テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 魅惑の《顔》また《顔》 ~

2015-06-30 21:51:02 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでッス!
 わううゥ~、ろくがつがァ~…!」
「がるる!ぐるっるぅる!」(←訳:虎です!終わっちゃう!)

 こんにちは、ネーさです。
 桜の時季もいいけれど、
 夕方7時頃になっても明るくて、
 温度もさほど高くない6月後半のこの季節が好きなので、
 カレンダーが変わってしまうのは少し寂しいんですけれど、
 いやいや、読書で元気を補給しましょう♪
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



         ―― ルーヴル美術館 女たちの肖像 ――



 著者は川島ルミ子(かわしま・るみこ)さん、2015年5月に発行されました。
 『描かれなかったドラマ』と副題が付されています。
 
「あはァ! しょうぞうがッ!」
「ぐーるるがるる!」(←訳:ネーさの大好物!)

 はい、そうです。
 私ネーさの大々好物、
 肖像画をテーマにしたアート分野のノンフィクション作品です。
 しかも、
 ルーヴル美術館所蔵の美女さんの画!
 となると、こうしてキーをビシバシ叩いていても
 チカラが出てくるわね~♪
 
 この御本では、
 著者・川島さん選り抜きの、
 ドラマチックな女性が紹介されていますが、
 その顔触れは……

「じゃんぬゥ・だるくゥさんッ!」
「がるるるぅーるぐる!」(←訳:ポンパドゥール夫人!)
「もな・りざさんッ!」

 などなど、計11人の美貌、いえ、
 肖像画11作品です。

 いまさら説明の必要もない
 レオナルドさん作『モナ・リザ』。
 アングルさん作『ジャンヌ・ダルク』。
 美術の教科書と歴史の教科書の両方に載っていそうな
 モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールさん作
 『ポンパドゥール夫人』。
 ミステリアスな
 『ガブリエル・デストレとその妹』。
 ホルバインさんがガッチリ描き込んだ
 『アンヌ・ド・クレーヴの肖像画』。

 モデルとなった女性たちは、
 ヨーロッパではよく知られている
 歴史上の人物ではありましょうが、
 日本ではあまりメジャーではない御方もちらほら……。

「ううゥ~むッ、ではァ、いちばんのォゆうめいじんはァ~」
「ぐるがるぐる?」(←訳:どの美女さん?)

 モナ・リザさんに決まってるでしょ!
 っていうのは、日本ならではの答えかもしれません。
 フランスの方々に同じ質問をしたら、
 ジャンヌ・ダルクよ!
 って即答されるのじゃないかしら。

 『ジャンヌ・ダルク』――
 ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルさんによる
 フランス史に輝く聖女さまの肖像画は、
 しかし、肖像としては正確ではありません。

 この画のジャンヌさんの顔は
 後世、画家アングルさんが、
 こうもあらんか、と想像して描いたもの。
 生前のジャンヌさんがどのような容貌をしていたか、
 描いた者はいなかった……
 それほど短く、苛烈な人生であった……。

「ほんとにィ、どらまちッくゥ、でス!」
「がるるぐるるがるるるる!」(←訳:何度も映画化されてます!)

 スペクタクルな、あるいは文芸的な映画になって
 観る者を魅了し、
 小説化されては私たち活字マニアを惹きつけてやまぬ彼女たちは、
 単に《有名である》だけでは終わらない、
 際立った存在です。
 
 歴史好きさん、
 アート好きさん、
 そして肖像画マニアの皆さまは、ぜひ一読を♪



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ツバサを持つのは。

2015-06-29 21:45:23 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あッ! あれはッ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!ノラ仔猫だ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ノラちゃんなのか、外飼いのニャンコなのか、
 我が家の庭を駆け抜けてゆくチビ猫3匹……
 春でもないのに賑やかなことですが、
 本日の読書タイムは、
 も~っと賑やかな御本を、さあ、どうぞ~♪

  



     ―― 先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています! ――



 著者は小林朋道(こばやし・ともみち)さん、2015年6月に発行されました。
 『《鳥取環境大学》の森の人間動物行動学』と
 副題が付されたこの御本は、
 『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』に始まる
 人気の《先生!》シリーズ最新刊です。

「せんせいィ、こんかいはァ~」
「ぐるがるるっ?」(←訳:何事ですかっ?)

