テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2011!新春特別企画!《白い宝玉》オマケ編!

2011-01-03 23:11:51 | 2011!新春特別企画!
 あらためまして! 皆々さま!

 

 あけましておめでとうございます~!
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス! おめでとうゥッ!」
「がるる!ぐるるがるるー!」(←訳:今年もよろしくー!)
「ユキノジョーです! おめでとうっす!」
「2011年の干支、ウサギです!
 謹賀新年!」

 はい、新年ヘンテコ企画に御出演の毛玉ズ、
 そしてヘンテコ企画にお付き合い下さった皆さま、
 ありがとうございました♪
 出演者の毛玉くんたちには、
 はいっ、おせち料理を……あら?
 お重が空っぽ……?
 
「さきほどォ、いただきましたでスゥ!」
「がるるるるっ♪」(←訳:美味しかったねっ!)
「デザートはこれかぁ?」
「いただきまーす!」

 ええもう、御存分に。
 おせち料理でもチョコレートでも、
 お好きにどうぞ。
 画像下側にあるのは、
 『チロルチョコ』さんの《鏡餅》と、
 《ちょこっと気餅》、
 どちらもお正月度満点のルックス!
 鏡餅型パッケージのチョコなんて
 実にグッドアイディアですわ!
 
「ネーさッ、これはァ??」

 

 よくぞ訊いてくれました、テディちゃ!
 こちらは、
 『永谷園』さんの
 《冷え知らずさんの生姜チャイ ジンジャーミルクティー》!
 このお正月、ネーさいちばんのお気に入りドリンクです♪
 生姜大好き、ジンジャラーの私ネーさ、
 缶入り《生姜チャイ》が発売されていることは知っていたのですが、
 なかなか見つけられずにおりました……
 ようやっと、発見いたしましたのが、

「がるるがるるっ?」(←訳:どこでどこでっ?)

 JR駅構内の自販機にあったのですよ。
 こちらの缶ドリンクは、
 一般のスーパーやコンビニでは扱われていない製品で、
 入手できるのは、一部の自販機でのみ、なのだそうです。
 飲んでみたいわ!というジンジャラーさんは
 JR駅構内の自動販売機で
 探してみて下さいね~♪♪

「ぴりりッ、とくるゥ、おあじィ、でスよゥッ!」
「ぐるるっ!」(←訳:刺激的っ!)

 シナモン、クローブ、カルダモンなど
 香辛料が加えられた複雑なお味は、
 エスニック料理がお好きな方々におすすめです!
 熱々のうちに、ゆっくり、いただいてゆくと……
 身体がほかほか♪に温まりますよ。

「ふゥッ、おいしかッたァ~♪」
「ぐるがるがるるるー!」(←訳:ご馳走さまでしたー!)

 全国的にお天気は荒れてしまいましたけれども、
 それにもめげず、
 年をまたいでの、
 ヘンテコなバカ話にお付き合い下さり、
 そして、もしも、
 ほんのちょっとでも、
 くすり、
 ぷふふっ、
 と笑っていただければ……はい!

  笑う門には福来たる!

 どうか皆さまの2011年に
 たっくさんの福がありますように!
 
「みんないッしょにィ、はッぴーにィなろうッ!」
「がるがるぐるる~!」(←訳:仲良く楽しく~!)
「だよね!」
「だねっ!!」

 貴重な休日に拙ブログへお越し下さった心優しい皆さま、
 ありがとうございました♪
 2011新春特別企画はこれにて幕、
 次回より通常版?読書タイムが復活いたします!
 皆さま、どうぞ本年も!

「よろしくおねがいィいたしまスゥ!」

 なお、虎くんには引き続き’11年も出演していただきますので、

「がるるるぐるる!」(←訳:卯年もボクをよろしく!)
 
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2011!新春特別企画!《白い宝玉》その4!

2011-01-02 23:36:31 | 2011!新春特別企画!
 手段はひとつ――!

 クマリング侯爵家の家宝盗難事件と
 ウサギくん一家誘拐事件のかかわりを解き明かしてみせた
 名探偵テディちゃムズ!

 盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 友人の虎くん&ウサギくんに告げました。

「にげようゥッ!!」

 

 逃げろや逃げろ、それ逃げろ!
 皆で一緒に、大脱出!
 何故って、
 いつ悪漢たちがこの屋敷に戻ってくるのか、
 また、
 彼らには大勢の仲間がいるのかもしれないのですから、
 ここはさっさと、
 逃げ出してしまう方が賢明ですね。
 
「うおりゃあ!」

 ユキノジョンは塀をぶち破り、

「がるるっ!」

 虎くんはウサギたちの足に巻かれていた鎖を噛みちぎり、

「こッちだッ!」

 ロンドンの街路を知り尽くすテディちゃムズの道案内で、

「よぅし! ぴょぴょんっ!」

 ウサギ一家も健脚ぶりを発揮いたします。

 でも、テディちゃムズ、
 何処へ向かおうとしているのでしょう?
 ユキノジョン・H・ワトソン博士が走りながら訊ねますと、
 
「あのかどをォ、まがればァ、
 ぐりにッじィ、だよゥ!」

 おお、グリニッジ!
 天文台があり、子午線が通り、
 海事博物館もあって、
 川沿いには……

「そうか!
 『テディサーク号』を使う気なんだね!」

 七つの海を越え、異国からの荷をロンドンに持ち帰る
 クリッパー船『テディサーク号』!
 3本マストの大型帆船は、
 グリニッジ近くの埠頭に係留されているのです。
 船主のお金持ちに頼まれて、
 『壊れた船首飾り事件(未公開)』を解決したのは、
 そう! 名探偵テディちゃムズ!
 船主さんは感謝して、
 いつでも『テディサーク号』を使ってくださいと言ってくれました。
 今こそ、あの船を借りるべき時です。

 

「りっぱな船だね!」
「ぐるるがる!」(←訳:さあ乗船だ!)
「帆をはれ!
 錨をあげろ!
 舵を取れー!」

 力を合わせ、えいや、こらさ!
 『テディサーク号』は離岸します。
 時刻はちょうど、午前0時。
 ロンドン中の鐘が鳴る中を、
 祝福されるかのように帆に受けて、
 舳先は東へ、
 テムズ川の河口へと。

「ようそろ!ようそろ!」
「おもかじィ、いッぱいィ!」
「がるっ!がるぐるー!」(←訳:あっ!あれはー!)

 巨匠ターナー氏が描く壮麗な絵を想わせ、
 テムズ河口の海面が虹の色に染まりました。
 雲が白く、赤く、そして金色に輝いて――

 昇ってきたのは新年の太陽!

 ウサギ一家の歓声が、
 虎くんとユキノジョンの感嘆の溜め息が、
 そしてテディちゃムズの
 「しんねんッ、おめでとうゥッ!」が
 新しい年の新しいお日さまに届いたのでしょうか。
 河口を経て、
 ワイト島の港へ到るまでの一行の船路は、
 それはもう穏やかな、
 こころはずんで、
 楽しい旅であったそうでございます。

 

 「みなみなさまッ、はッぴィーにゅーいやッ!!」


 
 【補記】

 (1月1日付『ロンドンくまタイムズ』一面記事より抜粋)

 『名探偵またもお手柄!』
 スコットランドヤードの発表によると、
 某貴族夫人の宝石盗難事件が大晦日に発生、
 しかし名探偵テディちゃムズ氏と
 テディちゃムズ氏の電報を受け取ったクマトレード警部の迅速な行動により
 容疑者ふたりは『紅白クマ歌合戦』会場出口で
 身柄を抑えられた。
 容疑者Mは、盗まれた宝石と裁縫道具を隠し持っており、
 また『歌合戦』会場の警備員たちは、
 何度も会場を出入りするふたりの行動が不審だったと証言している。
 容疑者たちは、
 「だから早く出国しちまおうと言ったのに!」
 「だって大トリの『クマップ』を観たかったんだもの!」
 などと罵り合っていたとの情報もある。
 クマトレード警部は近く記者会見の予定、
 宝石は今日にも持ち主の婦人に返却されるとのこと。
 なお、テディちゃムズ氏のコメントは得られていない。
 (2面、7面に関係記事) 
  
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2011!新春特別企画!《白い宝玉》その3!

