愛小説ですよ!
 併載の短篇『メキシコの悲劇』ともども、
 21世紀の活字マニアさんも、
 ぜひ一読を~♪
 




 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

― “人造”のアリア ―

2014-09-25 21:37:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わあァ~んッ! おわッちゃッたよゥ~!」
「がるる!ぐるるるぅ~!」(←訳:虎です!悲しいよぅ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 大のお気に入りだったNHK・BSのドラマ『ベランダー』の最終回に、
 ついつい溜め息……終わらないでほしかったなぁ~…。
 本日の読書タイムでは、こちらも、
 終わらないで~!と叫びたくなる徹夜本を御紹介いたしましすよ。
 さあ、どうぞ~!

  



               ―― 機巧のイヴ ――



 著者は乾緑郎(いぬい・ろくろう)さん、2014年8月に発行されました。
 『 The Contrivance Doll EVE 』と英語題名が付されたこの御本、
 いま読書界で大きな話題となっていますね。

「じだいィしょうせつゥ??」
「ぐる??」(←訳:SF??)
「みすてりィ??」

 それら全てのジャンルのいいとこどり!をしたような物語は、
 さて、いつの時代が舞台なのでしょうか。

 江戸時代?
 もうひとつ遡って、室町時代?

 お城には将軍家が、、
 御所には帝さまがおわす世、ではあるのですが、
 私たちの知る過去の歴史とは
 明らかに違う事柄が、幾つも。

「うゥ~んッ? そうかなァ~??」
「がるるぐるるるぅ?」(←訳:みんな着物だしぃ?)
「おさむらいさんもォ、いるしィ?」

 一見したところは、お江戸風の社会。
 でも、よくよく目を凝らせば。

 ほぉら。
 足元でピョンピョン跳ねてる一匹の蟋蟀(こおろぎ)くん。
 なんだかヘンでしょ?
 小さな身体の内側から、
 キリキリ、ミシミシ、と明らかに機械が軋むような音が
 していませんか……?

「うきゃッ!」
「ぐるる?」(←訳:まさか?)

 人々は、密かに噂しています。
 
 本物と区別がつかないツクリモノ。
 それは、
 幕府精錬(せいれん)方手伝・釘宮久蔵(くぎみや・きゅうぞう)作の、
 機巧人形(オートマタ)であろう、と。

    小さな小さな人造の蟋蟀。
    極彩色の、南国産の鸚哥(インコ)。
    久蔵さまなら造れるにちがいない。
    いやいや、虫や鳥だけじゃなく、
    久蔵さまの手にかかれば、もっともっと、
    ありえないようなモノも……。

「それはァ~…!」
「がるるぐるるっ?」(←訳:さらにまさかっ?)

 ヒトと、
 ヒトが造り出したモノが織り成すドラマ。

 命とは、どこから来たのか?
 魂が宿る場所とは?
 ヒトと、ヒトではないモノの差とは?

 メアリ・シェリーさんの『フランケンシュタイン』、
 アイザック・アシモフさんの『鋼鉄都市』、
 手塚治虫さんの《アトム》シリーズ、
 リドリー・スコットさんの映画『ブレードランナー』の流れに連なる、
 《生命》の謎を抉るSFミステリ作品は、
 堂々の2014年ベスト本候補です!

「かならずゥ、よむべしィ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:後悔はさせません!)

 全活字マニア諸氏に、熱烈おすすめですよ~♪



 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なんたる規格外な?

2014-09-24 21:33:13 | ミュゼ
 こんにちは、ネーさです。
 さあ、集の半ばの例のごとく、
 本日は読書おサボりの展覧会情報、なのですが
 ……テディちゃ、虎くん、準備はよろしいですかしら?

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 えいえいィ、おォ~! じゅんびィ、ばんたんでス!」
「がるる!ぐるるがるるぐるる~!(←訳:虎です!気合い入れて行こう~!)

 はい、では皆さま、こちらを、どうぞ~!

  



             ―― チューリヒ美術館 展 ――



 東京・六本木の国立新美術館にて、
 会期は2014年9月25日~12月15日(毎週火曜休館)、
 『印象派からシュルレアリスムまで』と副題が付されています。

「それではァ、いざッ!」
「ぐる!」(←訳:公開!)
「じゃじゃァ~んッ!」

    
    
    
    

 ↑上の画像に、御注目!