 高尾山を市内に抱えるとはいえ、
 市街地にオコジョやハクビシンやコノハズクが出没する、
 ここ・東京都内の八王子……。

 では、鳥取環境大学(2015年より公立鳥取環境大学に名称変更)で
 動物行動学、人間比較行動学を研究する
 著者・小林教授の身辺には、
 はたしてどんな野生動物たちが
 出没するのでしょうか?

「それはァ、もッちろんッ!」
「がるるるぐるぅ!」(←訳:コウモリでしょ!)

 えっと、そうね、
 御本の題名にもありますわよね、
 コウモリくんと、アナグマくん。

 小林教授と学生さんたちは、
 よほどコウモリくんに縁があるのか、
 コウモリ一族に見込まれているのか、
 研究対象として
 大きくページを割かれています。

 あ、いえ、研究対象っていうより、
 捜索対象、というべきかしら。

 なんたってコウモリさんたち、
 そんじょそこらに
 いそうでいて実はいない、
 少々奇天烈な生きものなのですから。

「じんせきみとうゥのォ~」
「ぐるるる?」(←訳:洞窟とか?)

 コウモリが住んでいそうな洞穴。

 そんな洞窟がありそうな土地を見つけるのが、
 先ずなかなかにタイヘンです。
 苦心の末、やっとアタリをつけ、
 出向いてみても、
 ……入り口は、どこ?
 
「どこかなァ?」
「がるるぅ?」(←訳:ないねぇ?)

 大体ね、人間が簡単に入ってゆけるような場所には
 コウモリくんたちのコロニーなんて
 ありませんのです。

 携帯電話の電波も届かない、
 地元の人間も滅多に通りかからない、
 ケモノミチしかない、
 といった山奥に、
 コウモリくんたちは暮らしている……。

「せんせいッ、きけんでス!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:遭難のキケンあり!)

 なぜそんなにコウモリを?
 とも思いますが、
 
  《空飛ぶ哺乳類》

 という言葉にハッとさせられます。

 そうかぁ、
 空を飛べる哺乳類って
 コウモリ、モモンガ、ムササビ、くらい?
 その中でいちばん飛行能力が高いのはコウモリ?

「ふむむッ、それはッ!」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:研究しなくちゃ!)

 コウモリ一族に熱い視線を注ぎつつも、
 小林教授の好奇心はとどまるところを知りません。

 ミミズ、ドジョウ、
 ドンコ、スズメ、ヤギの母子……。

「だいがくはァ、きょうもォ、にぎやかッ♪」
「ぐるるがるるる!」(←訳:いつもにぎやか!)

 梅雨のダルさもフッ飛ぶ、
 楽しく元気な動物(含ニンゲン?)ノンフィクション、
 とりわけコウモリ好きさんにはおすすめです!


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祝!再開?

2015-06-28 21:50:08 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 サッカー女子W杯での快勝に、

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きゃッぽゥ! やッたでスゥ!」
「がるる!ぐるるるぅ!」(←訳:虎です!スゴイぞぅ!)

 かと思えば、こぱあめりかでの荒れた試合に
 頭を抱えてしまう日曜日でしたが、
 本日の読書タイムは、
 ええっ?!?
 本当なの?
 と根強いファンの方々ですら驚かされた作品を御紹介いたしますよ。
 さあ、おちらを、どうぞ~♪

  



            ―― おかしな遺産 ――



 著者はシャーロット・マクラウドさん、原著は1995年に、
 画像の日本語版は2015年6月に発行されました。

 ええもう、心底からビックリいたしましたよ、
 まさか著者・マクラウドさんの(日本語訳の)新刊が
 今になって出るなんてー!

「ふァ?? なぜェでスかァ??」
「ぐるるがるぐる?」(←訳:何やらワケあり?)

 シャーロット・マクラウドさんは、
 ときにはアリサ・クレイグという筆名も使い、
 数々のミステリ作品を著してきた御方です。
 いえ、でした、というべきですね。

 2005年に亡くなられて、
 そのためでしょうか、
 作品の邦訳もぱたりと止まって、
 多くの愛読者さんは溜め息していたのですけれど……

 突然! いきなり!
 未訳の作品がこうして刊行される事態に!