2011-01-01 23:15:26 | 2011!新春特別企画!
「むッ?」
「むむぅ!」

 盗まれたクマリング夫人の《白い宝玉》を探し、
 名探偵テディチャムズ、
 ユキノジョン・H・ワトソン博士が、
 虎くんの嗅覚に導かれてやって来たそこには。

 

「やあ! こんばんは!」

 ウサギ!
 
 新年の祝着に装ったウサギくんが、
 大きな御屋敷の塀の隙間から、
 こちらを見て手を振り、いえ、耳を動かしておりました。

「こ、こんばんは、ウサギくん。
 あ、あのぅ、こういうヤツらを、見たことないかい?」

 ユキノジョン・H・ワトソン博士が取り出したのは、
 容疑者たちの似顔絵でした。
 ウサギくん、うんうん、と耳を動かします。

「よく知ってるよ!
 ボクと仲間を、ロンドン観光に誘ってくれたジャン=ポールさんと、
 マリアンヌさんだ!」

 ジャン=ポールとマリアンヌ!
 塀の隙間越しに、
 驚くユキノジョンと虎くん、
 驚いた風もなく悠然と構えるテディちゃムズに、
 ウサギくんは説明したのでした――

 ボクらは、由緒正しき『3月ウサギ(マーチ・ヘアー)』の一族!
 ワイト島の野兎(ヘアー)一家!
 島を訪れた観光客の、ジャン=ポールとマリアンヌに誘われ、
 大晦日のロンドンを見物に来たんだ!
 ピカデリー広場の賑わいは、それはもう華やかで、
 大道芸人や屋台も出て、
 天下無双の大騒ぎ~♪だと聞かされたのでね。
 
 ……でも、ロンドンに来てみたら、
 きれいな服を着せてはくれたけど、
 街は危険だと言われて、
 このお屋敷に閉じ込められてしまった……。
 ねえ、見知らぬ御方たち、
 ジャン=ポールとマリアンヌを説得して、
 ボクらをここから出してくれない?

 

「やぱりィ!
 そういうことォだッたんだなッ!」

 ウサギくんの話に、
 テディちゃムズは頷き、
 ユキノジョン・H・ワトソン博士と虎くんは首を傾げます。
 そういうこととは、どういうことなんでしょ?

「ほうせきとうなんじけんはねッ、
 みつゆじけんッ、でもあッたのさッ!」

 盗難事件は密輸事件!
 テディちゃムズ、それはつまりね、と謎解きをしてみせました。

 盗まれた《白い宝玉》は、
 ウサギたちの晴れ着に縫い付けられてしまえば、
 誰もそれをクマリング侯爵家の家宝だとは見抜けないだろう!
 従僕のポールことジャン=ポール、
 メイドのマリーことマリアンヌは、
 ロンドンの代わりにパリ見物だ~などと
 言葉巧みに欺いて、
 晴れ着を着込んだウサギたちを
 ドーバー海峡の彼方へ連れて行く。
 海を渡れば、
 晴れ着の宝石は取り外され、
 パリの悪徳宝石商に売り払われる。

 そして、ウサギくんたちは……

「えへんッ、
 まことにィ、そのゥ、
 もうしあげにくいんだけれどォ~…」

 テディちゃムズ、ちょいっと困った様子で。

「ウサギくんたちはァ、
 そのゥ、
 れすとらんにィ、うりとばされちゃうゥんじゃないかなァ~…」

 レストラン?

「いまはァ、
 じびえりょうりィのォ、しーずんッ、だからねッ!」

 ジビエ料理のシーズン!

 野生の動物たちの肉を調理材料とする、
 ジビエ料理!
 鹿、鴨、野兎たちが、
 ローストされちゃったり、
 パイにされちゃったり、
 スープに塩漬けに――

「ひいい~っ!」
「がるるるる~!」
「うぎゃあああっ!」

 

 白クマ、虎、ウサギが、
 それぞれ失神しかけます。
 怖ろしや、ジビエ料理!

 しかし、悪漢たちには好都合!
 《白い宝玉》の密輸と売却、
 健康なウサギたちを
 『ツゥール・クマジャン』や『クマキシム』など
 高級料理店に高値で売りつければ、
 まさに一石二鳥の大儲け!

