テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 決して屈せず、退かず ―

2021-01-31 23:36:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もももォ~きましたでス!」
「がるる!ぐるるるがるる~♪」(←訳:虎です!ピンクが華やか~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 スイートピーに続いて、
 桃の花がお花屋さんに並びました。
 もうすぐ立春――
 春来たる!な眺めにほっこりしながら、
 さあ、1月を締めくくる読書タイムですよ。
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  



    ―― ストーカーとの七00日戦争 ――



 著者は内澤旬子(うちざわ・じゅんこ)さん、
 2019年5月に発行されました。
 御本の題名からもお分かりのように……

 著者・内澤さんと
 ストーカーとの闘いを詳述した
 “事実の記録”です。

「なッ、なんだかァ、もうゥ~…」
「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:滅茶苦茶こわいよぅ!)

 以前に御紹介した内澤さんのエッセイ
 『着せる女』(2020年刊)は、
 ひたすら楽しく、面白く、
 メンズファッション面白さ、
 スーツの素晴らしさを
 活写した作品でした。

 が、この御本では、
 冒頭から不穏な空気が充満しています。

   《やはり警察に相談しておこうか。》

 そう、内澤さんは
 或る犯罪に巻き込まれ、
 途方もない被害をこうむっていたのです。

 大事なことなので、
 もういちど書き記しますが、
 被害、ですよ。

 内澤さんは、被害者なんです。

「それなのにィ~!」
「がるるぐるるる!」(←訳:理不尽すぎるよ!)

 事件の引き金となったものは、
 別れ話の、もつれ。

 もつれが拗れに拗れて、
 事態はどんどん悪化してゆきます。

 嵐のように送られてくるメール。
 威圧的な言動。
 ネットへの執拗な書き込みは、
 明らかに名誉棄損であり、脅迫。

 なのに、
 止めさせる方法が、ない……?

「どうしたらァ、いいんだろうゥ?」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:専門家に訊こうよ!)

 これが、いわゆる
 ストーカー犯罪というものなのか……。

 ためらいながらも、
 ついに意を決し、
 警察へと赴いた内澤さん。

 担当部局の、生活安全課の方々は、
 内澤さんの訴えに耳を傾け、
 事件として扱ってくれました。

 相手の人物を特定し、
 逮捕、拘留。

 やった!
 良かった!
 これで安心!喜びたいところですが。

「ふたたびィ、きょうはくゥ??」
「がるぐるー!」(←訳:もうヤダー!)

 身を護るには、
 自分の生命や財産、名誉を護るためには、
 どうしたらいいのか。

 法を味方につけ、
 生き延びるために、
 何をすべきか。

 ことの始まりから、
 細部までも包み隠さず公表した内澤さんの
 長い闘いの結末は、
 はたして……?

「なきねいりィ、しませんッ!」
「ぐるるぅがるる!」(←訳:屈しちゃダメだ!)

 読んでいて息苦しささえ覚えてしまう
 凄絶なノンフィクション作品は、
 同じような境遇に在る方々にとって
 ひとつの指標となるものかもしれません。

 罪悪とは何であるのか、
 あらためて考えさせられる一冊です。
 全活字マニアの皆さま、
 どうかぜひ、一読を。

 
 
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~ 厳選原画で、『ヒカル』世界へ! ~

2021-01-30 23:43:06 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむゥ! しんしゅゥ~はッけんッ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!すごい色だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 お花屋さんの店頭で、
 いまダントツに目を惹くのは、
 『ショコラ』というスイートピー!
 深紅に近いチョコレート色のお花を、
 皆さま、機会があったら鑑賞してみてくださいね。
 さあ、ではここからは、
 読書……をサボることしにて、
 本日は、久しぶりの展覧会情報を、どうぞ~♪ 

  


 
    ―― NEVER COMPLETE 小畑健 展 ――



 群馬県高崎市の高崎市美術館にて、
 会期は2021年1月17日~3月28日
 (毎月曜日と祝日の翌日は休館)、
 漫画家・小畑健(おばた・たかし)さんの
 画業30周年を記念する企画展です。

「きゃほうゥ! ひかるゥくゥ~んッ!」
「ぐる~る!」(←訳:Lさ~ん!)