「おどろきィもものきィ~!」
「がるぐるる!」(←訳:でも嬉しい!)

 嬉しくも“久々のお目見得”となったのは、
 《セーラ・ケリング》シリーズの一冊です。

 これは、米国のボストン市を舞台に、
 旧家の若いお嬢さんである
 セーラ・ケリングさんを主人公としたミステリシリーズで、
 いかにも米国の東海岸にありそうな、
 いかにも歴史ある旧い家系だなぁ~と
 読み手はニヤニヤさせられる物語、なんですね。

「しんせきがァ~、いィ~ッぱいィ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:変人ばかりの!)

 シリーズ第一作から、
 セーラさんを悩ませるヘンテコな親族たちが
 わらわらと出没。

 セーラさんの家庭に口出しし、
 襲いかかった災難をさらにややこしくしたり、、
 彼女の恋路をジャマする伯父さん伯母さんたちと、
 昔からの知人さんたち。

 今回、“災いのタネ”となったのも、
 知人さんと、
 親戚の夫妻でした。

「もめごとォ、でスゥ!」
「がるぐるるがるる!」(←訳:いやこれは事件だ!)

 米国には、よくありますね、
 個人の収集品をもとに作られた美術館が。

 一代で財を成したものすご~いお金持ちが
 ありあまる資産を注ぎ込んで買い集めた古今の絵画彫刻を、
 自分のお屋敷ごと美術館にしちゃった、というケース。

 そんな美術館のひとつが
 先年から作品の紛失・盗難・横領・贋作の展示で
 混乱に見舞われて、
 新たな管財人が選ばれた折も折……

 またトラブル?

「のろわれてェまスッ!」
「ぐるがる!」(←訳:異変続出!)

 毎度トラブルが起きる度、
 心ならずも探偵役を務めざるを得ないセーラさん、
 この謎を、どう解くか――

 かつてシリーズを愛読した方々は必読!
 いやぁ全然読んだことないなぁ~という御方には
 図書館などでシリーズ作品を順に読んでから
 挑戦していただきたいユーモアミステリです。

 ええ、ぎちぎちマジメ一路、じゃないんですよ。
 たくさんの笑いと
 そこそこのアイロニーが詰まったのどか~な探偵小説、
 ユル~い心地で、一読を♪

「りらックスしてェ~」
「がるるぐるる!」(←訳:楽しい読書を!)



  

 
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― いまも、色あざやかに ―

2015-06-27 21:48:46 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ~!
 なでしこォおねえさんたちィ、がんばってまス!」
「がるる!ぐるるがっるるる!」(←訳:虎です!幸運を祈ってます!)

 こんにちは、ネーさです。
 カナダの2015女子W杯、
 そしてまもなく開幕のウィンブルドンテニス、と
 スポーツ応援に忙しい週末は
 読書をちょこっとサボって展覧会情報をお送りしますよ♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



         ―― アール・ヌーヴォーのガラス展 ――



 東京都港区東新橋のパナソニック汐留ミュージアムにて、
 会期は2015年7月4日~9月6日(毎水曜日と8/10~8/14は休館)、
 『Art Nouveau Glass』と仏語題名が、
 『デュッセルドルフ美術館ゲルダ・ケプフ・コレクション』と
 日本語副題が付されています。

「うほほゥ♪ きらきらッ♪」
「ぐるるるぅ~!」(←訳:ガラスかぁ~!)

  

 デュッセルドルフ美術館に寄贈された
 ゲルダ・ケプフ夫人のガラスコレクション――
 これがね、ヨーロッパでも有数の
 大規模なガラス器コレクションなのだそうですが、
 ドイツ国外で初めて
 まとまった形で公開されることになりました。

 ケプフ夫人が収集したのは、
 エミール・ガレさん、
 オーギュストさんとアントナンさんのドーム兄弟の、

「せんさいィにしてェ、だいたんッ!」
「がるるるぐるるるるがるるる!」(←訳:画期的なデザインのガラス器!)

  

 ケプフ夫人は、
 学術研究と出版を条件に
 コレクションを美術館に寄贈しました。

 この展覧会では、
 作品ごとの詳細な調査や
 アール・ヌーヴォーのガラス芸術誕生の経緯とともに、
 約140点のガラス器が展示されます。

 日本美術からの影響も明らかな、
 花瓶、鉢、花器、といった品々は
 1880年代~1900前後の作品が主ですが、
 美しい色が褪せていませんねえ♪

「それがァ、がらすのォ~」
「ぐるがるる!」(←訳:良いところ!)

