テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

研究室は「?」の王国♪

2012-01-31 23:21:13 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 先日、摩訶不思議なるワンコちゃんと遭遇いたしました。
 身体のスタイルや、脚、耳の垂れ具合は、バセットハウンド――
 靴ブランド『ハッシュパピー』のキャラになっている犬くん、ですね。
 でも、毛並みが……
 トイプードルちゃんのような、
 茶色のくるくる巻き毛~??!!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ううむッ、ちんしゅッ、はッけんッ!?!」
「がるる!ぐるるーがるるー?」(←訳:虎です!MIXなのかなー?)

 ぽかんとしている間に、
 不思議なワンコちゃんは行ってしまいました……。
 いったい、あの子は何者~っ?
 蜃気楼や幻じゃないわよね?
 と、このような動物に関する疑問にとりつかれちゃった読書タイムには、
 さあ、皆でこの先生を呼びましょう!
 センセ! センセ~っ!!

  


 
        ―― 先生、子リスたちがイタチを攻撃しています! ――


 
 著者は小林朋道さん、2009年7月に発行されました。
 『[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学』と副題が付されています。

「ふァッ??
 こりすゥがァ、いたちィをッ!」
「がるるっる~??」(←訳:攻撃するぅ~??)

 そうね、衝撃的な題名だわ!
 子リスといえば、チビチビのチビちゃんで、
 無力であること、攻撃力なんてゼロに等しいであろうことは
 疑いの余地なし。
 かたや、イタチといえば、
 『ガンバの冒険』(原作は『冒険者たち』)に出てくるような
 残酷で怖ろしい『白イタチのノロイ』を連想してしまいます。

 それが、なんと?
 ベイビーリスちゃんたちに
 凶暴なイタチが攻撃される、ですって?

「ほんとォでスかァ~?」
「がるるぐる~るる?」(←訳:逆なら分かるけど~?)

 著者の小林朋道(こばやし・ともみち)さんは、
 理学博士さんで、
 鳥取環境大学の教授さん!
 『専門である動物行動学と人間比較行動学を基盤に、
  野生生物の保護と研究と教育と実践に
  日夜、励んでいる』
 と御本の冒頭で自己紹介しておられますけれど、
 この『実践』と『励み』が、
 大学の中でもなかなかに異彩を放っているようです。

 研究室は、
 動物の飼育容器でいっぱい、いえ、満杯。
 ナマズやサンショウウオの水槽、
 ミツバチのコロニー、
 カヤネズミの飼育箱、
 段ボール箱には保護されたムシクイ(野鳥)、
 ヒヨドリの籠に、ドバトの籠、
 そして……

 傷ついた鳥、
 捨てイヌ、捨てネコ、
 ときにはヤギなどを連れ、

 なんとかしてくれませんか~!

 そう言いながら、
 賭けこんでくる人間たちの相手をするのも、
 『実践』の範疇、らしゅうございます。

「むぽッ?
 うわさをォ、すればッ?」
「がるぐるる!」(←訳:誰か来たよ!)

 やって来たのは、或る女性。
 彼女が持つペット用ケージの中にいたのは……
 フェレット。

「ふぇれッとォ!」
「ぐるがるがるっ?」(←訳:それはもしやっ?)

 近年ペットとして人気があるフェレットは、
 イタチ科の動物です。
 残念ですが、不要になったからといってペットの引取りはしかねます――
 いったんは、断った先生でしたが、
 その瞬間、ハッと閃きました!

 『フェレット』イコール(ほぼ)『イタチ』!

 うん! かねてより温めていたアイディアの実証、
 つまり実験に応用できるかもしれないぞ、
 このフェレットくん!

「じじじッ、じッけんッでスかァ~?」
「がるるる!」(←訳:怖いよう!)

 怖いことはありませんし、
 動物たちを虐待するような実験でもありませんので御安心を。
 小林先生が思いついたのは、
 非常にユニークな、
 痛快とも言える前代未聞の実験なのでした。
 
 身を守る力などない子リスたちの、
 ひそかな、
 驚くべき潜在能力を明らかにするその実験とは……?

 では、動物好きな活字マニアの皆さま、
 全力で叫びましょう!

「せんせッ、せんせーッ!」
「がるるーぐるぐるるがる!」(←訳:子リスたちが、タイヘンですー!)

 生命の《ふしぎ》を探る
 にぎやかで楽しいノンフィクション騒動記、
 ぜひ一読を~♪
 
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闇夜に、フフフと忍び笑い?

2012-01-30 23:34:48 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 乾燥お天気に耐えかねて、
 アロマ機能付きの小さな加湿器を買っちゃいました~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むぱッ! しろいィゆげがァ、もくもくッ!」
「がるる!ぐるるぐるがるがるるがるがる!」(←訳:虎です!浦島太郎ごっこしたくなるぅ!)

 もくもく、ぽわぽわ……
 ついつい御伽噺を思い浮かべたくなる湯気の向こうに現われいでたるは、
 さあ、本日の一冊ですよ~!

