テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 彼らに 幸あれ ~

2021-11-30 23:39:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふぁァ~…ぬくぬくッ!」
「がるる!ぐっるる~る!」(←訳:虎です!あったか~い!)

 こんにちは、ネーさです。
 冬用のブーツをお手入れして履いてみれば……
 おお、なんと暖かいことでしょう♪♫
 足取りも軽く帰宅した後は、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
   ―― ワイルドサイドをほっつき歩け ――



 著者はブレイディみかこ さん、
 2020年5月に発行されました。
 『STILL WANDERING AROUND THE WILD SIDE』
 と英語題名が、
 『ハマータウンのおっさんたち』
 と日本語副題が付されています。

 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』他、
 現代の英国事情を描くブレイディみかこさんの、
 このエッセイ作品は――

「ちょうどォ、あのころォなのでス!」
「ぐるるるっる~!」(←訳:ブレグジット~!)

 EUから離脱するか否か。

 2016年6月に
 英国全土で行われた国民投票を背景とする
 『刺青と平和』
 と題した1編から、
 本文は始まります。

 英国に住む人びとの殆どが、
 離脱?
 まさかね~ww
 残留派の方が多いに決まってるじゃん。
 と考えていたのに、
 蓋を開けたら……?

「まさかがァ、げんじつにィ!」
「がるるぐる!」(←訳:みんな仰天!)

 人びとの驚愕や困惑、抗議を置き去りに、
 どんどん進行してゆく、
 いえ、進行と停滞を繰り返すEU離脱。

 そこに加わるのが、
 緊縮財政による
 さまざまな制度の改変……
 いえ、みかこさんは、はっきり
 “改悪”と呼んではばかりません。

 本文57ページの
 『ノー・サレンダー』には、
 みかこさんに全面的に賛成せずにはいられない
 涙また涙の物語が……!

「こッ、これはッ!!」
「ぐるがる!」(←訳:悪夢だよ!)

 緊縮財政が大規模に行われると、
 打撃を受けるのは、お金持ち……ではなく、
 労働者階級だ、とみかこさんは言います。

 みかこさんの住む町でも、
 公共のサービス施設が次々と閉鎖され、
 ついに魔の手は、
 図書館までも……!

「ひひひッ、ひどいィ~…」
「がるるるるる……」(←訳:信じられない……)

 みかこさんの友人、
 スティーヴさんは大の本好き。

 忙しい日々の間の、
 ほんの僅かな時間、
 近所の図書館に行って
 本を読むことは
 彼にとって無上の愉しみでしたが。

 その図書館が、閉鎖……
 いえ、
 コミュニティセンター内に移転させられた挙句、
 子ども向け絵本がちょっぴり、
 などという惨状に陥って、
 スティーヴさんも
 みかこさんも、がっかり……。

「……はァ~…」
「ぐるぅ~…」

 小さな小さな図書スペース。
 騒音がひどくて、
 ゆっくり本を読むなんて出来もしない。

 しかし、スティーヴさんは
 敢えて、そこに通います。

 反骨精神を熱く燃やす彼が、
 その小さな図書スペースでやっているのは
 ……子どもたちへの
 絵本の読み聞かせ?

「あううううゥ!」
「がるるぅる!」(←訳:泣いちゃう!)

 図書館を閉じよ、と政府は言う。
 本なぞどうでもいい、とばかりに。

 いいや、そんなこと許容できんぞ、と
 スティーヴさんは行動で示します。

 本を読む。
 これからも、読む。
 子どもたちと一緒に。

「そうともッ!」
「ぐるる~!」(←訳:読むぞ~!)

 長身で、スキンヘッドで、
 眼光鋭いおっさん、だというスティーヴさん。
 彼に幸あれ!
 と、ここ日本から
 私たち活字マニアは
 スティーヴさんにエールを送ります。

 どうか今頃は、
 図書スペースが拡大されて、
 スティーヴさん好みの御本が
 書棚に並んでいますように……!