 華道家・假屋崎省吾さんによる講演会(7/7)、
 模様ガラス板を作るワークショップ(7/18、有料、小学校5年生以上)、
 学芸員さんによるギャラリートークなども予定されています。
 絵画作品より立体作品が好きだ!
 ジャポニズムが好きだ!というアート好きさんは
 お出掛けしてみてくださいな~♪





   では、本日のオマケ画像も立体的?なお菓子で!
   
   『森永製菓さん』の
   《ココナッツミルクキャラメル》!
   これは本当におすすめですよ。
   「ここなッつゥのォ、あじィがァ~」
   「がぅるるぐる!」(←訳:ちょうどいい!)
   美味を愛でつつ、皆さま、穏やかな休日を。



   
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《画伯》の記録。

2015-06-26 21:38:46 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ううむゥ! これがァ、げーじゅつゥ!」
「がるる!ぐーるがるるぅ!」(←訳:虎です!アートですよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 本日の読書タイムは、↓下の画像からもお分かりのように、
 ちょっと大判のアート本を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



         ―― 山口晃 前に下がる 下を仰ぐ ――



 著者は山口晃(やまぐち・あきら)さん、2015年4月に発行されました。
 『Stepping Back to Seek the Underneath』と英語題名が付されています。

「おォ~♪ がはくゥ、とうじょうゥでスゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:人気の画伯!)

 世に《画伯》と呼ばれる方々は、
 “かっこいい犬”で知られるあの御方をはじめ、
 けっこう大勢おられるようですけれど、
 こちらの《画伯》さんこそ、
 本来の意味でリスペクトしたい《画伯》であることは
 疑いを容れません。

 著書『ヘンな日本美術史』(2013)によって
 第12階小林秀雄賞も受賞している、
 画家・山口晃さん。

「のッぽでェ、おひげッ!」
「がるるるぐるぐる!」(←訳:絵になる画家さん!)

 その山口さんの展覧会――『前に下がる 下を仰ぐ』展が、
 今年2015年の2月~5月、
 茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて開催されました。

 この御本は、
 同展の公式カタログ兼書籍として刊行されたものです。

「むきゅきゅッ、これはァ~」
「ぐるるる!」(←訳:面白そう!)

 開催地が水戸ということもあって、
 行ってみたいけど遠いよね~と
 涙を飲んだアート好きさんも多数……
 私ネーさもその一人でしたが、
 NHKの特集や
 TBSTVによる山口さんへの密着取材番組が放送され、
 食い入るように見入りましたよ。
 うわぁ、なんかスゴいことやってるわぁ、と。

「てんじほうほうゥ、とかッ!」
「がるぐる!」(←訳:構成とか!)

 電柱が建てられた展示室。
 順路の設定。
 展示作品の、
 見事な筆遣いが醸し出すスピード感。

 日本画あり、
 絵日記?風の作品あり、
 紙ツイッターあり、
 これって劇画だ!な連作、
 山口さんデザインの休憩コーナーもあり。

「ゆうえんちィ、みたいィでスッ♪」
「ぐーるがるるぐる!」(←訳:アートランドだね!)

 この御本は“書籍”ですから、
 現場でのライブ感覚は味わえませんけれど、
 展覧会場を撮った写真、
 展示室ごとの解説文など、
 微笑ましくもアグレッシブな編集が施されています。
 頁を捲るたび、

「きゃふふッ♪」
「がるがる♪」(←訳:くすくす♪)

 と、頬がゆるんでしまう展覧会カタログというのも
 なかなかに珍しいですねえ。

「やぱりィ、ゆうえんちィ、でス!」
「ぐるがーるぐるる!」(←訳:回転アート木馬だ!)

