テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 羽毛も、ウロコも、夢を見る。 ~

2023-05-31 22:06:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむッ! これはァ、いいかもォ~!」

「がるる!ぐるるぅ!」(←訳:虎です!寒天かぁ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨日『マツコの知らない世界』で拝見したのは、

 寒天やアガーで作ったコーヒーゼリーでした。

 新食感ゼリーを試作してみようかなぁと思案しつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 動物たちが夢を見るとき ――

 

 

 著者はデイヴィッド・ピーニャ=グズマンさん、

 原著は2019年に、日本語版は2023年3月に発行されました。

 英語原題は『WHEN ANIMALS DREAM』、

 『動物意識の秘められた世界』と日本語副題が付されています。

 

「たこッ?」

「ぐるがるるる~?」(←訳:タコだよねえ~?)

 

 御本の表紙に描かれているのは、ええ、そう、

 タコくんです。

 

 この、国や文化によっては

 『悪魔』呼ばわりされることもあるタコくんが、

 御本冒頭の『はじめに 眠りの最前線』で

 さっそく私たち読み手を驚かせてくれますよ。

 

 米国の公共放送サービスPBSの長寿番組『ネイチャー』の、

 或る放送回で特集されたのは、

 タコの内面生活。

 

 生物学者さんが飼っているタコのハイジさんを

 じっくりたっぷり観察する内容だったのですけれど、

 番組の終盤でびっくりしてしまう映像が……!

 

「えッ? えええッ?」

「がるるぐるっ!」(←訳:何なのこれっ!)

 

 カメラが捉えたのは、

 水槽の中で眠っているハイジさんの姿。

 

 その肌の色が、

 ふと変わってゆくのです。

 明るい色に。

 さまざまなパターンに。

 

 これは……

 タコが夢を見ているのか?

 ハイジさんが眠りの中で夢を見て、

 身体の色が変化した、ということ?

 

「どんなゆめェ、なんだろうゥ?」

「ぐるるがるるる!」(←訳:訊いてみたいね!)

 

 動物は夢を見るのか。

 

 このことは、19世紀後半あたりから

 科学界では話題になってきました。

 犬たちは、眠りながら尻尾や脚を動かし、

 唸ったり吠えたりもする。

 鳥たちも、

 眠りの中で歌をリハーサルしているらしい?

 チンパンジーも、ネコも、

 睡眠中に何かの行動をしている?

 

 否定と肯定のせめぎ合いを経て、

 現在、ある程度の事実が判明するに到りました。

 

 哺乳類は、夢を見ている。

 

 鳥類と魚類も、夢を見ている可能性が高い。

 

 トカゲやイグアナなどの爬虫類も

 たぶん夢を見ている(ワニとカメは未定)。

 

「とかげッ? いぐあなッ??」

「がるるるぐる??」(←訳:爬虫類も夢を??)

 

 人間が見る夢と

 動物たちが見る夢に

 共通点はあるのだろうか。

 動物たちは《想像力》を持っているのだろうか。

 夢を見ることは、

 動物たちに何をもたらすのか。

 

 夢の中で、現実で、

 動物たちにとって、

 人間とは、

 世界とは、

 どのような存在であるのか――

 

「それはァ、もはやッ」

「ぐるるる!」(←訳:生命の謎!)

 

 第1章の冒頭には

 チャールズ・ダーウィンさんの言葉が掲げられています。

 

  『犬も猫も鳥も、

   そしておそらくあらゆる高等動物が、鳥さえも、

   鮮やかな夢を見ている。……そうした動物たちが

   想像の力を持っていることを

   私たちは認める必要があろう』

 

 ダーウィンさんの時代から100年余、

 生きものと夢の解析は

 どのように進んできたのかを考察する労作は、

 ノンフィクション好きな活字マニアさんにおすすめです。

 動物好きな方々も、ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ 或る日、シッポがふたつに分かれたら。 ~

2023-05-30 22:04:46 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 まッしろォぱんだちゃんッ、かわいいィ~!」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!ホントに白いよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 先日公開された白いパンダちゃんの映像は衝撃的でした。

 シロクマとは明らかに違う体型、動き、表情……

 色が白いと苦労も多いのかしら、

 でも健やかに暮らしておくれと願いつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 猫君 ――

 

 

 著者は畠中恵(はたけなか・めぐみ)さん、

 単行本は2020年に、画像の文庫版は2023年2月に発行されました。

 『猫君』は『ねこぎみ』とお読みくださいね。

 

「やややッ、たいへんッ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:尻尾がふたつに!)