「こどもたちィにもォ~」
「がるる!」(←訳:幸あれ!)

 会ったこともない
 海の彼方の市井の人びとに
 限りないシンパシーを感じさせてくれる
 ブレイディみかこさんの力作を、
 皆さま、ぜひ♪
 
 
 
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~ 《鬼》を訪ねて ~

2021-11-29 23:34:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおゥ! いろとりどりのォ、ぽいんせちあッ!」
「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!カラフルだね~!)

 こんにちは、ネーさです。
 クリスマスの前哨戦?なのかしら、
 花屋さんの店頭では、
 真っ赤、ピンク、アイヴォリー、と
 ポインセチアの鉢々がパーティをしているかのようです。
 どれも可愛いわぁと見惚れつつ、
 さあ、本日の読書タイムは、
 ↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
        ―― 鬼 ――



 編者は東雅夫(ひがし・まさお)さん、
 2021年10月に発行されました。
 『文豪怪談ライバルズ!』と副題が付されています。

 《鬼》をテーマとする
 アンソロジーの、
 著者さんは収録順に(せーの!)、

 泉鏡花さん、高田衛さん、
 上田秋成さん(円地文子さん訳)、
 京極夏彦さん、福永武彦さん、
 坂東眞砂子さん、田辺聖子さん、
 三橋一夫さん、北村透谷さん、
 小松左京さん、倉橋由美子さん、
 中井英夫さん、手塚治虫さん!

「ごォ~じゃすゥ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:キラキラなメンツ!)

 いやーいい!
 トップバッターが
 泉鏡花さんというだけで、
 私ネーさ、ニヤけてしまいます♪

 怪談界の巨人・上田秋成さんも、
 京極夏彦さんも中井英夫さんも、
 いずれ菖蒲か杜若……

 しかし!
 今回、私ネーさが全力で御紹介したいのは、
 オオトリを飾る
 手塚治虫さんの作品です。

「まんがのォ、かみさまもォ~」
「がるぐるるるる!」(←訳:鬼を描いてます!)

 『安達が原』
 (1971年、週刊少年ジャンプ誌上にて発表)。

 時代は、
 遠いとも近いともつかぬ
 “未来“のいつか。

 《宇宙最高の殺し屋》と呼ばれる
 四級調査員のユーケイは、
 或る惑星へと降り立ちます。

 彼に課せられた使命は、
 荒涼としたこの惑星に住む
 《魔女》を
 排除すること、でした。

 けれど、
 《魔女》と出会ったユーケイが
 見出したものは……?

「しィ~ッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:秘密ヒミツ!)

 食人鬼女伝説を、
 手塚さんは大胆に脚色します。

 《鬼女》が抱える秘密とは?
 何が彼女を鬼に変えたのか?

 《安達ケ原》をモチーフにし、
 退治される鬼――《魔女》と、
 退治する側のユーケイを
 端然と描き切ったSF作品は、
 手塚さんのファンの方々に、
 全活字マニアさんに
 おすすめしたくなる快作です。

 御本巻末の、
 編者・東さんによる
 編者解説も必読ですよ。
 ぜひ、探してみてくださいね~♪

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~ アルファベットが、呼び招く ~

2021-11-28 23:38:36 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうゥッ、げんかいィ~でスゥ!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!暖房ON!)

 こんにちは、ネーさです。
 ここ八王子の朝は寒い……
 というワケで、
 暖房の恩恵を享受しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  


 
     ―― アルファベット荘事件 ――



 著者は北山猛邦(きたやま・たけくに)さん、
 単行本は2002年に、
 画像の文庫版は2021年10月に発行されました。
 『THE CASE OF ALPHABET』と英語題名が付されています。

「むむむむッ! これはァ、いわゆるゥ~…」
「ぐるがるぐるるる?!?」(←訳:雪の山荘ミステリ?!?)