 展覧会へ行けなかった《画伯》ファンの方々、
 アート好きの皆さまに、
 会場の空気がひしひしと伝わってくるこの御本、
 とってもおすすめですよ。
 いつか東京近郊での
 『前に下がる 下を仰ぐ 展 2!』開催を願いつつ、
 ぜひ、一読一覧を♪



 
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ぽん!と、響くのは。

2015-06-25 21:46:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 どろろんッ♪」
「がるる!ぐるるるっ!」(←訳:虎です!ほわわんっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 もうもうと立ちこめる白煙の中から、
 ひゅるりんっ!と姿を現わすのはニンジャ……じゃなくて、
 もこもこふわふわの毛玉たち♪
 本日の毛玉タイム、いえ、読書タイムは、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  



           ―― 有頂天家族 二代目の帰朝 ――



 著者は森見登美彦(もりみ・とみひこ)さん、2015年2月に発行されました。
 ええ、はい、現れ出でた毛玉と申しまするのは、
 《有頂天家族》シリーズの主人公たち、
 下鴨家の4兄弟!
 つまり、狸さんたち。

「まッてたでスよゥ~!」
「ぐるがるるる!」(←訳:実に久しぶり!)

 世に隠れなき、
 ていうか、あまり隠れる気もなさそうな、
 京の都に住まう狸さんたち。
 そして、なぜか狸たちをアゴでコキ使う天狗さんたち。

 日夜を問わず、
 洛中洛外を問わず、
 何事か騒動が起これば、
 それは狸か、はたまた天狗の仕業か――

「みんなァ、わるふざけェ、だァ~いすきィ!」
「がるるぐるぐる!」(←訳:いつもドタバタ!)

 なれど、いまのところは
 (ほぼ)平穏な日々が続いております。

 何故って、
 弁天(べんてん)様が京にいないのです。

 “最強の天狗”と自他ともに認ずるあの美しい御方が
 ただいま豪華客船で世界漫遊の旅に出ているのでは、
 神通力をすっかり失ってしまった天狗の
 如意ヶ岳薬師坊(にょいがたけ・やくしぼう)さん、
 物語の語り手である、
 下鴨(しもがも)家の矢三郎(やさぶろう)狸さんも
 なんとなく、張り合いがないような、
 のほほんとした暮らしにひたり、
 矢三郎さんに至っては、
 弟の矢四郎(やしろう)くんとともに、
 ツチノコ探しに
 うつつを抜かしておりました。

「わはァ♪ つちのこォ~!!」
「ぐるるがるるる?」(←訳:いるのツチノコ?)

 ツチノコはまだ見つかっていませんけれど、
 矢三郎・矢四郎兄弟は
 奇妙な現象に遭遇いたします。
 それは……

   空から椅子が降ってきた!

「ふァ? いすゥ??」
「がっるるる??」(←訳:降ってきた??)

 狸たちの間で《天狗つぶて》と呼ばれるそれは、
 自然現象ではありません。
 《つぶて》を降らせるのは、
 もちろん――

「てんぐさんッ、でスねッ!」
「ぐるがるーる!」(←訳:天狗パワーだ!)

 降ってきたのは、単なるつぶてか、
 それとも巨大な災難か。

 ツチノコ探しを中断した矢三郎くんたちの身に、
 狸界に、次は何が降りかかるのか――

「はらはらァするけどォ~」
「がるぐるるる!」(←訳:目が離せない!)

 もっともっとお喋りしたいところですが、
 これ以上のネタバラしは厳禁です。
 
 壮麗な、明治の文豪さん調の語りに乗って、
 とにかく愉しんでしまいましょう、
 健気なムクムク毛玉さんたちの大冒険!
 アニメ作品で《有頂天家族》を知った、という御方も、
 ぜひ、こちらの小説作品を一読してくださいね♪ 
 
 
 
 
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美酒に限らず?

2015-06-24 21:37:38 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふわわァ~♪ いいィ~かおりィ~♪」
「がるる!ぐるっるがるる……!」(←訳:虎です!これってたぶん……!)

 こんにちは、ネーさです。
 デパ地下やスーパーマーケット、果実店さんでは、
 ステキによい香りの白桃が並び始めて、
 7月が近いことを教えてくれますね。
 本日は、こちらもつい先日、
 “始まったばかり”な、
 旬の展覧会情報を、どうぞ~♪

  



              ―― ボルドー展 ――



 東京・上野の国立西洋美術館にて、
 会期は2015年6月23日~9月23日(月曜休館、ただし7/20、8/10、9/21は開館し、7/21は休館)、
 『Bordeaux Port de la Lune』と仏語題名が、
 『―美と陶酔の都へ―』と日本語題名が付されています。

「あはァ! おふらんすゥ~♪」
「るぐるるーっるがっるる」(←訳:のボルドーっていったら)
「わいんでスゥ!」

 そうね、やっぱり赤の……じゃなくて、
 違いますっ、いえ、違ってる訳じゃないんだけど、
 今回は展覧会ですからね、
 美酒美食よりもアート推しで!