 

 もしも、ニャンコの尻尾が

 ふたつに分かれていたら――

 それは、猫又(ねこまた)。

 

 愛猫家さんたちはよく御存知ですよね、

 ニャンコが長生きして、

 その齢(よわい)が二十を超えると、

 妖怪・猫又(ねこまた)になる。

 尻尾の先がふたつに分かれているのは、

 猫又であるしるし。

 

「げんだいィならァ、だいかんげいィ!」

「がるるるぐる!」(←訳:めでたや長寿!)

 

 現代の愛猫家さんは、

 猫又でもなんでもいいわ!

 うちの子が健康で長生きしてくれるんなら、

 もう大歓迎しちゃう~!

 というノリでしょうけれど、

 お江戸の時代は――

 

 猫又、NO!

 

「ちぇッ!」

「ぐる!」(←訳:ケチ!)

 

 毛色は、茶トラ。

 金目銀目の、いわゆるオッドアイ。

 雄猫の、みかん ちゃんは、もうすぐ20歳になろうとしています。

 

 飼い主のお香(こう)さんに可愛がられ、

 猫まんまも、鰹節もたっぷりもらって、

 冬は火鉢の傍に置いてくれて、

 みかんちゃんはこうして長生き出来ました。

 

 しかし……お香さんは心配しています。

 あたしはもう、長くない。

 気がかりなのは、みかんの今後。

 みかんが猫又になったら、

 いままで親切にしてくれた近所の衆も、

 みかんを苛め、石を投げるんじゃなかろうか。

 

「うッ……それはァ~」

「がるるるる!」(←訳:有り得るよ!)

 

 悲しいことに、

 お香さんの心配は現実のものとなってしまいました。

 或る日、お香さんが亡くなるや、

 仲良くしていた人間たちは豹変し、

 アイツだ!長生きした猫のせいだ!

 と、みかんちゃんを追い回し始めます。

 

 当然ながら、みかんちゃんは逃げます。

 逃げて逃げて、逃げ込んだのは――

 

 他の猫又たちのところ?

 

「あわわわッ、ねこまたァ??」

「ぐるるるがる~??」(←訳:こんなに大勢~??)

 

 驚き桃の木山椒の木。

 なんと、お江戸の町には既に、

 大勢の猫又たちが暮らしていて、

 猫又独自の拠点も作られていたんです。

 

 拠点の一つに保護されたみかんちゃんは、

 新米猫又のための学問所

 《猫宿(ねこやど》に入学したのですが、

 そこでヒソヒソと囁かれていたのは、

 怪し~い噂。

 

「くるよッ!」

「がるるぐる!」(←訳:猫君が来る!)

 

 偉大なる、『猫君』。

 

 伝説の存在『猫君』が再来すると、

 お江戸の猫又界は沸きかえっているんです。

 となれば、噂を聞きつけたみかんちゃんと仲間の猫又たちも、

 『猫君』探しに乗り出さざるを得ませんよね。

 

「それはァ、ごようじんッ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:危険な香りが!)

 

 猫又たちの思惑、人間の思惑。

 困難をくぐり抜け、

 みかんちゃんたちは『猫君』に出会えるのでしょうか。

 

 のどかで陽気なお江戸猫又ファンタジーは、

 ニャンコ大好きな方々に激おすすめですよ。

 うちの子も必ずや猫又に!と鰹節を握りしめながら、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ 《アルフォンス・ミュシャ 展》プチレポ ~

2023-05-29 22:05:50 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わほゥ! にぎわッてまスよゥ~!」

「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!盛況だね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 本日は読書をサボり、

 私たちの地元・八王子市の八王子市夢美術館にて開催中の

 《アルフォンス・ミュシャ展》に行ってまいりましたので、

 アートレポをお送りいたしますよ。

 さあ、こちらを、どうぞ~♪ 

  

 アールヌーヴォーを代表する画家、

 アルフォンス・マリア・ミュシャ(ALFONS MARIA MUCHA)さん(1860~1939)。

 

 この展覧会では、

 ミュシャさんが名声を獲得したパリ時代のポスター画から、

 チェコに帰国した後の絵画など、

 ミュシャさんのさまざまな作品が紹介されています。

  

「ひゃあッ! はなやかァ~!」

「ぐるがるるるぅる!」(←訳:目を奪われちゃう!)

  

 パリ時代の作品は、とにかくもう細密で華やかで、

 若く、まだ無名だったミュシャさんが

 “持てるすべてを注ぎ込んだ“ような気魄が感じられます。

  

 ミュシャさんに名声をもたらした

 サラ・ベルナールさん主演の演劇ポスターは、

 大型の作品に並んで、

 ↑上のような小型化された作品の展示もありました。

  

 ↑こちらの商業ポスターも、ミュシャさんらしさがはっきり窺えますね。

 ミュシャさん、連作というか、

 4枚で1組のシリーズ作を数多く描いています。

  

 ↑こちらは、ちょっとロートレックさん風?