  


 
             ―― 花咲小路四丁目の聖人 ――


 
 著者は小路幸也さん、2011年11月に発行されました。
 “アーケードマニア”“商店街マニア”さんが目にしたら
 うっとり見入ってしまいそうな表紙装画は、上杉忠弘さん!
 可愛らしい画ですね~♪♪

「むかしふゥ~のォ、しょうてんがいィッ!」
「がるるぐるがるるるる!」(←訳:懐かしい感じがするよ!)

 現代日本の、とある地方都市の、
 私鉄駅の近くに伸びるアーケードには
 『花咲小路商店街』の文字。

 この御本は、
 ちょっと寂れかけている『花咲小路商店街』を舞台に展開する、
 《ピカレスク・ロマン》――
 すなわち《悪漢小説》です!

「あわわッ、あわッ、あッかんッ?!?」
「がるぐるっ?」(←訳:悪人なのっ?)

 悪漢!ワルいやつ!
 ……といっても、実はその本性はさまざま、なんですよ。

 例えば《座頭市》シリーズ。
 バッタバッタと斬りまくる市さんは、
 たぶん悪人であり、けれど善人の要素も失っていません。

 《怪人二十面相》も、完全な悪、とは言い難いキャラさんですし、
 《鼠小僧》は、悪事と善行を同時にやってのけるタイプです。

 そして、この物語に登場する悪漢さんは
 《ルパン》シリーズの系譜に連なる御方ですから……

 《怪盗》さんですね!

「かいィとうゥッ!」
「ぐるるがるぐるがるるるるっ?」(←訳:三世ですかっおじいちゃんですかっ?)

 そうね、おじいちゃんの方、でしょうかしら。
 モーリス・ルブランさん著《アルセーヌ・リュパン》シリーズの香り漂う、
 『花咲小路商店街』の怪盗さんは、
 かつて
 《Last Gentleman-Thief“SAINT”》
 の名で知られた御仁です。
 日本語に訳するなら
 《最後の泥棒紳士“セイント”》。

 《SAINT》の特徴は、
 傷つけず、脅かさず、捕まらず。

 1950年代末~60年代、
 英国の上流階級から美術品や金品を次々と盗み出し、
 一度も捕まらぬまま、
 いつの間にか消息を絶った世紀の大泥棒。

 いまも当時の騒ぎを憶えている英国人は多く、
 TVで《SAINT》の特集が組まれたりする程です。
 が、日本では殆ど知られていないこの《泥棒紳士》さん、
 『花咲小路商店街』とは
 複雑な関係を有している御方なのでした。

 複雑といえば、
 ものがたりの語り手『私』こと矢車亜弥(やぐるま・あや)さんの心境も、
 充分に複雑です。

 小耳にはさんだ、不思議な事件。
 子どものイタズラとしか思えない、なんてことない事件だけれど……
 《SAINT》が、またやった!
 ああ、もう!
 引退して、おとなしくしていてくれたらいいのに!
 だって、《SAINT》の正体は――

「むむッ? だれでスかァッ?」
「がるるぐるっ?」(←訳:正体は誰っ?)

 《SAINT》の正体と、
 彼が今回、
 微笑みつつ企む“悪事”とは……?

 機智とユーモアに富む、
 世紀の大泥棒さんをめぐっての物語は、
 もちろん《東京バンドワゴン》シリーズ愛読者さんに
 大のおすすめ!

「おおどろぼうにはァ~ようちゅういィッ!」
「がるるぐるがるぐるるるっ!」(←訳:怪盗に惚れちゃダメだぜっ!)
 
 
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長い、長い、彼女の旅。

2012-01-29 23:02:51 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 1月最後の日曜日は……厳寒激寒の北風が吹きまくりましたね~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 たいようさんッ、もうちょッとォ、がんばッてくださいィッ!」
「ぐるるー!ぐるるがるがるがるー!」(←訳:虎ですー!お散歩にも行けないねー!)

 では、暖房器具から程よい位置に陣取って、
 始めましょう、読書タ~イム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  


 
              ―― サラの鍵 ――


 
 著者はタチアナ・ド・ロネさん、原著は2006年に、日本語版は2010年5月に発行されました。
 英原題は『Sarah’s Key』、
 ロネさんはフランス在住の作家さんですが、
 原著はフランス語ではなく英語で著述されています。
 先頃、この御本を原作とした映画も公開されましたね。

「ふむふむッ、ふらんすのォ、おはなしィ、でスねッ?」
「ぐるぐるるがるるるるがる!」(←訳:何かミステリアスな匂いがする!)

 主人公ジュリアさんは、“パリのアメリカ人”さん。
 滞仏生活は長く、フランス人の夫と、
 可愛い娘さんもいます。
 お仕事は、アメリカの週刊誌のライターで……と、
 《悲劇》や《波乱》とは無縁の生活。

 ですが、あるとき。

 ジュリアさんは知ります。
 改装作業を進めようとしている夫の一族所有のアパートに、
 長く封じられていた秘密を。

「ひみつゥ……??」
「がるぐるる?」(←訳:パリの秘密?)