  

 ボルドーは、フランス南西部のジロンド県の県庁所在地、
 ガロンヌ川河口に位置する港町です。
 川の流れに沿って三日月の形に発展したこの町の別名は
 『月の港 Port de la Lune(ポート・ド・ラ・リュンヌ)』。

「にぎやかなァ、みなとまちィ!」
「がるるぐるる!」(←訳:貿易港なんだ!)

 港湾都市として最盛を極めた18世紀に、
 ボルドーはパリに100年先んじて都市整備に着手します。
 それくらい富が集まった、ということなのでしょうね。
 そして、富あるところには
 美術品も……。

「なるほどォ、それでッ」
「ぐるるるがる!」(←訳:収蔵品が豪華!)

  

 古代の彫像、
 モンテーニュさんモンテスキューさんモーリヤックさんの著作類、
 ドラクロワさんの大作、
 他に絵画ではルーベンスさん、ゴヤさん、ロートレックさん、
 最盛時の市民生活を物語る装飾芸術品など
 200点を超える多様な作品が
 ボルドーから日本へやって来ています。

「どらくろわさんッ、かッこいいィ~!」
「がるるるるぐる!」(←訳:ライオンの咆哮!)

 ボルドーの歴史地区を中心とする一帯は
 世界遺産にも登録されているそうです。
 なので、
 アート好きさん&歴史好きさん、
 そして世界遺産マニアの御方も
 夏の国立西洋美術館へ、
 ぜひお出掛けあれ♪




    
    アートの次は、はい、オマケ画像も。
   
    『味覚糖』さんの
    《UHAグミサプリ ルテイン》!
    「これはァ、ぐみきゃんでィ??」
    「ぐるがるるぐる!」(←訳:いやサプリだ!)
    飴&グミの『味覚糖』さんが打ち出した新路線、
    グミタイプのサプリメントですよ。
    活字マニアの皆さま、
    ルテインを摂取して目を労りましょう~♪


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~ 百花の苑 ~

2015-06-23 21:41:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 おとめェごころッ、ぜんかいィッ!」
「がるる!ぐ~る!」(←訳:虎です!甘~い!)

 こんにちは、ネーさです。
 本日の読書タイムでは、
 一般の書評ではあまり取り上げられない?タイプの、
 ちょこっと変わりダネな一冊を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



            ―― バラの名園50選  ――



 GEIBUN MOOKSのNo.999、2015年5月に発行されました。
 花樹や庭園の情報を中心とする雑誌『BISES(ビズ)』から生まれた
 《バラの本》には『―バラ大国日本―』と副題が付されています。

「わほォ~♪
 ばらのォおはながァ~、いィ~ッぱいィ!」
「ぐるるる!」(←訳:花また花!)

 関東圏では、バラの花がいちばん美しく咲くのは、
 気候・地形にもよりますが、
 5月上旬~6月中旬か下旬、でしょうか。

「そろそろォ、おわりィ、でスかァ?」
「がるぐるぅ!」(←訳:残念だよぅ!)

 もう今年のバラのシーズンは終わり……というと、
 そんなことはないいようです。

 御本の副題にもありますように、
 日本って『バラ大国』らしくて、
 それはそれは美麗なバラ園が各地にある!のです。

 北海道や信州の高原では、
 7月、8月まできれいなバラが咲くバラ園があり、
 9月、10月になれば
 関東でも秋冬期のバラがまた咲き始めるので――

「いちねんじゅゥ!」
「ぐるるがるるぐるる!」(←訳:日本のどこかでバラが!)

 バラ、と聞くと、
 ああ英国の花だよね、
 と連想してしまいがちなんですけれど、
 原産地は昔むかしのペルシャ、
 現在のイランのあたりです。

 その花が、大陸を西へ、東へ、と伝えられ、
 今は世界中で愛されていて、
 日本でも“名園”と称する二相応しいバラ園が
 軽く50越え!だというのですから、
 バラって、万人に訴える何かを持っている、んでしょうね。

「あのかたちィ!」
「がる!」(←訳:香り!)