 『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』や
 『バクマン。』などの
 大人気作品で広く知られる漫画家、
 小畑さん。

 この展覧会では、
 1万5千枚を超えるアーカイブの中から
 約500枚の原画や資料を厳選し、
 展示されます。
  
  

「いいなッ♪いいなッ♪」
「がっるるるるぅ!」(←訳:かっこいいなぁ!)

 マンガ作品以外の、
 書籍の表紙イラスト等でも
 小畑さんの作品はとても人気なんですよね。
 私ネーさも大ファンです♪
 
  

 展覧会場では、
 ↑公式図録、記念グッズも販売されていますが、
 《ジャンプキャラクターストア》での通販も
 行われているようです。

 『ヒカルの碁』の原画を見たい!
 でも展覧会場へのお出掛けは
 無理だなぁ~…という御方は、
 通販サイトを覗いてみてくださいな。

 また、この展覧会は
 全国を巡回する予定になっています。
 慌てず、焦らず、
 お家の近くで開催される機会を
 待つのもいいかもしれませんね。
 




    では、ここでオマケ画像も!
   
    『チロルチョコ』さんと
    『Mr.CHEESECAKE』さんがコラボした
    《ミスチチロル》は、
    売り切れ続出の限定品ですよ。
    「わほッ!きちょうひんッ!」
    「ぐっるるがるる!」(←訳:さっそくお味見!)
    「これはァ……ちィ~~~ずゥ!」
    チーズケーキ好きな御方は
    見かけたら即買いを!

    またしても寒波?な週末になりそうです。
    あたたか~く重ね着して、
    どうか穏やかな休日を。


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~ 海を超えれば、その島が ~

2021-01-29 23:31:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しんうるとらまんッ、きたァのでスよゥ!」
「がるる!ぐるるーるがる!」(←訳:虎です!タイマーがない!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日1月29日、
 映画『シン・ウルトラマン』特報映像が解禁されました。
 ウルトラマンの胸にカラータイマーがないわ!
 ウルトラ警備隊もいないの?
 怪獣は2種類だけ??
 と疑問は噴出しておりますが、
 映画公開の日を待ちながら、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 美麗島プリズム紀行 ――
 


 著者は乃南アサさん、2020年11月に発行されました。
 2015年に刊行された『美麗島紀行』に続いての、
 《美麗島》旅エッセイ第2作目です。

「びれいィとうゥ???」
「ぐるっるがるるるる?」(←訳:それってどこですか?)

 《美麗島とは
  ポルトガル語の『イラ・フォルモサ(ILA FORMOSA)』を
  訳したものであり、
  台湾そのものを意味している。》

 と、著者・乃南さんは
 本文128ページに記しています。

 つまり『美麗島』は、
 台湾の別名であるとも言えますね。

「たいわんッ!
 うみのォ、むこうゥのォ~」
「がるるる!」(←訳:お隣さん!)

 日本の隣国、台湾。

 日本からは飛行機で数時間、
 以前は沖縄の那覇新港からの航路もあったほど
 (現在は運休中)、
 地理的に近い国ですね。

 観光旅行先として、
 近年はビジネスの相手としても
 人気が高い台湾へ、
 著者・乃南さんもまた
 幾度となく訪ねてゆきます。

「みどりィ、ゆたかなァ~」
「ぐるるる!」(←訳:麗しの島!)

 ええ、台湾は
 美しい島国ではありますが、
 もうひとつの側面もあります。

 かつて、
 日本が統治していた国である、
 ということ。

 台湾を旅すれば、
 日本が統治していた時代の名残りが
 そこここに、今も在る。

 残っているというより、
 建物は立派に現役で、
 店舗や住宅として使用されています。

 そして、
 日本語を憶えている台湾人のお年寄りもいて、
 中には、乃南さんに
 日本語で話しかけてくる人もいる。

「わおゥ!」
「がるるぐるる?」(←訳:そんなことが?)