 それは1942年、7月のこと。
 
 ナチス占領下のパリの街を
 何台ものバスが走っていました。
 バスに乗せられているのはパリに住む
 およそ13000人ものユダヤ人さんたち――
 
 『ヴェロドローム・ディヴェール(冬季自転車競技場)』、
 または『ヴェルディヴ』と略称されるこの一斉検挙によって
 連れ去られた人たちの多くは、
 アウシュヴィッツに送り込まれたといいます。

 走るバスの中には、少女もいました。
 彼女――サラは、
 掌に鍵を握り、
 ついさっき交わしたばかりの約束を思い出します。

 連行される寸前、
 彼女はアパートの納戸に
 弟のミシェルを隠したのでした。

  《あとでもどってきて、出してあげるからね。絶対に》

 そう約束して、
 納戸に鍵をかけ……
 けれど走るバスは、刻々と我が家から遠ざかってゆきます。
 遠くへ、遠くへ、もっと遠くへ……。

「ばすよッ、とまれッ!」
「がるるぐるぐるるがる!」(←訳:戻らなくちゃパリへ!)

 少女サラの存在を知って、
 ジュリアさんは平静でいられなくなります。
 
  サラが握りしめる、鍵。
  少女は納戸の鍵を開け、弟を救い出すことができたのだろうか……
  私は知りたい。
  いいえ、知らなければならない――

 時間と空間を超えて、
 少女サラとジュリアを結ぶ糸が
 手繰り寄せる事実、
 封印を解かれた扉の向こうに見出される風景とは……?

 読むうち、
 Mr.childrenさんの楽曲『終わりなき旅』が脳裏に鳴り響くようなこの御本は、
 フィクションではありますが、
 実際に起こった出来事を下敷きにしています。
 また、
 大戦下のパリで
 どのような悲劇がユダヤ人さんたちを襲い、
 ごく普通の人びとに癒やし難い傷を与えたのか、
 より理解したい御方には
 萩尾望都さんの作品『エッグ・スタンド』が参考になるでしょうか。

 『真っ暗闇の時代』と
 登場人物のひとりが呼ぶ、
 ヒトにヒトのこころを手放させてしまう
 《戦争》という怪物がもたらすものがたり――

「いちどォ、よんだらァ、わすれられないィ!」
「あるぐるるるっぐるぐる!」(←訳:読み始めたら、止められない!)

 すべての活字マニアさんに、おすすめです!  
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ハレの日おやつ&いつものおやつ♪

2012-01-28 23:04:38 | 美味
 こんにちは、ネーさです。
 《サロン・デュ・ショコラ》でカカオ香に包まれた一週間の終わりの、
 ほっと一息おやつは~……
 ショコラでしょう、やはり!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もふッ♪ こうきゅゥ~ちょこォ、でスかッ♪」
「がるる!ぐるるがるるぐるがるるぐるっ!」(←訳:虎です!エルメさんかなラデュレさんかなっ!)

 《サロン・デュ・ショコラ》で目立ったのは、
 フランスやベルギー他の、舶来ショコラでしたね。
 本日は、敢えて!
 日本の美味しいショコラを御紹介いたしましょう♪

 まずは、こちらの名店さんの御品から~!

  

 上の画像は(先日のレポでも使用したもので申し訳ないのですが)
 『ル ショコラ ドゥ アッシュ』さんの《クールルージュ》!

 二つの焼き菓子がセットになっていて、
 可愛いハートのパッケージは、
 いそいそと買って帰った私ネーさが、ちょっと目を離した隙に、
 見事な残骸に……!!

 犯人は判っています、ええ、判っておりますとも!

「きゃぷぷッ♪ おいしかッたでスゥ!」
「がるるぐるがるぐるるる!」(←訳:チョコ味の焼き菓子だったよ!)

 ああ、悔しい~っ!
 ……えへん、では気を取り直して、
 何とか激写に成功したこちらのショコラも、どうぞ~! 

  

 『W.Bolero(ドゥブルベ・ボレロ)』さんの
 ボンボンショコラですよ。

 5種類のハチミツを使った、
 BOX入りの《ボンボンショコラ・ミエル》(¥1.575)もおすすめなのですが、
 3ヶ入、5ヶ入、6ヶ入、などの
 小単位で販売されているボンボンショコラもあります。

 画像右側はハーブティー系のお味のショコラのセット『エルブ』、
 画像左側は
 ウーロンやジャスミンなど中国茶系のお味のショコラのセット『テ』。
 3ヶ入で¥540~と
 オトナ買いしやすいお値段も良いですわね~♪

 『ドゥブルベ・ボレロ』さんは、滋賀県守山市にお店とサロン・ド・テを持つ
 関西の名店さんです。
 関東在住のショコラマニアさんは
 この機会に渡邊雄二(わたなべ・ゆうじ)シェフパティシエさんの
 プリント模様も楽しいボンボンショコラ、
 ぜひお試しくださ~い!

「おッ!
 ネーさッ、さしいれェ、でスよゥ!」
「がるるぐるぐるるる!」(←訳:またまたチョコが来た!) 

 あららっ♪ 
 お友達からいただいちゃったこちらは……

  

 『明治製菓』さんの
 《ジンジャー&ミルク チョコレート》!
 生姜がたっぷり!なユニークなお味は
 ジンジャラーさんにおすすめしたい“いつものおやつ”でしょうか。

「しょうがァ、ぴりぴりィ!」
「がるるぐる!」(←訳:効いてるね!)

