テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《音》ある家々 ~

2013-04-30 22:03:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ほッとォ、ひといきィ、なかやすみィ!」
「がるる!ぐるるぐるがる!」(←訳:虎です!谷間の平日だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 GW前半のお休みが終了して、今日は平日……
 なんですけれど、
 アタマはお休みモードのままなんです!というケースは圧倒的多数に上ることでしょう。
 (もちろん私ネーさも!)
 こんな日の読書タイムは、小難しい御本よりも、
 眼に優しく、麗しい、ヴィジュアルな一冊を、
 さあ、どうぞ~!

  


 
                 ―― 音楽家の家 ――



 文はジェラール・ジュファンさん、写真はクリスティーヌ・バスタンさん、
 原著は1997年に、画像の日本語版は2012年12月に発行されました。
 仏語原題は『Maisons de Musiciens』、
 『名曲が生まれた場所を訪ねて』と日本語副題が付されています。

 以前に同シリーズの『推理作家の家』を御紹介いたしましたが、
 こちらは、その音楽家さん版ですよ♪

「あはァ!
 さッきょくかさんのォ、おうちィ!」
「ぐっるがるるるる!」(←訳:きっと大邸宅だよ!)

 そうね、一世を風靡した大作曲家さんのお家なんですもの、
 邸宅、いえ、お城でもよさそう!
 っていうのは、シロウト考えみたいです。

 プロの音楽家さん、音楽マニアさんはよく御存知のように、
 今も、ハイドンさん、モーツァルトさん、
 ベートーヴェンさんの暮らした家は現存していて、
 博物館として公開されたりしています。

「ふァ~、ほんとォだッ♪」
「がるるぐる~??」(←訳:意外に質素~??)

 簡素ですし、200年前300年前の建物がちゃあんと残っている点で、
 西洋と東洋の差違を感じてしまいますね。

 そして、ベートーヴェンさんたちより、もう少し時代が下り、
 19世紀中頃以降の作曲家さんのケースになると、
 建物だけではなく、
 内装、調度品も、当時のものが保存・展示されていることが
 この御本の写真の数々から判って、
 ますます驚かされます。

 ヴェルディさんが座った椅子、
 ブラームスさんの素朴な屋根裏部屋、
 グリーグさんおピアノ……

「むッ? ごうかなァ、おうちもォ、あるゥ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:ていうかフシギな!)

 御本の表紙にもなっている写真の御家は、
 ノルウェーの作曲家であり、
 パガニーニと並ぶ超一流の演奏家として知られた
 オーレ・ブルさん(1810~1880)の自邸です。

 ブルさん、ノルウェーのフィヨルドに浮かぶリーショーエン島に
 ファンタジックな御屋敷を建てたのですが……

 イメージはスペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿!

「もふゥ?? ほくおうゥなのにィ??」
「ぐるがる!」(←訳:お家は南欧!)

 石ではなく、
 木で造り上げた“北のアルハンブラ”。
 建築マニアさん必見の奇観です!

 でもね、ネーさ的にじ~んと来ちゃったのは……

 モーリス・ラヴェルさん(1875~1937)の
 『見晴らし台』の家。

「うむむゥ、ふらんすゥ、でスねッ!」
「がるるがるるる~??」(←訳:これもフシギな~??)

 パリから電車で50分、
 駅を出たらてくてくてくと30分以上も歩いて、歩いて。
 そんな場所に、ラヴェルさんは、
 友人に言わせれば『下手に切ったカマンベールチーズのひと切れ』のような、
 二階建ての家を造りました。

 大きくはないけれど、
 自身で収集したコレクションが壁を飾る、
 美しい家。

「うきよえがァ、ありまスゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:日本人形も!)

 ラヴェルさんは、晩年、病に苦しんだひとでした。
 記憶障害や、言語障害……
 その苦悩を想い、
 隠れ家のような『見晴らし台』の家の写真を眺めると、
 タイムマシンが欲しくて堪らなくなります。

「げんだいィだッたらァ~!」
「ぐぅるるがるるぐるがるるるる?」(←訳:ラヴェルさんの病も治せるかも?)

 おっと、つい熱くなってしまいましたが、
 どの作曲家さんのお家を見ても、
 感慨深いものがありますね。
 ここから、
 この場所から、あの曲、あの音楽が生まれ、世に飛び立ったのだ――と。

 想像力をフル回転させながら、
 空想の世界に浸りたいこの御本は、
 音楽マニアさんに、ぜひのおすすめ!
 大好きな曲を聴きながら、
 時間を気にせず、御覧になってくださいな♪

「ふしぎなァ、おうちへェ!」
「ぐるがるる!」(←訳:迷い込もう!)

 
 
 
 
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あっちの教授より、こっちの教授!