  

 制作過程がよく分かる展示もありました。

 ↑こういった下絵が……

  

 ↑こんなポスター作品になって、さらには……

  

 ↑こういうポストカード製品になったりします。

 

 また、あまり知られていませんが、

 ミュシャさんは書籍の装丁や挿絵のお仕事が好きだったようです。

  

 演劇のポスター画でブレイクするよりも前、

 ミュシャさんが高く評価されたのは書籍デザイン分野のお仕事でした。

  

 ブレイク後も、ミュシャさんは書籍のお仕事を止めず、

 米国へ旅した際は、雑誌の表紙画なども描いています。

 会場には、グラフィックデザインやフォントの見本集というべき

 『装飾資料集』も展示されていましたよ。

  

 書籍関連の他に、ミュシャさんがデザインを担ったのは――

  

 ↑母国チェコの紙幣や、

  

 ↑切手も!

「こまかァ~いィ!」

「がるるるぐる!」(←訳:きれいな発色!)

  

 ↑こちらは雑誌に掲載された挿絵で、

 左側の人物がアトリエのミュシャさんなのだとか。

 

「そしてェ、しんはッけんッ!」

「ぐるる~!」(←訳:新説だ~!)

 

 ミュシャさんがサラ・ベルナールさんのポスター画家に起用されたのは、

 印刷所の画家さんたちがクリスマス期間のお休みに入っていて、

 ミュシャさんの他に人材がいなかったから、

 という”伝説“は広く知れ渡っています。

 けれど実は、

 ポスター制作はクリスマスの前にもう始まっていたらしいと、

 展示作品の解説に書かれていました。

 

「ふううむゥ!」

「がるるる??」(←訳:そうなの??)

 

 偶然や奇跡ではなかった――

 サラ・ベルナールさんはミュシャさんの仕事ぶりを知っていて、

 彼の才能をきちんと認め、将来性を評価して

 ポスター制作を発注した可能性が高い、ということでしょうか。

 はたして、真相は……?

  

 ↑美術館のロビーには『スラブ叙事詩』の複製タペストリーも展示されていました。

 

 展覧会の会期は、6月4日まで。

 会場内では写真撮影OK!となっています(フラッシュは不可)。

 ミュシャさんのファンの方々は、

 ぜひ、八王子市の夢美術館へお出掛けくださいね~♪

 

 

  

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~ “無知”をチカラに。 ~

2023-05-28 22:05:00 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わァおッ! めでたいィ~!」

「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!祝受賞~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 役所広司さんがカンヌ映画祭で男優賞を受賞!

 是枝裕和監督は脚本賞を受賞!

 嬉しい報せに全力で拍手を送りながら(フランスへ届け~!)

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、映像化切望!なコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 銀太郎さんお頼み申す 2 ――

 

 

 著者は東村アキコ(ひがしむら・あきこ)さん、

 2023年5月に発行されました。

 着物好きな方々に大人気の《銀太郎さん》シリーズ第2作は、

 なかなかのセンセーショナルっぷり?

 

「がんばッてェ、さとりちゃんッ!」

「ぐるがるるる~!」(←訳:沼を衝き進め~!)

 

 岩下さとりちゃん、25歳。

 

 新宿のコーヒーショップでアルバイトをしている

 さとりちゃんが《着物》に目覚めたきっかけは、

 或るお客さまの存在でした。

 

 すっきりとした和装の、美しいひと。

 所作も、言葉遣いも、あでやかで洗練されていて、

 ああ、いいなあ……すてきだなあ……。

 

「あこがれのォひとォ、でスねッ!」

「がるるる?」(←訳:お名前は?)

 

 美しいひとのお名前は、

 銀太郎(ぎんたろう)さん。

 

 かつて祇園で芸妓さんをしていたという銀太郎さん、

 和装のあれやこれやを知り尽くしています。

 銀太郎さんに憧れるさとりちゃん、

 必然的に《和》――日本文化の世界へ

 踏み入ってゆくことになるのですが……。

 

「これがァ~びッくりィ?」

「ぐるがる!」(←訳:呆然啞然!)

 

 銀太郎さんがごく自然に持っている《和》の知識に、

 さとりちゃんは全く馴染みがありません。

 

 肌ジョバンニ?(→正解は肌襦袢)

 雪?(→正解は裄(ゆき))

 この漢字どう読むんだろう……筏?(→正解は『いかだ』)

 友禅流しって?

 しつけ糸って?