 寒い寒~い週末、
 インフルエンザや風邪の大流行が心配です。
 どうか皆さま、悪い菌から身を守って
 穏やかな休日を~!

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伝説のその人は。

2012-01-27 23:37:28 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 さあ、今日も2012ショコラニュースを!……とゆきたいところですが、
 本日は、食欲よりも読書欲~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 えェ~? ちょこれーとはァ、おあずけェでスかァ??」
「がるる!ぐるっがるるがる!」(←訳:虎です!もっとショコラを!)

 そうね、
 でも、この御本は、
 《サロン・デュ・ショコラ》誕生の地フランス・パリと
 縁深い一冊でもあるんですよ。
 なので、美食家さんも活字マニアさんも、どうぞ御一緒に~!
 
  


 
           ―― 蕩尽王、パリをゆく ――



 著者は鹿島茂さん、2011年11月に発行されました。
 『薩摩治郎八伝(さつまじろはちでん)』と副題が付されています。

「みすたー・さつまッ??」
「がるるぐるがるるぐる?」(←訳:薩摩の国のひとですか?)

 薩摩治郎八(さつま・じろはち)さん(1901~1978)は、
 名字こそ薩摩ですけれど、
 九州出身の御方ではありません。
 『バロン薩摩』とも呼称された治郎八さんは、
 近江出身の祖父を持つ、
 日本きっての大富豪さんでした。

「ばろんッ?!?」
「がるる!!」(←訳:大富豪!!)

 大富豪も大富豪、治郎八さんは、本物の大富豪さん。

 つい先日、“お金持ちのボンボン”さんの散財ぶりが、
 現代にもポケットマネー百億円をバラ撒けちゃう日本人がいるのね!と
 新聞やTVを賑わせました。
 
 が、治郎八さんは、スケールが違います。
 著者・鹿島さんによれば、

 『今日の貨幣価値にして
  二百億円とも八百億円』

 という、巨大な財産を蕩尽(とうじん)した御方なのです。

「あわわわわッ、はッぴゃくおくゥ!」
「がるるぐるるるっ!」(←訳:究極の無駄遣いっ!)

 いいえ、無駄遣いなんて、とんでもない!
 治郎八さんは、
 一見『形のないもの』にお金を注ぎ込んだようでいて、
 しかし、
 『最も後世に残る』
 お金の使い方をしたのでした。

 明治期、木綿貿易商の祖父・薩摩治兵衛(さつま・じへえ)さんが
 一代で成した巨万の富。
 三代目の御曹司・治郎八さんは、
 もっと財産を増やすんだ♪なんて思いません。
 早々に学校生活からドロップアウト。
 欧州行き旅客船上の人となって、
 到着したのは、霧のロンドン。
 時は1920年、
 治郎八さん、御年十九の冬の出来事です。

「ろんどんッ、でスかァ~♪」
「がるるぐる!」(←訳:小説みたい!)

 ロンドンで、青年紳士の体裁を整えた治郎八さんの周囲には、
 少しずつ、人脈が形成されてゆきます。
 舞姫イサドラ・ダンカンさん、
 作家コナン・ドイルさん、
 アラビアのロレンスさん……
 そうして後にはモーリス・ラヴェルさん、
 藤田嗣治さんらパリ在住の日本人アーティストさんたちと
 治郎八さんは知り合いました。

「しんじられないィ~てんかいッ!」
「がるるぐるぐるる!」(←訳:小説を超えてるよ!)

 社交界の寵児となった治郎八さんの交遊録を、
 著者・鹿島さんは探偵のように追跡し、
 《蕩尽王》の生涯を細部まで調べてゆきます。
 現代にはもう、
 いえ、これから以降も、
 二度と現れないであろう“破格のひと”の素顔を。

「これがァ、ほんもののォ、せれぶりてィ!」
「がるぐるがるっぐる……!」(←訳:むかしのヒトって……!)

 “破格のひと”は、何を得、何を残したのでしょう?
 その蕩尽は、無駄であったのか有益であったのか――

 伝説の大富豪さんの記録、
 歴史好きさんに、
 すべての活字マニアさんに、
 おすすめです!
 
 

   
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第10回記念!2012《サロン・デュ・ショコラ》レポート!続編&オマケ編♪

2012-01-26 23:32:42 | ショコラ
 こんにちは、ネーさです。
 ものみな凍る1月の朝……でも!
 ショコラマニアさんにとっては熱い季節!ですね。

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くんくんッ! きょうもォ、どこからかァ、しょこらのォかおりィッ♪」
「がるる!ぐるがるるぐるがるるるる!」(←訳:虎です!日本中でショコラが香るよ!)

 では、前回記事で予告しましたように、
 本日は第10回《サロン・デュ・ショコラ》伊勢丹新宿店での模様のオマケ編を……
 いえ、ちょっとその前に!
 《サロン・デュ・ショコラ》会場でお見かけしたショコラティエさんたちのフォトを
 御紹介させてくださいな♪

 まずは、こちらの紳士さんから!
  
  
 
 パリの『ジャン=シャルル・ロシュー』さんから、
 ジャン=シャルル・ロシューさん!
 