「それだけじゃないィ!
 こくさいふんそうにもォ、なッちゃうぞゥ!」

 テディちゃムズ、冷静に分析いたします。
 ウサギくんたちが住んでいたワイト島は
 女王陛下の別荘があるところ。
 陛下の領地のウサギを
 パリの人々がぱくぱく食べてしまったと世に知れれば、
 国際紛争の原因にもなりかねません!

「そ、それは、たいへんだ……!」
「がるー……!」

 蒼ざめる友人たちを、
 テディちゃムズは見据えます。

「しょくんッ!
 こうなッたらァ、しゅだんはァ、ひとつゥ!」

 はて?
 テディちゃムズの言う手段とは――?

   ~ つづく ~
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2011!新春特別企画!《白い宝玉》その2!

2010-12-31 23:32:59 | 2011!新春特別企画!
 大晦日に起こったクマリング侯爵家に伝わる《白い宝玉》盗難事件!
 名探偵テディちゃムズが、
 盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 友人の虎くんとともに向かったのは――

 

「さあさあ、泣かないでクマリング侯爵夫人!
 テディちゃムズが貴方の力になってくれるのですから、
 もう心配は要りません!」

 ……美人と見れば、ユキノジョン・H・ワトソン博士が大乗り気!
 張り切って被害者さんから事情を訊き出しますよ!

「ああ、ありがたい!
 テディちゃムズ氏が!」

 泣いたり喜んだり忙しい侯爵夫人の説明によれば。

 明日の新年パーティ用衣装を整えておこうかしらと、
 ドレスを衣装トランクから、
 装身具を宝飾品ケースから出そうとして……
 
 あら?
 なんだか軽い?
 まあ!んまああっ!
 ケースの中身が空っぽ!
 《白い宝玉》が失くなっているわー!!

「おまちくださいィッ、こうしゃくふじんッ!」

 

 鋭い声は、テディちゃムズ!

「こうしゃくふじんともォあろうおかたがァ、
 ごじぶんでェ、いしょうのォ、おしたくをッ?」

 ええ、とクマリング侯爵夫人は答えます。

「従僕のポール、小間使いのメリーたちは、
 アルバートホールの『紅白クマ歌合戦』を観に行っておりますわ」

 きらり!
 テディちゃムズの眼光の鋭さ!
 そして、それからの行動の素早さときたら!

 従僕のポール、メイドのメリーらが使っていた部屋を調べます。
 彼らの年齢や容姿をランガムホテル従業員に訊ね、
 侯爵夫人の部屋を厳重に警備するよう依頼いたしました。

「テディちゃムズ!
 どうしたんだいっ?」
「はんにんはァ、そいつらだよッ!
 ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」
「えええッ???」

 テディちゃムズ、いわく――

「あのねッ、こうはくくまうたがッせんはァ、
 かんたんにィ、みにゆけるものじゃないのさッ!」

 人気グループ『くまッぷ』や『くまらし!』が出演する今年の紅白クマ歌合戦は
 例年にも増して観覧券の入手が困難なのです。
 そんなプラチナチケットと、
 盗難事件の発生はどう関わっているのか、というと……?

「ありばいィづくりィ、だよッ!」

 犯罪が実行されていたと思しき時間に、
 アルバートホールで紅白クマ歌合戦を観ていたと言えば
 警察官たちも、ああ、なるほど、と納得するでしょう。
 アリバイは成立!めでたく潔白証明!となる筈です。

 けれど、テディちゃムズは納得いたしません。
 何故と申して。

「あんまりィ、ぐうぜんすぎるゥじゃないかッ!」

 そ、そうかもねッ、と頷くユキノジョン・H・ワトソン博士。
 
「じゃ、じゃあ、これからどうするんだい、テディちゃムズ?」
「こうするのさッ!
 とらくんッ!
 でばんッ、だよゥ!」
「がるっ!」(←訳:おうっ!)

 

「がるがるるるーがる!」(←訳:臭いの追跡、開始だー!)