 戦争が終わり、
 日本の統治時代も終わって、
 糸は切れてしまった……はずでしたが。

 台湾の街を、郊外を歩く度、
 乃南さんは見つけます。
 台湾と日本を結ぶ糸が、
 いまも張り巡らされていることを。

「まだまだァ、これからもォ~」
「ぐるるっるるるがるるぅ~…」(←訳:つながってるといいなぁ~…)

 旅行記を超え、
 甘い記憶も、
 苦い記憶も鮮明な、
 アジアの歴史の旅へ。

 台湾好きな方々に、
 近代史好きな活字マニアさんにも
 おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
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~ 少年時代の、光の夏 ~

2021-01-28 23:40:04 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きおんはァ、ひくいィけどォ~」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!読書欲は熱く!)

 こんにちは、ネーさです。
 手足が凍えるような気候の中でも、
 読み始めればココロはホカホカ♪
 ええ、本日の読書タイムで御紹介する
 ホカホカな1冊は、
 み~んなが知ってる”あのひと“のお話ですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
     ―― 思い出のスケッチブック ――



 著者はE・H・シェパードさん、
 原著は1957年に、
 画像の日本語版は2020年11月に発行されました。
 英語原題は『Drawn from Memory』、
 『《クマのプーさん》挿絵画家が描くヴィクトリア朝ロンドン』
 と日本語副題が付されています。

「ぷゥ~さんッ!」
「ぐーるーるがるるっる!」(←訳:イーヨーにピグレット!)

 アーネスト・ハワード・シェパードさん(1879~1976)。

 シェパードさんの名前を知らない方々も、
 そうです、
 《プーさん》の挿絵を描いた画家さんなんです、
 と説明すれば、
 ああ、あの!
 と頷いてくださるでしょう。

「ろんどんッうまれのォ~」
「がるるるぐる!」(←訳:ロンドン育ち!)

 シェパードさん――
 アーネスト少年は、
 セント・ジョンズ・ウッドの
 スプリングフィールド55番の家で
 生まれました。

 4歳ぐらいのとき、
 ケント・テラス10番の家へと、
 シェパード一家は引っ越します。

 母さん、父さん、
 姉さんのエセル、兄さんのシリルとともに
 ケント・テラスの家で過ごした数年間を
 シェパードさんはこう述べています。

  《最高に幸せな子ども時代》

「うんうんッ!」
「ぐるるぅ~!」(←訳:いいなぁ~!)

 この御本でシェパードさんが語るのは、
 7歳から8歳の頃の、
 子ども時代の話、です。

 1880年代の、英国。
 シャーロック・ホームズさんの探偵譚や、
 ディケンズさんの長編小説の舞台になり、
 乗合馬車が走り、
 ガス燈が灯る
 ヴィクトリア朝の大都市ロンドンで、
 チビッ子たちは
 どんな生活をおくっていたのかというと……

「そこはァ、やぱりィ~」
「がるぐる?」(←訳:万国共通?)

 街路で出会う様々な職種の働き手たち。
 学校に行けば、
 菓子パンをめぐって大騒ぎ。
 
 お母さんの買い物の手伝いは
 退屈だったけれども、
 買い物の終わりには
 リージェントストリートの喫茶店で、
 美味しいケーキを食べられたのは嬉しかったし、
 運が良ければ
 アイスクリームもパクリ!

「あいすくりィ~むゥ??」
「ぐるがっるるるる!」(←訳:もう売ってたんだ!)

 猩紅熱にかかっちゃったり、
 夏休みには田舎へ行ったり。
 
 動物園でゾウにも乗ったし、
 女王さまの在位50周年を記念する式典や、
 クリスマスや、
 劇場や……

「ふううゥ! はなやかァろんどんッ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:にぎやかロンドン!)

 本文には、
 シェパードさんによる
 挿絵多数が収録されています。

 特に、田舎の風物を描写したペン画は
 《プーさん》シリーズと並ぶ
 シェパードさんの代表作、
 ケネス・グレアムさん著『たのしい川べ』を
 想い起させる素晴らしい作品ですので、
 シェパードさんのファンの方々は
 見逃さないでくださいな。

「じどうぶんがくゥ~すきなァおかたもォ~」
「ぐるるるるる!」(←訳:読んでみてね!)