 お次は、こちらもパリにお店をお持ちの――

  

 『アルノー・ラエール』さんのオーナーシェフにして、
 M.O.F取得者&P・エルメさんのお弟子筋!
 アルノー・ラエールさんですよ。

 そして、こちら、
 御二方のシェフさんたちは――

  

 『オクタシアル』さんから、
 ステファン・トレアンさん(右側の御方です)!
 M.O.Fを2004年に取得、
 国際大会で世界一を獲得した作品を販売中ですよ♪

 お次の、スマイル紳士さんは――

  

 『アン・ディマンシュ・ア・パリ』さんの、
 ピエール・クリュイゼルさん!
 私が構えたカメラに気付き、微笑んでくださいました♪
 
「にほんへェ、ようこそッ!」
「がるるーぐるーるー!」(←訳:メルシーボークー!)

 他にも、
 ファブリス・ジロットさん、
 ジャン=ポール・エヴァンさん、
 クリスティーヌ・フェルベールさん……
 会場には、有名ショコラティエさん、パティシエールさんが来場しておられて、
 お願いすれば気さくにサインや
 記念写真にも応じて下さいます。
 こういったシェフさんとの交流も《サロン・デュ・ショコラ》の醍醐味ですね。

「それからァ、もォひとつゥ!」
「がるるぐるがるるるー!」(←訳:これを忘れないでー!)

 会場内のサービスカウンターでいただける
 《サロン・デュ・ショコラ》のカタログが、こちら!
 文庫本サイズの2012年版は、厚みがあります。
 内容も濃いわね!

  

 さ~ら~に!
 必須なのは、こちら(下の画像)のカタログも、ですよ!
 伊勢丹新宿店の『ショコラセレクション』カタログ!
 地下一階のインフォメーションカウンター等で貰えちゃいます♪

  

「かわいィ~おはなのォ、ひょうしィッ!」
「がるっ?ぐるっる?」(←訳:あれっ?こっちは?)

 こちらは《サロン・デュ・ショコラ》会場で配布されている
 エール・フランス/KLMオランダ航空の広報誌です。
 旅行好きさんは、ぜひ読んでみてくださいな~♪

  

 必須といえば、そうそう、こちらも!

  

 ライトブルーの表紙は
 小田急デパートさんのバレンタインカタログ!

  

 梅花をイメージ?したのは、
 Takashimayaさんの《アムール・デュ・ショコラ》カタログ!

「わおおゥッ、ちょこまみれッ!」
「ぐるるぐるがる!」(←訳:夢に出てきそう!)

 では、デパートのイベントニュースを、もうひとつ!

 伊勢丹新宿店5階のアートギャラリーでは現在、
 『草間彌生と現代アート展』が開催されています。
 草間さんのラメを用いたシルクスクリーン作品、
 四谷シモンさんのシルクスクリーン作品が素敵でした~♪
 アート好きさん、ぜひ御訪問を!

  

「ではではッ、しょこらみないのォ、みなさまッ!
 しゅうまつゥはァ~!」
「《サロン・デュ・ショコラ》へ、GO!」(←訳:がるるるぐるがるぐるる~!)

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第10回記念!2012《サロン・デュ・ショコラ》レポート!

2012-01-25 23:41:53 | ショコラ
 こんにちは、ネーさです。
 さ~あ、やってきましたよ~♪
 本日1月25日は!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むぽぽッ♪ ねんにィ、いちどのォ~!」
「がるる!ぐるぐるるがるるがるぐるー!」(←訳:虎です!ショコラの祭典が始まったよー!)

 はい、そうです!
 
 《サロン・デュ・ショコラ ~パリ発、チョコレートの祭典~》!

 日本での開催も第10回目となった記念すべきショコラのお祭りは、
 東京・新宿の伊勢丹新宿店の本館6階催物場にて、
 絶賛開催中~!!

  

「ひゃわわわッ! だいィこんざつゥでス!」
「がるるぐるー!」(←訳:行列だようー!)

 こちらは、第10回記念BOXセレクション・10ANSの売場です。
 長~い列と人の多さで、売場のケースに近付くことも困難でした。
 凝ったデザインの『セレクション・10ANS』(¥6.300)は
 14個のボンボンショコラ入りで、オリジナルストラップ付き~♪

 おや? あちらには?

  

 おお!
 『ミュゼ ドゥ ショコラ テオブラマ』の土屋さん!

「むッ! あちらにもッ!」

  

 わーお!
 『パティシエ エス コヤマ』の小山シェフさん!
 お友達と御歓談中のようですが、
 まあ、すごいっ!
 『コヤマ』のブースには本場パリのサロン・デュ・ショコラで
 《外国人部門最優秀賞》を受賞したショコラが、並んで……並んで……
 えっ?
 もう完売ですか~!

「がるるぐる!」(←訳:驚異の人気!)
 
  

 しかし、ここで!
 《エス コヤマ》ファンの方々に朗報&特報です!

 『エス コヤマ』の、こちらも大人気商品、
 《小山ロール》と
 《小山ロール マイルドショコラ》が
 26日、27日、28日、29日、の4日間に限り発売されるそうですよ!
 各日の午後4時より整理券を配布するとのお話でしたので、
 御注意下さいね!

