皆さま、お久しぶりでございます。
年に一度のお遊び企画、
パラレルクマワールドの冒険へ、ようこそ!
今年の大晦日もロンドンの街に
ザブーンザブーンと響く鐘の音を聴きながら……
え? ザブーン? ザブーンって?
鐘の音じゃないわ! ここどこ~っ?!?
「むむゥ! きたぞォ!」
「うん!ちょうど良い加減の波だ!」
ザブーン、ザブーンと波が寄せくるここは、
はい、もちろんクマたちの国の首都・ロンドンではなく。
鉄道に乗って南へ、南へ、とやって来た
ケント州の海岸なのでございます。
そこで名探偵テディちゃムズ、
盟友のユキノジョン・H・ワトソン博士と
友人の虎くんが
何をしているのかと申しますと……
ちょ、ちょっと、名探偵テディちゃムズさん!
浜辺の砂を掘り返しているばかりで、
カメラにお尻を向けるなんて、失礼じゃありませんか?
「とりこみちゅゥ、なんだよゥ!」
んもう、ユキノジョン・H・ワトソン博士まで!
「ザクザク! ぼくも取り込み中~!」
「ホッホッホッ!
まあ堪忍してやってはくれまいか。
今は危急のときなのじゃ!」
おや、その声は。
「皆さん、お久しゅう! お兄ちゃんじゃよ!」
あら、名探偵テディちゃムズの兄、
マイクマフト・ホームズさんじゃありませんか。
もしや、今回の砂掘り騒ぎはマイクマフト氏が?
「その通り!
わしが依頼人となり、
行動せよテディちゃムズ!と命じたのだ!」
マイクマフト氏といえば、
“英国そのもの”とさえ呼ばれる特別公務員さんですが、
自宅とオフィスとディオゲネスクラブ以外へは
お出掛けしないという評判を覆して、
こんな辺鄙な海岸で年越しをするとは、
またいったいなぜ……?
「うむ! それには深~いワケがある。
この海岸周辺に於いて
国家の危機につながる異常事態が発生したのだ!
ワシとしては到底捨て置けん!
万事を解決し遂げるまでは、
新年の御馳走をいただく気にもなれんぞ!」
ははぁ、えー、そのぅ、それは……
どうような“危機”なのでしょう?
「うむ! 一言でいえば、その答えは……これじゃ!」
ごとり!とマイクマフト氏が取り出したのは、
え? ガラスの空きビン、ですか……?
「すべてはここから始まった!」
ビンが招く大事件とは、はたして……?
⦅次回へ、続く!⦆