 

「ううゥ~むゥ、これはァ~…」

「がるぐる……」(←訳:重症かも……)

 

 いえ、私たち、さとりちゃんのことを

 笑ったりバカにしたりは出来ないのです。

 

 私ネーさ、お裁縫に関して少しだけ知っていて、

 歴史や美術が好きなので、

 しつけ糸や友禅流しという単語に、

 ああ、あれね、と頷くことが可能なんですけれども、

 そうでなかったら《?》の連打でしょう。

 

 現代の日本では、こうしている今も

 とにかく怖ろしいスピードで

 《和》の文物が少数派になっていっているんですから。

 

「さとりちゃんッ、ふァいとォ!」

「ぐるるがる~!」(←訳:時代に抗え~!)

 

 ”現代の戦い方”で、さとりちゃんは抗います。

 分からない単語・用語はネット検索。

 着付けの手順は、動画サイトで。

 

 そうして、

 未知を、知に。

 自分の中に組み立ててゆく。

 

「かッこいいよゥ、さとりちゃんッ!」

「がるるぐるる~!」(←訳:元気にゆこう~!)

 

 この2巻では、

 さとりちゃんの挑戦と並行して、

 銀太郎さんの物語も明かされてゆきます。

 ”美しいひと”の過去とは、

 はたして……?

 

 冒頭でも申し上げたように、

 読み進むにつれ、

 映像化して欲しい!の思いが強くなってくる快作です。

 NHKの夜ドラあたりで制作して!

 いやその前に早く続きを、3巻を読みたい!

 とハラハラそわそわしつつ、

 コミック好きな方々も歴史好きな活字マニアさんも、

 ぜひ、書店さんのコミック新刊コーナーで探してみてくださいな~♪

 

 

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~ 絵の具が生み出す《古生物》たち ~

2023-05-27 22:02:44 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おおゥ! じゅらしッくゥ~!」

「がるる!ぐるるるがっるる!」(←訳:虎です!偉大なるレックス!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 科学博物館などで毎夏の恒例となっているのは、

 恐竜をテーマにした展覧会……ですが、

 今年は変わりダネがやって来ましたよ。

 さあ、本日は読書をサボって、

 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 特別展 恐竜図鑑 ――

 

 

 東京・上野の上野の森美術館にて、

 会期は2023年5月31日~7月22日(会期中無休)、

 『失われた世界の想像 / 創造』と副題が付されています。

 

「あはァ! たてながッ!」

「ぐるぅ~!」(←訳:迫力ぅ~!)

  

 縦に長~い形の、珍しいデザインのチラシ(フライヤー)画像を眺めて、

 おや……?

 と首を傾げている方々もおられましょうか。

 

 ええ、そうなんです。

 近年の恐竜展のポスターやチラシは、

 写真か、CGなどの合成画像が主流ですけれども。

 

 今回の主役は、

 ”絵の具と筆で描かれた”恐竜さんたちですよ。

 

 ↑上の画像は、

 ズデニェク・ブリアンさん作《タルボサウルス・バタール》

 (1970年制作 / 油彩 / モラヴィア博物館蔵)。

 

 ブリアンさんは、

 《パレオアート(古生物美術)》の巨匠といわれる画家さんです。

 

「こせいぶつゥびじゅつゥ?」

「がるるるぐるる~!」(←訳:未知なる世界だ~!)

  

 この展覧会では、《古生物美術》のもう一人の巨匠

 チャールズ・R・ナイトさんの作品や、

 19世紀に描かれた恐竜画を復元したもの、

 現代の恐竜画作家さんの作品約150点が展示されます。

  

 《パレオアート》とは、

 《古生物美術》であり、

 《古生物復元画》であり、

 《恐竜美術》――

 

 アーティストさんたちが想像力を駆使して創りあげた

 ”古代を描く”特別展へ、

 皆さま、ぜひ、お出掛けしてみてくださいな♪

 

 

 

   では、ここでオマケ画像も……ポンと!

   

   FMヨコハマさんのプレゼント企画でいただいたのは、

   『ツムラ』さんの

   《ツムラのくすり湯 バスハーブ》です。

   Fヨコさん、ありがとうございます!

   「このォ、かおりィはァ~…」

   「ぐるる!」(←訳:漢方だ!)

   箱を手にしているだけで、

   生薬の強烈な香りが漂ってきますね。

   「ききめェありそうゥ!」

   「がるるぐるる~!」(←訳:開封が楽しみ~!)