 えへん、
 そう先走ってはいけません、
 先ずはじっくり、
 物語のプロローグ部分を読んでみましょう。

  《一九八二年の冬、僕は両親と
   西ドイツのケルン中央駅にいた》

 語り手の《僕》は、
 まだ小学生――少年です。

 《僕》と家族が列車に乗って
 向かったのは、
 とあるホテル。

 今宵、そのホテルで開かれるパーティに、
 《僕》の父は招待されたのでした。

「ぜいたくなァ~おりょうりィ!」
「がるるぐるる!」(←訳:音楽にダンス!)

 いえ、このパーティには
 豪華なお料理も
 生バンドの優雅な演奏もありません。

 パーティの主役は、箱。

 《創生の箱》
 と呼ばれる、
 いわく付きの箱が主役なんです。

「……なんだかァ~…」
「ぐるるる……?」(←訳:怖いかも……?)

 昔から
 いろいろな伝説がある
 《創生の箱》。

 空っぽの《創生の箱》に
 鍵をかけ、封印しておくと、
 誰も触れていないはずなのに、
 いつの間にか、
 見知らぬものが中に紛れ込んでいる……
 箱を手に入れた人は
 みな亡くなってしまうという噂も……。

 そして、
 《創生の箱》をお披露目するための
 そのパーティでもまた、
 警察が出動する騒ぎに。

「ひいいィッ!」
「がるる~!」(←訳:止めて~!)

 時は流れ。

 《創生の箱》は、
 新たな場所で
 人々の目に触れることとなりました。

 そこは、
 雪に覆われた岩手県の山奥、
 アルファベットのオブジェが散らばる
 『アルファベット荘』。

「ふァ? にほんッ?」
「ぐるるがるぐる?」(←訳:日本にその箱が?)

 案の定、と言うべきでしょうか。
 事件が起きました。

 山荘に招かれた人々は、
 《創生の箱》の謎を、
 『アルファベット荘』の謎を、
 解き明かすことが出来る……のか?

「つぎつぎとォ、なぞッ!」
「がるぐるる?」(←訳:何が何やら?)

 犯人は。
 その意図は。

 ミステリの王道とも謂うべき
 “難関““難問“を
 これでもか!と配しつつ、
 エンタな要素も
 しっかりブレンドされている快作は、
 著者・北山さんのファンの方々に、
 ミステリ好きな活字マニアさんに、
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
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~ 魔法よ、ふたたび ~

2021-11-27 23:44:06 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゅうまつはァ、おかいものォ~♪」
「がるる!ぐるがるぐる~!」(←訳:虎です!レジには行列~!)

 こんにちは、ネーさです。
 11月最後の週末は
 あっちでもこっちでもSALE!
 お店をハシゴしたり、
 ウィンドーショッピングを楽しんだ後は、
 読書タイム……を兼ねた展覧会情報を、
 さあ、どうぞ~♫
 
  


 
  ―― ハリー・ポッターと魔法の歴史 展 ――
 


 東京・千代田区の東京ステーションギャラリーにて、
 会期は2021年12月18日~2022年3月27日
 (毎月曜と12月29日~1月1日、1月11日は休館、
  1月10日と3月21日は開館)、
 『Harry Potter A HISTORY OF MAGIC』
 と英語題名が付されています。

「どらごんッ!」
「ぐぅるるがる!」(←訳:チェスの戦い!)

  

 《ハリー・ポッター》シリーズ本編の
 刊行は終了してしまいましたが、
 前日譚の新作が予定されていますし、
 USJのアトラクションは健在、
 昨日11月26日には
 映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』が
 TV放送されて、と
 《魔法使いたちの物語》は
 根強い人気ぶりですね。

「そしてェ、こんどはァ~」
「がるる!」(←訳:美術展!)

  

 この展覧会は、
 大映図書館によって企画され、
 2017年から2019年にかけて
 ロンドンとニューヨークで
 好評を博し、
 今回、日本へとやって来ました。

「だいえいィとしょかんッ??」
「ぐる~る!」(←訳:すご~い!)