 この上なく尊い光を放つ、
 《最高に幸せな子ども時代》。

 巻末の『訳者あとがき』も併せて、
 ぜひ、一読を♪

 
 
 
 
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~ 最終回まで……ハラハラ! ~

2021-01-27 23:38:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱくりッ! ぱくぱくゥ!」
「がるる!ぐるるるるがるっ!」(←訳:虎です!栄養強化でパクっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ビタミンEが豊富なナッツ類は身体にいい、
 と聞いたので、
 ミックスナッツをパクパク……
 美味しいおやつを満喫した後は
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 麒麟がくる 完結編 ――



 NHK出版から2020年12月に発行されたこの御本は、
 大河ドラマ『麒麟がくる』の完結編ガイド……なのですが、
 あらかじめ申し上げておきますと、
 最終話の内容までは
 紹介されていなくて。

「すんぜんッ、でスねッ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:完結の寸前編です!)

 この御本で
 《あらすじ》が掲載されているのは、
 第41回の分まで。

 ああ、ガッカリ……なんですけれども、
 まあ、そうですよねえ、
 用意周到なNHKさんが
 大河ドラマのラストを
 簡単にバラしちゃうハズはありません。

 なので、

   本能寺の変の“真相”をどう描くか?

 についての好奇心は
 とりあえず封印し、
 出演者さんたちの対談やインタビュー、
 お写真、登場人物相関図などを
 楽しみましょう♪

「かッこいいィ~のはァ~…」
「がるるぐる!」(←訳:玉三郎さん!)

 御本の冒頭に収録されているのは、
 明智光秀役の長谷川博己さんと、
 正親町天皇役の坂東玉三郎さんの対談です。

 意外なことに、
 長谷川博己さんのお父さんの、
 建築史家の長谷川堯(たかし)さんは
 以前から玉三郎さんと
 交友があったのだとか。

 残念ながら
 長谷川堯さんは昨年亡くなられたそうですが、
 大河で共演!なんて、
 玉三郎さんと長谷川家には
 御縁があったんですね。

「ほかのォいんたびゅゥもォ~」
「ぐるがる!」(←訳:興味津々!)

 脇役とするには重要すぎる、
 明智左馬之助役の間宮祥太朗さん、
 明智家の家臣・藤田伝吾役の徳重聡さん、
 佐久間信盛役の金子ノブアキさん、
 細川藤孝役の眞島秀和さん……

 実在した歴史上の人物を、
 現代に生きる自分の上に
 ”降ろす”ための工夫、
 思考の過程が窺えるインタビューは
 歴史ドラマ好きな方々におすすめです。

 そして、
 ドラマ中で使われている衣装がまた、
 オシャレというか、
 粋というか、
 目の保養になりますよ。

「どんどんッ、りッちにィ、なりましたでス!」
「がるぐる!」(←訳:鎧も豪華に!)

 ドラマが始まった頃の、
 極貧ではないけれど富豪ではない時代の光秀と、
 城持ちの領主になった時代の光秀では、
 衣装の色調、文様、素材、
 すべてが違う点も
 見どころのひとつでしょうか。

 いまや城主にまで成り上がった光秀と、
 主君・信長公の、
 確執の行方は、
 はたして……?

「きたいィでェ、どきどきィ!」
「ぐるるるるるるる?」(←訳:どうなるんだろう?)

 麒麟は、来るのか。

 私ネーさは、
 信長公ってドラマで描かれているよりも
 想像以上に優秀かつ公正な人物であっただろうと
 考えているのですが、
 とにもかくにも、
 最終回まで、あとわずか!
 皆さま、ともにハラハラしましょう~♪
 
 


 
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~ 南の国の、夢幻の旅 ~

2021-01-26 23:21:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わァおッ! よいィ~かおりィ~♪♫」
「がるる!ぐるるるるがる!」(←訳:虎です!ロウバイの花だ!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日の午後、
 黄色いロウバイの花が咲いているのを 
 見つけましたよ。
 もうすぐ立春なのねぇと実感しながら、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
      ―― ただの眠りを ――



 著者はローレンス・オズボーンさん、
 原著は2018年に、日本語版は2020年1月に発行されました。
 英語原題は『ONLY TO SLEEP』、
 アメリカ探偵作家クラブ賞の
 最優秀長篇賞にノミネートされた本格ミステリ……
 いえ、超力作《パスティーシュ》ミステリ、
 と、ご紹介すべきでしょうか。

「ぱすてィ~しゅッ??」
「ぐるっるがる?!?」(←訳:贋作ってこと?!?)