 バラなんて少女趣味なもんは俺は好かんぞ!
 とお思いの男性諸氏には、
 いえいえ、それは誤解です!と申し上げたい。

 実際には、
 造園家(ガーデンデザイナー)さん、バラの育種家さん、
 バラに係わった植物学者さん、歴史家さんたちの多くが
 男性なのです。
 昔から、バラを育てること、
 新たな種類のバラの花を育て上げることは、むしろ
 “男子一生の仕事”だったのでした。

「いだいなァ、おしごとでス!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:荒れ野を花園に!)

 この御本では
 北海道から鹿児島まで、
 日本全国のバラ園50ヶ所が紹介されています。

 既に有名なところ、
 あまり知られていないところ、
 公営の公園で入場無料、
 私設のバラ園なので入場料が必要なところ、
 英国風、
 フランス風、と
 それぞれ個性豊かな《花の国》を、
 まずは写真で、お楽しみください♪

 そして、お気に入りのバラを見つけたら……

「おでかけェ、でスねッ♪」
「がるるぐるるる~♪」(←訳:どこがいいかな~♪)

 写真集としてもおすすめのこの御本、
 花を眺めてリラックスしたい御方も、ぜひ。
 


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これが、黄金時代!

2015-06-22 21:50:08 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うききッ♪ きょうはァ、げじげじのひィ!」
「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!違います夏至です!)

 こんにちは、ネーさです。
 夏至の夕暮れも冬至の深夜も、
 いつもながらの読書タイム!
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



            ―― 魅惑という名の衣裳 ―― 



 著者は川本恵子(かわもと・けいこ)さん、1993年5月に発行されました。
 ↑画像は、初版(旧版)時のもので、
 現在は新装版が刊行されています。

 実は、私ネーさ、最近、
 リタ・ヘイワースさんに凝っていまして……

「むゥ? そのォおなまえェはァ~…」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:聞いたことあるよ!)

 リタ・ヘイワースさん(1918~1987)は、
 1940年代のハリウッドを代表する女優さんです。
 代表作品の筆頭に挙げられるのは
 『ギルダ』(1946年)でしょうか。
 オーソン・ウエルズさんと結婚したこと
 (リタさんにとっては2番目の夫でした)などでも知られますが、
 或る日、
 私ネーさが驚いちゃったのは――

 すごい!
 アステアさんと並んで踊っても見劣りなし!

「あッ、ほんとォだァ~♪」
「がるる!」(←訳:上手だ!)

 上手なんてもんじゃないエクセレントなタップダンスの動画が
 You Tube上に数々ありまして、
 中でも『The Shorty George』の素晴らしいこと!

「あしィ、ながィッ!」
「ぐるる~!」(←訳:脚線美~!)

 これは、あらためて
 リタ・ヘイワースさんを知らねば!
 と思い立った、んですけれど。

 ない、んですね。

 リタ・ヘイワースさんの自伝、伝記作品って、
 少なくとも日本では出版されていないらしい、のです。
 米国では何冊かあるようなんですけどね、
 それもけっこう昔の御本みたいで。

「むむゥ~、ざんねんッでスゥ!」
「がるる……」(←訳:寂しい……)

 半ばヤケになって、
 リタさん関係の(日本語の)書籍は何かないのかっ?と
 調べて、探し当てたのが、
 こちらの『魅惑という名の衣裳』です。

 この御本は、題名からもお分かりのように
 《衣裳》がテーマになっていて
 リタさんについての文章はごく僅かなページに過ぎません。
 
 なぜって、とにかく“星の数”ほどのスターさんたちが
 20世紀のハリウッドでは輝いていたのですから。

「おうごんじだいィ、でスゥ!」
「ぐるるがるがる!」(←訳:今よりキラキラ!)

 そんな黄金期の映画の都のエピソードには、
 映像マニアさんならずとも
 きっと魅了されることでしょう。

 最盛期の映画会社の、
 衣装の予算に上限なんてない!
 世界中から集められる最上級の素材、宝石!
 女優さんを誰よりも美しく見せるために
 最高の仕事をしてみせるプロフェッショナルたち、
 また作られたその衣裳を
 重かろうと苦しかろうと完璧に着こなしてみせる
 こちらもプロフェッショナルな女優さんたち――

「かっこいいでスねッ!」
「がる!」(←訳:粋だ!)