 出展されるのは、
 パピルスに記された古代ギリシャの魔法の手引書、
 レオナルド・ダ・ヴィンチさんの
 天体に関する手稿、
 魔女やセイレーンを描いた絵画、
 原作者J・K・ローリングさんの直筆原稿など、
 大英図書館らしい?マニアックな
 名品の数々です。

  

 それに、
 ↑こちらも見逃せませんね。

 音声ガイドは、桐谷美玲さん!

 東京ステーションギャラリー会場のみの
 限定販売となる、
 オリジナルグッズ!

「わくわくゥ~なのでス!」
「がるるぐるがるる!」(←訳:魔法を体験したい!)

 既に展覧会公式サイト&SNSが
 公開されていますので、
 先ずは情報収集から!という御方は
 公式サイトを覗いてみてくださいね。

 なお、チケットは
 日時指定の事前購入制となっています。
 ネット予約、または
 ローソン・ミニストップで
 チケットを購入してから
 東京駅へ
 お出掛けしてくださいな♪

「みなさまァ、ぜひィ~」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:愉快な魔法旅行を!)
 



    では、ここでオマケ画像も、じゃじゃん!
   
    『ブルボン』さんのロングセラー
    《セピア―ト ほろ苦カカオ》は……
    「うむふゥ!たしかにィ~」
    「がるーぐる!」(←訳:ビターだね!)
    ショコラ好きな方々に、おすすめですよ♫

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~ 《名所図会》へ、旅をする ~

2021-11-26 23:29:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわわゥ! ふッてくるゥ~!」
「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!落ち葉の嵐~!)

 こんにちは、ネーさです。
 甲州街道のイチョウ並木も
 少しずつ散り始めてきました。
 関東の紅葉シーズンはそろそろ終盤なのかな?
 と、お山を眺めやりつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
  ―― 【図説】江戸の旅 名所図会の世界 ――



 著者は深光富士男(ふかみつ・ふじお)さん、
 2021年9月に発行されました。

 前回記事で御紹介しました
 倉方俊輔さん著『京都 近現代の建築ものがたり』
 より時代をさらに遡って、
 はい、江戸時代に到着です。

「おえどのォ、じだいィのォ~」
「ぐるがるるぐっる!」(←訳:観光ガイドマップ!)

 《名所図会(めいしょずえ)》。

 その歴史は、
 秋里離島(あきさと・りとう)さんが著した
 『都名所図会』(安永9年/1780年刊)
 に始まる、と
 著者・深光さんは
 冒頭の解説ページで述べています。

 これが、大当たり!

 それまでにも、
 物語仕立ての名所記など、
 観光ガイドブック的な書物は
 既に存在していたものの――

「わかりやすゥ~いッ!」
「がるるる!」(←訳:見やすい!)

 といった点がウケたのでしょうね。
 そしてもちろん、
 当時の出版界はこの”成功”を放っておかず。

 さまざまな
 《名所図会》が誕生しました♪

「とうかいどうゥめいしょずえッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:江戸名所図会!)
「ぜんこうじィめいしょずえッ!」
「がるぐる!」(←訳:厳島図会!)

 カラフルで華やかな浮世絵と違い、
 《名所図会》はモノクロ印刷です。

 サイズは、今のB5判くらい。
 本文の間には、
 見開き2頁にまたがる
 名所を描いた版画=名所絵を
 数多く入れて、
 現地の状況や、
 その土地にまつわる古歌、
 特産品情報、
 名物料理が美味しいお店を掲載……と
 ほぼ現在のガイドブックと
 変わらぬ内容ですね。

「けッこうゥ~こまかいィでス!」
「ぐるるる!」(←訳:細密画だ!)

 そうなんですよね、
 収録されているどの《名所図》も、
 とっても細かい!

 一枚の絵画の中に、
 これでもか~!と
 情報を詰めに詰め入れたかのようで、
 人物の着物の絵柄、
 帯の結び方、
 髷(まげ)や結髪の形等が
 丁寧に描かれています。

「それがァ、だいごみィ!」
「がるるるぐる!」(←訳:名所図会のね!)