「ふわふわッろーるゥ、おすすめェでス!」)

  

 さてこちら、次の画像は……
 滋賀県の人気店『ドゥブルベ・ボレロ』さん!
 ハチミツを使ったボンボンショコラなど、
 個性的な御品は、ルックスも可愛いわ!

  

「でざいんもォ、おしゃれッ♪」

  

「ぐるるがる~!」(←訳:カラフルだ~♪)

 同じカラフルでも、お次のショコラは―― 

  

 『ショコラ・ド・アッシュ』さんの《クールルージュ》!

 そして……んまあ! 招福だわ!とニッコリしちゃうこちらは――
 
  

 『パティスリー・ル・ポミエ』さんの
 《オメデタイ・オ・ショコラ》(¥2.310)!と、

  

 《エクレール・ドラゴン》(¥441)!

「めでたいッ?」
「がるるぐるる!」(←訳:鯛だし辰だし!)

 こっちも大人気!なのは、

  

 『セバスチャン・ブイエ』さんの
 《フルールマカリヨン》(¥1.890)や、

  

 《ルージュ ア レーブル》!

  

 リップスティックのかたちをした、
 この《ルージュ》シリーズは怖ろしいほどの売れ行きでしたよ!
 私ネーさの目の前で、
 次々と売れて、売れて、また売れて……完売しちゃったんです!

「びッくりィでス!」
「がる!」(←訳:呆然!)

 他に売れ行き好調の限定品は……

   

 『100%チョコレート』の《214スペシャル》や、

 下の画像の、
 『ファブリス・ジロット』さんの《エクセプショナル》!

  

 同じく『ジロット』さんの、青いクマちゃんたち!

  

 赤いクマちゃんたち!

  

 お次は『ジャン=ポール・エヴァン』さんの
 ヴァレンタイン向け商品ですよ♪
 
  

「ふァ~、ちょこのォ、あらしィ!」
「ぐるがるるー!」(←訳:目が回るうー!)

 ショコラの祭典《サロン・デュ・ショコラ》、
 取り急ぎのレポートはこれくらいにいたしましょうか。
 次回は《オマケ編》をお送りいたします~♪

「しょこらまにあさんッ、たのしィ~おかいものをッ!」
「ぐるっがるっ!」(←訳:グッドラック!)

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虹のトップ・オブ・トップ!

2012-01-24 23:30:26 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 ふはぁ~、今が夏!の南半球が羨ましくなっちゃう雪と寒波ですね。
 その南半球・オーストラリアで開催されていたロードレース2012プロツアー第一戦
 『ツアー・ダウンアンダー』は無事閉幕!
 ときに気温40℃を超える過酷な環境で
 みごと総合優勝を遂げたのはサイモン・ゲランスさん!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 げらんすゥおにいさんッ、おめでとゥございまスゥ!」
「がるる!ぐるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!祝!地元の星!)

 ええ、オーストラリア人のゲランスさんは、
 地元オーストラリアで初のプロチーム『グリーンエッジ』の選手さん!
 母国とチームにとっては非常に喜ばしい結果となりました♪
 そこで本日の読書タイムは、
 自転車競技のシーズン到来を祝し、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  


 
            ―― マーク・カヴェンディッシュ ――


 
 著者はマーク・カヴェンディッシュさん、原著は2009年に、日本語版は2012年1月に発行されました。
 原題は『BOY RACER by MARK CAVENDISH』、
 2012年現在、最も注目される、いえ、最も注目すべきプロ自転車競技選手である
 マーク・カヴェンディッシュさんが
 自身の半生を綴った一冊です。

 この御本の、表紙写真でいうと……

「どれッどれッ??」
「ぐるるがるがるる~?」(←訳:大勢写ってるよ~?)

 何人もの選手が写っている表紙写真の、
 いちばん左側――
 赤と青を基調にしたウェアを着けているのが、
 マーク・カヴェンディッシュさんです。

 この写真は、2011年9月の世界選手権の時のもの。
 マークさんは、英王室属国マン島の出身ですので、
 英国チームの一員として、
 ユニオンジャックの色の代表ジャージで
 男子エリートロードレース部門に出場、
 エースの重責に屈することなく、
 国家の栄誉と威信を賭けたプロジェクトを成功させました。
 すなわち、
 優勝!

 世界ナンバーワンロードレース選手の座に就いたのです!

「すごいィれーすゥ、でしたでスッ!」
「ぐるるがるがるるがるる!」(←訳:最後の追い込みは凄かったよね!)

 自転車競技選手として
 誰もがその名を聞いたことがあるアスリートは、というと、やはり、
 ランス・アームストロングさん、でしょうか。

 しかし、マークさんは、
 ランスさんとは全く異なるタイプの競技者です。

 ランスさんは『オールラウンダー』と呼ばれる、
 平地で早い・山岳でも強い・タイムトライアルも上々!なタイプ。

 対してマークさんは、
 平地ではまあまあ・山岳はズタボロ・タイムトライアルは……う~ん?な、
 けれど、
 レース終盤での先頭争いでは爆発的な脚力をもって
 トップでゴールに飛び込む
 『スプリンター』と呼ばれるタイプの選手です。

「それがァ、せかいいちィのォ、ひけつゥ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:なんという瞬発力!)

 この御本には、
 自転車競技を始めた少年時代からプロ選手になるまでの日々の回想と、
 2008年のツール・ド・フランスでの各ステージの模様が
 記されています。

 総合優勝を狙う選手たちとは一味もふた味も違う、
 『スプリンター』マークさんは
 どうやって戦うのか?
 トップでゴールするとき、彼は何を思っているのか――

 自転車競技に興味がない方々には、
 ちーっとも面白くないわと言われちゃう御本、かもしれません。
 でも!
 今年2012年は、オリンピックイヤーです!
 しかも、開催国は英国!
 ロンドンで、マークさんは金メダルを摑み取ることが出来るのでしょうか?
 オリンピック期間中は間違いなく、
 英国中がその話題でもちきりになりますよ!

「らいばるさんたちもォ、だまッてませんよゥ!」
「がるぐるがるるるがる~!」(←訳:壮絶な争いになりそう~!)

 日本の選手さんたちだって、負けてません!
 2月上旬にはクアランプールでアジア選手権が行われます!
 いよいよ、シーズンは頂点のツール・ド・フランスへ、
 そしてオリンピックに向けて走り出しました。
 自転車競技ファンさんは、マークさんの半生記を、ぜひ!
 ロードレースファン初心者の方々も
 頑張る選手さんたちの活躍を見守って下さいねー!
 
 
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伝奇なら、コレです!

2012-01-23 23:35:17 | ブックス
「きゃぴィーッ!
 ゆきィでス! ゆきがァ、ふッてるでスよゥ!
 こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!」
「がるる!ぐるぐるがるっ?」(←訳:虎です!積もるのかなっ?)

 こんにちは、ネーさです。
 1月23日夜現在……降っております、ここ東京・八王子に雪が!
 積もるかどうかは分かりませんが、
 皆さま、明日24日朝の路面凍結に御注意下さい~!

「あしもとォ、ごようじんッでスよッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:安全第一で!)

 安全第一!なのは、
 こちらの御本でも言えることでしょうか。
 危険!冒険!大ピンチ!と背中合わせな、
 イノチ懸け読書タイムを、さあ、どうぞ~!

   

 
                ―― 髑髏城の花嫁 ――


 
 著者は田中芳樹さん、2011年10月に発行されました。
 『Victorian Horror Adventures 2  The Bride of the Castle Skull』と英題名が付されています。
 以前に御紹介いたしました『月蝕島の魔物』に続く、
 ヴィクトリア朝の英国を舞台とする伝奇冒険物語のシリーズ第二弾ですよ~♪

「おおッ! まッてましたでス!」
「がるる!ぐるぐるるがるーる!」(←訳:19世紀!ホームズさんの時代だ!)

 ガス灯と、蒸気機関の時代、ヴィクトリアン。
 ガスの燈火も
 石炭で走る汽車や汽船も
 当時は最先端であったものですが、
 今は殆ど目にする機会すらありません。

 同じように、
 19世紀にはメジャーだったのに、
 現在は廃れてしまったのが、
 『貸本業』。

「ほんをォ、かしちゃうのでスかッ?」
「ぐるるがるるるがる!」(←訳:21世紀には無いね!)

 そのむかし、書籍は《特別なもの》でした。
 皮革で装丁され、
 背には金で題名が印字され、
 挿絵は細密な手彩色画、
 蔵書票は持ち主を表し……と、
 どれをとっても上流階級の香りがいたします。

 一部のお金持ちだけが所有できる――それが、本。

 ヴィクトリア朝の『貸本業』は、
 そんな“本を所有する仕組み”を変えようとしていました。
 
「おかねもちじゃなくてもォ~」
「がるるぐるぐるる~♪」(←訳:書物を読めちゃう~♪)

 実際には『貸本業』は、
 書籍に関係するあらゆる“手配”を行う仕事、だったようです。
 
 売りに出された書物を買い上げる、
 所有者の依頼を受けて書物を売りに出す、
 あるいは、
 新しく書斎を作るお金持ちさんのために
 お好みの書物をン千冊と集めてみせる――

 ロンドンの『ミューザー良書倶楽部(セレクト・ライブラリー)』にも
 豪勢な依頼が飛び込んできて、
 社長さんは大喜び♪

 フェアファクス伯爵家の新当主さまが
 図書室の内装を一新し、
 書棚も新しくして、
 最上質の書物三千冊を揃えてほしいと注文を寄越したのですから、

「びッぐゥ~びじねすゥ!」
「ぐるぐるるるがる!」(←訳:張り切っちゃうよね!)

 大仕事を担当することになったのは、
 まだ若いエドモンド・ニーダムさんと、
 ニーダムさんの姪御さんで
 さらにお若いメープル・コンウェイさん。

 若い叔父&姪のコンビは、
 第九代フェアファクス伯爵の御邸へ
 勇んで向かいますが、
 そこで彼らを出迎えたのは
 期待と、そして……疑惑?

「おかしなァ、ふんいきィでスよッ??」
「ぐるがるがるるる!」(←訳:雲行きがヘンだね!)