 女優魂、デザイナー魂に陶然とさせられる、
 まさに“魅惑”の一冊。

 クラシックな映画大好き!な活字マニアは、
 ぜひ御覧になってくださいな。
 21世紀生まれの若き映画好きさんも、必読!ですよ♪~♪
 
 


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冒険、詰め放題で!

2015-06-21 21:44:36 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 おかいものォぱわーでェ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!梅雨を乗り切れ!)

 こんにちは、ネーさです。
 お店によっては、もう始まってますね夏物のSALE♪
 さあ、気分も上向くワクワクお買い物……の前に、
 本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  



            ―― レオナルドの扉 ――



 著者は真保裕一(しんぽ・ゆういち)さん、2015年2月に発行されました。
 『Door of Leonardo』と英語題名が付されています。

「れおなるどォ、というとォ~…」
「ぐるがるるぐる?」(←訳:あの御方のこと?)

 ええ、そうですね、
 日本では、ダ・ヴィンチさん、と呼ぶ例が多いようですが、
 西洋世界で、レオナルド、といえば、
 唯一無二のあの御方、と考えてまず間違いはありません。

 フィレンツェ郊外出身の、
 レオナルド・ダ・ヴィンチさん(1452~1519)。

「ばんおうのォ、てんさいィさんッ!」
「がるるるるぐる!」(←訳:イタリアの誇り!)

 この御本は、しかし、
 レオナルドさんを主人公としたルネサンス期の物語……ではなく、
 その後の世界、が中心となっています。

 冒頭の『序章』では、
 おお、なんと!
 嵐と夜陰に乗じての墓場泥棒がいきなり登場しますよ。

「えェッ? どろぼうゥ?」
「ぐるがるるるぅ!」(←訳:通報しなくちゃ!)

 通報しようにも、
 泥棒たちが侵入したのは、
 フランス中部の町アンボアーズの
 サン・フロランタン教会、ですからねえ。
 電話はもちろん電報もない1529年の秋、のことでした。

 そのサン・フロランタン教会には
 レオナルドさんのお墓がある、のですが……。

「ならばァ、どろぼうのォもくてきはッ!」
「がるぐるるるるがる??」(←訳:レオおじさんのお墓??)

 異変に気付き、墓地にかけつけた神父さんは
 一瞬の雷光が照らし出した
 泥棒男の顔を目にして
 ハッと息を呑みました。

 見覚えが確かにある、その男の名は――

「ゆうめいィじんッ??」
「ぐるるるっ?」(←訳:まさかのっ?)

 波乱を暗示する序章から時は過ぎ、
 第一章の舞台はイタリアへ飛びます。

 ここでも、なんだかおどろおどろしい展開ですよ。
 平和な村へ突如押しかけてきたのは
 イタリアへ侵攻してきたフランス軍の兵士!
 それも、ナポレオン直属の部隊の者たちらしい?

「わうゥ! せんそうゥ、いやでスゥ!」
「がるぐる!」(←訳:武力反対!)

 兵士たちが狙うのは、
 時計修理職人のおじいさんとその孫。
 いったい彼らが
 ナポレオンに目をつけられるような
 何をしたというのでしょうか?

「ふつうゥのォおじィちゃんッ、みたいだけどォ??」
「ぐるるるるがるるるぐる?」(←訳:お金持ちでもなさそうだし?)

 ヨーロッパ全土を征服さんとする勢いの
 皇帝ナポレオン。
 その強欲に対抗する手段はあるのか――
 
 もはや中世やルネサンス期ではない、
 科学技術が発達した近代世界に繰り広げられる物語は
 アレクサンドル・デュマさんの名作を彷彿とさせる
 元気一杯な大冒険譚です。
 歴史好きな御方、
 デュマさんファンの方々は、ぜひ一読を♪

「えいがかァしたらァ、たのしそうッ!」
「がるるるぐるるっ!」(←訳:アニメもいいなっ!)

 ですので、映像好きさんにも、おすすめです~♪♪
 


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