 一見、
 単色の地味な絵図だけれど、
 よ~く眺めてみれば、
 そこには情報がぎっしり。

 江戸時代の善光寺って
 こういう感じなのねえ。

 おお、両国橋の賑わいぶりが
 よく解るわ!

 鳴門の渦潮の恐ろしさよ!

 と、すっかり”江戸の旅びと気分”になってしまう、
 ユニークな《名所図会》ガイド本は、
 歴史好きな活字マニアさんに、
 雑学好きな方々にも
 おすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♫
 
 
 
 
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~ たのしきは、名建築めぐり ~

2021-11-25 22:29:13 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぶらッくゥ~ふらいでいィ~??」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!掘出物カモン!)

 こんにちは、ネーさです。
 既にいろんなお店でSALEが開催中ですが、
 ホントのBLACK FRIDAYは明日26日から?
 何かイイものと出会えるかなぁ~♪
 と大いに期待しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
    ―― 京都 近現代建築ものがたり ――



 著者は倉方俊輔(くらかた・しゅんすけ)さん、
 2021年9月に発行されました。

 京都を代表する
 13の名建築を鑑賞する……
 ふふふっ、いいですねえ♩
 考えるだけでもう顔がニヤけてしまいます♫

「びじゅつかんッ!」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:レストランに図書館!)

 近代とは
 1854年の開国後のこと、
 現代とは
 第二次世界大戦終了した1945年から現在まで、
 として。

 この御本の各章で紹介されているのは、

  《京都国立博物館明治古都館(旧帝国京都博物館本館)》

  《京都文化博物館別館(旧日本銀行京都支店)》

  《本願寺伝道院(旧真宗信徒生命保険株式会社本部)》

  《京都府立図書館》

  《東華菜館本店》

  《ウェスティン都ホテル京都(旧都ホテル》
 
  《京都タワービル》
 
  《国立京都国際会館》

  《京都信用金庫》

  《TIME'S》

  《京都駅ビル》

  《ロームシアター京都》

  《京都市京セラ美術館(京都市美術館)》

 という13作品です。

 作品を設計したのも、
 片山東熊(かたやま・とうくま)さん、
 辰野金吾(たつの・きんご)さん、
 伊東忠太(いとう・ちゅうた)さんたち
 伝説の建築家さんから、
 現代の現役建築家
 安藤忠雄(あんどう・ただお)さんまで、
 日本建築史上のスター建築家さんが
 ずら~り!

「ちゅうたさんッ、すきでスゥ~!」
「がるるぐっるる!」(←訳:怪物がいっぱい!)

 そうね、
 伊東忠太さん設計による
 《本願寺伝道院》の解説には
 びっくりさせられました。

 建物の周囲には
 妖怪の石像があり、
 これは伊東忠太さんが設計した妖怪の石像の、
 最も早いもの――
 なんですって。

 そうかぁ、
 忠太さん最初期の妖怪(怪物?)くんたちが、
 この石像なんですね……!

「むふふふゥ!」
「ぐるるる~!」(←訳:カワイイ~!)

 また、常々“問題作“として
 話題に上る
 山田守さん設計の
 《京都タワー》の章も要注目です。

 《京都タワー》の、
 どこがどう“問題”なのか?

 建築のプロたる建築家さんの眼には、
 《京都タワー》はどう映ったのか?

 などの疑問を、
 建築家・長谷川堯(はせがわ・たかし)さんの
 見解を引用しつつ、
 解き明かしてゆく文章は、
 ひどく考えさせられました……

 はたして、
 “京都に最もふさわしいタワー“とは、
 どんな形をしているべきなのでしょう?

「うむむゥ? えェ~とォ?」
「がるるぐるるがるぐるぅ!」(←訳:それは永遠の問いだよぅ!)

