「こんにちわッ、テディちゃでス!
たたたッ、たかはしィさァ~んッ!」
「がるる!ぐっるるがるる~!」(←訳:虎です!やっぱり大笑い~!)
こんにちは、ネーさです。
1月26日放送の『ホットスポット』第3話、
またまたしてもハラハラしたり笑い転げたり♫でしたね。
毎週ハードワークする宇宙人・高橋さんに大拍手を送りながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 時帰りの神様 ――
著者は成田名璃子(なりた・なりこ)さん、
2024年11月に発行されました。
初詣……というには、1月ももう下旬ですけれど、
いかがでしょうか、由緒ある神社にお出掛けするのは?
「わッほゥ! かまくらァ、でスねッ!」
「ぐるるるがるるぐる~!」(←訳:八幡宮は賑やかだよ~!)
参拝客さんと観光客さん、地元の方々、と
人でごった返す鎌倉駅周辺。
そこから、ちょっとバスに乗って、
ちょっと歩いて……いえ、けっこうな距離を歩くと、
竹林の奥に見えてくるのは、
《一条(いちじょう)神社》さん。
はっきり言って、御社はボロボロで、
今にも崩れてしまいそうですし、
八幡さまと違って、境内には人影もありません。
「でもォ~…!」
「がるるるぐるるるる!」(←訳:ヒミツがあるのです!)
《一条神社》さんの神様は、
聖神(ひじりのかみ)さま。
聖(ひじり)とは、日知り(ひしり)。
つまり、暦の神さまであり、
時を司る神様なんですね。
「あッ、きたきたッ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:今日のお客さんだ!)
流行っている、とはお世辞にも言えない《一条神社》さんへ、
やや俯き加減に、疲れた顔色でやってくる
参詣客さんがいます。
そんな参詣客さんをつかまえて、
巫女(みこ)の汀子(ていこ)さんが問うのは。
《何か、後悔してることがあるんじゃないですか》
《もしも過去の、
ある時点に戻れるとしたら、戻りたいですか》
そう、過去へ。
時を司る聖神さまにお願いして、
過去へ戻る。
「おのぞみィならァ~」
「がるるるぅるぐるがる!」(←訳:叶えましょうその願い!)
第一話『この胸キュンは誰のもの』で
《あの日に戻る》ことを選択するのは、
板谷沙織(いたや・さおり)さん。
高校時代の或る日に戻り、やり直したい――と望む沙織さん、
みごと狙い通り、高校生の自分に戻ったんですけれど……
後悔のもととなった出来事を
改変することは、出来る、んでしょうか……。
「どうかなァ~…?」
「ぐるがるぐるるるる?」(←訳:危険かもしれないよ?)
第1話のライトノベル風なノリが、
じわりじわりとシリアスな要素を高めて、
やがて一気に急転急変するのは、
第5話『だいすき』。
《一条神社》を訪れた若い夫婦の願いは……
あの日に戻りたい。
戻って、娘が交通事故に遭うのを防ぎたい。
「うううッ?」
「がる~??」
夫婦の願いに、
はたして時神さまは、
どんな形で、どんな答えを返すのか。
連作5編から成る
時神さまの物語は、
SF好き&ファンタジー好きな方々に、
いえ、全活字マニアさんに
激推ししたい快作です。
くれぐれも、
通勤通学の電車を避けて、
ひっそり、ゆっくり、お読みくださいね~♪