   お風呂でホッとリラックスしながら、

   皆さま、どうか穏やかな休日を♪ 

   

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~ 地図を、たよりに。 ~

2023-05-26 22:01:07 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ……あいつゥがァ、くるゥ~…!」

「がるる!ぐるるがるる……!」(←訳:虎です!梅雨の気配だ……!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 庭のあちこちで白と紫のホタルブクロが一斉に咲き始めて、

 これは近々梅雨入りのサインですね。

 レインシューズはどこだっけ~と探し物をしたあとは、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの絵本作品を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― ぼくはいったいどこにいるんだ ――

 

 

 著者はヨシタケシンスケさん、2023年3月に発行されました。

 『りんごかもしれない』『あるかしら書店』

 『それしかないわけないでしょう』などなど、

 数々の人気絵本を世に送り出してきたヨシタケさんの

 最新作は……

 

 《地図》がテーマ?

 

「ちずゥ??」

「ぐる!」(←訳:地図!)

 

 主人公の『ぼく』は困っています。

 御本冒頭の、扉のページから既に、

 『う~~ん…』と困り果てています。

 

   おかあさんにおつかいをたのまれたんだけど、

   あ~…わかんない。

   このちず、サッパリわかんない。

 

 右へ行くべきか、それとも左か。

 しかめっ面をしているところへ。

 

「きゅうせいしゅゥ、とうじょうゥ!」

「がるるるるっ!」(←訳:ありがたやっ!)

 

 ゆうくん、どうしたの?

 と声を掛けてくれたのは、みーちゃんのママ。

 地図の見方が分からなくって、と理由を聞かされ、

 みーちゃんのママは。

 

 ちょちょいの、すらすら。

 

 地図に要点を書き足してくれました。

 これが功を奏して、

 ゆうくんは目的のお店に辿り着き、

 無事おつかいをすることが出来たのです。

 

「ほッ! よかッたでスゥ!」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:おつかい成功だね!)

 

 この体験をもとに、

 ゆうくんは考えを巡らせてゆきます――

 

   ちずがあれば、いま じぶんがどこにいるかがわかる。

   ちずは、あるとべんりだ。

 

 町の地図だけでなく、

 国の地図や世界の地図、太陽系の地図、銀河系の地図、

 人体の地図、人間関係の地図……

 

   あ、でも。

   むかし、ぼくのおじさんが

   みちにまよったときにいってた。

 

   じぶんがいまどこにいるか

   わかったら、つまんないじゃん!って。

 

「おォ~?」

「がるるるぐるるるがるる~!」(←訳:そういう考え方もあるね~!)

 

 地図とは、何か。

 地図に、何ができるのか。

 

 『ぼく』こと ゆうくんの思索は、

 地図の世界を自由にさまよっているようでいて、

 実はとてもとても哲学的です。

 誰にでも読み解ける地図。

 仲間内でしか読み解けない地図。

 自分だけの地図。

 数え切れないほどの、さまざまな地図があって、

 そして……

 

 この世には、地図を書くのが上手な人間と、

 書くのがヘタな人間もいる。

 

「くすくすッ♫」

「ぐるるっ♪」

 

 地図をたよりに。

 でも、あんまり たよりすぎないように。

 

 子どもを対象にした絵本作品、ではありますけれど、

 大人にこそ解る深み、

 あ~これ分かるわ~地図あるあるだわ~と

 大人だからこそクスクスっと笑えちゃうシーンもありますので、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 本屋さんの絵本コーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

 

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~ 相談事受け取ります、のお店。 ~

2023-05-25 22:09:18 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふわわァ! はなやかァ~なのでスゥ!」

「がるる!ぐるーるがる!」(←訳:虎です!スターが大勢!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 現在開催中のカンヌ映画祭、

 俳優さんたちのキラキラなドレスアップ映像がゴージャスですね♪

 はたしてパルムドールを獲得するのは……?と見守りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

       ―― 怪異相談処 がらくた堂奇譚 ――

 

 

 著者は沖田円(おきた・えん)さん、

 2023年4月に発行されました。

 はいっ、ひっさびさにホラー系フィクションの登場ですよ~!

 

「ほッ、ほほほッ?」

「ぐるーがるるっ」(←訳:ホラーですかっ)

 

 とはいっても、ご安心ください、

 やんわり怖いソフトなホラー、と申しましょうか、

 ゆるめのオカルト路線、というべきか、

 ガクブルに怖くて眠れなくなっちゃうホラー作品ではありませんので、

 まずはリラックスして、

 ”異界”のものがたりを楽しんでみましょう。

 

 ほぉら、見えますか。

 世にも怖ろしい……のではなくて、

 そこらへんの商店街の端っこにありそうな、

 古めかしい雑貨屋さんが。

 

「……しょうひんッいろいろォ、ありまスねェ~?」

「がるるるるぐるがる~!」(←訳:あり過ぎて目が回る~!)