 そうね、
 題名に入っている『眠り』という単語から
 事情を察知した方もおられるでしょう。

 レイモンド・チャンドラーさん(1888~1959)

 『大いなる眠り』(原題『The Big Sleep』、1939)
 『高い窓』(原題『The High Window』、1942)
 『長いお別れ』(原題『The Long Goodbye』、1953)

 などのチャンドラーさんの作品は、
 ミステリ史上の、
 というよりも
 20世紀文学史上の傑作とされています。

「ほわわッ! 
 ちょしゃさんッ、ゆうきィ、ありまスねェ~!」
「がるるるぐるる!」(←訳:怖いもの知らず!)

 巨匠チャンドラーさんが創出した、
 世界中で愛されている名探偵、
 フィリップ・マーロウさん。

 著者・オズボーンさんは大胆にも、
 “探偵の老後“
 を描きます。

 私立探偵業から引退して、
 はや10年。

 ロスアンジェルスの街を離れた、
 72歳のマーロウさんの日々を。

「……うむむゥ~んッ!」
「……ぐるる~!」

 ええ、マーロウさんのファンとしては、
 本気か~!と
 頭を抱えてしまう私たち読み手を置き去りに、
 語り手の《私》、
 すなわちマーロウさんは、
 あっさりしたもので。

 《ここは老人には悪くないところだ》

 なんて言うほど、
 現状に満足しているようです。

 メキシコの
 バハカリフォルニア州、
 海を間近に望む岩場に建つ
 スペイン風の家。

 ことさら金に困っているわけでもなく、
 の~んびり毎日を過ごして、
 これぞ理想の老後……。

「のォ~んびりィ?」
「がるるぐるぅ?」(←訳:ホントかなぁ?)

 本当です、
 いや、本当でした。

 或る日、
 ふたりの客人が来るまでは。

 ふたりのお客さんは、
 保険会社の社員として、
 “金では買えない最高の探偵“に
 仕事を依頼するため、
 やって来たのです。

   先月、ここメキシコで、
   米国人の不動産業者が
   亡くなった件について
   調べていただきたい――

 しばし考えた末に、
 マーロウさんは
 依頼を引き受けることにしました。

「いちじぃてきィにィ~」
「ぐるがる?」(←訳:引退撤回?)

 とはいっても、
 大丈夫なんでしょうか。

 マーロウさん自身も認める通り、
 歩くには杖が要るし、
 手は震えるし……?

「でもォ、ずのうゥはァ~」
「がるるるるぐるる!」(←訳:錆びついてないぞ!)

 老マーロウ探偵の、
 新たな冒険と、
 メキシコの旅。

 偽モノだと分かってはいても、
 つい気になってしまう不思議な物語を、
 ぜひ、覗いてみてくださいね~♪
 
 
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~ ふっくらと、あたたかく ~

2021-01-25 23:35:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ついかァ~じょうほうゥ~でスよゥ!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!面白いよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 『PUI PUI モルカー』だけでなく、
 『天国と地獄~サイコな2人~』も
 今期のイチ推しドラマに追加しましょう♪
 綾瀬はるかさん×高橋一生さんの激闘、
 先が読めなくてワクワクしますね。
 次回の放送を待ちながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの雑誌を、どうぞ~!

  


 
     ―― BRUTUS 2021 2/1 号 ――



 現在発売中のブルータス2021年2月1日号(№931)は、
 『なにしろカスタード好きなもので。』特集!
 プリン、シュークリーム、クリームパンの最前線を、
 お腹と足で徹底的に追いかけました♪

「ほわわわァ~♫」
「ぐるるる~♪」

 卵、砂糖、牛乳。

 ↑この3つで作られる、
 美味しいものといえば、
 先ずは、プリン、ってことで。

「おいしィ~でスよねッ!」
「がるるる!」(←訳:大好きさ!)