 《京都は、
  建築をものがたる喜びを
  思い起こさせてくれる》

 と倉方さんが語る『あとがき』まで、
 正統派でありつつも
 ちょっぴり異風な
 建築たちのものがたりは、
 ノンフィクション好きな方々に、
 建築マニアな活字マニアさんに、
 そして、
 京都大好き♫な方々に
 激おすすめですよ。

 本屋さんの新書コーナーで、
 図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

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~ 雪の夜に、雪の夢 ~

2021-11-24 23:17:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 まッてましたでスよゥ~!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!待望の2巻~!)

 こんにちは、ネーさです。
 年末が近付いたせいでしょうか、
 各出版社さん一推し!の作品が
 書店さんに並び始めていますね。
 本日の読書タイムは、
 私ネーさの一推し!でもある
 こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  


 
     ―― ひらばのひと 2 ――



 著者は久世番子(くぜ・ばんこ)さん、
 講談監修は神田伯山(かんだ・はくざん)さん、
 2021年11月に発行されました。

 主人公は、若き講談師さん!
 ということで話題を呼んだ《ひらばのひと》の
 第2巻ですよ。

「ぱんッぱんッ!」
「ぐるる!」(←訳:ぱぱん!)

 寄席にパンパン!と響くのは、
 講釈師さんが持つ張扇」(はりおうぎ)が
 釈台(しゃくだい)を打つ音、
 でございます。

 講釈師……とは申しましても、
 泉太郎(せんたろう)くんは、
 前座さん、
 などと呼ばれる
 いちばんの下っ端さん。

「いつもォ、こきつかわれちゃうゥ~!」
「がるぐるる!」(←訳:激務だよう!)

 講談の世界の、
 まだまだ右も左も分からない泉太郎くん。

 その泉太郎くんの面倒をみたり、
 芸能の社会の礼儀や
 講談の歴史を教えたりしているのは、
 姉弟子の、
 泉花(せんか)さん。

 季節が冬になって、
 泉太郎さんも泉花さんも、
 ふぅ~、タイヘンです。

「ねんまつゥ~こうれいィ!」
「ぐるがる!」(←訳:あの演目!)

 赤穂義士伝。

 講談師さんが黒紋付を着て、
 《義士》を読み始めたら師走、
 なのだそうですよ。

 ただ、
 泉太郎さんにとって
 《義士》は……
 あんまり好きなお話ではなくて。

「ふるくさいィ?」
「がるぐるる?」(←訳:熱血すぎる?)

 忠義。忠臣。仇討ち。
 そういったものを
 なぜ好きになれないのか。
 泉太郎さんは、
 泉花さんは、
 自分に問い掛けます。

 では、ふたりのお師匠は?

 ベテラン中のベテランである
 真打・龍田錦泉(たつた・きんせん)師匠は、
 義士伝をどう思っているのか……?

「おししょうゥさまッ、かッこいいィ~!」
「ぐるるがる!」(←訳:泣けるよう!)

 この第2巻には、

 第4話『大高源吾』
 第5話『仙台の鬼夫婦』
 第6話『佐野源左衛門駆け付け』
 番外編『鮫講釈』
 第7話『は組小町』

 の5篇が収録されています。
 
 講談をよく御存知の方々にも
 ほとんど知らない方々にも
 とにかくおすすめ!な『ひらばのひと』、
 できるなら、
 第1巻→第2巻と
 順番に読み進んでくださいね♪

「ぜひぜひともォ~!」
「がるる!」(←訳:一読を!)
 
 


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~ 冬の美 ~

2021-11-23 23:37:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うりきれェちゃッたッ?」
「がるる!ぐっるるるる~!」(←訳:虎です!探そう~!)

 こんにちは、ネーさです。
 本日の読書タイムは、
 どうしよう! 
 ネット書店さんでは売り切れのところもあるんですって?
 実店舗の書店さんでは……あ! あったわ!
 と私ネーさを大慌てさせた一冊を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  


 
  ―― 美しいキモノ 2021年冬号増刊 特別版 ――



 『美しいキモノ』の2021年冬号増刊は
 《通常版》《特別版》ともに
 2021年11月に発行されました。
 ↑上の画像は《特別版 町田啓太 Edition》です。

「ひじかたさァ~んッ!」
「ぐるがっるるぅ!」(←訳:最高だったよぅ!)

