「こんにちわッ、テディちゃでス!
はッぴィはッぴィ~はろうィ~んッ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!はぴはろ~!)
こんにちは、ネーさです。
Happy Halloween! Trick or Treat!
いや、Book and Treat! (本とおやつ!)ということにして、
さあ、10月――神無月を締めくくる読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 最後に、絵を語る。 ――
著者は辻惟雄(つじ・のぶお)さん、
2024年8月に発行されました。
『奇想の美術史家の特別講義』と副題が付されています。
「つじィせんせいィ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:奇想のマエストロ!)
美術史家・辻惟雄さんの代表的な著作といえば、
なんといっても一世を風靡した
『奇想の系譜』(1970年刊行)でしょうか。
多くの美術愛好家さんに影響を与え、
江戸絵画の評価や、
鑑賞の方法も変えてしまったとさえ言われる
『奇想の系譜』は、
間違いなく、美術界における《20世紀の名著》です。
「でもォ、せんせいはァ~しんぱいしてるのでスゥ!」
「がるるぐるるる~!」(←訳:影響力ありすぎ~!)
『奇想』は、あまりにも受け入れられ、
愛されるようになってしまって、
『奇想』以外の作品が軽んじられ、
影が薄くなっているのではないか……?
憂慮した辻さんが、
この御本で、あらためて取り上げるのは、
『正統の系譜』。
第1講『やまと絵』
第2講『狩野派』
第3講『応挙と芦雪』
第4講『私の好きな絵』
第5講『辻惟雄×山下裕二 師弟対談』
と、5つのパートに分けて、
『鳥獣戯画』や『源氏物語絵巻』から
俵屋宗達さん、雪舟さん、狩野派の名だたる絵師さんたち、
円山応挙さんと長澤芦雪さん他、
日本美術の”王道”を歩んだ画家さんについて
熱く語っています。
「あッ! これェ、かわいいィ!」
「ぐるるる……?」(←訳:かるかや……?)
第3講までの、剛健かつ硬派な絵画論が、
ふっと優しく転調するのは、
第4講の『私の好きな絵』です。
室町時代の古絵本『かるかや』の、
愛らしい稚拙美。
東山魁夷さんの作品の、
すずやかな静けさ。
心惹かれる作品を語るときの、
辻さんのお喋りは、とても楽しそうで、
読んでいる私たちまで、楽しく、嬉しくなってきますよ。
「もッとォ、きかせてほしいィのでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:愉快なお喋りを!)
正統も奇想も、
正調も破調も、
全部ひっくるめにしての、
日本美術の世界へ。
題名には、『最後に』とありますが、
いやいやいや、
もっとお話ししてください!と
ラブコールしたくなる一冊です。
近代と現代、
例えば、幕末、明治~昭和初期の日本美術についての
辻さんの考察は……?
アート好きな活字マニアさんは、
ぜひ、一緒にラブコールをお送りくださいね~♪