 いやー、私ネーさ、いろんな美術展のチラシ(フライヤー)を
 目にしてきましたけれど、
 ここまで『やったるぞ!』感ヒシヒシな出来栄えの物は見たことありません。
 上の画像は、
 縦に長~い一枚のチラシを四回に分けて
 撮影したのです(上手く撮れていなくて申し訳ありません)。

「なッがァ~いィ!」
「がるるっ?」(←訳:長すぎっ?)

 で、縦に長~い紙面の裏側は、といいますと。

  

 ↑こうなってます!

「こッちはァ~…」
「ぐるるっ!」(←訳:横に長っ!)

 展覧会主宰者さんたちの鼻息、いえ、意気込みの強さが
 よ~く伝わってまいりますね。

 モネさんの《睡蓮の池、夕暮れ》は幅6mの大作!
 ゴッホさんの《サント=マリーの白い小屋》、
 ダリさんの《薔薇の頭の女》、
 ルソーさんの《X氏の肖像(ピエール・ロティ)》、
 他に、ゴーギャンさん、ヴァロットンさん、セザンヌさん、
 ドガさん、ココシュカさん、ムンクさん、ピカソさんに、
 クレーさん、マグリットさん、モンドリアンさん……と
 チューリヒ美術館が誇る巨匠さんたちの名作が
 スイスと日本の国交樹立150周年を記念するこの展覧会で
 公開されます。

「すいれんッ、みてみたいィでス!」
「がるるぐるるるるがる!」(←訳:ボクはドガさんがいい!)

 アート好きな御方は、勇んでお出掛けを~♪




   いや、秋は食欲だ!という御方は、こちらのオマケ画像を。
   
   『ロッテ』さんの
   《コアラのマーチ スイートポテト味》!
   「ころころォ~こあらァちゃんッ♪♪」
   「ぐるるがる!」(←訳:黄金色だね!)
    いつもながらコアラちゃんたちの変装?ぶりが楽しみな
    季節限定の御品も、ぜひ♪



  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白黒&極彩色の、宝物!

2014-09-23 21:36:04 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ちょうどォ、はんぶゥ~んッ!」
「がるる!ぐるるるがぅるるぅ!」(←訳:虎です!昼と夜がフィフティ!)

 こんにちは、ネーさです。
 秋分の日を迎え、冬に向けて夜が長くなってゆきますね。
 本日は、夜半の読書タイムに相応しい、
 ちょっとダークな??アート本を、さあ、どうぞ~!

  



              ―― ハリー・クラーク ――



 解説&監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、2014年9月に発行されました。
 『アイルランドの挿絵とステンドグラスの世界』と副題が付されています。

 ハリー・クラークさん、といっても
 うぅ~ん、現代の日本では、余程のアート好きさんしか御存じない、
 かもしれませんが……

 ええ、この機会に憶えちゃいましょう!

 ハリー・クラーク(Harry Clarke)さん、
 1889年アイルランド生まれ、1931年スイスにて没。
 20世紀前半に活躍した挿絵画家さんであり、
 ステンドグラス作家さんでした。

「さしえがかさんッ?」
「ぐるるがるがる?」(←訳:どんな本の挿絵?)

 アラビアンナイトやシェイクスピア、
 グリム童話、アンデルセン、妖精物語……等々、
 画家さんたちの想像力を刺激する作品は多々ありますが、
 描き手さんたちにとって
 “強敵”
 のひとりとされているのは、
 エドガー・アラン・ポーさん。

「あはァ! ぽーおじさんッ!」
「がるるるるぐるるる!」(←訳:詩人さんで作家さん!)

 ポーさんの作品は、どれも幻想的で、
 美しくもあり、怖ろしくもあり、
 神々しく、それでいて禍々しくもあって、
 非情に多面性が高く、
 視覚化には困難が伴います。

 大勢の画家さんが、
 ポーさんの作品の挿絵制作にトライしては、
 迫力が足りない!
 恐怖感が欠けてる!
 キレイすぎる!
 などと批判されたりした中で――

 ハリー・クラークさんだけは、格別!