 ここ数年、
 多様化とともにプリンの人気は
 一段と高まっているようですね。

 プリンに特化したガイド本が発売され、
 デパ地下や高級スーパーでは
 やわらかプリン、
 オーブンで焼いた固いプリン、
 昔風の蒸しプリンが販売され、
 喫茶店やファミレスのメニューブックには
 プリン・ア・ラ・モードが
 存在を主張しています。

「あはァ! のッてるゥ~のッてるゥ~!」
「ぐるがるるる!」(←訳:この華やかさ!)

 ブルータス編集部にも
 プリン・ア・ラ・モード好きな編集者さんが
 いらっしゃるのでしょうか。

 本文30~35ページでは、
 スタンダード系のプリン・ア・ラ・モードから
 アグレッシブなイマ風プリン・ア・ラ・モードまで、
 8作品が紹介&解析されています。

 ええ、もう、
 どれも“作品“と呼びたくなっちゃうくらい
 美しいルックスなんですよ。

 その点、
 クリームパンは……
 シュークリームと比べても、
 なんとな~く影が薄いような。

「それはァ、ごかいィでス!」
「がるるるぐるがる!」(←訳:おやつの主役だよ!)

 あんパンの場合は、
 粒あんがいい!
 いや、こしあんだ!
 桜あんも良いわよ!
 なぁんて調子で議論に花が咲くのですけれど、
 さて、クリームパンは?

 パン好きさんは、
 46~49ページに掲載されている
 クリームパン食べ比べ企画に
 注目してくださいね。

 ちなみに私ネーさ、
 ここで大きく取り上げられている
 『新宿中村屋』さんの《元祖クリームパン》、
 大好きでございます♫
 
「しんじゅくにィ、ゆかれるゥおかたはァ~」
「ぐるるがるる!」(←訳:食べてみてね!)

 御本の中央部の、
 カスタードおやつカタログには、
 東京だけではなく、
 全国から選抜された絶品カスタードおやつが
 勢揃いしています。

 大阪『なかたに亭』さんの《クレーム・オ・ショコラ》、
 名古屋『ポニュ』さんの《シュークリーム》、
 京都『ベーカリー ウキ』さんの《クリームのパン》……

 どれもすべて、
 チビッ子諸氏にも
 大人な方々にも、
 今も昔も愛される
 カスタードクリームのおやつたち。
 
 思い入れもクリームも
 たっぷりな一冊を、
 皆さま、ぜひ♪
  
 
 
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~ めぐりめぐる 旅の翼 ~

2021-01-24 23:28:23 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむッ! れべるゥたかいィのでスゥ!」
「がるる!ぐるるるるがる!」(←訳:虎です!いつになく充実!)

 こんにちは、ネーさです。
 各TV局の今期ドラマがほぼ始まりましたね♪
 私ネーさのおすすめは、
 『にじいろカルテ』『俺の家の話』『バイプレイヤーズ』、
 そして『PUI PUI モルカー』!
 本日の読書タイムは、
 緊急事態宣言下でも頑張ってくれる制作者さんに感謝しつつ、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
    ―― 行った気になる世界遺産 ――



 著者は鈴木亮平(すずき・りょうへい)さん、
 2020年9月に発行されました。
 俳優である著者・鈴木さんは
 世界遺産検定1級試験にも合格した
 “世界遺産マニア“として知られています。

 その鈴木さんが、
 雑誌『プラスアクト』に連載した挿絵&文章をもとに
 書き上げたのは……

 《この旅行記は、フィクションです。》

 と、冒頭に断り書きを入れた
 架空の旅の記録。

「ぷふふふッ♪」
「ぐるるっ♫」

 “講釈師、見てきたような嘘をつき”
 ならぬ、
 ”行ってきたかのような”
 フィクショナル旅行記。

 けれど、この旅行記が
 単なる嘘八百とは思えない理由は、
 世界遺産マニア・鈴木さんの確固たる知識の裏打ちと、
 愉快な”語り口“にあります。

 本文のいちばん初めに収められているのは、
 『01 ギアナ高地《カナイマ国立公園》』。

「ぎあなァこうちィ!」
「がるるぐーるるる!」(←訳:ロストワールドだ!)