 今年、大河ドラマ『青天を衝け』で
 新選組の土方歳三さんを演じ、
 大反響を巻き起こしたのが
 町田啓太(まちだ・けいた)さん。

 この《特別版 町田啓太 Edition》は、
 町田さんをクローズアップ!

 表紙、
 そして
 本文132~143ページの特集
 『KEITA MACHIDA きものと戯れ、男を磨く』にて
 町田さんの和装姿が掲載されています。

 大河ドラマでの衣装と違って、
 遊び心いっぱいのモダンな着物姿は、
 とってもオシャレですね。

「ふァ~…」
「がるるるるぅ~…」(←訳:美形さんだぁ~…)

 アート好きさんにおすすめなのは、
 《民藝の美をまとう》
 という特集でしょうか。

 柳宗悦さんが牽引した
 民藝運動に影響を受けたアーティストさんたちによる
 着物、帯、
 民藝の拡張と現在、
 日本民藝館と染色、
 民藝を実践する染色家を訪ねて、
 といったページは、
 素晴らしい充実っぷり!

 さすが着物専門誌さんだけあって、
 布地の撮り方、
 照明の当て方には
 感服です。

「しるくゥでスねッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:繭糸のきらめき!)

 振袖のお写真なども
 多数紹介されていて、
 早くもお正月気分を味わえる
 冬の特別版は、
 キモノ好きな方々はもちろん、
 町田啓太さんファンの方々も
 必読ですよ。

 現在、キモノ雑誌のジャンルでは
 ベストセラー1位となっているこの御本、
 ネット書店さんでは、
 販売しているところ、
 品切れになっているところ、と
 ショップごとに状況が違っているようです。
 確実に入手したい場合は、
 町の本屋さんの雑誌コーナーを
 チェックする方がいいかもしれません。

「きものとォ、しんねんッ!」
「がるるぐるるるがるる~!」(←訳:眺めるだけでも楽しい~!)

 皆さま、ぜひ、一読を♪


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~ 黒と白のバランス ~

2021-11-22 23:38:46 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きらららァ~んッ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!キラキラリ!)

 こんにちは、ネーさです。
 この季節、夕方の街をテクれば、
 おお♪ 街灯もイルミネーションも
 綺麗にキラキラしていますね。
 お家に帰り着いてホッとしたところで、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♫

  


 
       ―― 無垢の傷痕 ――



 著者は麻見和史(あさみ・かずし)さん、
 2021年6月に発行されました。
 『本所署《白と黒》の事件簿』と
 副題が付されています。

「むかしィむかしィ、あるところにィ~」
「ぐるるがるるるるぐるるる」(←訳:一人の刑事さんがいました)

 いえいえ、違います、
 昔むかしじゃありません、
 現代の出来事なんですけれど、
 確かに、おりました。

 悩みを抱える
 ひとりの刑事さんが。

 それはどのような悩みかというと……

 黒星達成(くろぼし・たつなり)。

 ↑この、自分の名前が、悩みのモトなんです。

「くろぼしィ~??」
「がるるぐるる!」(←訳:珍しい御名前!)

 珍しいのはいいとして……問題は、
 黒星、ですねえ。

 刑事さんだったら、
 いえ、お相撲やサッカーや野球などの
 スポーツや勝負事、
 一般のビジネスであっても、
 挙げたいのは
 《金星》であって、
 《黒星》じゃありませんよねえ。

 しかも、
 達成(たつなり)という名は、
 たっせい、とも読めますから――

「くろぼしィ~たッせいィ?」
「ぐるぅる!」(←訳:あちゃあ!)

 二重に”縁起が悪い“名前を背負う黒星さん、
 ついついネガティブ思考に
 陥ってしまいます。

   ……俺はついてない……

「げんきィだしてッ!」
「がるるぅるるぐるる!」(←訳:ポジティブで行こう!)