「……こわいィ~のでスかッ?」
「……ぐるるぐるるっ?」(←訳:……おどろおどろッ?)

 E・A・ポーさんの生没年は1809~1849ですから、
 クラークさんとポーさんの生涯に接点はない、のですけれど。

 クラークさんの描くポーさんの挿絵は、
 最もポーさんらしい!
 雰囲気がポーさんそのもの!
 と評価されています。

 ペンと黒インクでみっちり描き込んだ画。
 華麗でありつつ、どこかダークなカラー画。
 一度目にすると、
 クラークさん以外のポー作品の挿絵は
 物足りなく思えてくるから不思議です。

 この御本では、
 クラークさんの制作のもうひとつの柱、
 ステンドグラス作品が豊富に紹介されているのも
 すごい、いえ、素晴らしいことです!
 
 歴史の彼方に埋もれかかっていたステンドグラス作家としてのクラークさんに、
 あらためて脚光をあてた、のですから、
 労力はたいへんなものだったことでしょう。

「はくしゅッ、でスねッ!」
「がるる!」(←訳:大拍手!)

 めちゃくちゃマイナー、
 いまどき100年も昔の挿絵なんて、と
 呆れる活字マニアさんもおられましょうが、
 アート好きさんは
 ぜひぜひ、書店さんのアート本コーナーへ!
 
 昔むかしの《宝物》を、
 目に焼きつけてくださいね♪ 

「ぽーおじさんのォ~まにあさんはァ~」
「ぐるる~…」(←訳:絶対に~…)
「みるべしィ!」
 


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一冊で、何度も美味しい~♪

2014-09-22 21:47:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やたッ♪ きゅうじつゥでスよゥ!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!祝日だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日23日は秋分の日の祝日……
 氷を浮かべた冷たい飲みものよりも
 あったかいコーヒーや紅茶が欲しくなる季節の到来です。
 では、本日の読書タイムも
 紅茶ならこの御方!のエッセイ本を、さあ、どうぞ~♪

  



            ―― カレル・チャペック紅茶店のabcティータイム ――



 著者は山田詩子(やまだ・うたこ)さん、2010年2月に発行されました。
 『abc teatime story book 紅茶と絵本のおいしいおしゃべり』と
 副題が付されています。

「にゃははァ♪ こうちゃッ♪」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:美味しいんだよね!)

 住みたい街ランキングで上位に入らないことはない人気の街、
 吉祥寺。

 その吉祥寺を中心にお店を展開する『カレル・チャペック紅茶店』と
 主宰者の山田詩子さんについては、
 紅茶好きな御方、
 絵本好きな活字マニアさんは
 御存知のことでしょう。

 紅茶も絵本も守備範囲内じゃないなぁ~?という方々も
 実は、山田さんの“作品”に一度ならず接しているはずですよ。

 ほぉら、集英社文庫さんのPOPやポスターに、
 ぶ~んと飛んでるのは
 黄色のハチくん!

「ばじーちゃんだッ!」
「がるるるぐるーがぅる!」(←訳:みつばちバジーちゃん!)

 文庫の広告以外でも
 元気に活躍しているバジーちゃん。

 この御本のあちこちでも
 ブンブンと楽しそうな羽音を響かせてくれています。

 表紙に、扉絵に、
 おやつレシピのページの写真の上に、
 エッセイのページにも、ブンブーーンと。

「ほかにもォ、どうぶつゥだらけッ♪」
「ぐるがるぐるがるぐるるるがる♪」(←訳:ネコさんゾウさんライオンさん♪)

 朝、午後、夜のティータイムの飲みもの&食べもののレシピ。
 そして、
 アルファベットのABC…をテーマとする26編。

 aは“apple”、
  bは“blue”で、cでは“cat”…という風に綴られたエッセイは
 著者・山田さんの学生時代の思い出から、
 趣味や文学のお話、とバラエティに富んでいます。
 tでは、もちろん“tea”がテーマですし――

「むむゥ~? でもォ~…
 もんだいィはァ、えックすゥでス!」
「がるぐるるがるっる?」(←訳:Xで始まる単語って?)
「なかなかァ、ないでスよゥ?」

 おや、ちゃぁんとありますよ、
 Xから始まる単語、
 私たちもよく目にしている言葉が。

 さて、その言葉とは?