2013-04-29 21:50:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむゥ? ながァ~いィぎょうれつゥ、はッけんッ!」
「がるる!ぐるるがるる~…」(←訳:虎です!あれはたぶん~…)

 こんにちは、ネーさです。
 長い行列が出来ているのは、『31アイスクリーム』さんですね。
 私ネーさのおすすめフレーバーは《バーガンディチェリー》!
 そして、本日おすすめいたします御本は、
 さあ、こちらです!!

  



 
                ―― 列車に御用心 ――



 著者はエドマンド・クリスピンさん、原著は1953年に、
 画像の日本語版は2013年3月に発行されました。
 英語原題は『Beware of the Trains』、
 英国ミステリ界にその人あり!と知られた著者・クリスピンさんの
 16編から成る短編集です。

 うっふっふっふ♪
 やったわぁ~!!
 クリスピンさんの作品がまた一冊、
 日本語に訳出されましたよ~!
 めでたい!
 なんてめでたいんでしょう!

 
「ネーさッ、おちついてェッ!」
「ぐるるがるる~!」(←訳:静粛に冷静に~!)

 いいえ! とても冷静ではいられません!
 ドンペリのマグナムを10本、いえ、100本がところ表彰台に振りかけたいわ!

 ……とは申しましても、
 ミステリマニアさん以外の方々には
 クリスピンさん?誰それ?であると思われますので、
 ここでちょっと御紹介を。

 エドマンド・クリスピンさんこと
 ロバート・ブルース・モンゴメリーさん(1921~1978)は、
 英国の作家さんで、評論、アンソロジスト、作曲も能くした才人さんでした。
 ミステリの分野では、
 9冊の長編作品と、
 2冊の短編集を刊行しています。

 そしてね、
 クリスピンさんのミステリ作品の特徴を一言で表現するなら――

  ヘンテコ!

「あうゥ? へんッ??」
「がるるぅ?」(←訳:変てこぅ?)

 ヘンというかヘンテコというか、
 その原因を追い求めれば、
 行き着くのは……
 探偵。

 クリスピンさんの作品の殆どに探偵役として登場するのが、
 ジャーヴァス・フェン教授。

 フェン教授は
 オックスフォード大学セント・クリストファーズ・カレッジの
 英文学の教授さんです。
 そんな要職にありながら、性格がヘン。
 良い意味で、なのですが、やっぱりヘン。
 本人は真面目に行動しているつもりなんですけれど、
 周囲の人々に言わせると……
 いえ、周囲の人たちも、けっこうヘンテコ。

 そう、つまり、クリスピンさんの作風は
 英国人が好むユーモアがたっぷり♪
 わっはっは、の笑いと
 にやり、の笑いが縦横に火花を散らすストーリーは、
 譬えるなら、ミステリ界のモンティ・パイソン!

「ぷふふゥ! だからァ、へんてこッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:冴えてる変テコ!)

 ヘンテコであっても、
 フェン教授の推理は毎回ピカッと光ってます。
 御本冒頭の表題作『列車に御用心』は
 “人間消失”がテーマ……。

 列車から運転手が消えた?
 え? だって、ついさっきまで走ってたでしょう列車?
 それがどうして? どこへ?
 駅構内から出ておらず、
 車両内にもいなくて……?

「おォ~いッ、でてこォいッ!」
「……がるるるぅ?」(←訳:……来ないねぇ?)

 フェン教授が見破る“消失”の謎とは?

 私見ではございますが、
 高視聴率を稼ぐ理系のあの教授よりも
 こちらの英文学教授さんの方が断然おすすめ!
 まだフェン教授を知らない活字マニアの皆さま、
 ぜひぜひ、クリスピンさんの作品を御一読あれ~♪

「へんてこォだいすきなァ、あなたにィ!」
「ぐるがるがる!」(←訳:強力推薦です!)



 
 
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春に恒例の、お愉しみ♪

2013-04-28 21:45:07 | ブックス
「こォ~んにちわゥ、テディちゃでスッ!
 うむゥ! おでかけェびよりィ~♪」
「がるる!ぐるるぐるるがるるぅ!」(←訳:虎です!連休はこうでなくちゃ!)

 こんにちは、ネーさです。
 レジャーまっしぐら!な御方も、
 いや連休も仕事だから!な御方も、
 休憩時間にはリラックスして読書タイム!
 本日は、春うらら♪気分にうってつけの、新刊書籍を、どうぞ~!

  



 
            ―― フロム・ミー・トゥ・ユー ――



 著者は小路幸也さん、2013年4月に発行されました。
 毎年この季節に書店さんの新刊コーナーに並ぶのよね新作が!と
 ファンの方々には、よぉく分かってますよね。
 大人気の《東京バンドワゴンシリーズ》の第八作にして
 最新刊となるのは……

「じゃじゃんッ!
 ちょこッとォ、ばんがいへんッ、なのでスよゥ!」
「ぐるるが~る!」(←訳:短編集で~す!)

 《東京バンドワゴン》のシリーズは、
 第一作『東京バンドワゴン』から前作『レディ・マドンナ』まで、
 長編作品の形で発表されてきました。

 それが、今回は短編集!
 雑誌やWeb上で既に発表されていた8作品と、
 この御本のために書き下ろされた3作品の、
 全11編が収録されています。

「またしてもォ~♪」
「がるるるぐるる!」(←訳:大騒ぎの堀田家!)

 長編でなくとも、
 東京の下町で古書店『東京バンドワゴン』を営む堀田一家の
 パワフルな毎日は変わりません。
 
 この御本では特に、
 長編作品では“縁の下のチカラ持ち”的な役どころを担っている
 地味目なキャラクターさんが、
 本来の自力を発揮して大活躍してくれています。

 御本の冒頭を飾るのは、
 自称《堀田家の頭脳》こと、堀田紺(ほった・こん)さんが語り手を務める一編
 『紺に交われば青くなる』。

「ほほゥッ? こんおにいさんがァ、しゅやくゥ?」
「ぐ~る?がるる~…」(←訳:う~ん?主役は~…)

 堀田家は大家族。
 家族の誰かが、別の誰かを想い、
 それぞれの目線、立場から
 エピソードを語ります。

 兄が、弟を。
 夫が、妻を。

 友人さんや常連客さんたち関係者も
 その輪に加わってきちゃったりしますから、
 短編であっても、結果はいつも、大賑わいの大騒ぎ。
 泣いたり笑ったり、たいへんです。

「かぞくがァ、どんどんッふくらむゥ~!」
「がるるるる!」(←訳:増えてくね!)

 古書店店主の堀田勘一(ほった・かんいち)さんを頂点?とする一家の物語は、
 昭和と平成、両方の空気をまといながら、
 《レトロなTVドラマ》好きな活字マニアさんの
 強固な支持を得、
 作品が刊行されるごと、大きく成長してきました。

 現在は、第六作『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ』までが
 愛らしい表装もそのままに文庫化されています。
 シリーズ未読の御方は、
 ぜひGWの読書タイムにコンパクトな文庫版で通読を!
 もちろん、根っからの《バンドワゴン》ファンの方々は
 いそいそと本屋さんの新刊コーナーへ
 向かってくださいね~♪♪

「てれびィだいィすきィなァ、おかたにィ!」
「ぐるるるがる~!!」(←訳:おすすめです~!!)


 
 
  
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休日は、こちらへ?

2013-04-27 21:34:14 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あんぜんうんてェ~んッ!」
「がるる!ぐるるるがるぅ~!」(←訳:虎です!のんびり行こぉ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 GWにつきものの渋滞も、でっかいココロでやり過ごし、
 さあ、今日も読書タ~…
 ではなくて!
 またまたARTな御報せを、さあ、どうぞ~♪♪

  


      ―― チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち ――


 香川県高松市の高松市美術館にて、会期は4月6日~5月19日。
 高松市美術館開館25周年記念の企画展ですよ♪

「わぽぽゥ! ちぇぶらーしかちゃんッ!」
「ぐるるぅぅぅ~!」(←訳:可愛いぃぃぃ~!)

 ウルトラ超絶キュートなチェブちゃんを中心とする展覧会は、
 7月には私どもの地元、東京八王子市の八王子市夢美術館にも巡回予定です!

 では次は、高松から、ちょっくら海を渡って……

  


       ―― パリ―大阪 街と芸術をめぐる物語 ――


 大阪の大丸ミュージアム〈梅田〉大丸梅田店15階にて、
 会期は5月1日~13日まで。
 ロートレックさん、モディリアーニさん、ローランサンさん、
 佐伯祐三さん、小出楢重さんたちの
 “街を輝かせた”絵画で構成された展覧会は
 大阪市との共同企画なのだそうですよ。

「テディちゃ、おおさかァ、すきでスゥ!」
「がるるがる!」(←訳:水の都だね!)

 前回、前々回と、東京とその近郊のART情報をお伝えしました。
 ↑上記の展覧会は、高松、大阪、と
 東京からは遠く離れた場所での開催となっていますが、
 旅行先や帰省先で、機会があればぜひ御覧になってくださいね。
 
 そうして、GW後には……

  


    ―― 江戸絵画の奇跡  ファインバーグ・コレクション展 ―― 


 
 東京の江戸東京博物館にて、会期は5月21日~7月15日(月曜休館、ただし7月15日は開館)。
 江戸東京博物館開館20周年記念展に出品されるのは
 円山応挙さん、伊藤若冲さん、
 北斎さん、蕪村さん、
 池大雅さん、谷文晁さん、菱川師宣さん……!
 日本美術史上の巨匠さんたちの豪華な顔合わせ!

「ちーむ・おーるじゃぱんッ、なのでス!」
「ぐるるるる!」(←訳:両国駅至近!)

 日本画マニアさんは、
 いま人気の東京の東エリアにある江戸東京博物館へ、
 てくてくっとお出掛けあれ~♪

 それでは、皆さま、
 予定が決まったら……

  

「かしわもちィをォ、おともにィ~!」
「がるるぐるるがるる!!」(←訳:こころはずむ休日を!!)


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降参、の一冊。

2013-04-26 22:06:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みゃはッ! とうとうゥッ!」
「がるる!ぐるぐるるるぅ!」(←訳:虎です!とうとうだよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、とうとう来ちゃいましたね、GW!
 本日の読書タイムは、
 GWは本屋さんへ!な活字マニア諸氏はもとより、
 いやGWは映画館へでしょ!な方々にも
 おすすめの一冊を御紹介いたしますよ♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



             ―― 旅猫リポート ――



 著者は有川浩さん、2012年11月に発行されました。
 現在『空飛ぶ広報室』がドラマ化されて放送中!
 そして明日4月27日より映画『図書館戦争』が公開!と、
 映像の世界でもひっぱりだこの人気作家・有川さんの御本です♪

「おかだくんがァ、かッこいィッ!」
「ぐるぐるるぅる!」(←訳:超級アクション!)
「このォごほんもォ~」
「がるるぅる?」(←訳:アクション?)

 自衛隊さん、おじいちゃんたちで結成するヒミツな自警団さん、
 警察官さん、図書館員さん……
 有川さんの作品には
 “闘う”人々が大勢活躍いたしますが、
 この御本では、重火器で武装した善人さんも悪人さんも出番なし。

 けれど、見方によっては、
 いえいえ、どう見ても、と言った方がよろしいかもしれませんが、
 人類の歴史上
 《最強》!!
 な主人公さんが登場します!

「さいきょうゥッ……!」
「がががるぅ??」(←訳:だだだ誰っ??)

 読み手のハートをずしんと摑んで離さない、
 その主人公とは――

 猫ちゃんです。

「………ふァァ??」
「………がるっ??」

 あら、人類って、ネコに弱いものなんですよ。
 『源氏物語』だって、
 眠る仔猫のために絹衣の袖を惜しげもなくばっさり切った古人さんだって、
 遺跡の壁画に残る古代エジプトの方々だって、
 皆さん愛らしいニャンコが大好き~♪

 語り手のニャンコは、
 えへん失礼、猫の『僕』は、
 ひとりの人間と一緒に暮らしています。

 彼の名はミヤワキサトル――宮脇悟。
 『僕』は、もともとは野良ネコだったのですけれど、
 或る出来事を機に『サトル』の家に住むことになりました。

 『僕』と『サトル』は、良いパートナー。

 『サトル』は『僕』を可愛がり、
 『僕』は『サトル』に可愛がられてやっています。

「ぷふふふゥ~♪」
「ぐるるるる!」(←訳:猫らしいや!)

 ひとりと一匹、ではなく、ええ、ふたり!の出逢いは、
 銀色のワゴン車のボンネットの上。
 『サトル』は車の持ち主で、
 『僕』はボンネットの上でお昼寝中で。

 
「にゃんこッてェ、すきでスからねッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:クルマの上が!)

 幸福な同居生活は続く――ものと思われましたが、
 ……旅です!

 ふたりは旅に出ることになりました。
 銀色のワゴン車に
 『僕』のケージを積み込んで、
 彼らが向かう先とは……?

「みなみィ、でスかッ?」
「がるるぅ?」(←訳:北かなぁ?)

 高速のPAやSAで
 『僕』はネコ好きな人間たちの視線たちを一身に集めながら、
 『サトル』とともにめぐります。
 新しいようでなつかしく、
 ありきたりのようでいてすばらしく美しく、
 何ものにも替え難い、ふたりの《旅》。

   そのネコちゃんの名は?
   ふたりはなぜ旅に出たの?
   旅で何が起こるの?
   ん? 御本の表紙画と『サトル』って、もしや……?

 等々の疑問は山ほどありましょうが、
 どうか、その答えは、
 読み手の貴方が御自身の目で探し当ててくさだいな!

「こういうゥ、たびィはァ~」
「ぐるるる!」(←訳:アリだね!)

 
 ニャンコ好きな方々には
 宝物となるに違いない御本です。
 ぜひ、一読を~!

 
 
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跳ぼう、時間の壁を。

2013-04-25 21:58:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むふふゥ! いよいよォ、ごーるでんッ!」
「がるる!ぐるぐるるる!」(←訳:虎です!黄金週間です!)

 こんにちは、ネーさです。
 GWというのは映画業界が仕掛けたもの、と聞きますが、
 近年では出版業界もGWをひとつのターゲットにしていますね。
 休日は読書を♪と言わんばかりの新刊ラッシュ!
 本日ご紹介いたしますのも
 娯楽に徹したい休日向けの一冊です!
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



             ―― 紅玉(ルビー)は終わりにして始まり ――



 
 著者はケルスティン・ギアさん、2013年2月に発行されました。
 独語原題は『Rubinrot   Liebe geht durch alle Zeiten 』、
 『時間旅行者(タイムトラベラー)の系譜』と日本語副題が付されています。

「えェッ? どいつゥ!」
「ぐるるるがるがる!」(←訳:ドイツの御本かあ!)

 ええ、この御本の原著はドイツ語作品なんですよ。
 著者のケルスティン・ギア(Kerstin Gier)さんは
 現在、ドイツのケルン近郊に在住の御方だそうです。
 ドイツでは既に有名な人気作家さんで、
 この《時間旅行者の系譜》シリーズ三部作は
 ドイツ国内だけでも百万部を突破するベストセラーとなりました!

「ふむふむゥ! それでェ~」
「がるるっ?」(←訳:内容はっ?)

 ドイツのベストセラー、って……
 純文学? 大河ドラマ? 警察小説? ハードボイルドなミステリかしら?と
 妄想が暴走しますが、
 いえいえ、この御本は、ファンタジー作品!
 副題にありますように
 《時間旅行》――タイムトラベルが軸になっているんです。

「ぶたいィはァ、ぼんッ?」
「ぐるるるがる?」(←訳:ベルリンかな?)

 物語の舞台は、
 ベルリンでもボンでもミュンヘンでもなく、
 英国のロンドン。

 時間旅行の物語にはぴったり、想像通り、とも言えますね。
 『タイム・マシン』の著者H・G・ウェルズさんは英国の作家さんでした。
 
 ……でも、ね。

「むむッ?? でもォ?」
「がるるるるっ?」(←訳:どうしたのっ?)

 物語の第一章は、困惑から始まります。
 想像通り、予想通り、といった状況とは程遠い、
 パニックの兆候から。

 グウェンドリン・シェパードさんは、
 ロンドンの高校に通う16歳の女の子です。
 彼女は、思ってもみませんでした。
 時間旅行の遺伝子保持者が、
 いとこのシャーロットではなく……

   あたし、だなんてー!

 生まれて以来、
 時間旅行者たる心得を叩き込まれ、
 そのための訓練を重ねてきたシャーロット。

 グェンドリンさんは傍観者の立場で
 そんないとこの様子を眺めてきました。
 
 時間旅行をするのはシャーロットで、あたしじゃない、と。

「それがァ~!」
「ぐっる!」(←訳:違った!)

 時間旅行に特有の『めまい』に襲われたグウェンドリンさん。
 嘘でしょ?と嘆いているヒマなどありません。
 初心者であるグウェンドリンさんには
 時間旅行の行き先も時代もコントロール不能。
 いったいどうしたらいいのか、
 誰を、何を頼ればいいのか?
 そもそも、この能力ってどういうことなのー!

「きもちはァ、わかりまスゥ!」
「がるぐるる~!」(←訳:同情するよ~!)

 三部作の第一作となるこの御本は、
 プロローグ的要素が強いものの、
 いやもう! 飛ばします! 楽しめます!
 一流の冒険小説!ですよ~♪

「つうかいィ~ゆかいィ!」
「ぐるがるるぐるるるるぅ!」(←訳:良い意味で無茶してるぅ!)

 日本ではジュブナイルジャンルの御本として刊行されましたので、
 書店さんでは、海外小説作品のコーナーか、
 児童小説のコーナーで探してみてくださいね。
 大人にも、少年少女にも、おすすめです!
 
   
 
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じ~んと余韻の、企画展へ♪

2013-04-24 21:50:04 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでスゥ!
 ほんじつゥはァ、さぼりッ!」
「がるる!ぐるっるがる!」(←訳:虎です!サボってます!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、読書タイムをお休みして、
 今日は東京近郊・春のプチART情報をお届けしますよ♪
 こちらを、どうぞ~!

  


 
         ―― 華麗なるインド インドの細密画と染色の美 ――


 東京・三鷹市の三鷹市美術ギャラリーにて、
 4月13日~6月23日(月曜休館、4月49日と5月6日は開館、4月30日と5月7日は休館予定)。
 『HATANAKA Collection  Magnificence of Indian Miniature Paintings and Old Indian Textiles』と
 英語題名が付されています。

「おォッ♪ いんどッ!」
「ぐるぐる~!」(←訳:東洋の美~!)

 日本画家・畠中光亨(はたなか・こうきょう)さんのコレクションから厳選された、
 ミニアチュール絵画(細密画)と
 染色作品が展示されます。
 インドのテキスタイル、特に刺繍って素晴らしいんですよ♪
 服飾美術マニアさんに、おすすめの企画展です!

 そして、現代日本美術が好き!な御方は……

  


           ―― 山口晃 展 ――


 神奈川県横浜の、そごう美術館にて、4月20日~5月19日まで。
 『老若男女ご覧あれ 付(つけた)り澱(おり)エンナーレ』と副題が掲げられています。

「つけたりおりえんなーれッ??」
「がるるるぐるるるっ!」(←訳:なんだか楽しそうっ!)

 山口さん流のお茶室、ドローイング、油彩画、立体作品、書籍の挿絵など
 当代の大人気画家さんの作品多数が集まりました!
 先日発売された浅田次郎さん著『一路』上下巻の装画も
 山口さんの作品でしたね!
 横浜近くにお住まいのアート好きさん、必見ですわよ!

「むむゥ! つぎはァ?」
「がるる!」(←訳:古典だ!)

  


         ―― 河鍋暁斎の能・狂言画 ――


 東京・日本橋の三井記念美術館にて、
 4月20日~6月16日まで(月曜休館、4月29日と5月6日は開館、5月7日は休館)。
 幕末から明治にかけ、
 江戸(東京)の美術界をひっかきまわした?巨匠・河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)さんの
 能画、狂言画を集めての特別展です!
 
「きょうさいさんッ、ていうとォ~」
「がるる~!」(←訳:妖怪画~!)

 この展覧会では、
 ユニークな妖怪さんの代わりに
 ユーモラスな狂言画がクススっと笑わせてくれそうですよ。

 そして、フライヤー(チラシ)は入手できなかったのですが、
 東京・府中市の府中市美術館にて開催中の
 『春の江戸絵画まつり かわいい江戸絵画』展では、
 前回記事でご紹介しました円山応挙さんの子犬画が展示されています!
 ころころ!むくむく!ふわふわ!なカワイイ作品たちは、
 5月6日まで公開~!
 (作品展示のスケジュールについての詳細は府中市美術館のHPを御覧くださいませ)

「むむむゥ~!
 ぜんぶゥ、みたいィ~ッ♪」
「ぐるるがるるがるっ!」(←訳:どれにしようかなっ!)

 上野のお山や六本木のメジャーな企画展もステキですが、
 東京郊外や横浜の美術館へも、
 皆さま、ぜひぜひ、お出掛けを~! 


 
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ころころ、は無敵の美!

2013-04-23 22:02:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……むッ!
 きょうはァ、すずらんッ、はッけェ~んッ!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!可憐です!)

 こんにちは、ネーさです。
 東京や神奈川の牡丹園では、今が見ごろ!だそうですが、
 小さなスズランの花の愛らしさは格別ですね♪
 本日の読書タイムは、
 小さなコロコロちゃんを愛した画家さんに主役を張っていただきますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



                 ―― 円山応挙 ――



 監修は金子信久さん、2013年4月に発行されました。
 『別冊太陽』の205号となるこの御本には、
 『日本絵画の破壊と創造』と副題が付されています。

「ふァ? はかいィ?」
「ぐる~?」(←訳:創造~?)

 近年、評価は高まる一方の、
 伊藤若冲さん、曽我蕭白さん、長沢蘆雪さん他の江戸中期の画家さんたち――
 円山応挙(まるやま・おうきょ)さんは、その中心に在って
 後代の日本画に大きな影響を与えた巨匠さんです。

 生前から、押しも押されぬ大画家さんであると
 認められていた応挙さんでしたが、
 ちょいっとばかり突然変異な画家さん、でもありました。

 そのあたりが、『破壊』『創造』と
 副題に読み込まれている所以(ゆえん)でしょうか。

「どこがァ~どんなふうゥにィ~」
「がるがるぐる??」(←訳:突然変異なの??)

 室町時代後期から特に江戸時代にかけ、
 日本の美術界を事実上“支配”しちゃったのは、
 狩野派。

 将軍家御用達の、
 お武家が好みそうな様式美を本領とする画家集団です。

 
 でも、応挙さんは……
 狩野派に属する絵描きさんではなかったんです。

「どくりつゥどッぽォ?」
「ぐるる?」(←訳:反抗者?)

 応挙さんは、享保18(1733)年五月一日の生まれ。
 江戸時代のほぼ真ん中頃の、
 丹波国――現在の京都府亀岡市にて
 オギャアと産声を上げたのでした。

 生家は、農家さんだったそうです。
 親族に、画家はなし。
 狩野派とは縁もゆかりもなく、
 江戸からは離れた京都の町で、
 こつこつと自力で精進し、
 やがて京都の上流階級の引立てを得、
 京画壇に応挙あり!と知られるまでになりました。

「ふむふむゥ、そういえばァ~」
「がるっぐるがるがる!」(江戸っぽくないかも!)

 明らかに、狩野派とは異なる、
 ゆったり、ゆるやか、のびやかで、おおらかな、
 応挙さん独自の線と色。
 花鳥風月、
 美人図、竜虎、幽霊も、
 応挙さんが描くと《広がり》が出ます。
 
 この御本で、何より注目していただきたいのは
 子犬たち!

 応挙さんの子犬たちは、
 ころころ、むくむく、
 シッポなんてもう、くるくる巻いちゃって、
 ふんわりした手触りがありありと感じられるのです!

 
「たんそくゥ!」
「ぐるる!」(←訳:二頭身!)

 現代にも通じる《かわいい!》の、
 ひとつの理想の姿。
 子犬たちを観た後には、
 応挙さんの雲龍も、虎も、なんだか可愛くてしようがなくなる、ような……?

「かわいィはァ、つよいィ!」
「がるるる!」(←訳:無敵だね!)

 GWには各地の美術館で、
 そしてこの御本で、
 どうか気骨の籠った真の《かわいい!》画を、
 活字マニアさんもアート好きさんも楽しんでくださいね。
 ワンコ好きな御方には絶対のおすすめです~♪♪
 
 

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小さき、小さき、いのちたち。

2013-04-22 21:59:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きゃぴぽゥ! みちゃッたでスよゥ! つばめッ!!」
「がるる!ぐるるるがるるぐる!」(←訳:虎です!今年初のツバメくん!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、確かに見ましたよ~♪
 水面の上をスイスイと飛んでゆくツバメくん!
 寒波を切り裂き、南の風を呼び込んでくれそうなツバメくんと一緒に、
 さあ、今日も読書タイム!
 本日は、一部の人は失神しかねない?こちらの御本を、どうぞ~!

  



 
                 ―― 私説ミジンコ大全 ――



 著者は坂田明(さかた・あきら)さん、2013年1月に発行されました。
 『人間とミジンコがつながる世界認識』と副題が付されています。
 前回記事ではビートルズ、
 そして今回ご紹介いたしますのは、
 ミュージシャンの坂田さんによるミジンコ研究本!

「おんがくかさんがァ、みじんこォけんきゅうッ??」
「ぐるるがるる!」(←訳:それも専門的!)

 ジャズサックス奏者として知られる坂田さん。
 しかし、ミジンコ研究家でもあることも
 よく知られていますね。

 2003年には、長年にわたるミジンコの研究普及活動が認められ、
 日本プランクトン学会より特別表彰を受けておられますし、
 2007年には東京薬科大学生命科学部客員教授に就任!

 そして、実は坂田さん、
 広島大学水畜産学部水産学科の卒業生さんなのでした。
 つまり、“水の中に生きもの”に関しては
 タダモノじゃない御方なんですね!

「ふァ~…きょうじゅッ!」
「がるるるるぐる!」(←訳:ミジンコのプロ!)

 ミジンコとの本格的な出会いは30年以上も前の話だ、と
 坂田さんは御本の冒頭で述懐しています。

 その頃、小学生だった息子さんとザリガニ釣りに行き、
 かつては用水路であった池の水際で
 大量のミジンコがうごめいているのを見つけ……

 ザリガニよりも、ミジンコ!

 バケツにミジンコをどっさり収穫、
 飼っていた魚のエサに、と水槽に投入すれば、
 魚たちは勇んでミジンコにパクつきました。
 以来、三日に一度のミジンコ採集が始まり、
 自宅にミニ田んぼを作ってミジンコを泳がせ、
 友人のゲイジュツ家クマさん(篠原勝之さん)から贈られた顕微鏡で
 ミジンコの細部までもつくづくと眺め、
 観察スケッチを描き、
 写真に撮り、
 ビデオを回して……

 ミジンコ研究のトップランナーさんが誕生しました!

「おォッ! これがァ、みじんこのォ!」
「がるがるぐる!」(←訳:精密拡大写真!)