 そう、ポジィティブ。

 本所署の管轄内で事件が起き、
 署に捜査本部が設置されました。
 黒星さんも参加するこの捜査活動で
 コンビを組むことになったのは。

 白石雪乃(しろいし・ゆきの)さん。

 はきはきと発言する、
 ポジティブ思考の彼女は、
 黒星さんを励まします。

   私、勘は鋭いほうなんです。
   なかなか運も良くて、
   金星を挙げたことも何度かあります。

「わほほゥ!」
「ぐるるがっるー!」(←訳:それはラッキー!)

 黒と白とで、
 ちょうど良いバランスに?
 難しい捜査も、楽々解決?

 短編5作品から成る連作ミステリは、
 気弱な黒星さんと
 元気な白石さんの
 ちょっとトンチンカンな会話に
 クスっと笑わされたり、
 肩の凝らない”警察小説”です。

 ミステリ好きな活字マニアさんに
 おすすめの一冊ですよ。
 図書館&書店さんの文庫コーナーで、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪


 
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~ 史跡を訪ねて、西へ ~

2021-11-21 22:12:45 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わほッ! こんざつゥ~!」
「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!SALEだもんね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ボジョレーヌーボーが解禁され、
 BLACK FRIDAYのSALEが始まり、
 週末の街は賑やかでした。
 温かい飲み物でお買い物の疲れを癒しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 関西・幕末維新の史跡50選 ――



 文は木村幸比古(きむら・さちひこ)さん、
 写真は三村博史(みむら・ひろし)さん、
 2021年10月に発行されました。

「ひゃほゥ! たびィ~!」
「ぐるぅ!」(←訳:旅だぁ!)

 3密回避を心掛けながらの
 外出が可能になり、
 飲食店さんへの規制もなくなり、
 外食を楽しめるようにもなって、
 はい、次の目標は、
 旅!ですね。

 この御本には、
 題名にある通り、
 関西圏に残る
 幕末~維新期の史跡が
 紹介されておりますが……

 いやーいいなあ!
 こんなに史跡があるなんて!

「とうきょうゥにはァ、すくないィのでスゥ!」
「がるるる~!」(←訳:羨ましい~!)

 明治に入って
 町が大規模に改造され、
 その後は地震や空襲の炎に襲われ、
 さらには再開発で
 昔の街並みが失われ……と、
 東京の明治以前の建物が
 ごく少ないのに対し。

 関西での
 “残りっぷり”は
 拍手を送りたい見事さです。

 維新の主な出来事の舞台となった、
 京都、大阪、兵庫、滋賀、奈良、和歌山の、
 二府四県。

 わけても、
 京都!

「こッ、これッ!」
「ぐるる!」(←訳:弾痕だ!)

 京都御所の、
 蛤御門の銃弾痕。

 新選組の屯所であった
 壬生の八木邸の鴨居には、
 刀疵。

 さすがに、
 土方さんが応援に駆け付けた池田屋や、
 龍馬さんが襲撃された近江屋の
 建物は現存しませんけれど、
 当時と比べて今も
 町割りがさして変わっていない京都では、
 “往時を偲ぶ”ことは
 そう難しくありません。

「おおさかァじょうゥ!」
「がる!」(←訳:適塾!)

 大阪、そして兵庫には、
 志士さん関連の史跡の他に、
 台場跡もありますね。

 高浜台場跡、
 楠葉台場跡は大阪の、
 そして西宮砲台、
 今津砲台跡、
 明石藩舞子台場跡は
 兵庫の史跡。

 また、
 滋賀県には
 井伊家関連の史跡も。

「たずねてェみたいィ!」
「ぐっるるる!」(←訳:じっくりと!)

 大河ドラマ『青天を衝け』の影響もあって、
 いっそう注目されている
 幕末と、
 明治維新。

 大変革期の名残りを探すガイド本は、
 歴史好きな活字マニアさんに
 おすすめですよ。

 自由に旅が出来る。
 その喜びを胸に抱えつつ、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♫
 

 
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