 

 東京の、都心部からずいぶん離れた古い地区に、

 その“お店”はあります。

 木造の古民家1階の、

 ガラス戸の向こうには、

 ありとあらゆる古道具がぎっしり。

 

 そして、

 高価な骨董品とはまったくの別物の、

 雑多な品々の奥には、

 この『がらくた堂』の店主さんが。

 

「がらくたァ??」

「ぐるるがっるぅる?」(←訳:自分で言っちゃう?)

 

 『がらくた堂』店主の

 杠葉伊織(ゆずりは・いおり)さんと、

 店員の遊馬悠人(あすま・ゆうと)さん。

 

 ホントは『杠葉古物店』という

 立派な店名があるんですけど、

 店主さん自ら『がらくた堂』と呼ぶここへ、

 古物目当てのお客さんがやって来ることは

 滅多にありません。

 

 代わりに、ポツポツと訪れる”客”が求めるのは……

 

 怪異の相談です。

 

「ひいいィッ……!」

「がるぅ!」(←訳:出たぁ!)

 

 杠葉さんが受ける相談は、

 

   第一話『山彦の家』では、家に起こる怪異。

 

   第二話『少女の箱庭』では、夢のお話。

 

   第三話『深海の目』では、失踪。

 

 と、傾向も内容もそれぞれ、ですけれど、

 司法や行政や医学では対応しきれない出来事に、

 杠葉さんと遊馬さんはどう応えてゆくのか――

 

「うむむゥ、たぶんッじゅうようゥなのはァ~…」

「ぐるがる!」(←訳:穏便だね!)

 

 ことを荒立てず、大ごとにせず、

 静かに活路を見出して、

 ”いつもの日常”へとソフトランディングさせる。

 すべてを穏やかに修復して、

 傷を残さない。

 

 私ネーさが(個人的に)ハマったのは、

 第三話『深海の目』です。

 深海――海の底から来る怪異は、

 多くの作家さんが作品のテーマにしていますが、

 『がらくた堂』に迫る海の怪異も

 なかなかのパワフルっぷり?

 

「うむゥ! おなかにィ~ちからをォこめてェ~」

「がるぐるる!」(←訳:逃げ出そう!)

 

 逃げるか、向き合うか。

 向き合って戦うのなら……どんな方法で?

 

 怪異と対峙する短編3作品は、

 ミステリ好きさんや、

 ファンタジー好きな方々におすすめですよ。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

 

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~ パリの風は、今もなお ~

2023-05-24 22:02:02 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 みたにィさんッ、おめでとうゥございまスゥ~!」

「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!祝受賞~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 脚本家・三谷幸喜さんが第41回向田邦子賞を受賞!

 贈賞式には『鎌倉殿の13人』出演者さんたちも登壇して、

 『鎌倉殿』ファンとしては眼福でしたわ♫

 一日も早く三谷さんの次回大河を!と切望しながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  

 

 

          ―― 高田賢三と私 ――

 

 

 著者は鈴木三月(すずき・やよい)さん、

 2023年2月に発行されました。

 『Merci beaucoup à tous!』と仏語題名が、

 『《パリの息子》とすごした37年間』と日本語副題が付されています。

 

「しきさいィのォ~まじゅつしィ!」

「ぐるるがる!」(←訳:木綿の詩人!)

 

 2020年10月4日のことでした。

 デザイナーの高田賢三(たかだ・けんぞう)さんが、

 フランスの病院で亡くなった――

 

 翌日には大々的なニュースになって、

 日仏両国の人びとは、

 まさかそんな、早過ぎる、と

 嘆息を深くしたものです。

 

 この御本の本文も、

 著者・鈴木さんの悲嘆から幕が開きます。

 夜中に鳴った携帯電話がもたらした訃報は

 鈴木さんを愕然とさせましたが、

 ああ、悲しみに浸ってはいられません。

 

   37年間、賢三さんとともに働いてきた。

   パリから送られてきたプレスリリースを翻訳し、

   日本のメディアに対応しなくては。

 

「しんじたくゥないィ……!」

「がるぐるがるるぐるるる!」(←訳:でも今は務めをはたそう!)

 

 ”そのひと”は、どんな人だったのでしょう――

 高田賢三さんという人は。

 

 記憶に問いかけ、

 鈴木さんは想い起してゆきます。

 

 出会いと、

 KENZOブランドのPR担当に、と請われたこと。

 

 プライベートマネージメントを担って知った

 賢三さんの素顔。

 

 若き賢三さんが初めてパリを訪れ、

 学び、成長し、受け入れられていった日々。

 

 賢三さんが建てた家、

 ブランドを巡る波風、

 再出発や、オペラの仕事、

 そして現在。

 

「ふらんすのォほこりィ!」

「ぐるるる!」(←訳:自慢の子!)