「またァひみつゥ、でスかァ~!」
「ぐる!」(←訳:けち!)

 一冊で、紅茶やお菓子のレシピ、
 エッセイも楽しめる欲ばりな、いえ、おトクなこの御本、
 『カレル・チャペック』ファンの方々、
 可愛いミツバチくんキャラクターをまだよく御存知ない活字マニアさんも、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪
 特に、英国好きさんにおすすめです~!
 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

迷子ですか、落としものですか?

2014-09-21 21:35:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 がんばれェ、ほんだくんッ!」
「がるる!ぐるがるるぐるる!」(←訳:虎です!行け二人のシンジ!)

 こんにちは、ネーさです。
 自転車ロードレース界はそろそろ2014のシーズンも終盤ですが、
 サッカーはこれからが燃え上がるシーズンですね。
 ごひいき選手さんたちが活躍できますように……と祈りつつ、
 さあ、読書タ~イム!
 本日は、こちらのミステリ作品を、どうぞ~♪

  



             ―― 迷いアルパカ拾いました ――



 著者は似鳥鶏(にたどり・けい)さん、2014年7月に発行されました。
 『午後からはワニ日和』
 『ダチョウは軽車両に該当します』に続く
 《楓ヶ丘動物園》シリーズの第三作目です。

「あはァ! どうぶつえんのォ、あのォおにいさんッ!」
「ぐるるがるぐるるる!」(←訳:なぜか災難ばかりの!)

 楓ヶ丘(かえでがおか)動物園の飼育員・桃本(もももと)さん。
 もももと、という舌を噛んじゃいそうな名字ですので、
 お仕事仲間さんから、桃さん、と呼ばれている桃本さんは、
 どうしてなのか、
 しばしば“事件”に巻き込まれます。

「きょうもォ、またァ~…」
「がるるぐるがるるる!」(←訳:災厄の爪が彼を摑む!)

 今回の“事件”は、
 なかなかに可愛いお顔をしていますよ。
 だって、ほぉら、アルパカ!

「あ~るぱかッ??」
「ぐるるる?」(←訳:というと?)

 閉園時間を迎えて、
 女性飼育員の七森(ななもり)さんは
 桃さんより一足早く家路に就きました……と思ったら、
 彼女からSOSが。

    桃さん、アルパカがいます!

「……ふぁいッ?」
「……がるっ??」

 動物園の裏口、通用門を出て数メートルの場所で、
 七森さんは、
 アルパカが一頭、うろうろしているのを発見したのです。

 アルパカ?
 ここ楓ヶ丘動物園ではアルパカは飼育していませんし。
 近所にアルパカを飼っている家もなさそう、だし。
 どこからか脱走したというニュースも聞いていませんし。

 じゃあ、このアルパカくんは。

 迷子?

「あるぱかがァ、まいごォ~…」
「ぐるるがるるぅ~…」(←訳:大きな迷子だぁ~…)

 迷子を放っておくべきか、
 保護すべきか。

 ちょっとデカい迷子ちゃんだけれど、
 動物園の飼育員としては、やはり、拾わなくては!
 拾って、警察に届け、
 できれば、本来の飼育者/飼い主さんに無事お返ししたい。

「でスよねッ!」
「がるるぐる!」(←訳:それが人情!)

 しかし、
 迷子?それはウチの子です!
 と名乗り出て来る者はいません。
 どうしてなのかしら?
 けっこうお高いのよアルパカくん。
 一頭あたり二百五十万円くらい、ですって。

「ほおおおォ!」
「ぐるっ!」(←訳:すごっ!)

 もこもこのアルパカくんに名を付けて
 世話を始めた桃さんたち。
 もちろん、調査も始めます。
 アルパカくんは、どこから来たのか?

 飼育員さんたちの漫才のようなやり取り。
 動物たちに関する豆?知識。
 エンタなミステリ作品は
 古典コメデイ映画を想わせるいい味をだしてます♪ 
 ミステリ好きさんにおすすめ、ですよ。

「ひょうしにィ、あるぱかくんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:これが目印!)

 人気イラストレーターのスカイエマさん描くアルパカくんに、
 さて、桃さんたちはどんな名前をつけたのか――
 そこは、読んでのお楽しみで~♪♪





 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする