♪ブォ~ッ、ブオオ~…
♫ブオォ~ン……
新年の始まりを嘉する新春特別企画も
そろそろゴールが見えてまいりました。
クマたちの毛並みを震わせる重低音は、
ロンドンの鐘……ではなくて、
港町サウザンプトン名物の
霧笛の響きです。
「どのォふねだろうゥ??」
名探偵テディちゃムズは
港に接岸中の船舶を見比べました。
背後の即席コンテナの内部には、
動物学者チャレンジャー教授が
南米から連れてきた先史時代の生物、
ロンドン市民を恐怖のどん底へ突き落した
《怪物》くんが隠れています。
《怪物》くんを、
ひっそり、こっそり、
アマゾンの奥地へ運んでくれる
貨物船は……?
「あれか?」
「がるる!」(←訳:あれだ!)
名探偵テディちゃムズの盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士と、
友人の虎くんは唱和しました。
港の端で、
《エスメラルダⅡ》
と船腹に記された大型の貨物船は、
出港準備の真っ最中です。
そして、甲板の木箱には、
“マナウス行き“の荷札が。
「はいっ、書類ですっ!」
準備してきた書類を、
ウシくんが港の税関と検疫所に提出して、
ハンコをビシバシ捺してもらいました。
ええ、マイクマフトお兄ちゃんの仕事に
抜かりはありません、
すべてのゲートをパスして、
《怪物》くんのコンテナは、
貨物船の甲板前方へ。
気の優しそうな船員さんに、
オレンジのタネが詰まった小袋を渡し、
世話をしてくれるよう頼めば。
出港を告げる、
汽笛一声!
「たッしゃでェ、くらすんだよゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:元気でね!)
「あうあうぅ~」
あらら、ユキノジョン・H・ワトソン博士ってば、
別れの涙で鼻周りがべそべそですよ。
のちに判明したところでは、
《怪物》くん、
オレンジのタネ100個を平らげたあたりで
コンテナの壁を破り、
大西洋上を悠々と飛翔、
西南の方角へ消えていった……
とのことでございます。
「めでたしィ~めでたしィ!」
さあ、騒動にもケリがつきました。
『怪物ハ英国ヲ去リ、万事解決ス』
とロンドン市長宛ての電報を打ったら、
ベーカー街の下宿に帰りましょう。
新年の御馳走で、
お腹をいっぱいにしようじゃありませんか♪
「そういうゥわけでェ~」
はい、あらためまして、
名探偵テディちゃムズからの御挨拶を。
「みなさまッ、どうかァ、ほんねんもォ~」
「がるるるぐるるるる~る!」(←訳:よろしくお願いしま~す)
~ 完 ~
♫ブオォ~ン……
新年の始まりを嘉する新春特別企画も
そろそろゴールが見えてまいりました。
クマたちの毛並みを震わせる重低音は、
ロンドンの鐘……ではなくて、
港町サウザンプトン名物の
霧笛の響きです。
「どのォふねだろうゥ??」
名探偵テディちゃムズは
港に接岸中の船舶を見比べました。
背後の即席コンテナの内部には、
動物学者チャレンジャー教授が
南米から連れてきた先史時代の生物、
ロンドン市民を恐怖のどん底へ突き落した
《怪物》くんが隠れています。
《怪物》くんを、
ひっそり、こっそり、
アマゾンの奥地へ運んでくれる
貨物船は……?
「あれか?」
「がるる!」(←訳:あれだ!)
名探偵テディちゃムズの盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士と、
友人の虎くんは唱和しました。
港の端で、
《エスメラルダⅡ》
と船腹に記された大型の貨物船は、
出港準備の真っ最中です。
そして、甲板の木箱には、
“マナウス行き“の荷札が。
「はいっ、書類ですっ!」
準備してきた書類を、
ウシくんが港の税関と検疫所に提出して、
ハンコをビシバシ捺してもらいました。
ええ、マイクマフトお兄ちゃんの仕事に
抜かりはありません、
すべてのゲートをパスして、
《怪物》くんのコンテナは、
貨物船の甲板前方へ。
気の優しそうな船員さんに、
オレンジのタネが詰まった小袋を渡し、
世話をしてくれるよう頼めば。
出港を告げる、
汽笛一声!
「たッしゃでェ、くらすんだよゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:元気でね!)
「あうあうぅ~」
あらら、ユキノジョン・H・ワトソン博士ってば、
別れの涙で鼻周りがべそべそですよ。
のちに判明したところでは、
《怪物》くん、
オレンジのタネ100個を平らげたあたりで
コンテナの壁を破り、
大西洋上を悠々と飛翔、
西南の方角へ消えていった……
とのことでございます。
「めでたしィ~めでたしィ!」
さあ、騒動にもケリがつきました。
『怪物ハ英国ヲ去リ、万事解決ス』
とロンドン市長宛ての電報を打ったら、
ベーカー街の下宿に帰りましょう。
新年の御馳走で、
お腹をいっぱいにしようじゃありませんか♪
「そういうゥわけでェ~」
はい、あらためまして、
名探偵テディちゃムズからの御挨拶を。
「みなさまッ、どうかァ、ほんねんもォ~」
「がるるるぐるるるる~る!」(←訳:よろしくお願いしま~す)
~ 完 ~