 従僕ポールとメイドのメリーの部屋を調査する際、
 彼らの臭いをたっぷり嗅ぎ、
 その特徴を記憶してきた虎くん、
 鼻をヒクつかせ、
 先頭に立ちます。

「ぐるるるーがるがる……!」(←訳:ヤツらの臭いがするよ……!)

 真夜中近いロンドンの街、
 新年のカウントダウンが近づき
 鐘の音鳴り響くロンドンの街路を、
 抜き足、さし足、忍び足に速足で、
 てってこてってこ、
 進んでゆく名探偵一行。

 やがて、辿り着いたのは……

「あッ! ここはッ?!?」


  ~ つづく ~ 
 
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2011!新春特別企画!《白い宝玉》その1!

2010-12-30 23:25:52 | 2011!新春特別企画!
 カラ~ン、コロ~ン、カララ~ン♪……

 いずことも知れぬ、ここ、パラレルワールドの英国に響くのは、
 セントポ-ル寺院の鐘の音でしょうか、
 ビッグベンの点鐘でしょうか……。
 ええ、そうです、またしても。
 やってまいりました新春特別企画!
 一年ぶりに目覚めたのは、あの名探偵氏!


 


「しんねんだねッ、とらくんッ!」
「ぐるるるーがるる!」(←訳:もう大晦日も暮れるよ!)

 ベーカー街221Bの下宿の居間で、
 名探偵テディちゃムズ氏と
 友人の虎くんは、
 暖炉に近い安楽椅子でゆったりと、
 新しい年の到来を待っております。

「ことしはァ、おだやかなァ、としのせッ、だねェッ!」
「ぐるぐるがるるる!」(←訳:平和がいちばん!)
「うむッ!
 きょねんはァ、たいへんだッたァ……!」

 思い起こせば、ちょうど一年前のこと。
 あの『バスカビル家の虎』事件で、
 テディちゃムズは虎くんと知り合ったのでした。
 ああ、今年こそは!
 怖ろしい犯罪などとは無縁に、穏やかに、
 新年を迎えたいものです!

 ところが、そこに。

 ドタドタドタタ。
 下宿の階段を駆け上がる足音は、はて?


 


「テディちゃムズ!
 事件だ!!」

 テディちゃムズの盟友にして伝記作家、
 白クマのユキノジョン・H・ワトソン博士が、
 ここぞとばかり叫びまする。

「クマリング侯爵夫人のネックレスが盗まれた!
 《白い宝玉》と呼ばれる
 家伝の名品だそうだよ!」

 嗚呼、《白い宝玉》!

 テディちゃムズが素早く紳士淑女録を書棚から取り出し、
 ページを捲れば……ありました!
 クマリング侯爵家に伝わる《宝玉》の記述が!

「むぽゥ!
 とくだいィのォ、おぱーるッ?!?」
「鳩の卵より大きいって!」
「がるがるぐるぐるる!」(←訳:真珠より美しいって!)

 ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 これを、と手紙を差し出します。
 フォートナム&メイスンへ新作ハチミツを買いにゆこうとしたところへ、
 ランガムホテルの少年給仕さんが走ってきて、
 名探偵テディちゃムズさんに!と
 手紙を渡されたのでした。
 侯爵夫人はテディちゃムズさんの出馬を切望しております!
 とも言うのです。

「うゥ~むむゥ……!」

 テディちゃムズ、少しだけ、肩を落とします。
 名探偵の宿命とはいえ、
 どうやら今年も、
 安楽椅子でみかんを食べながら
 紅白クマ歌合戦をラジオで聴きふけるという
 ささやかな願いは叶わぬようでございます……。

 いえ、愚痴は口にしますまい。
 探偵を名乗る者なら、
 受け入れましょう、この運命!
 いざや、出発!
 大晦日だろうと真夜中だろうと、
 犯罪の現場へ、いますぐに!
 コートを羽織って、
 帽子を被り、
 仕込み杖を忘れずに!
 
「さあッ、ゆくぞッ!
 とらくんッ、ゆきのじょんッ!
 あくにんをォ、たおすのだッ!」

 ベーカー街221Bのドアを開け――


 


 名探偵テディちゃムズ、
 霧けぶるロンドンの街に歩き出したのでした……!


   ~ つづく ~ 
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