 初心者にも分かりやすい『ミンジコ入門』から、
 坂田さん撮影の『ミジンコ図鑑』、
 後半には
 花里孝幸さん(陸水生態学者さん)
 遠部卓さん(海洋ミジンコ研究の第一人者さん)
 山形秀夫さん(分子生物学者さん)との対談など、
 この御本には坂田さんのミジンコ研究の成果(の一部!)が
 収められています。

 微生物ではなく、
 微小生物。
 甲殻(こうかく)動物門の、
 鰓脚(さいきゃく)綱、
 枝角(しかく)類、
 世界に約一万種もいる、
 毎年新種が発見されるという、
 ミジンコたちの宇宙――

「こッぱみじんこッ!」
「ぐるるっ!」(←訳:粉微塵っ!)

 ときに、ダジャレのネタにされたりしながらも、
 たくましく生きるミジンコたち。

 いやあ~っ!
 アタシ脚がウニョウニョしてるイキモノって駄目なの~!な体質の御方以外の、
 動物系の御本なら大歓迎さ!な活字マニアさんに、
 特におすすめの一冊です。

 あとがきも含めて、
 坂田さんの研究と生命観を
 じっくり、味わってくださいね♪

「さかたさんのォ、おんがくもォ!」
「ぐるるがるるぐるるるる!」(←訳:付属のCDで楽しもう!)





 
 
 
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四人は、たぶん、音楽の天使。

2013-04-21 21:52:45 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……ゆきィのォふるまちィをォ~♪」
「がるる!ぐるるるがる~♪」(←訳:虎です!雪の降る町を~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 各地で積雪?ホントにいまは四月なの?!?という声が乱れ飛んだ週末も過ぎ、
 さあ、読書タ~イム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  



        
              ―― アクロス・ザ・ユニバース ――



 著者の方々は、収録順に、恩田陸さん、北川悦吏子さん、倉本美津留さん、
 佐野元春さん、TAKURO(GREY)さん、武田双雲さん、つんくさん、野田秀樹さん、
 ピータ・バラカンさん、古川日出男さん、茂木健一郎さん、本秀康さん、
 2008年7月に発行されました。
 『林檎をめぐる物語』と日本語副題が、
 『ACROSS THE UNIVERSE』と英語題名が付されています。

 前回記事では、
 世田谷文学館『上を向いて歩こう展』について御紹介いたしましたが、
 こちらの御本は、12人の著者さんによるエッセイ集……
 え? どんなテーマの文章なのか?ですって?
 はい!もちろん!
 題名の『アクロス・ザ・ユニバース』、そしてリンゴ!
 と来れば、これはもう――

「ざ・びーとるずゥ!!」
「ぐるぐる!」(←訳:しかない!)

 ええ!そうです!
 林檎、すなわちアップルといったら、
 PCでもフォンでもパッドでもなく、
 ザ・ビートルズ!
 音楽史上最大の人気を誇る四人のビートルたち!

「だァ~いすきィ!」
「ぐるるる~!」(←訳:大々好き~!)

 ビートルズを嫌いな人はいるのかしら?
 嫌いだという人がいたとしても、
 ビートルズを認めない人はいないでしょう。
 それほどの、彼ら四人は音楽史上の巨人です。

 この御本に文章を寄せている方々も、
 それぞれに、ビートルズへの特別な想いを抱えています。

 或る著者さんは『怖い』と言い、
 或る脚本家さんは
 『軽はずみにビートルズを使ってはいけない』と言い、
 或る戯曲家さんにとっては
 『身近にあることが当たり前の音楽』。

「みなさんッ、おもいいれがァ、あるのでスゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:分かります!)

 『上を向いて歩こう』は
 日本から世界へ。

 ザ・ビートルズの音楽は、
 英国――リバプールから世界へ。

 年月を経ても古びない、錆びつかない音楽。
 いまもなお愛され、
 ふと耳にすれば思わず足を止めてしまうような、音楽。

「ほんもののォ、ますたーぴーすゥ、でスねッ!」
「がるるぐるるがるるぐるぐる!」(←訳:年代も性別も国籍も関係ない!)

 おそらく、活字マニアの皆さまも
 ビートルズに関しては語りたい事柄がいっぱいある!ことでしょう。
 音楽マニアを自認する方々は、
 もう一晩かかっても話し尽くせない!くらいに。

 この御本でも、同じです。
 《ビートルズ》は、
 好き嫌いを別にして、
 12人の著者さんたちの
 人生のどこかに痕跡を残しています。
 埋め戻せないほど、深く、大きい、傷跡にも等しい痕跡――聖痕を。

「テディちゃ、じょーじさんのォ、ふぁんでスッ!」
「ぐるるがぅるるるぐるる!」(←訳:ボクはジョンさんがいい!)

 四人のうちの、誰が好き?
 ボクは、どの曲が、どの盤が好きかな?
 あらためて考え、
 ビートルズを聴き直したくなる一冊です。
 音楽好きな御方は、ぜひ!



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