 

 ケンゾーを育てたのは私たちだ、

 私たちの街が彼を育てたんだ、というような意味合いで、

 フランスの人びとは賢三さんを

 《パリの息子》と呼びました。

 

 その呼び方に相応しく、

 憧れの地・パリにやって来た無名の青年が

 デザイン画を売って生活費を稼ぎ、

 やがては自分の店を持つに至った過程を描く章の、

 なんという輝かしさ……!

 

 時代は1960年代です。

 欧州でアジア人が職を得ることは難しく、

 ましてやファッションデザイナーになるなど、

 有り得ないと思われていた頃でした。

 

 そこに。

 既存のメゾンとはまったく異なる要素を

 賢三さんは持ち込みます。

 

 フォークロアの美――民族衣装の美、

 西洋にはない色彩や模様のテキスタイル、

 東洋的な直線裁ちのデザイン、

 木綿の多用、

 パーティーのようなショーを開いて、

 素人のモデルさんもウェルカム!

 

「ぶらぼォ!」

「がるるぐる~!」(←訳:お見事です~!)

 

 現在では当たり前のように思える事々も、

 賢三さんが切り拓いたから、

 当たり前になっている。

 その功績、栄誉。

 

 冒頭にはKENZOのショーの様子や

 プライベートフォトが、

 巻末では鈴木さんとの“最後のやりとり”も明かされていて、

 涙を禁じ得ぬページもあります。

 それでも。

 高田賢三さんという、

 世界にふたりといない素晴らしいデザイナーさんを讃えるために、

 皆さま、どうかぜひ、一読を。

 

 

 

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~ 泳ぎ渡ってみせましょう、浮世の大波。 ~

2023-05-23 22:04:19 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わわわゥ! はちゃめちゃッでスゥ~!」

「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!そこがいいんだ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日5月23日、NHKBSで放送された

 映画『里見八犬伝』をたまたま拝見しましたら、

 時代考証完全無視の美術や衣装がステキ!

 薬師丸ひろ子さんの可愛さ!に拍手喝采してしまいました。

 ならば本日の読書タイムも、

 はちゃめちゃ路線のこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 博徒大名伊丹一家 ――

 

 

 著者は沖田正午(おきだ・しょうご)さん、

 2023年3月に発行されました。

 文庫書き下ろし作品の舞台となっているのは、

 花のお江戸の――

 

「しィ~ッ!」

「ぐるる!」(←訳:静かに!)

 

 おっと失礼しました、そうですよね、

 ここは静かにしなくちゃいけません。

 なぜなら……

 御臨終なんです。

 

「おとのさまァ!」

「がっるる~!」(←訳:しっかり~!)

 

 出羽国の北方に位置する

 松越(まつごし)藩伊丹(いたみ)家は、一万石の所領をもつ外様大名。

 その十一代藩主である

 伊丹阿波守(あわのかみ)長盛(ながもり)さんは、

 いままさに、危篤状態です。

 

 当主が危篤とは、それだけでも大難ですけれど、

 実は、危篤以上の大問題が。

 

「おとのさまッ、どうしまスかッ?」

「がるるるる!!」(←訳:お世継ぎは!!)

 

 阿波守長盛さんには、

 男3人、女2人の子どもがいます……いえ、いました。

 女2人は既に他家へ嫁ぎ、

 男3人は……長男と三男は早世し、

 家を継ぐはずであった次男は、

 先月、落馬事故で急逝……。

 

 つまり、いま現在、

 伊丹家には後継者がいないのです。

 

「それはァ、まずいィでス!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:最凶にマズいよ!)

 

 世継ぎが無い家は、取り潰される。

 

 ↑これが、江戸の武士社会の共通認識。

 実子がいなければ、養子縁組をして、

 その旨を幕府にきちんと届け出る。

 

 そういった手続きをせず、

 後継者を決定せぬまま当主が亡くなってしまったら、

 無嗣子断絶(むししだんぜつ)になって、

 お家と、家に仕えていた武士たちは空中分解。

 路頭に迷うことになります。

 

「おとのさまッてばァ、もうゥ~!」

「がるるぐっるるぅ!」(←訳:何とか言ってよぉ!)

 

 お殿さまを見守る

 ご家老さんたちの思いが天に通じたのでしょうか。

 こと切れる間際、お殿さまは、

 

  ……余には……もうひと……り子が……これを……あ……とつぎに……

 

 と告げて。

 

「わああおゥ! あとつぎィ!」

「ぐるっるるる~」(←訳:良かったねえ~)

 

 いえいえいえ、ご家老さんたちの大いなる苦労は

 ここからまた始まります。

 お殿さまの、御落胤? 隠し子?