 ロンドンに始まった冒険は、
 フェアファクス家の領地へ波及いたします。
 壮大なマナーハウスで
 ニーダムさんとメープルさんが出会う大冒険とは……?

 病気のため療養なさっていたという著者・田中さんの、
 この御本は、いわば復帰宣言作品!
 シリーズ再開を待ち焦がれていたファンにとっては
 と~っても嬉しい一冊です!
 SF&ファンタジー好きさん、
 少年探偵団風の物語が好き!という御方、
 エンタで元気なな冒険モノ大好き!という御方に、
 おすすめですよ!

「さしえもォ、かわゆいィッ♪」
「ぐるるるるがるがるるー!」(←訳:歴史にもどっぷり浸れますー!)
 

  
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キジの救い手。

2012-01-22 23:38:07 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日1月22日は私どもの地元・東京八王子の市長選挙の日!
 寒~い中、いちばんガンバってくださったのは……
 各投票所のスタッフさんたちでしたね!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みなさまァ、おつかれさまでしたでス!」
「がるる!ぐるがるるるぐるぐるる!」(←訳:虎です!朝からたいへんでした!)

 お役所関係のお仕事は何につけタイヘンなものですが、
 遠い異国でも、事情は大差ないらしゅうございますよ。
 さあ、本日の読書タイムは、
 2011年の翻訳ミステリジャンルでも話題になったこちらの御本を、どうぞ~!

  


 
          ―― 特捜部Q ―キジ殺し― ――


 
 著者はユッシ・エーズラ・オールスンさん、
 原著は2008年に、画像の日本版は2011年11月に発行されました。
 大評判を呼び、
 2011ミステリ本ランキングの上位に食い込んだ
 オールスンさん著『特捜部Q ―檻の中の女―』に続くシリーズ第二作です。

「ふァいッ!
 テディちゃ、おぼえてェまス!
 でんまーくのォ、おじちゃんッ、なのでスゥ!」
「がるぐるる~ぐるがる!」(←訳:ひねくれ者で、切れ者で!)
 
 ひねくれ者であるために、
 通常の捜査課から、
 『特捜部Q』などという、
 新設の部署に追い出されてしまったコペンハーゲン署の刑事カール・マークさん。

 いかなる幸運か偶然か、
 いえいえ、カール・マークさんのこれこそが底力!であったのか、
 なんと、
 始動して間もない『特捜部Q』は
 迷宮入り状態になっていた事件を解決してしまいました。
 
 それが気の弛みとなったのか、
 三週間の夏の休暇から戻ってみると……
 おや?
 次に手掛けようとしていた事件の資料は?

「ふぴゃッ? なくなッてるでスよゥ?」
「ぐるがるるるがるる~?」(←訳:どこ行っちゃったの~?)

 でもって、この、
 別の古い事件の資料の束は何なんだ?

 助手のアサドさんに勧められ、
 とりあえず資料に目を通してみたカール・マークさんでしたが、
 やがて奇妙な点に気付きます。
 
  解決済み。
  犯人は犯行を自供し、
  逮捕・収監されていて、
  無罪を訴えているわけでもなく、
  刑務所で従順に服役中。

 ……これのどこに『特捜部Q』の出る幕がある?

「なさそうゥでス!」
「がる!」(←訳:だね!)

 いえいえ、もちろん、出る幕はあったのですよ。
 資料の中に、カール・マークさんは見つけます。
 解決されていない疑問を。
 不審の数々を。
 
 いや、それでも、
 未解決の事件は他にも、
 机の上に山となっている。
 犯人が逮捕されているこの事件より、
 別の未解決事件に取り組むべきなんじゃないのか、俺は?

「うむむゥ、そうともォ、いえまスゥ~」
「がるるぐるぐる~」(←訳:困難な選択だね~)

  もう止めようか――

 戸惑うカール・マークさんの背を押すのは、
 助手アサドさんの悲鳴にも似た言葉です。

  理解できません。
  だって、今、被害者のために何かできるのは
  私たちだけじゃありませんか。
 
 カール・マークさんを動かす言葉。
 そして、私たち読み手の心をも動かすことば。
 アサドさんのこの言葉はまた、
 すべてのミステリ愛好家の想いにも繋がります。
 悪を、赦すな。
 悪を、見逃すな。
 悪を、野に放ってはいけない。
 たとえ、ものがたりの中であっても――

 そう、これはやはり、
 『特捜部Q』が扱うべき案件だったのでした。

 特捜部付きの新人秘書ローセさん、
 警察署の捜査課長さんたち、
 こき使える人員は皆こき使って、
 カール・マークさんは邁進します。
 解決済みのはずの、
 古ぼけた事件の中心へ――

「はんにんはァ、どこォでスかッ」
「がるぐるるがるるるっ」(←訳:危険な匂いがするよっ)

 今回も、著者・オールスンさんの手腕は冴えます!
 未読の御方は、
 先ずはシリーズ一作目の『特捜部Q ―檻の中の女―』を、
 その次にこちらの『キジ殺し』をお読み下さいね。
 ますます面白くなってくる北欧ミステリから、
 目が離せませんよ~!

 
 
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