 “旅人”が向かうのは、
 コナン・ドイルさん著『失われた世界』に登場した
 ベネズエラの秘境です。

 テプイ、もしくは
 テーブルマウンテンと呼ばれる巨大な台地へ、
 “旅人”を乗せたセスナ機が
 ぐんぐん近付いてゆく……。

 断崖に走る1本の白い線は、
 ああ、あの有名な
 エンジェルフォール……!

「りんじょうかんッ!」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:本当のことみたい!)

 短い文章の中から立ち上がる、
 異郷の風物。

 そして、ギアナ高地に吹いていた風は、
 イタリアはヴェローナへ、
 エジプトのアブ・シンベル神殿へ、
 ドイツはドレスデンのエルベ渓谷へ、
 シリアのパルミラ遺跡へ……
 と、次から次へ巡ってゆきます。

 これは、短編映画……
 いえ、ドキュメンタリー番組……
 いいえ、そうよ、
 ラジオドラマにしてほしいわ!

「かぜのォおとォ、とかァ~」
「がるるぐる~」(←訳:鳥の声とか~)
「ききながらァ~」
「ぐるるる!」(←訳:旅しよう!)

 リアルだけれどリアル過ぎない
 《行った気になる》旅語りには、
 鈴木さん御自身による
 描き下ろしイラストも多数掲載されています。

 旅好きな活字マニアさん、
 世界遺産好きな方々も、
 ニヤリ♪となってしまう空想旅ガイド本、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♫
 
 
 
 
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~ 冬のはての、春 ~

2021-01-23 23:49:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱふゥ! かゆかゆゥ~でス!」
「がるる!ぐる~!」(←訳:虎です!痒い~!)

 こんにちは、ネーさです。
 痒い……眼が、ここ数日、眼が痒い……
 悲しいことに花粉の季節がやって来たようです。
 なので、花粉症の御方は用心してくださいね。
 近いうちに私も耳鼻科に行かねば、
 と予定表に書き込みつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 京都岡崎、月白さんとこ ――



 著者は相川真(あいかわ・しん)さん、
 2020年9月に発行されました。
 『人嫌いの絵師とふたりぼっちの姉妹』
 と副題が付されています。

「これッてェ、もしやッ?」
「ぐるるるがるる??」(←訳:神さまや妖怪が??)

 ライトノベル風の表紙イラストに、
 舞台は風情ある古都……と来れば、

 おそろしいモノノケたちや、
 強力な神さまが主役格で登場!

 といった物語が近年は大人気で、
 私ネーさもその手のお話は
 大好きなんですけれども。

 この御本では
 モノノケたちも神さまも、
 出番はなくて、
 主役は人間、なんです。

 しかし。

 人間ってヤツは、
 時にモノノケよりも
 よっぽど怖ろしいもので。

「でスねッ!」
「がるぐるる!」(←訳:油断すまじ!)

 七尾茜(ななお・あかね)さんと
 妹のすみれさんは、
 この春、お父さんを亡くしました。

 お母さんは既に他界していましたから、
 茜さんとすみささん姉妹の身の上は、
 いうなれば、孤児(みなしご)……。

「しんせきィはァ?」
「ぐるるがるるる?」(←訳:親族はいないの?)

 親族は、います。
 遠方の町ではなく、
 ここ京都に、父の弟――
 茜さんにとっては
 叔父にあたる人が住んでいて、
 父母を失った姉妹を
 引き取ってくれたものの。

 交流がまったく無かった間柄では、
 上手くやってゆくのは難しい……。

「それはァ、きついィでスゥ!」
「がるるぐるるがる……」(←訳:毎日がつらいよね……)

 そうこうするうち、
 茜さんとすみれさんは
 また別の家へ引き取られることに
 なりました。

 新しい住居は、
 京都の岡崎にある
 《月白(つきしろ)邸》という
 お屋敷。

 そこでも
 冷たい扱いをされるのだろうと予感して、
 茜さんは気を引き締めます。

 妹は、まだ小学校1年生なんだから。
 姉のわたしが守ってみせるんだから。

「ふァ~…」
「ぐる~…」

 寄る辺ない、ということ。
 守ってくれる者がいない、ということ。

 ライトノベル風の装丁を裏切るような、
 茜さんとすみれさんの物語は、
 観光都市・京都の物語ではなく、
 ひとが暮らす町・京都の物語です。
 
 『小公女』『小公子』といった名作を
 ほんのり想い起こさせる
 春の光のような一冊を、
 皆さま、ぜひ♪
 
 
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~ 宇宙を凝視める 30年 ~

2021-01-22 22:42:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ううゥ! みたかッたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!夜空の光跡~!)