 その名は? 年齢は? 気性は? 職業は?

 

 そう、探し回ってようやっと見つけた御落胤さんの、

 職業というのが………博徒……博徒の頭……。

 

「うむむむゥ~…」

「がるる~…」

 

 さて、どうする。

 無嗣子断絶で、家臣家族1万余名が路頭に迷うか。

 それとも。

 

 子分二百人を抱えるひとりの博徒に、

 賭けてみるか。

 

「こうなッたらァ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:のるか反るかだ!)

 

 はちゃめちゃな決断から生まれる

 規格外の新人お殿さま。

 

 お殿さまとお侍さん、

 そして博徒さんたちが織り成すエンタな冒険活劇を、

 皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ やさしく甘~い彫刻たち ~

2023-05-22 22:00:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむッ! あやしィ~くもゆきィ?」

「がるる!ぐるがる??」(←訳:虎です!雨の気配??)

 

 こんにちは、ネーさです。

 遠くでかすかにゴロゴロという音が……?

 そんな時は先ず屋内に避難してくださいね。

 しっかり安全を確認してホッと安心したら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 干菓子 250 ――

 

 

 編者は淡交社編集局の皆さん、2020年6月に発行されました。

 『茶席からおもたせまで』と副題が付されています。

 

「おォ~! ちいさいィけどォ、きらきらッ!」

「ぐるる~!」(←訳:可愛い~!)

 

 この御本では、

 茶席の干菓子として、

 あるいは、ちょっとした贈物や、おもたせとして使える

 全国の干菓子が紹介されています。

 

 干菓子……というと、

 角砂糖みたいなものでしょ?

 ただ甘いだけの?

 と思われる方々もおられましょうが、

 いえいえ、実は百菓子百様のバリエーションを有する

 ”小さな御馳走”なんですね。

 

 乾菓子(ひがし)、

 惣菓子(そうがし)ともいわれる干菓子に含まれるのは、

 煎餅や、

 有平糖(あるへいとう)、

 生砂糖(きざとう)、

 金平糖(こんぺいとう)などの砂糖菓子、

 砂糖ともち米、粉物などを混ぜて作る打物(うちもの)や押物(おしもの)、

 琥珀(こはく)、州浜(すはま)……

 いずれの干菓子も、

 食べちゃうなんてもったいない!

 と溜め息してしまう仕上がりです。

 

「かちょうゥふうげつゥ!」

「がるぐるるがる!」(←訳:彫刻みたいだよ!)

 

 『鍵善良房』さんや『亀屋清水』さん、『鶴屋吉信』さんといった

 京都の名店をはじめ、

 全国各地のお菓子屋さんで

 お店それぞれの干菓子が作られていますが、

 あら♪ 東日本にも楽し気な干菓子がありますね。

 

 《鳩サブレ》で知られる鎌倉の『豊島屋』さんの、

 小さな鳩の形をした《小鳩豆楽(こばとまめらく)》が。

 

 口に入れるとすぐ溶けてゆくことで有名な、

 仙台市の『九重本舗玉澤(ここのえほんぽたまさわ)』さんの

 《霜ばしら》。

 

 岐阜市の『奈良屋本店さん』の、

 精選された上砂糖と

 新鮮な卵白だけを使用したメレンゲ菓子《都鳥(みやこどり)》は、

 いやぁ、ぷっくり丸い鳥さんが可愛すぎて、

 これをパクっとしては申し訳ないような。

 

「きせつもォ、だいじィ!」

「ぐるるるるがるるる!」(←訳:四季折々のデザイン!)

 

 春は桜、

 夏は氷、

 秋は紅葉や菊花、

 冬は雪の結晶、と

 季節に合わせての造型の妙にも

 私たち読み手(食べ手?)はうっとりさせられます。

 

 御本の後半部分には、

 現代的な意匠の干菓子のお写真も掲載されていて、

 雪だるま? 

 インク壜?

 クレヨン?

 積み木型の干菓子も?

 

「これはァ、あたらしィ~!」

「がるる!」(←訳:斬新だ!)

 

 お菓子、でありながら、

 圧倒的なビジュアルを誇る

 小さな干菓子たちを集めた一冊は、

 お茶好きな方々はもちろん、

 デザイン好きな方々にもおすすめですよ。

 

 こんなカタチのお菓子があるんだ~!

 と驚きながら、

 ぜひ、ちいさなものの宇宙を覗いてみてくださいね♪

 

 

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