 こんにちは、ネーさです。
 つい先日――1月20日の夜、
 関東圏では
 流れ星の中でもひときわ明るい《火球》が観測され、
 大きな話題となりました。
 残念ながら私たちは見られなかったんですけれど、
 きっといつか!の思いを込めて、
 本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
 ―― ハッブル宇宙望遠鏡 探求と発見のまなざし ――



 監修は渡部潤一(わたべ・じゅんいち)さん、
 執筆は岡本典明(おかもと・のりあき)さん、
 2020年11月に発行されました。
 『EYES OF HUBBLE』と英語題名が付されています。

 1990年、スペースシャトル『ディスカバリー』は、
 或る物体を宇宙空間に設置しました。

 それが《ハッブル宇宙望遠鏡》。

 NASAと
 ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の
 共同プロジェクトによって運用される
 宇宙望遠鏡です。

「ちきゅうのォ、まわりィをォ~」
「ぐるる!」(←訳:30年!)

 全長13.2m、
 直径4.2mの円筒形の中に収められているのは、
 口径2.4mの天体望遠鏡です。

 『ディスカバリー』号から、
 およそ100分で地球を周回する
 地上約550㎞の高度へと放出された
 ハッブル宇宙望遠鏡は、
 当初、ピントが合わない!という
 設計ミスによるトラブルがありました。
 
 けれど、修理に成功した後は
 素晴らしい観測写真の撮影に成功!

「ふわわわふゥ! すごッ!」
「がるるぐる!」(←訳:鮮明で細密!)

 太陽系の天体から、
 何万光年も彼方の銀河をも、
 ハッブルの眼は捉えます。

 感嘆すべき数々の写真の中でも、
 最も有名なもののひとつが、
 御本の表紙になっている
 M16(わし星雲)の図像でしょうか。

 へび座の尾のあたりにあって、
 地球からの距離は7000光年、
 わし星雲の中心部に位置する
 ガスと塵の塊は
 《創造の柱》
 と呼ばれています。

「なんともォ、ふしぎィ!」
「ぐるがる!」(←訳:偉容だね!)

 ちょっと不気味な《創造の柱》の他に、
 土星のオーロラ、
 天王星のリング、
 かじき座の超新星1987Aの残骸、
 おとめ座のM104(ソンブレロ銀河)
 へびつかい座やくじら座の
 衝突する銀河たち……などなど、
 “人間技ではない”写真が
 この御本には収録されています。

 巻末には、
 その名の由来となった
 20世紀観測天文学の偉人
 エドウィン・ハッブルさん(1889~1953)の略伝、
 宇宙望遠鏡開発の歩み、
 後継機とされる
 ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡についての
 文章も掲載されていて……

 運用を終えた後のハッブル宇宙望遠鏡は
 いったいどうなるのか、
 不安な気持ちになりますが……?

「だいじにィ、してあげてェ~!」
「がるるるぅぐるがるる!」(←訳:見捨てちゃ駄目だよう!)

 一機の宇宙望遠鏡の、
 30年の歴史。

 そして、
 御本ラストのページには、
 宇宙ステーションから撮影したものでしょうか、
 ハッブル宇宙望遠鏡が
 青い地球の上に浮かんでいる姿の写真が
 使用されていて、
 これを見ていると……

「ありがとうゥ!」
「ぐっるぅる~!」(←訳:グッジョブ~!)

 と、御礼を言いたくなっちゃいますよ。

 天文好きな方々、
 写真好きな方々はもちろん、
 SF好きな方々にも激おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♫

 
 
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